一人と一人が二人として寄り添い合いながら生きていくことをより強く感じたのだと思う。発売前は「4巻」ではないことに違和感を覚えていたが、終わってみればこれは「終」としか表現できないなと。もう何回言ったかわからないけど、持崎湯葉、一生推すわ。
2024年4月の読書メーター 読んだ本の数:69冊 読んだページ数:15672ページ ナイス数:1891ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/471107/summary/monthly/2024/4
個人的にこの巻で一番良かったのは、夏希が秘めていた想いを言い当てたあとの、陽花里の一言。メインヒロインを張るに相応しい、一本通った芯の強さを感じさせてくれて思わずニッコリ。ところで、今回で仲良しグループ内の地雷は凡そ起爆しきったと思うのだが、どう続けていくのだろうか。
この序盤のあらすじを忘れていたまである。まさかポコジャカ、ヒロインが生えてくるなんて思わないじゃないか。というか、主人公を狙う恋のライバルがいるとわかるや否や、積極的に攻勢をかけてきてバチバチにさや当て…いや切った張ったをやるとか想像の斜め上過ぎてゲラゲラ笑った。プレゼンバトルは斬新が過ぎるのよ。台風のように読んでる間はその勢いに翻弄されるのに、読み終わってみればカラっと爽快で良いもん読ませてもらったなと思わせてくれる作品だった。続きも読みたいなあ。
ある種の信頼をしていたので特に問題はなかった。叶えたい願いのために、聖女になろうと幼い頃から努力してきた主人公の頑張りを台無しにし、自分こそが真の聖女であるという尊厳を踏みにじることも是とする、利己的で純粋な愛。いやあ、著者の作品に求めていることを120%で返してくれていて思わずニッコリ。ラストの展開も、最後まで自分のことしか考えていない、全くブレない姿が描かれていて良かった。主要人物たちが幸せになったし、これはどう考えてもHAPPY END。
理不尽な出来事に対して迎合することを良しとしない高潔さが行動に現れているのも良かった。そして、後輩が二人とも可愛い。特にギャルの萌仲。生来の明るさ真っすぐさの中に、わずかに諦観という闇がにじむという塩梅が人間臭くて絶妙。思わず彼女の恋路を応援したくなるね。続きも楽しみ。ところで、前作に出ていたミニスカちゃんが今回も登場していたが、こういった他作品との繋がりをさりげなく入れてくれるの好きなんだよなあ。
また、人外のモノに対し寛容すぎる脇役たちは違和感の方が強かったし、同居まで許す主人公のバックボーンが何なのかわからなかったのもモヤモヤする。物語の構成というか、1冊におけるペース配分に改善の余地があるように思えて、そこまでのめりこめなかったのは残念。
ただ、明らかになにか物語を抱えている雰囲気を醸し出していたサブキャラたちにほぼフォローがないまま終わってしまったことは残念かな。まあ、WEB版を読めばいいのであれば些細なことではあるが。次回作にも期待している。
その中途半端に傍観者気質なことは序盤こそ鼻についたが、甘さが後半のカギになっていたのは良かった。また、忘れちゃいけないのがメインヒロインであるヨアンヌちゃん。原作ゲームでは好感度を上げると四肢切断待ったなしなほど思考回路はサイコなのだが、くそ雑魚チョロインで初心なところ可愛すぎんか。リアルで関わり合いがないからこその感想だとは思うけど。カタツムリとかエンゲージフィンガーとかドン引きだけどね!これがまだ序の口らしいので続きも楽しみにしたい。
彼らの前に立ちはだかる障害は決して少なくなかったのに、その全てを解決してみせて、無理を感じさせなかったストーリーテリングも良かった。冒頭で描かれていた彼らの数年後(?)の未来に至るまでにはまだ遠く、これからも様々な障害が彼らの前に立ちはだかると思うのだが、彼らならば大丈夫だと、明るい未来を感じさせる物語だった。とはいえ続きは出してほしいので期待している。
それが唆されたとしても、やってのけてしまう強かさが良かった。彼との交流によって隠れていた彼女の素の一端が見えたようにも思えて、ただの甘えたがりなだけじゃないのだなと。ラストはやや唐突でベタではあったものの、想像していた通り収まるべきところに収まったので良かった。個人的な事情になるが、最近、筆舌に尽くしがたいアレな親がでてくる作品にばかり当たっていたので、この作品のように互いを思いやるが故にすれ違う、ぐらいのぬるめの温度感は正直助かった。
破綻なくまとめているのは純粋に凄い。何作も新人賞受賞作読んできたけど、普通の新人はそのあたりとっちらかるのよ。内容も実に外連味たっぷりで良い。世界一有名な私立探偵リスペクトであろう、人格破綻者かつ生活破綻者なのに少ない情報から犯人像をプロファイリングしてみせるべらぼうに高い推理力、洞察力を持つ人物を登場させていること然り、軍医あがりの語り部然り。異能バトルかと思いきや結局、モノをいうのは格闘術なところとかも良かった。そして、最終的には愛の話に落としたことも私好みでよい。ただ、残念なところはあらすじと
作品に対するプロモーション。電撃小説大賞受賞作のテンプレそのままのような、間違ってはいないけど作品の良さを購買層へ訴求できていない、痒い所に手が届かないものになっていたのはちょっとなあ。あらすじ読まない方が余計なノイズが少なくていいまである。また、「追想」という単語はもういなくなってしまった者たちへの追悼がニュアンスに入っていて、しっとりめの作品を想起させるのでこの作品には合わない。だって、主人公が「追想」している近くで、当の本人たちは誰が彼を助けるのか正妻戦争してるんだよ?せっかくの新人賞受賞作なのに…
そしてそんなサインを一番近くで受け取っていながら、この期に及んでまだ彼女の真意を汲み取れない冬くんに殺意さえ抱いた。でも、そんな愚かであった自分の、優しさに見せかけた残酷さをようやく理解して、それでも彼女と共にあろうとボロボロになりながら前へ進んだ冬くんのカッコ悪くて超カッコいい姿が最高だった。また、糸ちゃん側の視点、彼女の想いが入ることで、これまでは物語の一側面しか見えていなかったのだと理解させられるのも良かった。見え方が変わったからこそ、
一人と一人が二人として寄り添い合いながら生きていくことをより強く感じたのだと思う。発売前は「4巻」ではないことに違和感を覚えていたが、終わってみればこれは「終」としか表現できないなと。もう何回言ったかわからないけど、持崎湯葉、一生推すわ。
そしてヒロインが姉、母親と立て続けに向き合うのだが、母親のあまりにもアレな態度に更に怒りが増したのでそちらはさておくとして、薄々感じていた姉の真意は非常に良かった。これまでの関係を取り戻すかのように密な交流を始める姿は良かった。ただ、1巻で描かれていたような逃避による緩やかな停滞から、状況が目まぐるしく変わっているので、早くもまとめに入っているような気がしてならない。更に、今回も蚊帳の外にされた義妹ちゃんの扱い……この対応は悪手なんじゃないかな。次巻で爆発しそう。
この自己認識の低さが今後の物語のカギになってきそう。また、結愛と勇星の二人も、何かしらの屈託を抱えていそうなのでそのあたりにも期待したい。ただ、この1冊だけでは良くも悪くもプロローグといった感じが強いのが気になったかな。
アプローチに迷走しているのは、真剣な彼女に悪いと思いながらも思わず笑みがこぼれた。ラストではシリーズで初めて、明確に敵対関係になりそうな人物も見えてきて、今後の展開にも益々期待している。
伴っていて非常に良かった。正直、中盤までは入院生活の描写は細かすぎると思っていたのだが、そのような感想を抱いた人にこそ最後まで読んでもらいたいなと。ただ、ジャンル自体がミステリなことでネタバレ無しでレビューすることがただでさえ難しいのに、そのせいでよりネタバレに配慮しなくてはならず、このような迂遠な物言いでしか薦めれないことがもどかしい。読んで。
終盤の展開をネタバレなしで、かつ魅力的に語れる自信が全く無いのでとにかく読んでとしか……主人公の辣腕ぶりとか、もふもふとか、自分を肯定してくれたヒーローとのラブ要素とか、確かに面白かったけどもそれらはこの作品の本質ではなくて、とある愚かな男が、己が全てを賭して幸せを与えた物語だったなと。その生き様に深く胸を打たれて、涙が止まらなかった。次回作も期待している。
ライトノベルが好きです。最近はライトノベルばかり読んでいます。読メ登録は2014年6月からです。
常に面白いラノベに飢えており、積ん読が沢山あるのに新作に手を出したりしています。気軽にお気に入りしていただけると嬉しいです。
ちょこちょこと感想をあげていきますが、基本的に採点は甘めです。自分が後で見やすいためだけに、星5段階で評価しています。
好きなシリーズ
キノの旅
その他時雨沢作品全て
俺ガイル
SAO
AW
HO
禁書
ロウきゅーぶ
天使の3P
青春ブタ野郎
ウチの娘~
エロマンガ先生
等
好きなシリーズは多いので隙を見て更新していきます。
(2017年1月更新)
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そしてそんなサインを一番近くで受け取っていながら、この期に及んでまだ彼女の真意を汲み取れない冬くんに殺意さえ抱いた。でも、そんな愚かであった自分の、優しさに見せかけた残酷さをようやく理解して、それでも彼女と共にあろうとボロボロになりながら前へ進んだ冬くんのカッコ悪くて超カッコいい姿が最高だった。また、糸ちゃん側の視点、彼女の想いが入ることで、これまでは物語の一側面しか見えていなかったのだと理解させられるのも良かった。見え方が変わったからこそ、