既述したが、スリランカ難民で入管に強制的に拘束されていたウィシュマさんのケース。テレビでは伝えない詳細な記述に衝撃。入管職員の残虐無道な仕打ちには怒りで怒髪衝天。彼女は入管の職員に、つまりは日本国家に、ひいては座視する日本国民に惨殺されたのだ。
高校時代の終わりだったか、J・M・G・ル・クレジオの『物質的恍惚』を読んだことがあった。小生には何が書いてあるか、さっぱり分からなかった。 もしかしたら、このタイトルに魅了されていただけなのかもしれない。どんな詩よりも小生を詩的に啓発し瞑想を誘発してくれた。
その本の中に、「すべてはリズムである。美を理解すること、それは自分固有のリズムを自然のリズムと一致させるのに成功することである」という一節がある。小生は、断固、誤読したものだ。美とは死であり、自分固有のリズムを自然のリズムに一致させるには、そも、死しかありえないではないか、と。 不毛と無意味との塊。それが我が人生なのだとしたら、消尽と蕩尽以外にこの世に何があるだろうか。 そんなささやかな空想に一時期でも耽らせてくれたバタイユに感謝なのである。
目次だけ示しておく: Ⅰ 国家 国家の役割~個人のために国家は何をなすべきか Ⅱ 天皇 天皇という「孤独」~戦後史からひもとく天皇の役割 Ⅲ 戦争 戦争の教訓~人は過去から何を学び取ったのか Ⅳ 歴史 歴史を読む~不透明な時代を生き抜くヒントを探す Ⅴ 人物と文化 作品に宿る魂~創作者たちが遺した足跡をたどる
アメリカ追随というか従属して恥じない日本。ウクライナ情勢について大本営発表のような報道をどのマスコミも当たり前な風にやっている。これは危ない。戦争で一方だけが悪かったという事例があるのかどうか知らない。が、ウクライナ侵攻にはロシアなりの言い分があるはず。アメリカやEU側、その走狗であるウクライナ大統領の言い分ばかり垂れ流して、軍事予算を今の倍にしようと企んでいる。
アメリカの都合以外に何があるのか。中国を敵視して日本に何のメリットがあるのか。別にロシアに味方するということではなく、もっと視野を広めるべしと思う。中国については、15年戦争を知る世代が少なくなり、戦争の悲惨の現実を伝える人も消えつつある。
著者は:「ニューヨーク市立大学理論物理学教授。ハーヴァード大学卒業後、カリフォルニア大学バークリー校で博士号取得。「ひもの場の理論」の創始者の一人。(中略)『フューチャー・オブ・マインド(The Future of the Mind)』 は『ニューヨーク・タイムズ』ベストセラー1 位に輝く。BBC やディスカバリー・チャンネルなど数々のテレビ科学番組に出演するほか、全米ラジオ科学番組の司会者も務める。最新の科学を一般読者や視聴者にわかりやすく情熱的に伝える著者の力量は高く評価されている。」
翻訳家の斉藤 隆央もニック・レーン『生命、エネルギー、進化』などで吾輩にも馴染みの方。 本書を契機にひも理論、万物の理論、究極の理論の探究というブラックホールに嵌ってみる?
ランボーに共感覚や尋常ならぬ直観力があったかどうかは分からないが、本書での被検者はその域を遥かに超えている。本書は詩的センスのある人が読んだなら、凡人の吾輩には思いもよらないどんな感想を抱くか聞いてみたいものだ。
著者アレクサンドル・ロマノヴィチ・ルリヤ:「1902‐77年。カザン生まれ。カザン大学を卒業後、モスクワ大学心理学研究所に室長として勤務していた折にヴィゴツキーと出会い、ヴィゴツキー、レオンチェフとともに高次精神機能の文化・歴史的理論を創設した。(略)モスクワ第一医科大学に入学し、失語症に関する研究を始め、学位を取得。長年の失語症研究を基礎に、心理学の新しい分野である精神心理学を切り開いた。1945年より、モスクワ大学教授として、研究・教育の両面で広範な分野にわたって活躍した。」
「人の皮で作った本のブーム、フセインの血のコーラン、国を挙げての大騒動となった宝探しの本、秘密結社の奇抜な規則が書かれた本、非常に美しいでっちあげの図鑑、宗教にまつわる突飛な奇蹟、偽予言者の本、地獄を描いた本、誤った科学を伝えた本、巨大な本、極小の本など。」
本書を読んでから、「世界文学全集 源氏物語 上巻・下巻」を読めば、(ウエイリー版を読んだ経験もあるし…ちなみに本書によると、ウエイリー訳は晶子も早速読んでいて、こんなんじゃあかんと発奮したとか)さぞかし、味わえただろうと、ちょっと悔しい気がした。
著者の神野藤 昭夫 (カンノトウ アキオ)について: 「1943年、東京都文京区生まれ。 都立小石川高等学校。 早稲田大学第一文学部。 早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。 跡見学園女子大学名誉教授 北京日本学研究センター、国文学研究資料館、放送大学の客員教授、早稲田大学、お茶の水女子大学、京都大学・聖心女子大学・駒澤大学・青山学院大学・日本大学・山東大学(中国)の各兼任講師を歴任。またNHKラジオ第二放送(古典講読)、NHK教育テレビ(古典への講師)などの講師をつとめた。」
「そもそも漱石の漢詩は、彼のあらゆる文学作品の中で、最も純粋に自己を表現した文学である。人に読ませるために作ったものでもなければ、人から勧められて平仄を合わせたわけでもなく、全く自分自身の要求に従って表現したものだからである。漱石の本音はその漢詩にのみ吐露されていると言ってよい。」
(続き)「だから漱石を研究しようとするならば、彼の漢詩を無視することはできないはずである。それだのに漢学者も国文学者もこれを研究の対象として採り上げようとしない。よし、それならおれが一つやってやろう、と菲才を自ら揣(はか)らず、無鉄砲にも頭を突っ込んだのが昭和十一、二年の頃からであった。」
この作品には色々思い出があるのですが、数年前のマーティン・スコセッシの映画は公開時に劇場で観ました。70年代の映画は未鑑賞です。大半が「キチジローが嫌い・受け入れられない」としていたアメリカの学生達の反応がヴェトナム戦争以降変化したという論文が面白かったです。
Johnnycakeさん 確かに本作ではキチジローが(演出次第では)狂言まわし的存在ですね。嫌われ軽蔑されるように上手く演技したら、ドラマ性が高まりそう。作家もその辺り意図してるのかな。
読むこと、書くこと、居眠りすることが好き。生活のために仕事も。家事や庭仕事もなんとか。
読書は雑食系かな。でも、読めるのは月に十数冊なので、実際には幾つかのジャンルに限られてるみたい。
苦手なのは、専門書や法律、マニュアル本など。
小説やエッセイを書いたりしてます。
バイクでのミニツーリングを折々。
グルメ、スポーツ、コンサートも楽しみたいけど、仕事や家事でなかなか実現しない。昨年(23年)末、薪ストーブ設置。庭木の枝葉を焚き火代わりに燃やしてます。薪はなくて柴だけなので、心底寒い時だけ。焔と共に柴の燃えてはぜる音が心地いい。
外部ブログも20年以上になりました:
日々の日記:「壺中山紫庵」 http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/
創作の館:「壺中方丈庵」 http://atky.cocolog-nifty.com/houjo/
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この作品には色々思い出があるのですが、数年前のマーティン・スコセッシの映画は公開時に劇場で観ました。70年代の映画は未鑑賞です。大半が「キチジローが嫌い・受け入れられない」としていたアメリカの学生達の反応がヴェトナム戦争以降変化したという論文が面白かったです。
Johnnycakeさん 確かに本作ではキチジローが(演出次第では)狂言まわし的存在ですね。嫌われ軽蔑されるように上手く演技したら、ドラマ性が高まりそう。作家もその辺り意図してるのかな。