The coveとそれに伴う大地町への抗議が起こる前に描かれたイルカに関する著作。著者は公平にイルカ漁とイルカを観光資源にしている地域について記している。壱岐島の害獣駆除としてのイルカ漁とそれに反対する海外の方々の並行した主張は現在の熊駆除に似ている。イルカの生息域に人間が後から入ったのだから、人間が譲るべきといった正論は外野のみしか主張できない意見だ。文庫版後書きに著者のThe coveに関する意見がある。イルカ漁反対派の意見を頭ごなしに否定することは得策で無いが、漁師の生活だって尊重されるべきだ。