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2024年3月の読書メーターまとめ

玄趣亭
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感想・レビュー
5
ナイス
903ナイス

2024年3月に読んだ本
5

2024年3月のお気に入り登録
1

  • マカロニ マカロン

2024年3月のお気に入られ登録
1

  • マカロニ マカロン

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

玄趣亭
ミステリ史に残る古典。現代ミステリの読者にはまだるっこしい展開だろうが、後に続くクイーン『Yの悲劇』が似通った作品構造で影響の大きさを伺わせ、終盤に事件の概要を98の項目にまとめる様は「読者への挑戦」を連想させ、作品の背景である憎悪渦巻く一族、古屋敷、犯罪者の血統などの要素は横溝正史など日本の探偵小説へ繋がるなど様々な点でミステリの原点となっている作品であることに改めて気付く。日時を明確化し、端役の丁寧な書き込みなど実録めいた書き方も先駆的だが、これは逆に古びる要因となった気がする。
29square
2024/03/10 21:20

ああー懐かしい! 自分はあかね書房 少年少女推理全集派でしたね~ ヴァンダインもそれで初読みでした!

玄趣亭
2024/03/10 23:17

29square様。コメントありがとうございます。あかね書房「少年少女世界推理文学全集」は私も図書館で見かけて読んでいました。そちらでのヴァン・ダインは『カブトムシ殺人事件』と『ケンネル殺人事件』だったと思います。今回コメントを書くのに少し前に平凡社から発行された『少年少女昭和ミステリ美術館』を参考にしました。29square様も懐かしく感じられるような昔のジュニア版のミステリ本の表紙で溢れている本ですよ。お勧めです。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

玄趣亭

先日、中島みゆきさんのコンサートに行ってきました。十数年ぶりに彼女の生歌を聴きましたが、力強い歌声は変わらず。時が容赦なく過ぎても、社会がどんなに移り変わっても、倶(とも)に走り継ごうと力を与えてくれる言葉が、歌がそこにある。

先日、中島みゆきさんのコンサートに行ってきました。十数年ぶりに彼女の生歌を聴きましたが、力強い歌声は変わらず。時が容赦なく過ぎても、社会がどんなに移り変わっても、倶(とも)に走り継ごうと力を与えてくれる言葉が、歌がそこにある。
玄趣亭
2024/03/18 21:55

kaoru様。みゆきさんが大学の先輩でしたか。私は最初『わかれうた』や『ひとり上手』のような歌が苦手だったのですが、学生の頃『歌姫』や『ファイト!』を耳にしてこれは違うぞと思い聞き直しました。母の亡くなった時に聴いて涙した『永久欠番』。自分にとってテーマソングのような『二隻の舟』や『瞬きもせず』。人生の終わりには『ヘッドライト・テールライト』あるいは『愛だけを残せ』でしょうか。格好付けすぎかしら?長文失礼しました(^^;)。

kaoru
2024/03/18 22:26

ありがとうございます。みゆきさんの母校は藤女子大で、北大のフォーク研に一時在籍したものの方向性の違いから袂を分かったと聞きました。『永久欠番』や『二隻の舟』をいつか聞いてみたいと思います。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
5

玄趣亭
副題「自選少女ホラー小説集」。主人公が忘れた記憶、あるいはねじれた過去が「少女」の姿として顕現化して不穏な気配を漂わせる作品集。物語が進むにつれメビウスの輪のように時間が反転して繋がり、それと同時に生と死の境界も曖昧になってしまうような書き方、その手練れ感は著者ならではのもの。既に皆川魔界を何冊か体験した者としては、比較的読みやすい一冊。姉の悪意が自身に転移したような『冥い鏡の中で』。著者の実体験に基づき大人達に振り回される少女を描いた『巫子』。本書の中では、幻想度が低めな二作が逆に印象に残った。
玄趣亭
2024/03/31 19:17

『巫子』からランダムに引用:「大人たちは、神示を、かってに取捨選択して、自分たちに都合のいい部分ばかり信じているみたい……」「生きている人間にわからないことが、死者にはわかるというのは、ずいぶん不合理なことだと、学のない自分でも思うのに、どうして、帝大出のインテリのお医者さんが、と、三田村は、そっちの方が不思議なくらいだ」「死んでしまえば、あっけらかんと無に帰するからこそ、救いがあるのに、どうして、あいつらは、死者に命令されたがるのだろう……」

玄趣亭
2024/03/31 19:18

生長の家や大本教など新宗教に関わっていたという著者の父だが、そう言えば小川洋子の生家も金光教だった。皆川博子と小川洋子、卓越した物語の書き手である二人が共通して新宗教と関わった家を出自としているのが興味深い。宗教色抜きにして、物語で語られる死生観に滲み出ているのではと思った。勿論、皆川博子の場合はさらに戦争体験が付加されるのだけれども。

が「ナイス!」と言っています。
玄趣亭
最大の英語辞典OED。成立に寄与したマイナー博士と編集主幹マレー博士を主役に本書は展開する。マイナー博士が精神病院に入るきっかけになった殺人、狂気の原因となった南北戦争体験が語られる一方で、OEDに至る英語辞書の歴史にも言及されるので、二兎を追った印象の本。マイナー博士を生涯苦しめた精神病だが、病院の中でなければ辞書の仕事を成しえなかったかもという運命の皮肉を著者は語る。だが、そうした事実をふまえ二人の博士が生涯を終えても、巨大な文化事業OEDの編集は終わらなかったという事実がさらなる皮肉として心に残る。
玄趣亭
2024/03/24 23:14

読書会の課題として読む。創作にあたって、辞書をひくことがなかったシェイクスピア(ひくべき辞書がそもそもなかった)。良識に反する言葉は禁止すべきだと主張したスウィフト(あの『ガリヴァー旅行記』の著者が?)、辞書の代名詞のように語られることに忸怩たる思いを抱えたサミュエル・ジョンソン。英語と辞書にまつわる背景が興味深いエピソードで彩られているので、個人的にはもっとOEDの物語を読みたかった。でも、それは本書ではなく別の本にあたるべきなのだろう。

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玄趣亭
原本昭和21年刊行。『復興期の精神』とのタイトルから、西洋ルネッサンスを読み解きながら戦後間もない日本を照らし出すような内容かと勘違いしてしまった。殆どの文章が戦時中に書かれたもの。時局を意識した韜晦気味な文章に、著者の狙いを察するまでの読み方が出来なかった。ルネッサンス期に拘らない西洋知の間を飛び跳ねていくような語りに追いつくのも大変でモヤモヤ感が残る読書になったのが残念。著者には『日本のルネッサンス人』という著作もあり、同時代の文人達に喧嘩を売っていた様子も気になるところ。機会があれば再挑戦したい。
Fe
2024/03/31 14:11

和田誠さんは『キネマ旬報』連載「お楽しみはこれからだ」から読み続けてました。 和田誠の本棚 登録冊数120冊 刊行年月順 https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091203

Fe
2024/03/31 14:46

https://bookmeter.com/reviews/21477111 「[1961年]十月十六日 神田の「ラドリオ」でY嬢と待ち合わせ、拙著『黒魔術の手帖』を進呈する。たまたま翻訳出版の件で話をしていた晶文社のO氏の誘いで、彼女ともども、本郷の某小料理屋へ行く。」澁澤龍彦『私の戦後追想』河出文庫 2012.7 p.138「日録」  「1959年 30-31歳 [弘文堂]「現代芸術論叢書」の第五冊目として『サド復活』刊行」p.277「略年譜」  「現代芸術論叢書」企画・編集 小野二郎

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玄趣亭
ミステリ史に残る古典。現代ミステリの読者にはまだるっこしい展開だろうが、後に続くクイーン『Yの悲劇』が似通った作品構造で影響の大きさを伺わせ、終盤に事件の概要を98の項目にまとめる様は「読者への挑戦」を連想させ、作品の背景である憎悪渦巻く一族、古屋敷、犯罪者の血統などの要素は横溝正史など日本の探偵小説へ繋がるなど様々な点でミステリの原点となっている作品であることに改めて気付く。日時を明確化し、端役の丁寧な書き込みなど実録めいた書き方も先駆的だが、これは逆に古びる要因となった気がする。
29square
2024/03/10 21:20

ああー懐かしい! 自分はあかね書房 少年少女推理全集派でしたね~ ヴァンダインもそれで初読みでした!

玄趣亭
2024/03/10 23:17

29square様。コメントありがとうございます。あかね書房「少年少女世界推理文学全集」は私も図書館で見かけて読んでいました。そちらでのヴァン・ダインは『カブトムシ殺人事件』と『ケンネル殺人事件』だったと思います。今回コメントを書くのに少し前に平凡社から発行された『少年少女昭和ミステリ美術館』を参考にしました。29square様も懐かしく感じられるような昔のジュニア版のミステリ本の表紙で溢れている本ですよ。お勧めです。

が「ナイス!」と言っています。
玄趣亭
「ここでないどこか、どこかにいる誰か」を求める浪漫主義者であり快楽主義者のエンマ・ボヴァリー。望みは強く、美しい器だが内実が伴わない。彼女の周囲は凡庸な夫シャルル、女たらしロドルフ、力不足の青年レオン、俗物の薬剤師オメーと碌な人物がいない。読了して頭をよぎったのは「幻滅」という言葉。浪漫主義は打ち消され、快楽は続かず、金に翻弄され、俗物が成り上がる。容赦ない描き方で酷な話と思うのだが、この世界の欲望を食らうように『ボヴァリー夫人』は読まれ続け、物語のことを知らずとも「ボヴァリー夫人」は今も生まれている。
玄趣亭
2024/03/09 13:19

読書会のお題として読む。日程ギリギリとなって、登場人物やストーリーにほとんど魅力を感じないまま、当日400頁を読んだのはなかなかシンドイ読書体験だった。とはいっても、文庫本600頁越えをしっかり読ませるフローベールの文章力には感嘆。エンマの容姿、風景描写など表現の巧みさももちろんだが、有名な馬車での逢い引きの場面、「共進会」でロドルフが言い寄る場面など、映画的手法を予言するような描き方に思わず唸ってしまった。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/08/31(3521日経過)
記録初日
2014/07/03(3580日経過)
読んだ本
824冊(1日平均0.23冊)
読んだページ
242474ページ(1日平均67ページ)
感想・レビュー
771件(投稿率93.6%)
本棚
15棚
性別
血液型
O型
現住所
東京都
自己紹介

一介の本読み。

バイトしていた書店も無くなり、図書館で働いていたことも今は昔……
職場にあった書庫の夢は未だに見つつ、身の回りに本だけが残り、今も増殖しています。
積読本、読みたい本は多すぎるので登録は限定に。
感想・レビューは2014年9月読了分から。

多くの本で、感想で書き切れなかったことをコメントでつけ加えています。それぞれ途切れないようにまとめていますので、よろしかったらそちらもご覧いただければ幸いです。

基本的に本は購入して読みます。購入した以上は、なるべく楽しむ方向で本の感想をまとめています。

古書店で本を入手することが多く、流行りものには疎く、本の森を適当に彷徨っていますが、見かけることがあったら声をかけてやってください。

更新はPCにて。タイムラグ生じますが、ご容赦下さい。

画像はビアズリー「詩人の残骸」より。

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