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2021年12月の読書メーターまとめ

amanon
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感想・レビュー
17
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176ナイス

2021年12月に読んだ本
17

2021年12月のお気に入られ登録
1

  • がりがり君

2021年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

amanon
突っ込み所も散見されたが(とりわけ宗教に関する認識が浅いと感じた)、概ね興味深く読めたか。特に教育についてのくだりは、教育に携わる全ての人間必読だと思うが、しかし、現場で働く教師からは、それこそ現場を知らない人間の戯言と受け取られそうで、思わず嘆息…特に競争を否定し、生徒一人一人を尊敬するなど、今の教育現場では、実践が相当に難しいのでは?それから、頁数の制約もあるのだろうが、終わり方がかなり強引なのが気になる。著者後書きでアドラー心理学は知識で終わらせては意味がないとあるが、実戦までの道のりは遠いか?
amanon
2021/12/06 09:22

本書に登場する青年の人物造形が、前作と殆ど変わらず、子供じみて底が浅いのが、密かに気になる(笑)。三年間の月日の間に学校教育に携わり、アドラー関係の書物も読んでいるというのに、やたら哲学者に噛みつき、揚げ足を取ろうとするというのでは、何のための三年間だったのか?とつい突っ込みたくなる。

が「ナイス!」と言っています。

2021年12月の感想・レビュー一覧
17

amanon
タイトルから初学者向けの神学概論的な内容を想像してしまうが、主に19世紀の神学解説。他の人も指摘しているように、夥しいまでの神学者の名前が頻出するので、ある程度の予備知識がないと通読が難しい。ただ、キリスト教、及び信仰に対する著者の熱い思いは伝わってくるので、そこを手がかりにして読み進めるべきか。自由主義神学から危機神学へ。その間に起こった第一大戦、ロシア革命という未曾有の出来事。それと同じくらい甚大だった科学革命。そうした中でキリスト者はそして教会はいかに社会に対峙するか?そんなことを考えさせられた。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
巻頭に掲載された登場人物の多さに思わずひるんでしまったが、いざ読み始めると、思いの外サクサク読み進めることに。この辺りは、やはり著者の言葉運びの上手さによるものでは。ただ、物語の背景となる薔薇戦争についての知識に乏しいので、その辺りを勉強して読み直してみたい。一読して驚かされるのが、その人間関係の複雑さ。親子、兄弟、姉妹が縦横に入り乱れて織りなす愛情関係というべきか。その中でも、やはり主人公リチャード三世の個性が際立つ。彼をあそこまでの策略家へと駆り立てたものは何だったのか?その内面が描かれていたら…
amanon
2021/12/31 05:25

本篇を読み込むことで、ある程度その人間関係は類推できるけれど、できたら、詳細な系図を掲載して欲しかったか。

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amanon
仮に検閲が当時より緩かったら、もっとエロい内容になっていたんだろうな…とつい妄想してしまった(笑)。でもそこをあえて抑制することで、読者の想像力を掻き立て、より一層魅力的になったという側面もあるかもしれない。どの作品も魅力的だが、個人的には「北の涯」がとりわけグッときたか。きな臭い空気が蔓延するロシア革命期のハルピンを舞台に繰り広げられる魑魅魍魎の世界。白と思ったものが黒。そして更なる反転…そうした複雑なストーリーをモノローグで綴る作者の力量に驚愕。また、「何でも無い」のラストに思わず度肝を抜かれた。
amanon
2021/12/29 08:12

ただ、無いものねだりかもしれないが、「北の涯」など当時の歴史的状況がわからないと理解できない記述が多いので、注釈を加えて欲しかった。

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amanon
難解で知られるトマスの哲学がここまでわかりやすく解説されるものなのか?確かに、感情論というスンマの中ではごく一部でしかないテキストだが、しかしそのテキストを詳細に読み解くことが、スンマ全体を理解する鍵になり得る。まさに緻密なトマス哲学の真髄を語ったものだとも言えよう。また、感情という一見して複雑極まりないものをここまで仔細に分析していながら、決して強弁にはならず、実生活に即して考えると、深く納得できるというのにも驚き。わかりやすいとは言っても、その内容は豊穣。一回読んで終わらせるのは、勿体ない。要再読。
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amanon
人はどうやって生まれ、老い、そして死んでいくのか?五十路を越え、自分の老い先を思うのと共にそんなことをふと考える。僕自身キリスト者ではあるが、こうやって他の信仰のあり方や死生観を提示されると、こういう考え方もありなのか…という新鮮な驚きや一抹の安堵感を覚える。また、違う発見というか、驚きだったのは、現在宗教的センスを持った若者が増えているという指摘。本書が出てから七年の月日を経ているので、事情が違っているのかもしれないが、そういう人達が一定数居続けているのは確かなのだろう。そこに日本の未来が見えるか。
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amanon
それなりに参考にはなったが、この本の内容を実践するのは、あまりにハードルが高いな…というのが正直なところ。これ一冊では情報が乏しいし、更に高い知識と実践経験がある人がいないと、実践には至らないだろう。また、西欧文化圏の志向が強いとも感じた。本書はあくまで導入的な役割で、更に上のステップを目指そうと思ったら、実践的な講習を受けるなり、他のテキストに取り組むなどすべきだろう。それに、本書でも示唆されているように、このメソッドは決して万能ではない。他のメソッドも勉強して、自分なりのやり方を確立すべきかも。
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amanon
今の教科書って、こんな変化を遂げていたのか…昨今の教育現場には殆ど希望がないというイメージしかなかったので、この変化(改良)ぶりにはかなりびっくり。止まるところを知らない日本の子供達の学力低下に、さすがに国も焦りを見せてきたということか。個人的にとりわけ印象的だったのが、理数系教科書の変化ぶり。典型的な理数系嫌いだった者としては、こういう教科書だったら、もう少し理数系に親しめたかも…と思うことしきり。それから地理及び地政学の大切さを再認識。とりあえず社会科系の教科書から攻めてみるか…という気になったか。
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amanon
比較的平易な文体で、決して晦渋な内容ではないはずなのに、予想以上に読み進めるのに時間がかかってしまった。どれだけその内容が深遠なのだろう。キリスト者にとって信仰とは?それは信者各自が一生をかけて追求していかねばならない、そして恐らく究極の答えが出ないテーマだが、その問題に取り組む際の一つの道標となってくれる一冊というべきか。また、佐藤優が示唆しているように、著者の先駆者ともいうべきヤンフスの存在が深く影を落としているのが興味深い。ただ、カトリック信者としては、辛辣なカトリック批判が、正直耳に痛かったか。
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amanon
改めてドストエフスキーとの資質の違いを再認識させられた。著者と同じくキリスト教について深くこだわったドストエフスキーだが、決してこういう啓蒙的な小説は書かないだろうな…と。キリスト教に反発を覚えていた人間が友人その他からの触発により、少しずつそこに近づいていく…いかにもというストーリーなのだけれど、それでもあえて読んでしまうというのは、やはり言葉の力なのだろう。迫害時代のキリスト教の姿が生き生きと伝わってくるのが信者にとっては魅力である。ただ、エピローグの後日談的な話がスルーされているのがちと不満。
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amanon
直接メスを入れることができない精神という厄介な存在。確実にあるはずなのだが、どこにあるという場所を特定できない。その精神なるものの不調状態について様々な定義をし、薬を処方する…ちょっと考えただけでも、大変な仕事だと想像できるが、こうして具体例を呈示されると、そのシビアさが一層明らかになる。また、精神疾患の扱いが時代の変遷によってどれだけ変わってきたかということを改めて認識。そして今後も大きく変わっていくだろうということが容易に想像できる。それから、精神と同じく厄介な存在である家庭についても考えさせられた。
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amanon
ドストエフスキーはこんな啓蒙書的な本を書かないだろうな…とつい思ってしまった(笑)。読む前はエッセイ風な内容を想像していたのだけれど、実際はかなり哲学的で晦渋なもの。そもそも論文として発表されたものだそうでさもありなん。それに加えて訳文が硬いため、特に前半は読み進めるのに苦労した。後半はかなりキリスト教に依拠した内容となっており、読み手によって評価が分かれそう。前半の人間的生と動物的生との対比は、今でも一考の価値があるだろう。もう少し哲学的立場から取り上げてもよさそう。未消化感が強いので再読するつもり。
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amanon
ネタバレこんな施設がありなんだ…著者が経営に携わるグループホーム「むつみ庵」。古い日本家屋を利用して、施設内は段差ありまくり、階段は急で狭い、鍵はかけず出入り自由で仏壇がある…十年以上老人福祉施設で働いていた者にとっては殆ど目が点になる環境。それでもちゃんと施設が維持されているというのは、やはりマンパワーと周囲の環境によるものだろう。また、衰退の一途を辿っている傾向があるとはいえ、日本の仏教にはまだそれなりのポテンシャルがあるというのが大きな発見。これを活用しない手はない。こういうところに日本が生き延びる道が。
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amanon
死者が側にいる感覚…残念ながらその感覚を覚えたことはないが、そう感じることができた時、途轍もない慰めと同時に、その死者に直接触れることができない寂しさともどかしさを覚えるのではないか?と思わされた。タイトルにもある「魂」の存在。そう遠くないうちに、自分の魂も肉体から離れる。そしてその魂は誰かの側に居続けるのか?普段の生活の中でつい等閑にしてしまいがちな、大切なこと。そんなことをふと立ち止まって考えることを促す一冊というべきか。サクサクと読み進めることができるが、時折手にとって拾い読みする価値がある。
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amanon
タイトルから介護概論的な内容を想像したが、介護現場の実例を纏めたエッセイ的趣もある読み物という感じか。ありきたりな言い方だが、一口に高齢者と言っても十人十色で、究極の対応策があるわけではない。しかし、これは絶対NGという対応や、ここはこうした方がいいという実例は確実にあって、そうした実例の蓄積から、自分なりにやり方を編み出していく他はないというのが、介護の難しいところであり、面白いでもあるな…と改めて認識。また、この手の本を読むときは、介護する側の視点から読んでいたが、段々この先の自分を考えるように…
が「ナイス!」と言っています。
amanon
突っ込み所も散見されたが(とりわけ宗教に関する認識が浅いと感じた)、概ね興味深く読めたか。特に教育についてのくだりは、教育に携わる全ての人間必読だと思うが、しかし、現場で働く教師からは、それこそ現場を知らない人間の戯言と受け取られそうで、思わず嘆息…特に競争を否定し、生徒一人一人を尊敬するなど、今の教育現場では、実践が相当に難しいのでは?それから、頁数の制約もあるのだろうが、終わり方がかなり強引なのが気になる。著者後書きでアドラー心理学は知識で終わらせては意味がないとあるが、実戦までの道のりは遠いか?
amanon
2021/12/06 09:22

本書に登場する青年の人物造形が、前作と殆ど変わらず、子供じみて底が浅いのが、密かに気になる(笑)。三年間の月日の間に学校教育に携わり、アドラー関係の書物も読んでいるというのに、やたら哲学者に噛みつき、揚げ足を取ろうとするというのでは、何のための三年間だったのか?とつい突っ込みたくなる。

が「ナイス!」と言っています。
amanon
三度目の再読。それでも、未消化感は拭いきれず。前回はこういう所に目を留めていなかったよな…と認識することがしばしば。それでも理解とは違う何かが深まった感がある。ただ、本書がキリスト教に予備知識のない一般人向けだというのは、やはり疑問。恐らく神学部の3回生くらいではないと歯が立たないのでは?と思われる。個人的には史的イエス論の無効性を論じるくだりがとりわけ興味深かったか。実証性を重んじる学問の限界を改めて認識。一見、虚学の代名詞のように思われる神学が実は究極の実学である…この認識に至るまでの道のりは長そう。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
これまで読んだ著者の作品と被る箇所がかなりあるのにもかかわらず…というよりむしろそのために深く感じることしきり。つまりそれだけ大切なことが書かれているということだと思う。とりわけ、勇気づけられたのが、「読む」という行為は「書く」行為に劣らず創造的な営みだという指摘。だからこそ、漫然と字面を追うのではなく、真剣に読み込まねば…と反省も強いられる。また、「書く」という行為も、書く対象といかに対峙するかという点で、真剣味を欠いていたのではないかと思わせられた。大拙、井筒など読み返したい本が増えて困る(笑)。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/06/26(5834日経過)
記録初日
2008/06/01(5859日経過)
読んだ本
3081冊(1日平均0.53冊)
読んだページ
989683ページ(1日平均168ページ)
感想・レビュー
3029件(投稿率98.3%)
本棚
7棚
性別
血液型
O型
職業
専門職
現住所
京都府
外部サイト
自己紹介

 ハンパ者を自称しつつも、何だかんだと某グループホームにて介護の仕事をこなしつつ、空いた時間を読書に充て、一応悠々自適な日々を過ごしているつもり。
 好きな音楽は、フー、キンクス、ビートルズ、フリー、ルースターズ、村八分、ティラノザウルス・レックス、ザッパなどのロック、マイルス、コルトレーン、ビリー・ホリデイなどのジャズ。後、ゲンズブール、バルバラなどのシャンソンもちょっと囓った。それから一時期はグールドによるバッハ演奏に結構はまってた。
 好きな作家、よく読んでいた作家は、倉橋由美子、高橋たか子、大江健三郎、町田康、中上健次、津島佑子、古井由吉、高橋和巳、島田雅彦、島尾敏雄、安部公房、三島由紀夫、橋本治、村上春樹などの戦後作家。後最近の作家で読んでいるのは、森美登見彦、平野啓一郎、阿部和重、西村賢太、多和田葉子、中村文則、柴崎友香、村田沙耶香など。
 海外の小説家でわりによく読んだのは、ジュリアン・グリーン、セリーヌ、モーリヤック、ヴァージニア・ウルフ、バルザックくらいか。
 小説以外で好きなのは、エックハルト、シモーヌ・ヴェイユ、内田樹、佐藤優、須賀敦子、白洲正子など。

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