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2023年11月の読書メーターまとめ

くみこ
読んだ本
11
読んだページ
3464ページ
感想・レビュー
11
ナイス
305ナイス

2023年11月に読んだ本
11

2023年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

くみこ
姉妹の境遇を思えば、ああ良い話だったと言ってしまうのは気が引けるけど、やっぱりとても素敵なストーリーでした。人が誰かのために生きる姿は、なんて強く優しく尊いことかと。姉妹を受け入れた蕎麦屋の夫婦をはじめ、周囲の人の善意の輪はゆったりと広がり、幼く、庇護されるばかりだった8才の妹も、やがて誰かの助けになる。そして、ネネの存在です。賢いヨウムは、どれだけ姉妹を助けたことか。上等な童話のように、じんわり心が温まる一冊でした。
が「ナイス!」と言っています。

2023年11月の感想・レビュー一覧
11

くみこ
主人公は、隣人が未解決殺人事件の犯人だと確信しまう。でも警察も、愛情深い夫でさえ彼女を信じてくれない。なぜって彼女には精神疾患の既往歴があり、逮捕された過去があるから。最初からピリピリ張り詰めた雰囲気です。読み進むうち、危なっかしい場所にいるのは主人公だけじゃなく、あの人もこの人も意外な一面を覗かせ始めます。隣人の弟が登場したあたりで輪郭はわかってくるものの、ずっと緊張しっぱなし。トリックや犯人探しより、心の均衡が若干崩れた人の描写に感心するばかりでした。
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くみこ
本を開くと、〜本書の読み方〜の次に6章の冒頭部分が並んでいます。読み比べて気に入った章から読み、自分だけの物語が体験出来るという、変わった作品です。ある人物が、複数の章を読む事で実像が見えたり、一つの物語の側面や裏側が見えたりします。未知の読書体験かどうかは別として、凝ったつくりだと思いました。(一章起きに上下逆さまにする念の入れよう)各章で死が描かれますが、誰かの過去と未来が繋がり、海面に起こる幻想的な現象を複数の人物が体験する時、救われるような優しさもありました。
が「ナイス!」と言っています。
くみこ
大晦日に、ホテルのラウンジで寛ぐ三人は、微笑ましい老人達に思えました。80才を過ぎた男性二人と一人の女性は、矍鑠としてお洒落で、長年の友情と信頼が伝わってくるようで。なのに、その後の彼らの衝撃的な行動は、三人の家族に波紋を広げます。様々な人生が垣間見え、ままならない家族関係が明るみなっても、濃厚な感情は希薄です。生きて行く事や、最も近しいはずの家族に対する諦觀が漂うよう。何かを失い、何かが終わり、なお人生は続いて行く、溜息にも似た静かなお話でした。
が「ナイス!」と言っています。
くみこ
変な絵を題材にした短編かと思ってました。いくつかの変な絵について、その都度オチがつくような。最初の一枚から、全て繋がっているんですね。しかも、長い時を経た物語です。極端、強引と思う箇所があるものの、歪な愛の破壊力は凄かった。雨穴さん初読みでしたが、引き込まれる一冊でした。
が「ナイス!」と言っています。
くみこ
姉妹の境遇を思えば、ああ良い話だったと言ってしまうのは気が引けるけど、やっぱりとても素敵なストーリーでした。人が誰かのために生きる姿は、なんて強く優しく尊いことかと。姉妹を受け入れた蕎麦屋の夫婦をはじめ、周囲の人の善意の輪はゆったりと広がり、幼く、庇護されるばかりだった8才の妹も、やがて誰かの助けになる。そして、ネネの存在です。賢いヨウムは、どれだけ姉妹を助けたことか。上等な童話のように、じんわり心が温まる一冊でした。
が「ナイス!」と言っています。
くみこ
壇蜜さん初読み。なんというか、こちらが勝手にイメージする壇蜜像を裏切らない小説でした。湿り気と、ほんの少しの毒や可笑しみを感じさせつつ心の機微を描き、なかなか手慣れた印象です。結婚後すぐに夫を亡くした妻の話から始まり、途中で連作短編集だと気付きました。全体の雰囲気から結末は意外だったし、最初の章で完結しても良かった気もします。タクミ君が、バイト先の情けない先輩との交流を経て、少し大人になる話がとても良かった。なかなか雰囲気のある一冊でした。
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くみこ
主人公は40代のわたし。歩道で、仕事場で、広場、本屋、待合室…。今、〈わたしのいるところ〉のタイトルがついた46章が掌編のように続き、日常の出来事が淡々と綴られます。どこか落ち着かない、心許ない気持ちになるのは、場所にも人にも名前がないせいかもしれません。それが逆にイメージを広げてもくれます。英語でベンガル系移民の世界を描いたものと違い、こちらはイタリア語で、一人の女性の繊細さと孤独を細やかに描いた小説です。気付くと〈わたし〉は側にいて、親しい人の旅立ちを見送ったような気になりました。
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くみこ
小説家のわたし、元教師のアン、作詞家のカズは、カリフォルニアの同じ地区で幼少期を過ごしました。半世紀ほど経って再会し、交流が始まります。60才過ぎの彼らは、再び人生が交わったからといって特別親しくなるでもなく、緩やかな関係に終始します。思い出話や、現在考えたり思ったりしている事についての会話、わたしが感じる様々な事柄への表現が心地良い。カズの魂と自分の魂が、するっと近くに寄った気がした、とわたしは感じます。もう、それだけでいい気がした、とも。多くの素敵な言葉と、独特な雰囲気を楽しめました。
が「ナイス!」と言っています。
くみこ
なんて贅沢。ミステリ小説を読む楽しみが全部詰まってます。不可解な事件と不気味な犯人に挑む緻密な捜査、警察内の政争、ミスリードにどんでん返しにハートフルストーリー。おまけに主人公ライムは類を見ない人物で、周辺の人々も多彩です。複雑な真相へ辿り着く過程で、中弛みも失速も感じなかった。最先端の科学捜査はもちろん、父と子の物語や、心身に傷を負った人間の心理も読み応えがありました。このシリーズ初読ですが、ベストセラーも映画化も納得の面白さでした。
くみこ
2023/11/07 19:25

なんとシリーズ第15作!「ボーン・コレクター」あたりから読めば良かったのかな?

hon
2023/11/07 20:58

15?!それは・・・。

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くみこ
自らをワクチンと名乗る無差別連続殺人犯。犯人は、ある新聞記者との誌上討論を要求します。言葉で俺を止めてみろ、と。練り上げた言葉を犯人に向ける記者には、辛い過去がありました。一方で、両親は赤の他人と知ってしまった少年を、愛ある言葉で癒す育ての父がいます。それら全てが繋がり、犯人逮捕後の衝撃まで、息が詰まるようでした。「愛すべき存在を愛さなかった罪」。事件の裏には、想像以上に深い物語が潜んでいます。新聞社が、真実の報道と企業利益の狭間で下す決断や葛藤も、読み応えがありました。
が「ナイス!」と言っています。
くみこ
著名人ではない、市井の人々100人へのインタビューで成り立っています。毎年大晦日に、同じ場所で、"あなたにとって今年一番の出来事"をインタビュー。平成の始まりから終わりまで、30年間続けた試みは興味深いものでしたが、徐々にフィクションかな?との印象が。やはり最後に〈本書はフィクションです〉。変わったつくりでしたが、平成を振り返るには良い一冊でした。平成からは戦争がないね、とずっと言えますように。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/05/15(3727日経過)
記録初日
2014/05/15(3727日経過)
読んだ本
2028冊(1日平均0.54冊)
読んだページ
666334ページ(1日平均178ページ)
感想・レビュー
1300件(投稿率64.1%)
本棚
5棚
性別
血液型
O型
現住所
神奈川県
自己紹介

既読本を再度手にしてしまう事のないように、利用を始めました。
拙い感想にナイスして下さる方々、ありがとうございます。

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