今年は椿の当たり年。帰郷して13年。椿がこんなに花盛りになったのは初めて。
にゃーご松崎さん ある意味、日本の社会や政治の今後の在り方に関わる大事な案件。下手すると憲法改質に匹敵する重みを持つ。大切なのは一部の専門家や政治家に委ねるのじゃなく、広範な意見を問うこと。
それでも、SF本の世界は今も厳然としてある。人気を誇っている。スタニスワフ・レムの小説『ソラリス』なんてとんでもない作品もある。スタンリー・キューブリックが製作・監督した、映画「2001年宇宙の旅」を初めて見たときの印象は今も鮮やかである。あのモノリスは何だ? 音楽音痴の吾輩に、リヒャルト・シュトラウスやらアラム・ハチャトゥリアンらの音楽を耳鳴りほどに刻ませたものだ。
その上で、レムと比べるのも見当違いと思いつつも、イーガン作品を振り返ると、やや物足りない。坂村健氏の解説も空しく、我輩にはイーガン作品の面白さは味わいきれなかった!
だが、作者は差別や経済的貧窮を描いている以上に、人間模様を過度に個別の人に感情移入することなく描き切っている。若い人間にできることとは思えない。吾輩ももっと早く再読しておけばよかったと後悔している。村上氏の訳の刊行がいいチャンスとなった。同氏に感謝したい。
自分のような惰弱な、経営マインドどころか己さえ律することの叶わないものには耳の痛い話が続いた。本書は、かの加藤周一 氏の訳であり解説が付せられている。本書の意義は最後に解説を読んで初めて教えられた。
経営と云うと、合理化、それもサービス残業や人減らししか考えなくなった日本の経営者たちにこそ、今こそ本書を読んで石田梅岩の爪の垢を煎じて飲んでもらいたいと切望する。
地球深部の資料というと、200㎞よりも深い領域にあった岩石すら採取されたことはない。その一方、科学者らは地震波の観測や、本来は入手し得ない地球深部の岩石や鉱物を人工的に作り出して性質を調べたりしている。
地球は、誕生プロセスとその後のおよそ45億年の進化の結果として存在している。脚下照顧ではないが、大地の下を知らなくていいはずがない! 分からないことが多いとはいえ、ここまで分かっているということだけでも素晴らしいと感じた。
やいっちさん、すみませんでした。中国の詩の漢字とひらがなの混合物をコピーして貼り付けたことに気づきました。私は柳宗元の五言絶句である『江雪』に言及するつもりでした。「寒江独釣」のこういう四字熟語は一般的ですか?
ジェナさん 水墨画好きや漢詩好きでないと馴染みじゃないでしょうね。我輩は知らなかった。「寒江独釣」での心境は、俗塵を離れ悠々と。でも、村上春樹は違うと感じます。本来もっと男女の仲も含め生々しい世界を描きたいはず。似て非なるような。ただ、「寒江独釣」でも、内心は中央での成功に未練を隠せていないような。
歴史の教科書に欠けているのは、「世界中に展開したホモ・サピエンスは、遺伝的にはほとんど同一といってもいいほど均一な集団である」という視点や、「すべての文化は同じ起源から生まれたのであり、文明の違いは、環境の違いや歴史的な経緯、そして人々の選択の結果である」という認識だと著者は語る。
本書の表題もテーマも人類の起源なのだが、日本列島集団の起源も一章を割いていて嬉しい。「すべての文化は同じ起源から生まれた」と云いつつ、個人的には日本人のルーツを知りたがる自分。矛盾してる? やはり、ごく些細な違いにアイデンティティを求めたがる人間の性(さが)なのだろうか? とにかく面白かった。今後の研究が気になってならん!
いい企画ですね。昔、Ryu's Barという、村上龍が現役のとき、あれは結構面白かった。今は一流や専門家という肩書きほど、目先は偏狭で害悪の方が多い気がします(尾身クロンをはじめ‥)。いづみこさんのような方がやってくれたら楽しいのに。。マスと政府に迎合しなきゃならないし、もう金輪際無理なことですね。。後悔先に立たず‥。美人が相手だと「痛恨の一球」みたいにスロー再生にはなんとか耐えられる利点がありますよ‥。前向きに‥笑。。ヘミングウェイの猫も六本指でしたね。
テレビもラジオも総務省が厳しく見張ってますね。まともな言論人は排除されてる? 維新崩れの類いがタレント扱いされてる。戦争を知らない世代が政治家や学者や評論家になって、軽々しくも勇ましい言動を誇ってる。原発どころか核兵器、敵基地攻撃力を高めろ。ああ軽薄。煩い。
やいっちさん、訃報です。ルプーが亡くなったようです。https://www.therestisnoise.com/2022/04/for-radu-lupu.html
この作品、実は内容を知らずに「映画の日」にフラッと入って観た映画がこれで、衝撃でした。その後原作も読み、英訳も読むことになったのですが…。映画を観た日に家に帰って両親に「今日凄い映画を観た「海と毒薬」と言うの」と言ったら父は即座に「アメリカ兵の生体解剖の話だろ」と言うのでビックリしました。出版当時に大人だった両親の世代には知られていたのでしょうね。
Johnnycakeさん 小説の題名は知ってましたが、こんな内容とは。映画は観てません。嘗ては知られていた作品。831部隊は組織的にやったわけです。医師らの心理を当人の言葉で語ってほしい。
だが、好きとか何とかじゃなく、見た瞬間からそれはその人だけの世界だと思い知る画家がいる。それが、デルボーとこのアンリ・ルソーだ。別にこの二人が似ているとか共通するものがあるとかじゃない。それぞれに確固とした世界があり、その作品を見た瞬間、その人だと気付かさせる。夢の中なのか。現実なのか。その境が分からない。
ある日常の中の一場面を辿っているはずなのに、気が付いたら夢幻の世界に迷い込んでいる。メビウスの輪のような現実。彼の絵に感想など要らない。というか評する言葉が見つからない。本書を読んで、少しはルソーが分かったと言えるだろうか。分からない。むしろ謎が深まったような気がする。なぜ、ルソーはあんな絵を描くのだ? 分からないままだ!
「都会の音は、発達した感知機器と結びついて多くの生物を惑わしている。電線やトランスミッターだらけの都会では、いままで聞いたこともないような電磁波の波が田園地帯より強く漂い、これが鳥の磁覚(コンパス)を惑乱する。電波の靄のなかでは、鳥はどこをどう曲がっていいかがわからない。ディーゼルの煙は花の芳香物質を束ねて縒り合わせ、ミツバチを酔わせる。」以下、都会での生物たちにつらい現実をこれでもかとハスケルは語る。
本書の最後の章は、「ゴヨウマツ」を巡っての話だ。原爆と盆栽の木であるゴヨウマツとが深い関りを持って描かれる。詳しくは書かない。最後まで読み応えのある記述が続く。本書はジョン・バロウズ賞受賞作だとか。あのバロウズだろうか。バロウズの本を吾輩は追っかけみたいに読んできたものだ。その賞を受賞したのも頷ける。名著だ。
(中略)モーツァルトの章には、「カメレオンの音楽」とあり、ワーグナーの章には「倒錯のエロス」とある。音楽家と文学者・詩人らとの人生や作品が対比させられていると思ったら大間違い。ピアニストで卓抜な腕を持つ文筆家の青柳氏が、一見すると似て非なる音楽と文学の世界とを青柳的場の領域だからこそのトポロジカルで遊戯的な共通性を探り出して見せる。中には両者が人生の一時期であろうと、捻じれの関係というか、恐らくは関わり合ったことのないケースもある。
それでも読む吾輩に手に汗握るような、まさに手練れのピアニストの流麗な論旨の展開で読み手たる吾輩を楽しませてくれる。文筆のエンタテイメントを楽しめる。記譜法などが出てきて面食らっても構わない。青柳氏は音楽のイロハも知らない吾輩をも音楽家と文学者らの深いところでの共通性を納得させてしまう。音楽の理解もだが、文学についても視野を広めてくれた気がする。(後略)
水上にとっても故郷である、若狭の僻地に海印寺があり、その墓地に、彫字もない粗末な墓に眠る雪門玄松和尚のことが気になって、調べ始めたとか。その記録を雑誌「世界」に連載したもの。雪門玄松は、国泰寺の管長にもなった人物。かの鈴木大拙の若き日、教えを請いに行ったが一喝され、西田幾多郎はやはり若き日、師と仰いだ人物である。後には、雪門玄松は自ら国泰寺での地位を棄て、落剝したが、その際には西田が逆に世話をしたことも。
雪門玄松は、在家禅運動を率先して為した、地元や知る人には傑物として尊敬されていた。山岡鉄舟など思わぬ人物とも関りを持つ。本書は、初めの方は資料なども乏しく足跡などを求めて右往左往するさまが煩わしかったが、それも途中からは一変する。解説の秋月龍珉が書いているように、晩年を過ごした海印寺での雪門の生きざまを描いたところは、本書中の圧巻であろう。雪門は、お経などより、終始、摩訶般若波羅蜜多を唱えたとか。
読むこと、書くこと、居眠りすることが好き。生活のために仕事も。家事や庭仕事もなんとか。
読書は雑食系かな。でも、読めるのは月に十数冊なので、実際には幾つかのジャンルに限られてるみたい。
苦手なのは、専門書や法律、マニュアル本など。
小説やエッセイを書いたりしてます。
バイクでのミニツーリングを折々。
グルメ、スポーツ、コンサートも楽しみたいけど、仕事や家事でなかなか実現しない。昨年(23年)末、薪ストーブ設置。庭木の枝葉を焚き火代わりに燃やしてます。薪はなくて柴だけなので、心底寒い時だけ。焔と共に柴の燃えてはぜる音が心地いい。
外部ブログも20年以上になりました:
日々の日記:「壺中山紫庵」 http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/
創作の館:「壺中方丈庵」 http://atky.cocolog-nifty.com/houjo/
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やいっちさん、すみませんでした。中国の詩の漢字とひらがなの混合物をコピーして貼り付けたことに気づきました。私は柳宗元の五言絶句である『江雪』に言及するつもりでした。「寒江独釣」のこういう四字熟語は一般的ですか?
ジェナさん 水墨画好きや漢詩好きでないと馴染みじゃないでしょうね。我輩は知らなかった。「寒江独釣」での心境は、俗塵を離れ悠々と。でも、村上春樹は違うと感じます。本来もっと男女の仲も含め生々しい世界を描きたいはず。似て非なるような。ただ、「寒江独釣」でも、内心は中央での成功に未練を隠せていないような。