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2024年1月の読書メーターまとめ

ビシャカナ
読んだ本
20
読んだページ
1218ページ
感想・レビュー
17
ナイス
35ナイス

2024年1月に読んだ本
20

2024年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ビシャカナ
動植物へ満遍なく心を込めて、色鮮やかに精細なまでに描いた伊藤若沖。小さな生き物から破れた葉っぱまで、若冲の遊び心と慈しみの視線から、そこかしこに溢れて隠れている生き物たちを、探し絵本として捉える構成。伊藤若沖の生い立ちや、現代の人気の過熱まで解説。子どもの頃に伊藤若沖に触れる現代っ子はなんと豊かだろうか。
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2024年1月にナイスが最も多かったつぶやき

ビシャカナ

2023年12月の読書メーター 読んだ本の数:20冊 読んだページ数:1520ページ ナイス数:49ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/203062/summary/monthly/2023/12

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2024年1月の感想・レビュー一覧
17

ビシャカナ
昔の学習まんがありがちな物語性の強さ、信長の幼少期に重点して、全体の三分の一を過ぎているのに桶狭間の戦いすら始まっていないのは心配してしまったが、岐阜攻略から将軍義昭を押し立て上洛、姉川の戦いなど要点を抑えて過不足なく信長の生涯を描ききる。信長の唇も艶やかな女顔で描いたり、只者ではない感の橋場秀吉に、神経質な明智光秀、平手政秀や斎藤道三のような脇役にも味のある存在感、デフォルメ調ながら濃密さもある絵柄も味わい深い。
ビシャカナ
鶏の足が生えた家に住むバーバ・ヤガー、いじわるな魔女で子どもを捕まえて食べようとするが、ハリネズミの登場から事態は思わぬ方向へ、この手の物語では珍しく悪玉が痛い目を見ることもなく無事に終わると、バーバ・ヤガーもどこか憎めない気がする。ユーモラスな表紙に惹かれて手に取ったが、物語も意外で満足感がある。
ビシャカナ
食肉加工務めの坂本さんに感銘を受けた、助産師のかたわら生について講演を行う著者である内田美智子が物語として書き起こし、独特のタッチの諸江和美の挿絵、監修として農学者の佐藤剛史が合わさり、さらに食育に関わる人々のインタビューも寄せられ、大勢の人によって一つの本となる。一つの命が大勢の人に支えられて食べ物になることを象徴するようだ。物語が始まる前に繊細な紙が一枚挟まるのもメッセージを感じる。
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ビシャカナ
美術館を潜り込んだ泥棒を通して、美術館がいかに美術品を大事に扱っているのか、美術品の運送のプロから、適切な空調のプロまで、大勢のプロに支えられているのかを解説。こんなに大事にされて絵が羨ましいという泥棒の言葉にも頷ける。
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ビシャカナ
解説は最小限に留めて12人の作家と作品を紹介。色や形、感情やテーマを追求して、キャンバスにすら収まりきらないモダニズム。モダニズムを全く何も知らない自分には、一読しても「モダニズムって、なんだろう?」という疑問だけが残る。
ビシャカナ
動植物へ満遍なく心を込めて、色鮮やかに精細なまでに描いた伊藤若沖。小さな生き物から破れた葉っぱまで、若冲の遊び心と慈しみの視線から、そこかしこに溢れて隠れている生き物たちを、探し絵本として捉える構成。伊藤若沖の生い立ちや、現代の人気の過熱まで解説。子どもの頃に伊藤若沖に触れる現代っ子はなんと豊かだろうか。
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ビシャカナ
自由闊達な鳥獣戯画を絵本という形で追うと、巻物としてのの物語性や展開が形になるように感じる。鳥獣戯画に吹き出しや探し絵本の要素を見出すようで、こうして見るのが正解かと思うほどだ。鳥獣戯画の構成が時代を経る中でバラバになったり、百年の時を超えて続巻が書かれたりと、構成まで解説。日本のマンガやアニメの原点とも言われがちな鳥獣戯画だが、いっそ鳥獣戯画に現代から続巻を描いてもいいんじゃないかしらん。
ビシャカナ
商家のボンボンで遊び人ながら、ずば抜けた美術センスを併せ持ち、工芸と美術の枠を超えて自らの理想の美しいものを作った尾形光琳。弟の尾形乾山もまた実直ながら自分の理想の美術を求めて兄と共同作業をするほどだった。その作品は俵屋宗達に倣いながらも、尾形光琳こそが琳派の流派の名前になり、やがて幕末には海を超えてクリムトにも影響を与えた。旦那芸ここに極まれり。
ビシャカナ
市政の人間だから史料が残されず謎だらけの俵屋宗達を、その仕事ぶりや周囲の人間から作品と人物像に迫る。一介の扇屋から始まり、本阿弥光悦という随一の文化人と、王朝文化に影響を受けて、やがては公家や将軍家からも一目置かれる絵師になるサクセスストーリー。改めて見ても俵屋宗達のデザインセンスは古典に倣いながらも大胆にして瀟洒、そしてどこの流派にも属さず独自の境地を拓いたからこそ、作品は琳派として時を超えて現代にも繋がる。謎だらけの人物ながら作品にこれだけの存在感があるのだから仰ぎ見るしかない。
ビシャカナ
古代の埴輪から近代の日本画まで、長沢芦雪や鳥獣戯画の可愛らしさから、曾我蕭白や葛飾北斎のど迫力まで、日本美術の幅広さを感じる。それぞれバラバラの作風のようで、群青色と緑青色のように連綿と大事にされる色や、琳派のように時空を超えてつながる流派など、どこかに日本美術らしい繋がりを感じる。こうして眺めると宮本武蔵の緊張と緩和の書も日本美術らしい。絵本という体裁だからこそ自由に伸びやかに日本美術に向き合えるものがある。
ビシャカナ
日本の自然や日常生活から生まれた文様、世界各地で生まれて伝搬して変化した文様、幅広く多様な文様を紹介。色座やかなで細やかなな文様は見るだけでも楽しい。文様で作った世界地図は一見の価値あり。日本の唐草模様が、古代メソポタミアの棕櫚の葉から生まれたパルメットに由来するなど歴史ロマンも感じる。
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ビシャカナ
釘を使わない木工の指物、鉄器や銅器の金工を解説。木工は大阪や東京など商業都市や、宮大工の技術から発展したのが特徴的。鋳型から作る鋳金や叩いて形を作る鍛金など、金工は技術そのものが幅広い。日常からタンスなど木工が遠のいた現代にも通じるようにデザインを変革する、加茂桐箪笥や京指物など、さまざまな取り組みも紹介。
ビシャカナ
アジアの特定地域で育つうるしの樹液で、木製品を加工する漆器を解説。文様や技法で伝統が異なり、使ううちに透明感が増す鳴子漆器、立体的な文様の鎌倉彫や村上木彫堆朱、竹を模した新潟漆器、螺鈿が美しい高岡漆器、ハイビスカス柄の琉球漆器。日常生活から漆器が遠くなる現代にも通じるように、漆器を子ども食器として貸し出す浄法寺塗や、使いやすいようにうるしガラスを開発した木曽漆器など、伝統を受け継ぐための試みも紹介。
ビシャカナ
日本全国で受け継がれる焼きもの。原料や技術、陶器に磁器、本当に幅広くそれぞれの個性が光る。陶器でありながら薄く丈夫な越前焼、シンプルなデザインの波佐見焼など個人的に気になった。壊れた食器をリサイクルする美濃焼や、現代風にデザインする常滑焼や小石原焼など、新しい動きも紹介。
ビシャカナ
明治以降に日本に入ってきた洋画は、西洋に倣う表現から戦争や社会の影響もあり自己表現へと変化する。時代の最先端にいた藤島武二や中村彝。新しい表現で高く評されながらも早逝した青木繁や佐伯祐三。戦争によって翻弄された経験を基にする香月泰男や松本竣介。洋画を超えて、絵画表現の極北を行く高松次郎、上田薫、遠藤彰子、井上直久。日本の絵画表現はこれからも変化し続けるだろう。
ビシャカナ
明治の開国後に、西洋や近代の価値観に触れて遍歴する日本画。岡倉天心やフェノロサの支援で躍進した狩野芳崖や橋本雅邦。新しい表現を追求した菱田春草や土田麦僊。ら続けた小倉遊亀や片岡球子。現代においても日高理恵子や米谷清和など新しい表現が生まれている。日本画は自分が思っていた以上に多彩で自由なようだ。
ビシャカナ
雪村周継の大胆な構図や、葛飾応為の陰影はマンガ的であり、浮世絵や水墨画が、アニメやマンガの表現の源流にあるとして興味を惹かせる解説。伊藤若沖の近年の人気の高まりは現代ではアート的であり、葛飾北斎の不動の人気は天才的デザインセンスにあると、現代に通じる価値観を解説。子ども向けの本ながら要点を抑えて読み応えもある。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/03/28(4455日経過)
記録初日
2012/04/20(4432日経過)
読んだ本
2847冊(1日平均0.64冊)
読んだページ
464240ページ(1日平均104ページ)
感想・レビュー
2385件(投稿率83.8%)
本棚
15棚
性別
自己紹介

月に二十冊読むのが目標

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