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2024年10月の読書メーターまとめ

sabosashi
読んだ本
5
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1424ページ
感想・レビュー
5
ナイス
664ナイス

2024年10月に読んだ本
5

2024年10月のお気に入られ登録
1

  • 新田新一

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

sabosashi
1.村上龍による五つの中編小説集でテーマは熟年以後の世代の生き方、もちろん現実としてはいかにも苦渋に満ちた日々とその苦悩が中心。鬱屈を強いられ、きわめて身につまされる。でも新聞社社会部によるノンフィクション、という色合いが濃いのではないかと思う。ニホンは長寿社会であることをおおいに称えるものの、個別のケースにあたってみると悩まざるをえない日々に囲まれている。いままではそれを自身のなかで堪えるようにして共生してきたが、いまは皆で共有し、共に考えていくというやり方が望まれる。その意味では先駆的作品かも。
sabosashi
2024/10/22 09:34

5.「ペットロス」読む。いろいろな意味で家族というものは危機にさらされている。国家に比べるとフィクション性はまだ低いかもしれないが。たとえばマスコットが介在することで家族はいかなる影響をうけるか。頭ではだれでも知っているかもしれないがアカデミックに言説化した人はいないかもしれない。さてこの物語では初老夫婦の(あるかどうかわからないかもしれない)絆がもろさを露呈。どこまでずるずる崩れていくのかと思っていると幸いにも理解というキーワードの出現によってすべてが救われていく、というようなハッピーエンド的終結。

sabosashi
2024/10/22 09:34

6.「トラベルヘルパー」読む。老いらくの恋から始まって障害者へと移動していく。しかも物流、物の運搬から障害者の移動へと地味な話ながら要所を突いているという感じ。五つも暗い話が続いて気が滅入るばかり、でもここでは恋の鮮烈さなるものを思い起こしながらあらためて熟年世代の今後についてあれこれ考える余地がありそうだ。どの話もじゅぶんディテールに凝っていてそんなところから醸し出されるリアリティのなんとたくましいことだろうか。古書店が出てくるところからあの映画も思い出されるし、読むという行為から照り返される日常。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

sabosashi

海外文学好きの方たちにとってはソワソワする季節。あちこちで予想と称するものも眼につく。わりと良心的と思わされたのはめずらしく読売新聞オンラインの記事、でも署名なし。もうひとつ天下の鴻巣さんの評。鴻巣さんがラテンアメリカの女性作家に肩入れしているのが意外かと思ったがもちろん道理はあり。わたしは誰がとってもあまり関心はない。というか、意外な作家の名が出てくるのが興味深いか。でも気にはなるのは授賞したことでプレッシャーのようなものを感じて以後の活動に好ましくない影響が出ることだろうか。動じないひともいるだろうが

海外文学好きの方たちにとってはソワソワする季節。あちこちで予想と称するものも眼につく。わりと良心的と思わされたのはめずらしく読売新聞オンラインの記事、でも署名なし。もうひとつ天下の鴻巣さんの評。鴻巣さんがラテンアメリカの女性作家に肩入れしているのが意外かと思ったがもちろん道理はあり。わたしは誰がとってもあまり関心はない。というか、意外な作家の名が出てくるのが興味深いか。でも気にはなるのは授賞したことでプレッシャーのようなものを感じて以後の活動に好ましくない影響が出ることだろうか。動じないひともいるだろうが
sabosashi
2024/10/07 14:03

浦島さん> ピンチョンもセサルもまだ読んでないんですが、そうとう先輩、という感じですよね。

sabosashi
2024/10/08 07:33

ああ、ピンチョンは申し訳程度に競売ナンバーだけはかろうじて読みましたが。。。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
5

sabosashi
初めて読む作品だと思っていたのに自分でチェックした箇所を見いだし、さて、読んだことあるのだろうか、それにしてもすっぽり頭から抜け落ちているなんて不甲斐ないと呟いた。はたして通読したことがあったのだ。ではなぜそれほどまで印象が薄いのか。第二部は、事実上の処女作であっていろいろなものが盛り込まれ、それだけで数冊書けてしまいそうな迫力。でも読む方としてはあれこれ振り回されながら付いていくのがたいへん。ゆえに散漫な印象を抱いてしまう。それぞれのエピソードには真剣に向き合って考え込んでいかなければならないもの。
sabosashi
2024/10/25 10:02

まあ、だからといって自分の不勉強の言い訳にしてはいけないのだろうが。オースターをさらに読みこなしたうえでここに戻ってくる必要ありと思うところなり。

が「ナイス!」と言っています。
sabosashi
1.村上龍による五つの中編小説集でテーマは熟年以後の世代の生き方、もちろん現実としてはいかにも苦渋に満ちた日々とその苦悩が中心。鬱屈を強いられ、きわめて身につまされる。でも新聞社社会部によるノンフィクション、という色合いが濃いのではないかと思う。ニホンは長寿社会であることをおおいに称えるものの、個別のケースにあたってみると悩まざるをえない日々に囲まれている。いままではそれを自身のなかで堪えるようにして共生してきたが、いまは皆で共有し、共に考えていくというやり方が望まれる。その意味では先駆的作品かも。
sabosashi
2024/10/22 09:34

5.「ペットロス」読む。いろいろな意味で家族というものは危機にさらされている。国家に比べるとフィクション性はまだ低いかもしれないが。たとえばマスコットが介在することで家族はいかなる影響をうけるか。頭ではだれでも知っているかもしれないがアカデミックに言説化した人はいないかもしれない。さてこの物語では初老夫婦の(あるかどうかわからないかもしれない)絆がもろさを露呈。どこまでずるずる崩れていくのかと思っていると幸いにも理解というキーワードの出現によってすべてが救われていく、というようなハッピーエンド的終結。

sabosashi
2024/10/22 09:34

6.「トラベルヘルパー」読む。老いらくの恋から始まって障害者へと移動していく。しかも物流、物の運搬から障害者の移動へと地味な話ながら要所を突いているという感じ。五つも暗い話が続いて気が滅入るばかり、でもここでは恋の鮮烈さなるものを思い起こしながらあらためて熟年世代の今後についてあれこれ考える余地がありそうだ。どの話もじゅぶんディテールに凝っていてそんなところから醸し出されるリアリティのなんとたくましいことだろうか。古書店が出てくるところからあの映画も思い出されるし、読むという行為から照り返される日常。

が「ナイス!」と言っています。
sabosashi
1. 石川淳「白描」読む。岩波版選集第二巻。ロシア人、ドイツ人を含む芸術家階級の群像劇ともいうべきもので社会の階層を巧みに描きながら、それぞれが葛藤に悩む。戦前の作ですでに「普賢」を著わしていたが(他の二編は戦後の短篇)、完成度はいまひとつといえるかもしれない。または半ばにて閉じているともいえそう。または葛藤が置き去りにされているのか。戯作調はこの著者らしきものをみせている。その時代の雰囲気はよく伝わってくるものの、残念ながらいまではあまり顧みられない。
sabosashi
2024/10/12 11:36

3.じつは何がどう転んでどう滑っていくのか綴られている以上のことはかならずしもよく判別できるわけではない。しかし自分以上のなにかの重さのようなものか。 石川淳「處女懐胎」読む。やはり敗戦後まもなくのカオティックな世相を背景としての惚れ噺。はじめはいくらか与太噺のごとくで引くように読み進める。やがて芸術一般のことも交えながら噺の密度はあがっていく。はては秘跡へと至る超現実主義的な展開をおびる。はていかなる条件にてかような秘跡に立ち会うことができるかの、すこぶる興味をそそられる。

sabosashi
2024/10/12 11:36

4.もちろんスタンダード化された社会においてはめったなことでは秘跡は起こらないはず。さらに秘跡を待望するという意志がはたらいてこそ享受できるのだという意味もあるだろう。

が「ナイス!」と言っています。
sabosashi
 やはりどことなく昭和の匂いがしてならない。鉄道の出る幕が多い。雇われ人はあちこち移動、または来る日もおなじ移動。そう、雇われ人(サラリーマンというよりやはり雇われ人というイメージ)の悲哀。月並みな日々にそれでもとりとめのない喜びを見いだしていこうという哀しさ。著者はそれを乗り越えるべき気力を持ち合わせたのだろうが読み手は綴られている人物に移入していく。このわびしさのようなものは中毒性なので他の著作を手に取っておなじ思いを続けたいと思ってしまう。それがかつての椎名誠人気であったのか?
が「ナイス!」と言っています。
sabosashi
 九百頁ものこの作品をようやくのことで読み終えて身も心も疲れ果てた、というのが偽らざるのところでほとんど喘いでいる。でも気を取り直していくしかないか。イギリスから始まって地中海、ギリシャ沖の孤島でのストーリーはロマンに溢れているといえる。ところがすべてが波瀾万丈で一歩先が読めない。振り回される。それはまさに至上の喜びを意味しているのだが。しかし盛り込まれているのはいわば難解なロジックもふくめて、追いかけていくのが精一杯。考えてみればあれよあれよという間にここまで来てしまったという感じか。
sabosashi
2024/10/01 11:17

この著者は「コレクター」やら「フランス軍中尉の女」で高名なわけだがこんな土壌から湧き出てきたテキストに畏敬の念を抱く。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/09/26(4807日経過)
記録初日
2012/08/14(4484日経過)
読んだ本
633冊(1日平均0.14冊)
読んだページ
207445ページ(1日平均46ページ)
感想・レビュー
631件(投稿率99.7%)
本棚
5棚
性別
外部サイト
自己紹介

 英語はあまり得意ではない(得意だと思っていた時期もあったが)。
 それでも映画にて「存在のたえられない軽さ」を見たときは、原作をぜひ読みたいものだと思った。
 当時、邦訳はまだ出ていなかったので英訳を買って読んだ。
 The Unbearable Lightness of Beingである。
 わりとやさしく読めたと思った。
 それに味をしめたのか、おなじくミラン・クンデラのImmortalityの仏訳を買って読もうとした。
 しかしそう簡単には読めるものではないのである。
 おなじことはエーコでも発生した。
 The Name of the Roseを英文で読もうとしたのである。
 カトリック英語には詳しいはずだった。
 しかし哀しいかな、読み進められる道理はなかった。
 ドリス・レッシングのThe Golden Bookを読み始めたときは決死の覚悟であった。
 だが案の定、なかなか読み進められない。
 一年以上もかかってようやく終える(正しくは二年以上)。
 そんなていたらくな生き方しかできないわたくしであるのが哀しい。

(そういえば、マルコム・ロウリーのUnder the volcanoのペーパーバックをもらったことがあった。字が小さいので、ちょっと引く。しかし西訳のBajo el volcanと並行して読むことにした。なんとか読み終えた。しかしあとには頭になにも残っていなかった)

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