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2024年10月の読書メーターまとめ

テイネハイランド
読んだ本
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読んだページ
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感想・レビュー
9
ナイス
222ナイス

2024年10月に読んだ本
10

2024年10月のお気に入り登録
2

  • 小谷野敦
  • venturingbeyond

2024年10月のお気に入られ登録
1

  • venturingbeyond

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

テイネハイランド
図書館本。先日読んだ「暇と退屈の倫理学」が面白かったのでこの本も借りました。NHKのTV番組「 100分de名著」テキストを元に加筆した哲学の入門書で、139ページほどの薄い本なのでさらりと読めました。「エチカ」は岩波文庫で上下二分冊ですがまずは下巻の第四部から読めばいいと教えてくれるのも親切ですし、そのあとの説明(①本質をものの「形」から物が持つ「力」にあると考え直すことで一体何が変わるのか?②「自由」とは何か?③スピノザの考える「真理」の定義では自己変容の体験を要求する)もわかりやすかったです。
テイネハイランド
2024/10/22 21:39

「自分を知ることは自分に何らかの変化をもたらします。つまり、何かを認識すること、真理を獲得することは、認識する主体そのものに変化をもたらすのです。私たちは物を認識することによって、単にその物についての知識を得るだけでなく、自分の力をも認識し、それによって変化していく。真理は単なる認識の対象ではありません。スピノザにおいて、真理の獲得は一つの体験としてとらえられているわけです。」「真理」のスピノザ的定義(主体的な体験)についてデカルト的「真理」(「客観的に存在する」対象)と比較した箇所は興味深かったです。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
9

テイネハイランド
図書館本。著者の本を読むのは三冊目です。彼は自分の感覚や経験をわかりやすく言語化して人に説明する能力が高いのでどの本も外れなく読めますね。「料理人」の仕事について語る箇所では「料理」にかぎらず世の中全般の仕事の仕方に通じる普遍的な話をさらりとしていますし、昨今の「料理業界の修行不要論」については「調理技術以外の店舗運営のオペレーションについても学べるのが修行時代の本当の意義だ」と明快に反論していて納得感がありました。「自分でカフェをはじめてみたいのですが?」に対する回答の話題も興味深かったです。
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テイネハイランド
kindle unlimited。初めて読む雑誌ですが今号の特集(「絶景・観光・旅の映像で成功する!」)は、カメラや映像について全く知識がない私が読んでも楽しめる内容でした。中でも最初の「カメラマン・竹本宗一郎が伝授する絶景の見つけ方」に書いてある仕事のやり方についての紹介記事が興味深い内容でした。竹本さんは言語化能力が優れていて読者に対して親切ですね。彼は映像についての著書も出しているので今度機会があれば読んでみたいと思います。
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テイネハイランド
図書館本。著者の本を読むのは「スマートノート」について二冊目。著者の二つの造語「ユニバーサル・トーク」「戦闘思考力」についてのわかりやすくユニークな説明を読むと説得力があり「人前で話をしてお金をもらう講演者」としての著者の分析力や論理展開力がよくわかるものとなっています。あと第5章で思考の武道と著者が呼ぶ「戦闘思考力」を鍛えるレッスン方法が載っていてこの内容も興味深いものでした。平凡な本の題名だけを見て読まないと決めつけるのはもったいないユニークなノウハウ本だと思います。
テイネハイランド
2024/10/26 05:46

第5章では本の内容を2ページごとに一行でまとめるという分析方法を紹介されています。「じつは僕、宮部みゆきの本でこれをやったことがあります。240ページあったので120行、パソコンで書きました。120行書いたら、恐ろしいことに、宮部みゆきがどのように読者を振り回そうとしているのか、その手練手管がすべて見えました。(中略)以降、一生ミステリーを読むときに役に立ちます。」あまりにプロットが複雑すぎて挫折中の名作アガサ・クリスティー「アクロイド殺人事件」についてこの手法を適用して読んでみようかなと思います。

が「ナイス!」と言っています。
テイネハイランド
kindle unlimited。PCやスマホ上のアプリNotionに今更ながら最近はまっていまして、本やWebでの解説記事を読むのがこのところの日課になっています。初歩的な内容から高度な内容まで、解説資料は本やブログや動画に山のようにありますが、あくまで個人ベースで使うことを念頭に置いている初心者の私にとっていいなと思ったものの一つがこの本です。
テイネハイランド
2024/10/26 05:15

「この手の「何でもできるツール」に必要なのは、「何でもできる機能」の紹介ではなく、「こういうことに使えるよ」という活用事例とか「使うとこんないいことがあるよ」というベネフィットの紹介です。「あ、そんなことにつかえるのか」「こんないい未来が待っているのか」ということが分かれば、掴みどころがないということはなくなり、「使いたい!」という気持ちに変わっていくものです。」

が「ナイス!」と言っています。
テイネハイランド
図書館本。先日読んだ「暇と退屈の倫理学」が面白かったのでこの本も借りました。NHKのTV番組「 100分de名著」テキストを元に加筆した哲学の入門書で、139ページほどの薄い本なのでさらりと読めました。「エチカ」は岩波文庫で上下二分冊ですがまずは下巻の第四部から読めばいいと教えてくれるのも親切ですし、そのあとの説明(①本質をものの「形」から物が持つ「力」にあると考え直すことで一体何が変わるのか?②「自由」とは何か?③スピノザの考える「真理」の定義では自己変容の体験を要求する)もわかりやすかったです。
テイネハイランド
2024/10/22 21:39

「自分を知ることは自分に何らかの変化をもたらします。つまり、何かを認識すること、真理を獲得することは、認識する主体そのものに変化をもたらすのです。私たちは物を認識することによって、単にその物についての知識を得るだけでなく、自分の力をも認識し、それによって変化していく。真理は単なる認識の対象ではありません。スピノザにおいて、真理の獲得は一つの体験としてとらえられているわけです。」「真理」のスピノザ的定義(主体的な体験)についてデカルト的「真理」(「客観的に存在する」対象)と比較した箇所は興味深かったです。

が「ナイス!」と言っています。
テイネハイランド
kindleのセールで購入(364円)しました。雑誌ポパイの連載で知っていた人ですが今回まとまったかたちで読みました。本業は画家の方ですが、食へのこだわりが凄く文章も達者な方という印象です。前に読んでたのが軽薄なノリの「するりベント酒」(久住昌之著)だったのでそのジャンキーな持ち味と比べると、牧野さんの文章は昭和の文豪などの食味エッセイと比べても見劣りがしない正統派という感じです。食に対するこだわりと手間のかけ方はとても真似できませんが、スイカの皮の漬物は機会があれば作ってみたいと思いました。
テイネハイランド
2024/10/17 21:41

「市場で海の色を映すように青く光った新鮮なめざしを見つけると、迷わず買ってしまう。そして大切なのはその炙り方だ。やや大きめの弱火でさっと炙る。火が強すぎると焦げてしまうし、弱すぎると焼けるまでに時間がかかりすぎて乾燥してポリポリになってしまう。なにしろ身が小さいので、火加減に大きく左右される。ガス火でもオーブンでも火は通るが、こればかりは炭火で炙った方が格段にうまい。炙るときは頭のなかでめざしの姿を拡大して頭やはらわたに火が通っていく様子を想像しながら、目と鼻を使って色と香りの変化に集中する。」

テイネハイランド
2024/10/17 21:45

「(続き)火にあたっている側の皮の青色が消え、白くかりっと香ばしい感じになり、ほんのり焦げ目がついたら、ひっくり返して反対側を炙る。もう身に火が通っているから、さっと表面を炙る程度でよい。ひっくり返すのは一回だけである。」

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テイネハイランド
ネタバレkindle unlimited。「人間椅子」「目羅博士の不思議な犯罪」「お勢登場」「鏡地獄」「押絵と旅する男」など8編を収録しています。「目羅博士」なら「猿が人間の真似をするのを利用して残虐ないたずらをする」話、「鏡地獄」なら「瀕死の虫を顕微鏡で思いっきり拡大する」話など手のこんだネタを物語の途中に入れて読者を飽きさせないようにする工夫がされていて楽しめました。「お勢登場」なども再読ですがオチがわかっていても楽しめるのはよくできた落語の噺のようでした。
が「ナイス!」と言っています。
テイネハイランド
イランに長年住んでいる著者が匿名(若宮總はペンネーム)で書いた本です。親しみやすい語り口なのに情報量が多く月並みではないジャーナリストとしての視点も持っている点では、高野秀行氏(本書の解説を担当「若宮さんがイランについて書いた本を読みたい」と出版を後押し)やブレイディみかこ氏(雑誌"週刊エコノミスト"で本書を推薦)の著作に通じるものがあり、本書もふたりの著作同様もっと一般に広く読まれていいように感じました。
テイネハイランド
2024/10/08 21:50

「イランって、酒も飲めないし、豚肉も食えないんだろう? 女の子とデートもできないって言うじゃないか。お前、よくそんな国で生きていけるな」ときどき日本に帰って来て、私が「イランで暮らしている」と話すと、日本人の友人たちは決まってそう言う。(中略)「まあ本当にその通りだったら、とっくに正気を失っていただろうね。でも、いま君が言ったもの、イランでもまったく不自由してないから、ご心配なく!」そうなのだ。あれもダメ、これもダメと言いながら、実はそのすべてにちゃんと抜け道が用意されている国、それがイランだ。

テイネハイランド
2024/10/08 22:02

(メモ)本書で著者が紹介したイラン関連書籍: (1)岩崎葉子著『「個人主義」大国イラン』(平凡社新書) (2)鵜塚健著『イランの野望:浮上する「シーア派大国」』(集英社新書) (3)新冨哲男著『イラン「反米宗教国家」の素顔』(平凡社新書)

が「ナイス!」と言っています。
テイネハイランド
kindle unlimited。紙の本だと、(文庫+単行本)で1万登録越えの人気書です。所々著者の論理に納得できない箇所がありますので、読書メーターでの評判ほどには良い本だとおもいませんが、全体としてはかなり興味深く読めました。特に、第5章「ハイデッガーの退屈論」についてのわかりやすい紹介、第6章ユクスキュールが提示した「環世界」の興味深い紹介、それをハイデッガーの哲学と絡めて暇と退屈の問題につなげて自説を述べた箇所がよかったです。
テイネハイランド
2024/10/07 22:43

(著者の説についての疑問点)①非正規雇用の問題を(ポスト・フォーディズム)的生産体制(モデルチェンジが激しいから機械に設備投資できず、したがって機械にやらせればいいような仕事を人間にやらせなければならない…)と結びつけて論じている箇所は全く納得できません。著者は今まで製造業で働いた経験がないからこんな論を述べているのだと思います。②ボードリヤールの文献や小説/映画「ファイトクラブ」を引用して消費社会論(浪費なら満足度が高く、消費なら観念の操作なので退屈する)を述べている箇所も今一つよくわかりませんでした。

テイネハイランド
2024/10/07 23:17

全体を通してみるととても興味深い先行文献(著者はそれらをうまく自著に引用する能力はあると思います)に引きずられる印象で、著者の論旨の展開についても細部を細かく見ると強引な箇所もあり(付録「傷と運命」についても興味深い考察ではありますがやや根拠に欠けるのではと思いました)、もっと批判的に読まれるべき本だと思います。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/04/26(3866日経過)
記録初日
2012/05/06(4586日経過)
読んだ本
2031冊(1日平均0.44冊)
読んだページ
365185ページ(1日平均79ページ)
感想・レビュー
1729件(投稿率85.1%)
本棚
17棚
性別
血液型
A型
職業
専門職
現住所
京都府
自己紹介

 どちらかといえば本を読むことよりも音楽を聴くほうが好みなのですが、読書メーターを始めてから読書を楽しむ機会が増えました。読書メーターを通して知った本も多く、頻繁にこのサイトを覗いて、皆さんのレビューなどを参考にしています。
 また、日本語だけでなく英語の本も継続的に読みたいと考えていて、英語本については、月一冊以上読むことをノルマにしています。英語で書かれた小説については、「ガーディアン1000冊」のイベントなどを利用して、古今東西の面白い本を選ぶ参考にしています。
 私のレビューは、気にいらなかった本についてバランスを欠くほど辛口になるようです。自分が好きな著者の作品を、私が酷評していることもあるかもしれません。お気分を害されるかもしれませんが、あくまで私の偏見だとおもって、ご了承をお願いします。



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