「…ところが、その信念なるものは、ときに恐ろしくあやふやな、子供だましのような根拠しか持っていないので、端で見ているとどうしてあんな連中について行くのかとあきれることさえあるくらいだ。だが大事なのは彼らが先頭を切って、何一つ恐れずに突き進むことである。彼らはあたかも牡牛のごとくに角を低く構えて、しばしば戦術も持たず、警戒も知らぬままに突き進む。目的のためには手段を選ばずというイエズス会的実利主義とも無縁である」p.568
「宿無しは一週間飲まず食わずのこともある。寒いところで眠り、自由な人間、宿無しでない人間に見つかれば、見境なく獣のように狩り立てられるということを自覚している。それがわかっていながら、暖かくてパンももらえる監獄から逃げ出すのだ。それに諸君だって、もし囚人が恵まれていると本気で思うなら、なぜ必ず囚人に護送兵を付けるのか。…足かせは、錠前は、かんぬきは、こんなにも頑丈にできているのか? パンがいったい何になる! パンは生きるために食べるものだが、その生きるということができないのだ!」p.662
プリンスについての言及はないのね 「重要なのはもはや「テクニカルな機械VS感情をもつリアルな存在」ではなく、それ自体が表意の反復にして音を出すマシンとしての「本来の感情」だ(ゆえに、これまたソウルの破壊者だったマイルス・デイヴィスがスクリッティー楽曲をカヴァーし、グリーンとコラボするに至ったのも不思議ではない)」p.168
「ぼくに言わせれば、ローマ・カトリックとは宗派でさえなくて、はっきりとした西ローマ帝国の延長に他ならず、そこでは信仰をはじめすべてが西ローマ帝国の理念に追随しているのです。……はたしてこれが、アンチ・キリストの教えでないでしょうか?!どうして彼らのもとから、無神論が出てこないはずがありましょうか!」p.259
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