読書メーター KADOKAWA Group

2022年4月の読書メーターまとめ

Millet.K
読んだ本
18
読んだページ
7540ページ
感想・レビュー
18
ナイス
1811ナイス

2022年4月に読んだ本
18

2022年4月のお気に入り登録
2

  • GAKU
  • ゆいまある

2022年4月のお気に入られ登録
4

  • こら
  • ゆいまある
  • Bugsy Malone
  • よみ

2022年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Millet.K
“人間はすぐ死ぬのでうんざりです”(P146)連ドラ好きでお触り禁止こじらせ弊機たんがボヤく。友人ART=不愉快千万調査船に何が? 読友さんとの共読率が異常なまでに高く、天邪鬼をも虜にする面倒可愛さ、手に取る前からニマニマが止まらん〜新作出てるけど、読友さんレビュがほぼ出揃った頃合いに、萌えのヴァリエーションをじっくり嘗めていく愉しみがあったりもする。そういえば身近に〈統制モジュールに内側から焼かれる〉事件を目撃したばかり。人間社会の毒あるある、装画の可愛さに惑わされちゃダメ。毒毒度:5 おあと5720冊
Millet.K
2022/04/12 10:19

“人間たちは食事をとり、ティアゴは食堂の調理ユニットで全員分の温かい飲み物を用意しました”(P228)“アメナは食事のプレートでシロップをまぜながら、きびしい目になりました” “アラダは食べ終えたプレートをリサイクル装置にいれるためにたたみはじめました”(P229)“アメナは食堂の容器から調理ずみの模造野菜のかけらをつまんで暗い顔で食べています”(P257)料理で読めすぎベッキー・チェンバーズに比べ極めてそっけないが、料理で読むことを弊機に求める必要はない。

fukumasagami
2022/04/13 06:08

Millet.Kさん、ナイスありがとうございます♪第三作が刊行されたので、読むのが楽しみです♫

が「ナイス!」と言っています。

2022年4月にナイスが最も多かったつぶやき

Millet.K

別れの3月というにはあまりな出来事もあったが、獨逸の新家さん、ダルグリッシュ、V・I・W…シリーズを粛々と■先月画像と同じ場所で2022年版。実際に目で見るより決定的に写真がダメダメとはいえ、水を張った田んぼとカエルの合唱、人出まばらな貴重なひととき。2022年3月の読書メーター 読んだ本の数:15冊 読んだページ数:4533ページ ナイス数:1797ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/200370/summary/monthly/2022/3

別れの3月というにはあまりな出来事もあったが、獨逸の新家さん、ダルグリッシュ、V・I・W…シリーズを粛々と■先月画像と同じ場所で2022年版。実際に目で見るより決定的に写真がダメダメとはいえ、水を張った田んぼとカエルの合唱、人出まばらな貴重なひととき。2022年3月の読書メーター 読んだ本の数:15冊 読んだページ数:4533ページ ナイス数:1797ナイス  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/200370/summary/monthly/2022/3
が「ナイス!」と言っています。

2022年4月の感想・レビュー一覧
18

Millet.K
“この家は、一度も幸福だったことがないのですよ”(P345)看護学生の連続死。事故?自殺?殺人? 養成所として使われている建物には忌まわしい過去が…五百頁超でも冗長とは無縁の読み応え。クセ強人物だらけ、医療関係者が清廉とはほど遠いお約束+百合もある。部外者目線でナイチンゲール・ハウスの第一印象を記し、エピローグで同じ人物が建物の終焉を見届ける構成がすんばらしい。重苦しいだけでなく意外とユーモアも。マスタースン部長刑事が特殊能力を発揮する、ダンスしながらの聴取場面が最高です〜毒毒度:5 おあと5706冊
みみみ
2022/05/03 13:06

P.D.ジェイムズの中ではこれが一番好きなんです.晩年の作品に比べると毒は少ない気がします(比較の問題ですけど.『原罪』とか強烈だし).

Millet.K
2022/05/03 14:33

みみみさんの一番のお気に入りなんですね〜まだまだ未毒があるので愉しみですP・D・J

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“われらがスケアクロウの登場だ”(P145)元ベストセラー作家で高給すぎるサツ回り記者マカヴォイに無情の解雇通告。最後の署名記事で大当たりを狙うが…最新刊『警告』クライマックスでのアンサブ発言をきっかけに再毒。上巻で検証終了としてもよかったが、結末がサッパリ思い出せないので読み進めた。初毒時より面白かったかも。サイバー空間に遊ぶ犯罪者と巻き込まれ素人探偵の闘いという図式は前世紀グレッグ・アイルズあたりの得意わざ。ドンデン返さないディーヴァーみたいという読友コメントに中笑一本。毒毒度:3 おあと5707冊
Millet.K
2022/05/01 18:45

“リムジンではなかった。セダン・タイプのリンカーン・タウンカーだった。一年まえ、リンカーン・タウンカーの後部座席を事務所代わりにして働いている弁護士を取り上げた記事を掲載したことがある。弁護料を払えない依頼人がその代わりに彼の運転手を”(P44)“前半には、エリック・クラプトンと、彼がカリブ海に設立した薬物依存治療施設、クロスロード・センターの特集が”(P63)CNNの番組に生出演。迎車はミッキー・ハラーのオフィスと同じクルマ。クロスロード・センター設立は1998年。実在する人物の実話も巧みに盛り込む。

Millet.K
2022/05/01 18:45

“道具の先端をストーンの盆の窪に押しつけた”(P58)“ステアリング・ホイールが手を焼いた。左手のたなごころだけを使って、バックで駐車スペースを出た”(P164)うーん。訳で気になったのは身体パーツの表現。「盆の窪」も「たなごころ」もなんかしっくりこないのだが・・・

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“オーケイ、ではアンサブと呼ぼう”(P308)嫌いなマカヴォイ&苦手レイチェルコンビの事件を再毒するとは夢にも思わず笑。最新刊『警告』クライマックスでの発言が気になりすぎさっそく検証。ホラ言ってるアンサブって。しかも身元がはっきりするまで捜査局では Unknown Subject =不特定対象者と呼ぶのというレイチェルの解説つき。にしてもだマカヴォイ『警告』では早々に肥溜めに落ちたが、本作ではなんと本文7頁め登場するなり解雇宣告される。ケツに火がついたダメ男、起死回生なるか〜毒毒度:2 おあと5708冊
Millet.K
2022/05/01 09:22

“それがアンサブの計画していたことです” “アンサブ?” “不特定対象者。犯人を指す捜査局の隠語です”(P318)“だれだと思う? やつだ! アンサブだ!”(P326)“やつがたった今ぼくに電話してきた。アンサブだ”(P338)『詩人』事件がベストセラーとなり、ロサンジェルス・タイムズ記者としてサツ回り、犯罪記事を千件も書いたマカヴォイがレイチェルに解説されるまでアンサブという隠語を知らなかったのも疑問だが、社会部部長ドロシー・ファウラーもアンサブ知らないってどうなん?

bianca
2022/05/01 22:07

本当にアンサブ問題は気になりますね。クリマイはもとより、調べたら1989年には「Unsub」ってドラマも既にあったようですし。いくら作中のこととはいえ、一般市民の方がよっぽどアンサブ浸透してるよってツッコみたくなる(笑)

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“死はわが職業だ。わたしは死によって生計を”(P261)格安DNA鑑定の罠と闇。コナリーが不得手な←個人の感想です)サイコキラー視点が最小限なのは正解。ロス市警ポンコツすぎ。JM&RW相性最悪懲りてないおしどり探偵向いてない。ポッドキャストで未解決事件ならボッシュと絡む可能性も。JMくれぐれも邪魔せぬように。そういえば邦題が同じ講談社文庫の検死官第十作とカブる。並ぶは同じC書棚。JMはこうしてよみがえったが、検死もせずサイバーに翻弄され続けるケイいい加減目覚めろ余計なお世話か。毒毒度:3 おあと5709冊
Millet.K
2022/05/01 05:28

“一度もイングランドにいった経験はないが、〈グレイハウンド〉の店内は英国パブのように見えた。なぜエミリーがここを行きつけの店に選んだのかわかった。全面ダークウッド張りで、居心地のいいブースが並んでいた。店内の前面から奥までずっとつづいているバーが”(P185)“レイチェルとわたしはケテルのマティーニを注文し、エミリーは、デシューツのIPAビールを”(P186)「フェアウォーニング」のスタッフ、エミリーに危険が迫る!? JMがもたつく間に本領発揮してドアを蹴破ったレイチェルさすが

Millet.K
2022/05/01 05:30

“アンサブはどこ?” “アン……?”(P287)アンサブ=Unknown Subject 不特定対象者。直前に起きた衝撃で、JMはアンサブが何を指すのか一瞬わからなかったもよう。でもあれほどFBIと絡んだのにこの用語を忘れるだろうか? 本だって書いたわけだし、ベストセラーだったのだし、サツ回りだったのだし、いまだに犯罪者はマカヴォイの著書を愛読してるらしいし。『スケアクロウ』にアンサブのワード出てきた記憶がある。え〜い気になる、検証だ〜

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“はるか昔に、死はわが職業だ、とわたしは言った”(P64)十年ぶり主役をはるマカヴォイ。印税を切り崩しつつ暮らしている。この読友間不人気キャラも、コナリーにとっては分身に近い存在、夢と妄想の具現者。危険を顧みず特ダネをモノにし大手を振ってリンダ以外の女性と付き合えるのだ。なのに読み始めたった20頁で肥溜めに落ちてるJM早すぎだぜ〜笑。詩人、案山子、こんどの凶悪犯は百舌=シュライク。もちろん個人的に苦手レイチェル大活躍。JMがロス市警に提供したDNAがどう悪用されるか期待しつつ〜毒毒度:3 おあと5710冊
Millet.K
2022/04/29 12:36

“〈コーファックス・コーヒー〉に車を乗りつけ、ボブルヘッド人形やその他のドジャースの土産物が並べられている下にあるテーブルにカプチーノとノートパソコンを置いた”(P185)“なるべく早く食事を取るため、われわれはチャイナタウンにいき、〈リトル・ジェル〉でポーボーイ・サンドイッチを注文した”(P225)料理で読む場面は少ないものの、いつも通りで実名で。Cofax Coffee Shop はドジャースファン御用達カフェ。The Little Jewel of New Orleans はニューオリンズ料理の店。

Millet.K
2022/04/29 12:36

“わたしは早めに〈ミストラル〉に到着し、昨夜とおなじスツールを確保した。レイチェル用に取っておくため、隣のスチーツにバックパックを置き、エルとボンソワールを交わしたのち、今夜はオクタン低めでいこうと決め、ベルギービールのステラ・アルトワを注文した”(P319)あのですね、オクタン低めって・・・ここは笑うしかないのか。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“長い目でみれば、産むも亡くすも、結局は同じ”(子どもたち P264)佳き。ゆるっと〈手〉がテーマな並びの妙あり。Hウォルポールの名作「銀の仮面」以上に怖い「ミリアム」。慎ましい未亡人の日常に滑り込むのは老い?病い?死? わたなべまさこの絵で読みつつ、優れたホラーはコワ哀しさに泣ける説が再浮上。「首を脇に抱えて」は露兵に読み聞かせたれ。ドイヒー実話「死体泥棒」から一転愛らしい「小さな手」。萩尾望都で読める「子どもたち」が三重丸。YAより、小さな文字2段組がツラい世代にオススメ。毒毒度:6 おあと5711冊
Millet.K
2022/04/28 11:01

“夢をみているような屋敷を、自動車の騒音で目覚めさせるのは申し訳ないような気がしたものの、わたしは芝生に乗り上げた車をバックさせ、森にそって走らせると、幅の広い敷石の道に入った。噴水の下にたまっている水がスターサファイアのように”(P237)クルマを走らせていて森のヴェールに惑わされた。子どもたちが楽しそうに笑う。屋敷の女主人は、あの子どもたちが見えるなんて運がいい方、と。彼女は生まれて数ヶ月で視力を失ったらしい。女主人のイメージは萩尾望都「はるかな国の花や小鳥」のエルゼリ。語り手はグレン・スミス?

界烏
2022/05/09 12:50

名作揃いでしたね~。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“俺はあんたに殺されたいんだ”(P489)みんなまとめて地獄堕ち…異形読み漂泊者読みを唸らせ沈黙させた衝撃作。警察小説ともミステリとも恋愛ものとも読める。〈毒書低迷期毒了でレビュがない本ガチ再毒企画〉で、自前図書館から蔵出し。国内作品がほぼ見当たらない中、意図的に栗本薫と同じ段に並ぶ。初毒は2009年9月。限界ギリギリの仕事を続けたあげく主力機PBG4がクラッシュ。その絶望が希望に転じたタイミングでの本書毒了だった。後日譚「ガラスの蝶々」の舞台・朽木宿を歩いたことも懐かしい。毒毒度:7 おあと5712冊
くたくた
2022/04/27 14:28

腹一杯食べたそのあと、腹部をパンチされる無常。

Millet.K
2022/04/27 16:22

そうそうあゝ無常。結局及川じゃなくて山背がピンポンしに来たね。山背「正当防衛でできる」「自分がやります」。警察小説としては気になる人物がちらほらいて、ニガテなRIKOシリーズも再再毒することになりそう。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“こいつは人間じゃない。悪魔なんです”(P338)春日組大幹部・韮崎が殺された。抗争か? 怨恨か? 捜査一課・麻生龍太郎と、美貌の舎弟・山内練の浅からぬ因縁。Because the night。金木犀の香り。耳の奥で蝉が鳴く。あの日、あの夜何が…〈毒書低迷期毒了でレビュがない本ガチ再毒企画〉もいよいよ本丸へ。翼&まよてん育ちの異形読みを唸らせた劇毒シリーズだ。本書初毒直後RIKO三部作の再毒に疾った記憶がある。読み始めるや関連作を次々手に取る永久ループへの危険を孕む。速攻下巻〜毒毒度:6 おあと5713冊
Millet.K
2022/04/27 11:09

“俺は小腹が空いたな……コンビーフサンド、昔のまんまだな、メニュー。これにしよう。それとまずビール。生で。静香、もうプライベートタイムだから、酒を飲んでいいぞ”(P192)“パナシェください” “飯は? 軽いのなら、ここのライスサラダはいけるよ”(P193)麻生は部下の宮島静香をともなって、韮崎の女・金村皐月の店『ブルームーン・クラブ』を訪れる。マダムは久遠さつきというジャズシンガーで、麻布署にいた当時麻生は何度か彼女の歌を聴きに来たことがあった。

Millet.K
2022/04/27 11:09

“鍋の蓋をそっと持ち上げると、湯気がもわっと溢れて来た。香りは悪くない。菜箸を使って野菜の煮え具合を確かめる” “誠一は週に一度くらいしか自宅で夕飯を食べなかったが、味にはうるさかった。いつも、皐月に電話で助けを求めて、メニューからレシピまで教えてもらう。今夜は蕪と鶏肉の煮込みに、ラタトゥイユ、ガーリックトースト、ブリーチーズのフライにブルーベリーのソースをかけたもの。それと、すりつぶしたブラックオリーブとレバーペースト”(P464)下巻にもとんでもなく料理で読める場面があるそういえば…

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“野郎が二人で使えば重量オーバーなんだよ”(OUR HOUSE P48)聖黒オススメにあたり蔵出し、毒書低迷期毒了でレビュがない本ガチ再毒企画。所轄刑事編〜時系列的に次なる聖黒に進まず私立探偵編へ。厄介事が扉を叩くオーソドックスな探偵小説の体で実は〈魂の異形〉話である。間違わぬ〈石橋の龍〉ただ一度の過ちは練を落としたこと、執行猶予付きと思い込んだこと。練を線路に寝かせた麻生、救った韮崎。韮崎の呪いは続く。赤か緑か、裏か表か。光の加減による二つの貌。練が盃を受けたら俺たちはもう…毒毒度:5 おあと5714冊
Millet.K
2022/04/24 20:32

“昔から大好きなのよ。ナンじゃなくてチャパティを出してくれるってのもいいのよね。それとおすすめは、そうだな、青パパイヤのサラダとか、がっつりお肉が食べたかったら、子羊のローストもイケる”(P98)“肉の代わりに豆が入っている。チャパティはまだ、ところどころ空気を含んで膨れていて、焼きたてだった。スパイスの香りに刺激され”(P101)かつて手柄を横取りしていった沖田慶子と再会する「TEACH YOUR CHILDREN」。沖田の野心を買った及川が本庁に引っ張るも結局、二課長と衝突した沖田は警察を辞めたのだ。

Millet.K
2022/04/24 20:33

“麻生はチーズを薄く切り、さらに細かく切って、食パンの上に均等にばらまいた。それを二枚、オーヴントースターに入れる。冷蔵庫の扉側に入っていた牛乳パックを取り出し、小鍋で温めた。ナオミの分のマグカップも洗って、インスタントコーヒーを入れ、温めた牛乳をそそぐ。焼き上がったチーズトーストと一緒に、二人分、テーブルに置いた”(Carry On P329)元検事・絹子の依頼で野辺山の別荘へ赴くと、不審な女性が…。落ち着いて話をさせるために、自分自身の頭には栄養を送り込むために、麻生は手近な材料で朝食をこしらえる。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“俺の顔が、及川に決心させたんだ。俺はきっと、情けない顔をしていた。情けなく、寂しくて、その上、物欲しそうな”(雪うさぎ P211)毒書低迷期毒了でレビュがない本ガチ再毒企画。読友さんへのオススメを機にレビュ蔵出しだ。警察小説の体で〈魂の異形もの〉ともいうべきか。〈石橋の龍〉25歳、無意識に真相に近づく才はすでに開花。剣道部先輩・及川との馴れ初めも語られる。RIKO三部作の激しさには気後れするが、一見地味なこの連作短編は好み。カミングアウトしておくと、まよてん育ちです、はい。毒毒度:4 おあと5715冊
Millet.K
2022/04/24 21:47

どんまい!

chiseiok
2022/04/25 00:43

当時の自分は『まかすい』と『ぐいさー』(と何か時代伝奇物?)くらいしかかじっておりませんでした…が、してみるとその二作にも『まよてん』エキス充分に入っておりますな(^^;)。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“人間はだれでも、少なくとも二人の人間なのさ”(下に隠れたあの人)没後20年めに手に取ったのは、9編からなるラファティ・ラプソディ。アンソロジイ収録「町かどの穴」既毒程度の初心者が安易に触れるべきではないとは承知。法螺ホラ話でとっつき易い表題作よりも、異形読みが引き込まれたのは「さあ、恐れなく炎の中へ歩みましょう」「鳥使い」あたり。特にせっかちのっそりかも〜んな「チョスキー・ボトム騒動」は寓話性残虐性を含めど真ん中。何かのはずみで別トラックの調べが心に届く「王様の靴ひも」も◎。毒毒度:4 おあと5716冊
Millet.K
2022/04/22 11:54

“火の上に平らな冠石、つまり天火石をかけ、その上で二種のパンを焼くのだ。小さい方のパン(しかし、実は世界より大きい)は水だけで練り、塩なし、種なしで天火石の上においた、大きいパン、粗焼きパンには塩とイーストを混ぜ、牛の乳で練った”(P93)“若い雄牛を自分のところに来るように呼んだ。牛はやってきて、グレゴリイに鼻をこすりつけた”(P95)“グレゴリイと若い牛は目と目を合わせ、じっと見つめあった。それから彼は研がれたナイフを”(P96)「さあ、恐れなく炎の中へ歩みましょう」はリアルに料理で読める。

Millet.K
2022/04/22 11:54

“大きな摂理の石の上へ運んできた。パンにはバターと蜂蜜が添えられていた。グレゴリイはかまどの穴から香りよい焼肉を運んできた。四人が揃って、切り分け、ちぎり分け、ご馳走に与った。リンゴ酒があり、少量のワインがあった。ミルクとチーズがあった。ブラックベリー、サンドプラム、野生のぶどうがあった。リンゴ酢のソースがあった。これらみんなを全員がゆっくりと味わいながら食べた。コヨーテが二匹姿をあらわし、食べ物をねだり”(P96)上記同様「さあ、恐れなく炎の中へ歩みましょう」の、よそ者修道士をもてなす場面である。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“これだけは遺しておきたい、という作品を今回ようやく収録することができた”(編者あとがきより)佳き哉。大層ありがたく毒了。大好物アンソロジイであることに加え、編訳者の想いが十二分に伝わりくる。70〜80年代の古さは気にならずむしろ、人間の本質って変わらないのだなとしみじみ。疑心暗鬼のお約束「偽態」取り扱い注意「リトルボーイ再び」さらば少年期「キング・コング堕ちてのち」。核戦争SF「フェルミと冬」〜表題作への流れが◎。魂の異形〈異なるもの〉読みにど真ん中の表題作でドゾワ追悼も。毒毒度:ー5 おあと5717冊
Millet.K
2022/04/19 11:40

“TWAターミナルの片隅で過ごし、切れぎれに眠りながら、疲れや恐ろしさのあまりときおり泣き声をあげた。口にしたものといえば、軽食用ワゴンにのった風味の抜けたデニッシュ・ペストリーだけ”(P217)“ハリー・マリバートは、英国宇宙旅行協会の会議に出るためポーツマスへ飛ぶところだったので、ビーフィーター・マティーニを早めにちびちびとやりながら、ターミナルの《アンバサダー・クラブ》で待ち時間を”(P219)ジョン・F・ケネディ空港で。フレデリック・ポール「フェルミと冬」は落涙必至、読み手の状況次第で号泣できる。

Millet.K
2024/01/23 06:40

(20240123記)収録作の表題修正済み

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“人間はいつも幸運を祈りますが、運などクソです”(P157)ををっヒューゴー、ネビュラ、ローカス、日本翻訳大賞受賞シリーズの最新作では、ご存じ弊機たんが殺人事件捜査を?! 読友レビューが出揃ってからのつもりだったが、待てん。3回目+接種側の腕を図書館長ふみフミにより運用信頼性3%低下という状況下に毒了した。親愛とは。信頼とは。個人的に〈異なるもの〉読みど真ん中かつ、SFというよりおシゴト小説として読んでも愉しい。アクション場面は【ゆっくり解説】で。短編2編にもニマニマできた。毒毒度:ー4 おあと5718冊
Millet.K
2022/04/18 15:52

“軽くさえぎって、アイーダは紅茶を注ぎなおした。顔を上げると、警備ユニットと目があった。長く視線がからんだ気がしたが、警備ユニットの性格からして一秒に満たなかっただろう。その目はまた部屋の隅にもどった。アイーダは嘘を見破られた気がして頰が” “ステーションは夜時間にはいり、現地時間で生活しているホテルの訪問者は娯楽と夕食を求めるころだ”(P232)弊機が食べないのであまり料理では読めないが、飲食場面がまったくないわけではない。冷蔵ケースからシロップとナッツミルクを手にとったメンサーは見知らぬ人物に遭遇…

界烏
2022/04/18 23:37

「クソです」っていう弊機の常套句の悪態が好き~

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“あたしを撃ってってば!”(P36)再び事件に遭遇するサラ。傷ついたレナは復活できる? 1作目がハヤカワから出たきりグラント郡シリーズを、今をときめくHCJが続々邦訳中。他社版イメージを壊さぬ装画もさすがや。2002年発表といえば元祖検死官ケイの時間が失われ若返りどころか某人物など生き返りすらした頃。ここ十年検死もせずに1冊が1日分という時間の歪みに毒者は苦しむ。誰も指摘できぬ大御所の不自然さを決してスローターが纏いませんように。個人的に苦手なタイプ、レナこそが作者の分身かな。毒毒度:5 おあと5719冊
Millet.K
2022/04/14 14:51

“ダイエット・コークが全部なくなっているのを見て、サラは悪態をついた。「エリオットね」彼はしょっちゅう、冷蔵庫の中のものを盗んでいく。冷凍室を開けて、ダヴのチョコレート・バーと数個の冷凍食品がなくなっていることに気づいても、さほど驚きはしなかった。正確に言えば、なくなってはいない。彼らしい気配りで、エリオットは冷凍庫に空になった箱と包装紙を残していた”(P474)ジェフリーからの電話を待つ間に冷蔵庫を開けてみると、くっそーエリオットのやつ、いつか殺してやる!

Millet.K
2022/04/14 15:46

原題のKisscutはデザイン用語とのこと。ああなるほどねと思う。今はほぼ絶滅したが、写真植字(写植)による版下作成上必要だった。印画紙上がってから文章修正が発生した時に、印画紙の上っ面だけ薄くカッターを当て、当該部分だけをピンセットで剥がし文字の入れ替えを行うのである。1996年くらいまで印刷業界ではかなり一般的で、何をかくそう自分もかなり得意としていた。なるべく薄く剥がさないとカゲが出て修正がバレるが、カゲはレタッチで消される。ちなみに製版フィルムまで進んでからの文字修正技術に「ストリップ」がある。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“人間はすぐ死ぬのでうんざりです”(P146)連ドラ好きでお触り禁止こじらせ弊機たんがボヤく。友人ART=不愉快千万調査船に何が? 読友さんとの共読率が異常なまでに高く、天邪鬼をも虜にする面倒可愛さ、手に取る前からニマニマが止まらん〜新作出てるけど、読友さんレビュがほぼ出揃った頃合いに、萌えのヴァリエーションをじっくり嘗めていく愉しみがあったりもする。そういえば身近に〈統制モジュールに内側から焼かれる〉事件を目撃したばかり。人間社会の毒あるある、装画の可愛さに惑わされちゃダメ。毒毒度:5 おあと5720冊
Millet.K
2022/04/12 10:19

“人間たちは食事をとり、ティアゴは食堂の調理ユニットで全員分の温かい飲み物を用意しました”(P228)“アメナは食事のプレートでシロップをまぜながら、きびしい目になりました” “アラダは食べ終えたプレートをリサイクル装置にいれるためにたたみはじめました”(P229)“アメナは食堂の容器から調理ずみの模造野菜のかけらをつまんで暗い顔で食べています”(P257)料理で読めすぎベッキー・チェンバーズに比べ極めてそっけないが、料理で読むことを弊機に求める必要はない。

fukumasagami
2022/04/13 06:08

Millet.Kさん、ナイスありがとうございます♪第三作が刊行されたので、読むのが楽しみです♫

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“悪意ですよ、ダルグリッシュさん”(P179)休暇にジェイン叔母を訪ねたA・Dが〈不自然な〉死体事件に巻き込まれる。われもわれもと情報提供を始める小集落のクセ強容疑者たち…詩人捜査官第3作。ディレッタントな天才型ではなく、かなり普通の人っぷりを見せるA・D。プロポーズできぬまま休暇は台無し。愛車で登場といえば思い出される『警視の休暇』のキンケイド。そうかP・D・J作品が醸す雰囲気はD・クロンビー、E・ジョージ、M・グライムズといった米国出身作家にとって憧れの英国なのかもしれん。毒毒度:3 おあと5721冊
くたくた
2022/04/09 11:58

クロンビーの作風と似ている(いや、クロンビーが似ているのか)とは、私も思いました。愛車も含め。女性作家同士だから、かとも思いましたが、憧れの英国警察小説の原型なんですね。それにしても、被害者、容疑者、部下達も徹底的に生活感や人間像を曝け出すのに A・Dだけは徹底して露出しないのが、かえって気になります。

Millet.K
2022/04/09 17:57

くたくたさん、P・D・Jのほどよさにようやく気づきました。しばらく読んでいきたいと思います。たぶんクロンビーもグライムズもエリザベス・ジョージも目指したいほどよさだったのではという気がしています。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“リナは他人を怒らせて出世を重ねてきた”(P53)スローター8冊セット当選本で開幕した2020。その後も読み続けてきたがグラント郡はお初。2作目以降がHCJから出はじめイザ〜2001発表2002邦訳刊行といえば、ここ十年検死してない元祖検死官ケイにまだ勢いがある頃か。検死官としても救命救急の場でも有能さが際立つサラ。超弩級ひねくれレナ=リナの傷みもしっかり描く。惨殺事件が絡むロマサスの括りだろうが、女性だからこそ書ける残虐さかも。デビュー作なら水準以上、翻訳も自分には問題なし。毒毒度:5 おあと5722冊
mippo
2022/04/05 15:00

>2001発表2002邦訳刊行といえば、ここ十年検死してない元祖検死官ケイにまだ勢いがある頃か。 ●海外ミステリ古参ファンならではの視点!ちょっとウケちゃいました(笑)

Millet.K
2022/04/06 06:12

mippoさん、コメントありがとうございますレス遅すみません。小笑1本いただき? 元祖検死官シリーズはこうなったら何があっても終焉を見届けてやる!心境で読み続けています。先だって最新作の噂が・・・

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“誰がほしがる。お金以外は。彼女のお金、お金以外は”(P180)精神科診療所の事務長が殺された。被害者は職場で好かれておらず、関係者何れもそこそこなクセもの。明確に実体のある動機といえばカネだが…P・D・Jの初期長編。捜査に失敗しない男、ロンドン警視庁の詩人捜査官アダム・ダルグリッシュを主人公とする第2作。本国刊行順に立ち戻り手に取る。聴取から夫々の私生活へと描写が移り行く感じが好ましい。『原罪』ほどのこってり感はまだない。小出しにされるA・Dの魅力をコツコツ記す愉しみアリ。毒毒度:3 おあと5723冊
Millet.K
2022/04/04 08:56

“立派に整えられたお茶だった。ダルグリッシュは自分のためにわざわざ手をかけてくれたのかと、いたたまれなくなるほど憐憫に似た気持ちでテーブルの上を見た。焼きたてのスコーンとサンドイッチ2種類、手作りのケーキ、砂糖衣をかけたスポンジケーキがあった。まるで男の子に食べさせるように、何もかもがたっぷり”(P272)指定されたお茶の時間。藁葺き屋根の家は簡素なぬくもりを感じさせた。あまりに種類豊富なご馳走は、未知の客を迎える不安から生じたのかもしれない。お茶とサンドイッチをすすめ、語り始める夫人…

Millet.K
2022/04/04 08:57

目と髪の毛は黒。長身痩躯。鋭い知性。動きは敏捷。神経痛持ち。審美眼。猫好き。秋の花が嫌い。対位法で書かれた音楽だけ心底楽しめる。とってもハンサム(プリディ談)、四十前後、声が好き、キレイな手(イングラム談)。 ところで再ドラマ化された『刑事ダルグリッシュ』の、顔前で指を組んだポーズが、手袋こそないけれど『教場』のポスターメインビジュアルと似ているような。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/03/21(4643日経過)
記録初日
2004/04/04(7551日経過)
読んだ本
3595冊(1日平均0.48冊)
読んだページ
1223417ページ(1日平均162ページ)
感想・レビュー
3143件(投稿率87.4%)
本棚
20棚
自己紹介

海外ホラー、ミステリ、SF主食の異形読み。
1999年「死ぬまでに10000冊の毒書」を宣言、
年間250冊を読みすすめるも途中7年の沈黙。
2012年、読メ登録とともに復活を果たす。
短編好き。アンソロジストに憧れを抱く。
紙本主義。装丁など本の佇まいにこだわる。
版ヅラやノンブル位置にキビシイ「組版警察」
密林のドイヒー画像が許せぬ「書影警察」
プラクティス好き「試走警察」

三一書房『サイコミステリーベスト100』を
2019年6月、30年がかりでコンプリート。
2020年11月「おあと6000冊」達成。
2023年3月プロフィール更新。

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