読みやすい。それなりに楽しめた。 地下施設に閉じ込められた人達の極限状況でおこる殺人と犯人捜しの話。誰か１人を犠牲にすれば助かるという設定。 ラストから逆算して作った話ぽく、みな逃げ出す努力もせず、状況に疑問も持たず、だらだら日を過ごしているので、逆回転映像を見ているような違和感がつきまとう。 新本格ミステリーは強引な設定や登場人物の不自然さには目をつぶり、こういうジャンルと割りきってラストのどんでん返しを楽しむものらしい。 個人的には最後まで読まなくても面白い小説の方が好き。解説は本格ネタバレ。

いきなり『瀧夜叉姫』を読んだらついていけなかったので、第１巻からやり直し。 陰陽師・安倍晴明と源博雅が妖怪事件を解決する短編集。さらっと読めた。 独特の繰り返し文体と会話のリズムが様式美みたいで、この物語世界の雰囲気になっている。 「この世で一番短い呪は名である、銭も呪よ」て考え方はなるほどの慧眼で唸った。

連作短編集。田沼意次の時代。 飄々としたエロ老人主役なのが意外だった。むろん剣は強い。 １冊読んで、ようやく秋山小兵衛、大治郎、三冬などのメインの人物たちが馴染んできた感じ。 個々の事件より、人間関係の先が気になるタイプで、第２巻へ続く

つい先を読まるけど、うーむ。 コンプラ違反のエンタメ女性作家・マッツが、"療養所"に監禁され矯正される話。 前半は不条理な状況に巻き込まれていきおもしろいんだけど、途中から異常環境の中での日常生活が続き、狂気のエスカレートや陰謀世界の考察的拡がりのないのが残念。 テーマは「表現の自由」で、昨今のコンプラ同調圧力や、差別やヘイトを出汁にした偽善的正義ごっこの風潮に違和感があるのはよく分かる。 本の世界はまだましだが、新聞やテレビなどのマスコミは、グローバル意向の圧力に飼い慣らされている印象の今日この頃。

サクサク話が進んで読みやすい。 中国の農村。小作農の王龍は、奴隷の娘・阿蘭を娶る。２人は懸命に働いて土地を買い、子供が生まれ、飢饉では街に出て物乞いをし、やがて大地主になっていく波乱万丈な人生の話。 違う文化、違う価値観の世界はそれだけでおもしろい。 ３人称小説だけどほぼ主人公目線で、時代背景や社会情勢・地名などの説明は出てこない。なので、異世界の大地に迷いこんだ感覚になれる。 王龍は年老い、我が道を行く息子達家族に対立がおこり、人間ドラマがおもしろくなってきたところで、２巻へ続く

それなり。いわゆる筒井康隆ぽい作品。 バラバラ殺人のミステリーぽい始まりだけど、GODに憑依された教授が出てきて、事件をドタバタとかき回しマスコミを巻き込む大騒ぎになる。結果、GODは被告として裁判にかかるが…て話。 GODの語りが、やたら哲学的で理屈ぽく煙にまかれた感じ。"神"らしい超越性がなかった。といってもも、"神"らしさてのもよくわからんけど。

昔、映画を観たけど内容はほぼ覚えてない。 ホテル経営をする変な家族のドタバタホームコメディ(ソープオペラ)をシリアスな感情で書いたような、不思議な居心地の独自発酵した世界。 やたら癖の強い登場人物ばっかりで、さまざまな事件が突発的におこり、どこへ向かっていく話なのかよくわからないけど、だらだら読める。 一家がウィーンへ行くところで、下巻へ続く。

読みやすい。それなりに楽しめた。 地下施設に閉じ込められた人達の極限状況でおこる殺人と犯人捜しの話。誰か１人を犠牲にすれば助かるという設定。 ラストから逆算して作った話ぽく、みな逃げ出す努力もせず、状況に疑問も持たず、だらだら日を過ごしているので、逆回転映像を見ているような違和感がつきまとう。 新本格ミステリーは強引な設定や登場人物の不自然さには目をつぶり、こういうジャンルと割りきってラストのどんでん返しを楽しむものらしい。 個人的には最後まで読まなくても面白い小説の方が好き。解説は本格ネタバレ。