【追記】会社の転勤で震災1年後の仙台に単身赴任し、6年を過ごした。その間、花を植える作業のボランティアで何度も訪れたのがこの作品の舞台になっている宮城県名取市の閖上浜。当時はむき出しになった家屋のコンクリートの基礎やガレキがまだいたるところに残っており、そこに町があったことを物語っていた。今となっては懐かしいが、災害の無常さを実感せずにはいられなかった。
⇒悪趣味だろうか。高田純次がビニールひもで縛った本の束を持っている写真は、古本屋から仕入れた直後か、それとも処分しようとしているのか、解説がないので分からない。こういうのは読者サービスに欠け、配慮が足らないのでは。本の雑誌社『絶景本棚』とどうしても比較してしまうが、全景のアングルがあったほうが、私のような下衆な覗き見趣味をより満足させてくれたと思う。
⇒ヒマラヤに挑むくらいの大きな目標をもったクライマーなら、多くの場合は実力に合わせてルートの難易度を上げる山行をしていくと思うが、時系列でみると、冬山縦走では白馬岳~槍ヶ岳~奥穂高岳の単独縦走の後、真山と組んだ中崎尾根~槍ヶ岳なっており、難易度はぐっと下がってしまう。また岩登りでは谷川岳衝立岩単独登攀(夏季)の後は、同じく真山と登る八ヶ岳横岳西壁中山尾根(冬季)になっており、これも同様。中山尾根は冬季岩稜登攀の初級ルートである。⇒
⇒比較すると樋口が大学時代に行った冬季の西穂高岳~奥穂高岳の単独縦走の方が一般ルートとはいえはるかに厳しい。二人でザイルを組んだ山行の方が難易度が下がってしまうのはいかがなものか…。できることなら二人で登るルートはもっと難易度が高いモチーフにして欲しかったというのが本音である。どうしても山のことになるとムキになってしまうが、他意はないのでご勘弁を。いずれにしても、山の世界を存分に楽しませてくれた著者に感謝したい。
⇒また、沢登りの描写では底に水抜き穴がある沢登り専用ザックのことまで触れる念の入れようだ。それもそのはず巻末の参考文献には登山技術ガイドがずらりと並んでいる(私が執筆している編著もあった)。御在所岳奥又ルンぜのアイスクライミングシーンが出てきたときには、心の中で思わず拍手。その昔、何度か登ったことがあるルートなのだ。登場人物の登山家たちが冬の白馬岳や三ッ峠、七ツ釜といった入門的なルートから舞台がいきなりヒマラヤのカンチェンジュンガというのはものすごい飛躍なので苦笑しかないが、⇒
⇒できればそこにチャレンジする過程として国内の剣や穂高あたりの冬壁の登攀くらい挟んでくれたら嬉しかった。ともあれ、山岳小説の書き手としては合格点。次作『失踪者』も読みたくなった。
あたぴーさん、おっしゃるとおりです。特別支援学級で様々な障害を持った児童を受け入れている現状では、特定の障害に特化した個別指導は難しいですね。私が社会福祉を学んでいた40年前には、非行と知的障害や認知機能障害との関連性を示唆されていなかったと思います。この本に書かれていることをあまり鵜呑みにしてしまうと、偏った差別意識が生まれる危険性も感じます。
⇒全世界の国や人々の心を動かしていくペンの持つ力のプロセスに感動したが、反面、抑止力の名のもとに軍備拡大を助長する危険性を孕んでしまったことに驚いた。広島への原爆投下は戦争を終わらせるための手段だったのか、製造過程の実験として使われたのか謎のままであるが、破滅へ突き進む一億玉砕の名のもと原爆投下を許した日本と、手を下したアメリカの罪はどちらも限りなく重いと言わざるを得ない。本書は核問題の根源を考えさせてくれた作品であった。
⇒木村の柔道人生で横道に逸れた時期にめぐり合わせた力道山との試合などどうでもよく思えてくる。生きていくために柔道一本で勝負できなかった木村の誤算(?)や悔しさ(?)が、戦後復興と高度経済成長に翻弄された時代のいやらしさに重なってくるからだ。対談では木村フリークの吉田豪が語る木村武勇伝が面白く、その豪快さも常人の域を突き抜けていたことに、もはや拍手しかなかった。
天海祐希主演の同名映画を観てきました。ストーリーは脱線し、ドタバタ劇で終わりました。原作が面白かっただけにちょっと残念。 救いは天海祐希と松重豊のやりとり。良い夫婦を演じていましたね。
早期リタイアし、念願の晴読曇読雨読パラダイスに突入。
旅に生き、好きな本を、好きなときに、好きなだけ読む暮らしをさせてもらっています。
飛ばし読み、流し読み、斜め読みは性に合わないので、本は一字一句最後まで読み切るタイプです。
なので、駄本に気づいて後悔することしきり。
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今いらっしゃる先生だけでは絶対に無理です。専従のスタッフを新規創設してほしいですよね。
あたぴーさん、おっしゃるとおりです。特別支援学級で様々な障害を持った児童を受け入れている現状では、特定の障害に特化した個別指導は難しいですね。私が社会福祉を学んでいた40年前には、非行と知的障害や認知機能障害との関連性を示唆されていなかったと思います。この本に書かれていることをあまり鵜呑みにしてしまうと、偏った差別意識が生まれる危険性も感じます。