⇒ジャーナリズム出身の作者というだけあって、事実の積み上げと人物配置、相互関係の煩わしいほど綿密な描写は卓越していたと思います。だが、ここでもそうであったように人種問題は常にどの登場人物の念頭にもあり「白人対黒人、ヒスパニック」だけでなく白人の中での「WASP対その他白人」その他白人の中でも「アイルランド対イタリア対ギリシャその他」さらに「白人対ユダヤ人」等々それぞれの確執があるようです。人種問題は人類滅亡まで続くだろうと思わざるを得ません。
⇒真珠湾攻撃をアメリカ軍基地側から描いた作品であり、基地が大混乱に陥る様子が描写されて興味深いものがありました。また、戦争が将校側からではなく兵士側から描写されており、弛緩した基地の日常と陰惨な営倉リンチ、戦争でのドタバタ状態がその目線からのリアリティとして理解できました。
⇒解説では、「名画とされている映画版では肝心の営倉部分でのリンチ殺人部分がごっそり抜けており、名匠フレッド・ジンネマン監督ともあろう人が…」と遺憾の意の表明がありました。確かに全編のクライマックスのような場面であり、これが抜けていたら「衣だけの天ぷら」のようなことになるだろうと思いました。
懐かしい~学生時代読みたいと思いながら読めなくて何十年も忘れていました。母親は40歳なんですか?もっと老いた母親を想像していました。まふ様思い出させてくださりありがとうございます😊
tokuさん コメントありがとうございます。正確に言えばグウタラ亭主が死んで再出発の時40歳だったと思います。それから数年たっているかもしれないので40ウン才かもしれません。いずれにしても今日との比較でいえば若いですが、当時の平均寿命は50歳もいかなかったのではないでしょうか、ということを考えると当時の老年期ではないかと思われますが、それにしても、この「母」はやる気溢れる母ですよね。是非お読みください。レビューを楽しみにお待ちしております。
Johnnycakeさん ゲイマンをいろいろと読まれたのですね、スバラシイです!! 私は初読ですが学殖豊かで発想力抜群ですね。まだ前編なのでどうなるのかこの後見当もつきませんが、後編楽しみにしています。
對馬正晃さん 映画があるとは知りませんでした。映画化しにくいかもしれないとは思いましたが、やはり難解な作品になったわけですね。小説は凝った作りもなく、読みやすかったです。ただし、中身がナカナカ一筋縄ではいかないタフな内容でした。映画は機会があればぜひ観たいです。
⇒イスラム教国では「女性は知性も魂もない」「女は語学の知識よりも腰の太さが大事」「女は男の種を撒く畑に過ぎない」という化石的・退行的言動の由来を改めて確認した気がします。イスラム教の時代錯誤的「常識」の根深さは一朝一夕に解決・変革できるものではなさそうだと改めて認識しました。
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