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2024年10月の読書メーターまとめ

siro
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感想・レビュー
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ナイス
235ナイス

2024年10月に読んだ本
15

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

siro
面白かった。何よりも特殊なギミックがこの本の魅力なのだから、他の本と比較して言語化することは難しいけれど、面白かったことは確実だと思う。何より、仕組みに気づいた時の驚愕とそれを成し遂げたという衝撃が、他にない読書体験をもたらしてくれて、それだけで価値があるというものだ。話の方も特殊ギミックなしで考えても十分に面白く、読みやすい文章でスラスラと内容が頭に入ってきた。とにかく、噛めば噛むほど味の出るガムみたいに、何度読んでも楽しめそうな一冊だった。凄いという表現が似合う本は中々ないけれど、これは正にそうだ。
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2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

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2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:23冊 読んだページ数:8448ページ ナイス数:162ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1493209/summary/monthly/2024/9

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2024年10月の感想・レビュー一覧
15

siro
★★★★☆/愛とは何か。幼い頃には父から虐待を受け、高校生となり唯一の拠り所だった母を病で亡くした主人公は、母の葬式をすることだけを意味とし生き続けていた。そんな時に現れたのが、良い家の生まれで、幸せに包まれて過ごしてきただろう彼だった―。なんの穢れもない彼と過ごしながら、愛の存在を頑なに認めない主人公のキャラ造形が良い。自分の人生を肯定しようとする気持ちと、否定する気持ちが同居しており、その傷を舐め合う存在である豊田との関係がいい味だ。愛と幸せを知るにつれて豊田から距離を置かれるのは、苦しくも理解できる
siro
2024/10/31 18:11

ため魅力的に映った。主人公と彼の関係は、金で買われた偽物から本物に変わっていく過程が丁寧に描かれていた。最初は彼の行動の意味が全く明かされないため、疑念はありつつもそういうものとして読み進めるしかなかった。だが、その理由は然るべき時に明かされ、これがまたずるい。そして、主人公の答えがまた、彼のような人と普通の人の関係の理想系に見えて、心が温まった。「俺はお前と同じ形では好きにはなれない。それでもいいなら傍にいてやる」、彼の心の内がどうであろうと、幸せだった過去は消えないのだと。行動の意味が私利私欲であって

siro
2024/10/31 18:21

も、受け取る側が愛とするのならば、それは愛なのだと。本物の友人関係となった二人の間に流れる時間は、どうしても寂しくて涙してしまった。やはり人間には自分を思う気持ちが付いて回るのだろう。どれだけ他人の為だと取り繕っても、中には自己満足の意が存在し続ける。それを、愛と呼んでいいのか。愛とは何か。主人公は言っていた、「受け取る側が愛とみなせば、それは間違いなく愛なのだ」と。二人の間に確かに存在していた愛。始まりは不純なものでも、いつか関係は本物へと変わった。人生のもどかしさを救ってくれるような、優しい話でした。

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siro
★★★★★/SS集。「これでいいんだよ」という日常ストーリーが沢山詰め込まれている。一話一話が短いのにも関わらず、満足度が凄い。これを買うということは既に負けインのファンの方だと思うので、間違いなく楽しめるだろう。八奈見のお父さんはパチンコをやっていて…お菓子の缶、中々悲しい話だった。小鞠はとんでもない小説を書いているし、焼塩のお母さんは…。スラスラと読み進められて、ずっと楽しかったです。短い話は短いなりに魅力があるように感じました。移動中に持ち運びたいですね。SSを集めれない民にはとても助かりました。
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siro
★★★★★/「人にはみんな、役割がある」主役となる五人の高校生たちは、それぞれが別に人の心を見る能力を持っている。例えば、その人が現在何を思っているのかの感情が目に見えてわかるといった、些細ではあるものの、人間関係においてかなり役に立つ代物だ。それを利用して展開されるのが、思春期特有の生き方についての悩みと、恋愛話だった。主役のキャラには心を読む能力が与えられているはずなのに、誰が誰を好きという隠し事が上手い具合に隠されていて、恋愛話としては最高に楽しめた。でも、私が特に気に入った話は、恋愛とは関係のない
siro
2024/10/27 15:56

部分だ。最近、増えてきているように思う人との関わりが苦手な子供たち。自己肯定感の低さ故に、自分なんかがと他人との接触を拒んでしまうそんな人。今作ではそれらと対象的な人物がメインにしっかりと存在し、比較や共存といった面で素晴らしく描かれている。だが、私が気に入ったのはそれじゃない。私は、その先に描かれた自己肯定感の低い者同士の「中」にある違いに、とても目を惹かれてしまった。曰く、他人との関わりを苦手とする彼らにも、「嫌われるのが怖い」と「僕なんてどうでもいい」という、二つの明確な違いがあるのだそうだ。

siro
2024/10/27 16:00

前者は、自分の苦手を理解しつつも人間関係を欲し、失うことに恐れている。後者は、自分の苦手を理解し、最初から諦めている。確かにと思った。一見、同じに見える人の中でも、これ程違いがあるのだと、読んでいて知れた。そしてこれは、タイトルの隠し事にも繋がっていた。人間の悩みは、思っているよりも複雑じゃないのだ。だから諦めず、怖さや苦手に抗うことの大切さを、同類の二人を通して感じた。そして、役割についても。どれだけ自分のことを信じてあげられなくても、そこに生まれた時点で意味はあるのだと思います。温かい青春物語でした。

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siro
ネタバレ★★★★★+/傷つけてしまったのだから、元の関係に戻れることなんてない。夢を見させてくれない、苦しい終わり方だ。でも、主人公のとった行動を肯定してあげることは難しいので、それは正しい結末だったのだと思う。話のメインとなるのは、理想の有り様のように自分は感じた。秋好は最初、主人公と同じように言葉通りの理想を掲げていたのだろう。叶う叶わないは後とした、こうであればいいなというものだ。だが、秋好はモアイの活動を通して様々なものと触れ合うにつれて、理想の叶え方を知っていった。現実と正しく関わることによって、理想は
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siro
★★★★★/苦しい。ずっと苦しい。話の大筋は、夜になると言葉通りの化け物になる主人公と、クラスで虐められている女の子が夜の校舎で出会い、関わることによって主人公は段々と虐めを肯定できなくなってくるというもの。もちろん、前提として虐めは駄目なものとして書かれている。だが、「虐められている子を助ければ今度ば自分が虐められる」そういった思考への抗いがメインとなり、仲間意識と外れる事に対する恐怖、それらに囚われる思春期特有の苦しさが、沢山詰まっていた。終わり方は唐突であっさりとしていたけれど、主人公の選択は素直に
siro
2024/10/24 15:46

感動した。私は、彼の取った選択は正しいことだと思う。自分の嫌な所を認めて、受け入れて、力がないことに直面して、選んだひとこと。ただの挨拶。でも、それが返されないだけで、人はどうしようもないぐらいに傷ついてしまう。やはり、原因があっても虐めに正しさなんてないのだ。恐怖に負けず、立ち向かった主人公はとても眩しい。人間とは誰もが残酷になれる。でもそれと同時に、優しくもなれる。本当の自分というものは、きっと言葉に表せられるような概念じゃない。心に思っていることすべてが、自分として存在しているのだろう。

siro
2024/10/24 15:49

だから、時には考えすぎないことも大切なのだと、心からそう思えました。序盤の女の子の「どうして人間に化けてるの?」というセリフが個人的にお気に入り。一発で人間像を掴めた。身を呈してクラスメイトを助けたのも良い。過去に人を殴っていた事に対する違和感がなくなり、好感だけを持てるようなった。ただ、警備員さんから注意されなかったの何故だったのだろう。笠井の残忍さはもう少し書いても良かったのではないかな。緑川と矢野の喧嘩は…などと、少々描写不足感が否めない。面白かったので尚更です。この本に学んで自分らしく生きたい!

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siro
★★★★★/幸せとはなにかをテーマに、普通よりもちょっとかしこい少女が歩む不思議で心温まる物語だった。「人生とは、〜のようなもの」といった比喩表現が数多く、その一つ一つがとにかく良い。個人的に一番好きなのは「人生はプリンみたいなもの」、意味は『人生には苦いところがあるかもしれない。でも、その器には甘い幸せな時間がいっぱい詰まってる。人は、その部分を味わう為に生きている』というもので、まさに人生を表しているように感じ、頑張ろうという気持ちになれた。
siro
2024/10/15 21:29

ある時、少女は学校で孤立する。それは、周りの人よりかしこいが為に、最初から壁を作って突き放していたから。他人を見下し、自分の中にある正義だけを信じきっていたから。そうして悩み、自分よりも人生を重ねてきた人々とふれあい、幸せとは何かを考えていくにつれて変わっていく姿は、読んでいてとても心地よい。人は皆同じであって、どこか違う。相手に寄り添うことの大切さ。本音を伝えることの大切さ。それらが何度も何度も書かれて、中盤の授業参観のシーンでは涙が溢れてきた。

siro
2024/10/15 21:29

自分にとっての「幸せ」はなにか。この物語から貰うのも良いし、全く違うことをあてても良いなと思います。出てきた比喩表現は度々読み返したい。とても温かい物語でした。

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siro
★★★★☆/ここにきて一冊丸ごとゲーム外の話。髪が短くなったのと合わせて、幽鬼の変化を描きたかったのかな。いつものデスゲームと比べると緊張感や熱さが足りないが、全く無いわけではないので死亡遊戯らしさはちゃんとある。そして、珍しくも新キャラのほとんどが死なない。幽鬼の暮らすトチノキ荘の面々は誰もが重役を担っていそうな描写が多々あり、今巻は初登場の為の紹介会だったのだろう。次巻予告からしても、ゲーム運営や関係者などの姿が露わになり始めている。これは、ゲームクリア百回に着く前に別の戦いが紛れ込んで来そうな予感。
siro
2024/10/14 17:47

このまま突き進んでもワンパターンになるだけだったと思うので、この展開は期待しかない……が、デスゲーム運営と戦うようなことにはならないよな?個人的には、タイトルらしく死亡遊戯で飯を食うだけの参加者のままの話が見たいのだが。まあ、防腐処理を研究している組織に属する者やデスゲーム運営に似た殺し屋家系の存在が、どのような話を展開させてくるのか楽しみだ。初めからとんでもないことばかりの作品だったので、何が来ても受け入れて読めそうですし。新鮮で面白い七巻でした。

siro
2024/10/14 17:48

幽鬼に現実での顔馴染みが増えてくるのも、巻を重ねていることが実感出来て良いですね

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siro
★★★★★/温水たちが二年生となって、新たに登場してくるのは後輩ヒロインの白玉リコ。彼女の属性は入学まもなくして停学を食らっている犯罪者系ヒロイン…?今巻は全体を通して今までで最もぶっ飛んでいる話だったかなと思う。人情を感じられるもので熱く、登場人物たちの感情も十分に理解できるが、それにしても犯罪をしすぎだ!朝雲さんや佳樹という存在がいたために自然と受け入れられたものの、このぶっ飛び感はどうしたものか。結局ラブコメディだから笑えればそれでいいのだが!キャラ数が増えたことも上手い具合に使っていて面白すぎた。
siro
2024/10/12 22:02

白玉の恋は先延ばしという形で一旦終えられたが、彼女の様子を見るに温水くんへ好意を抱いているのは間違いない。今後、どのようにして気持ちが移り変っていくのか楽しみだ。新たなクラスで温水に同性の友達ができているのも良い。最初はあざと犯罪者系ヒロイン白玉をどう落ち着かせるのか不安もあったが、まさかの妹枠で佳樹のライバルになるとはとんでもない。そしてそろそろ、八奈見さんに活躍の場を…今巻は少々不憫すぎた笑。温水くんが主人公として素晴らしい具合に活躍していたり、ぶっ飛び度が上がったりのよい七巻でした。

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siro
★★★★★/卒業する先輩たちをメインにした巻なのかと思いきや、ここでの焼塩回。彼女が大好きな走るという行為のせいで傷つく人が生まれてしまう勝負の世界に疲れた焼塩は、陸上部に加えて文芸部まで、そして温水を引き連れてまで帰宅部になろうとし…。全体的に、優しすぎてまっすぐな焼塩の良さが現れた巻だった思う。温水を退部後の拠り所に選んだのは、「そういうところ」が逆に安心感を生んでたのだろう。焼塩が自分の勝利を確信めいて勝負を吹っかけていたのは、あるいみ温水への信頼が読み取れて良い。結果的に、温水はその信頼を超えて
siro
2024/10/11 17:50

焼塩を引き止めたのだから、主人公として素晴らしく格好良かった。そして終盤、焼塩の「2年もあれば、あたしも髪も伸びるかな……て」発言は、温水争奪戦に彼女も加わったとみて良さそうだ。さりげなく小鞠の温水への思いが描かれたりもしていて、これはそろそろ、八奈見さんメインの話が読みたくなってきた。邪魔と食事ばかりしている彼女にも活躍の場を、どうか!卒業する先輩たちはそこそこの活躍で高校を去っていったが、槻之木先輩が焼塩に一言助言しており、どことなく積み重ねた日々を感じられて良かった。丁度いい切なさのある六巻でした。

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siro
★★★★★/やっぱり佳樹ちゃんは恋愛的に温水くんのことが好きらしい。今回ではその気持ちが温水くんに伝わることはなかったが、兄妹にあったわだかまりは一つ解かれた。前巻の温水くんは頼りなさすぎたものだったが、今巻ではしっかりと兄としての役目を果たしていて良い。「いつかバラバラな道に進むとしても、今起こっている現実は過去となり、誰にも書き換えられることはない」結局、鈍感で人の心が分からないところはありつつも温水くんの根は優しく、佳樹ちゃんの愛は狂っているということが再確認できた。
siro
2024/10/09 20:00

コメディも最高に面白い。妹に男の気配を感じてストーキング、犯罪者朝雲さんの再来は嬉しいし、八奈見さんとはこれ完全にデートしてる。馬剃さんから貰ったマフラーを付けてこないのはどうしてなのか…。そして、前巻ほのかに描かれていた佳樹ちゃんの兄への勘違い。馬剃さんにリアルBLをダイレクトに投げかけるのはずるい。ちゃんと誤解は解いたのだろうか、誤解したままだったら面白い。温水くんの彼女フラグとしては志喜屋さんが一番なのかな。ラブコメ部分があまり進まなかったものの、謎だった佳樹ちゃんメインの話が読めて良かったです。

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siro
★★★★☆/八奈見さんの様子がおかしい。小鞠ちゃんの様子もほんのりおかしい。なんだか、負けヒロインという枠から外れて温水くんとラブコメしてきた巻という印象。序盤から立て続けに続くのは、月之木先輩直筆のナマモノBL同人誌絡みの話で、なんと文芸部廃部の危機となる。ここで深く関わってくるのが生徒会所属の志喜屋先輩と天愛星ちゃん。今まで謎の人でしかなかった志喜屋さんの内面描写がされて、まさかのヒロイン候補にまで登ってくる。全体的にコメディとして見て面白かったが、終盤の月之木と志喜屋の和解がただ引き合わせただけで
siro
2024/10/08 22:53

解決してしまってこれは何かと。当事者同士があっさりと話して終わるというのは、少々拍子抜けしてしまった。それに、温水くんから嘘のデートへと誘われ、体育館での好意の言葉を跳ね除けられた志喜屋先輩が不憫すぎる。今巻は「そういうとこだぞ温水くん」要素がかなり多かった印象だ。八奈見さんにしても何かと邪魔をしてくるし、なんだか彼らの関係が殺伐としてきたような気がする。まあ、コメディとしてなら面白かったが。負けヒロイン組の話が一段落落ち着いたあとの最初の巻で、本格的なラブコメの始まりを告げるよい四巻だったと思います。

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siro
★★★★★/上巻のコンプレックス云々の話はどこにいったのかと思ったが、上巻時点で完結していたといえばそうだし、こっちはこっちで終始「ちょっと不思議なラブストーリー」として突き詰めていたために、これはこれで凄く楽しめた。まず始めに、上巻では話のパーツに過ぎなかった人魚姫の話が深く関わってきて、ファンタジー要素がかなり強まった。終盤では、宮○駿や細○守などのアニメ映画で見たことがあるような話に様変わりしている。では序盤はといえば、まだ上巻に地続きに、千草や檜原といったサブキャラも混じえた話が展開される。
siro
2024/10/05 13:22

その時点では、段々とバッドエンドに近づいていくような雰囲気があり、少々苦しくも青春小説らしさを感じられて良かった。少し先の千草絡みの話は素直に心が温まった。同時に、傷ついた者同士でしか分かり合えないことがある、というのがこの小説では数多くあるように感じられた。正直、この話を入れるなら終盤の千草の種明かしは辞めて欲しかったが、まあ納得のいく説明はされていたので受け入れるしかない。中盤は、ここでそれを入れてくるのかと困惑したものの、読み終えてから考えると、一度関係をリセットしておくのは必要だったろうなと納得。

siro
2024/10/05 13:32

初鹿野と深町の過去話でまたコンプレックス関連の話も出てきて、上巻の話も別に忘れられていなかったので良かった。ことの真相としては、「バッドエンドをハッピーエンドに塗り替える」という悪意のない思惑によってもたらされた、言わば茶番だったのだが、それでもしっかりと最高の気分のまま読み終えることができたのは、一重にその思いが最大に共感できるものだったからだろう。結局、人は幸せになることが何よりも素晴らしゴールであり、幸せを願い会うのが人と人の関係なのだ。そう心から思えるような、不思議で温かい話だった。

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siro
★★★★★/コンプレックスをメインにした青春小説。らしい軽快な会話が続く序盤はシンプルに面白い。会話が面白いために簡単に物語へと入り込むことができる。主人公の顔にある大きな痣は、現代のルッキズムに対して色々な考えを与えてくれる。痣のせいで、人と距離を置いていた彼。痣のせいで、対等な立場で人と接していなかった彼。ある賭けによって痣を取り除き、他人へと目を向けれるようになった彼の変化は凄まじい。彼は普通に友達を使った。彼は普通に人に好かれた。痣までとはいかなくとも、誰しもが持っているはずのコンプレックスを
siro
2024/10/04 14:08

取り除いたことにより視野が広がり、それによる心情の変化が丁寧に描かれており良い。そして、人と関わるようになって彼が段々と痣を受け入れはじめているのが何よりも響いた。結局、誰よりも痣に囚われていたのは彼自身で、コンプレックスと上手く付き合う方法は既にあったのだ。終盤の彼の選択は、ただの傷の舐め合いだったかもしれない。でも、きっとそれでも良かった。結果、その選択は成されなかったが、手前にまで来ていたことだけで感動できる。誰かの為に、自分の傷を受け入れる。誰かの為に、自分の傷を見せつける。それは青春そのもので、

siro
2024/10/04 14:16

恋そのものだった。結局、コンプレックスとは取り除くことが叶わず、一生をかけて付き合っていかなければならない代物なのだろう。だからこそ、この物語はそれに対しての付き合い方を丁寧に描いていたのだと思う。要因をひとつに決めつけず、他人も自分と同じ人という事実を大切にして生きていきたい。上巻時点で、中々に楽しめました。

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siro
★★★★★/一人で生きる人、多くの人に囲まれながら生きる人、どちらも否定しないのがいい。余命幾ばくの人、いたって健康な普通の人、どちらの命も等しく扱っているのがいい。余命ものは大体想像のつく形で締められるが、これは終盤ひとつ手前に信じられない展開を挟んできている。やられたと思った。若いのに病気で死んじゃうね悲しいね、残される人は生きないとね、というありきたりなモノだけで終わらず、命の価値は余命など関係なしに等しいという方向性を挟むのは本当に驚いた。生きるということに対する解釈も良い。二人が出会ったのは病気
siro
2024/10/02 21:40

がきっかけだが、病気が無くとも僕は彼女から沢山のものを得ただろう、という作中で描かれたそれは、正にこの作品を表しているように思った。人間はそう簡単に変われないし、だからこそ憧れるのだ。そして、変わろうとしている主人公の姿はただ勇気をくれる。孤独な生き方を否定することはせず、主人公が別の生き方を選んだだけな結末は心地よい。温かく、前へと進む希望を貰えるような、一日一日を大切に過ごしたいと思えるような、そんな話だった。

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siro
面白かった。何よりも特殊なギミックがこの本の魅力なのだから、他の本と比較して言語化することは難しいけれど、面白かったことは確実だと思う。何より、仕組みに気づいた時の驚愕とそれを成し遂げたという衝撃が、他にない読書体験をもたらしてくれて、それだけで価値があるというものだ。話の方も特殊ギミックなしで考えても十分に面白く、読みやすい文章でスラスラと内容が頭に入ってきた。とにかく、噛めば噛むほど味の出るガムみたいに、何度読んでも楽しめそうな一冊だった。凄いという表現が似合う本は中々ないけれど、これは正にそうだ。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2024/05/18(189日経過)
記録初日
2024/06/01(175日経過)
読んだ本
203冊(1日平均1.16冊)
読んだページ
67327ページ(1日平均384ページ)
感想・レビュー
130件(投稿率64.0%)
本棚
12棚
性別
年齢
18歳
職業
小/中/高校生
外部サイト
自己紹介

熱い作品が好みです。若造がぼちぼち感想を書いてます。
あくまで個人的な感想であり、結局読書は人によって受け取るモノが変わってくるので、こういう意見もあるのだとしてあまり鵜呑みにはせずに。
★☆は個人的な楽しめた度。僕自身の好みで変わってきます。

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