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2024年4月の読書メーターまとめ

Tetchy
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感想・レビュー
6
ナイス
1243ナイス

2024年4月に読んだ本
6

2024年4月のお気に入り登録
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2024年4月のお気に入られ登録
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2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Tetchy
高さ15mのポールの上に吊るされた他殺体の謎にシリーズメンバーに加え、西之園萌絵も加わる。さて今回の謎で既視感を覚えるのは、同時並行的に書かれているGシリーズの『ηなのに夢のよう』でも扱われた謎だからだ。『η~』ではそれほどの高所にどのように首を吊ったのか真相は明らかにされなかったが、本書ではその手法まできちんと解き明かされるので、本書は『η~』に森氏なりにけじめをつけたのではないかと思える。そういう点ではこのXシリーズの方が探偵真鍋が飄々としながらも謎を彼なりに推理し、解明するのでカタルシスを感じる。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
6

Tetchy
本書は作家という職業の業を深く描いた作品のように私は読めた。国民的ベストセラー作家であるスコット・ランドンは妻のリーシーに自分は狂っており、妄想と幻覚を紙に書き留めているだけでそれを読者が金を払って読んでくれるんだと述べる。私はここにキング自身の姿を重ねた。膨大な物語を紡ぐ彼の創作の秘密は彼自身の狂気ゆえだと告白しているように思えたのだ。作家とはある意味常に狂気と隣り合わせ。様々な物語をまるで見てきたかのように語り、そして様々な登場人物をまるで実在するかのように描くには想像だけでは補えないのかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。
Tetchy
物語としては単純だが、込められた要素は様々なものが含まれている。単純な物語とは国民的ベストセラー作家の夫が亡くなった未亡人の許に訪れたのが狂信的なファンによる未発表原稿を巡る脅迫からいかにして抵抗し、そして危難から打ち克つのかという構造。様々な要素とは次の4つに大別される。有名作家を夫に持った未亡人が見舞う、狂信的なファンからの災厄。姉妹と云うの名の逃れられない血の楔。凄惨な家庭内暴力に打ち震える幼き兄弟たち。そういった厳しい現実からの逃避。これらの要素を絡めて至極単純な物語をキングは物語を形成していく。
が「ナイス!」と言っています。
Tetchy
高さ15mのポールの上に吊るされた他殺体の謎にシリーズメンバーに加え、西之園萌絵も加わる。さて今回の謎で既視感を覚えるのは、同時並行的に書かれているGシリーズの『ηなのに夢のよう』でも扱われた謎だからだ。『η~』ではそれほどの高所にどのように首を吊ったのか真相は明らかにされなかったが、本書ではその手法まできちんと解き明かされるので、本書は『η~』に森氏なりにけじめをつけたのではないかと思える。そういう点ではこのXシリーズの方が探偵真鍋が飄々としながらも謎を彼なりに推理し、解明するのでカタルシスを感じる。
が「ナイス!」と言っています。
Tetchy
物語の意匠は様々なジャンルにまたがって展開する。エスピオナージュ、サスペンス、そして本格ミステリ。これだけの要素を盛り込んだ実に野心的な作品だ。恐らくロスマクはこのデビュー作に当時持っていた自身のミステリマインドの全てを注ぎ込んだに違いない。そしてこれほどの謎とトリックが盛り込まれている事からもロスマクが勝負を賭けていたことが解ろうものだ。デビュー作に作家の全てがあると云う言葉を裏付けるかのようだ。ロスマクの源流と後の傑作のルーツを知る意味でも意義高い作品だ。絶版であるのが本当に勿体ない。ぜひ再刊を!
が「ナイス!」と言っています。
Tetchy
ネタバレテッド・マンディとサーシャ2人の対比は西側と東側のイデオロギーに対する思いの強さを表しているように私には思えた。そしてこのテッド・マンディこそは作者が描きたかったアメリカに蹂躙されたイラクそのものなのだ。アメリカの理不尽さを一身に背負わされ、テロリストとして抹殺されたテッド・マンディとサーシャは哀れの一言でしかない。このモヤモヤこそがル・カレが読者に抱かせたい想いならばそれは成功していると云えよう。しかし何とも物語としては実に遣る瀬無い。我々が目を背けてきた世界の残酷さをル・カレは今回も教えてくれた。
が「ナイス!」と言っています。
Tetchy
本書からはル・カレは激しく怒っている姿が窺える。それは9・11同時多発テロを行ったアルカーイダに対する怒りではなく、それを大義名分にして再び戦争を引き起こしたアメリカ政府に対しての激しい怒りだ。20世紀が国対国の、それぞれのイデオロギーの対立による戦争の時代であるならば21世紀はテロと国との戦いと云われていた。つまり2001年に起きた9・11の同時多発テロはそのテロの時代の幕開けとして実に象徴的だった。そしてこの世界の構図をテッド・マンディとサーシャという2人の主人公を通じてル・カレは語っていく。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/08/28(5737日経過)
記録初日
2008/08/29(5736日経過)
読んだ本
2235冊(1日平均0.39冊)
読んだページ
834516ページ(1日平均145ページ)
感想・レビュー
2234件(投稿率100.0%)
本棚
15棚
性別
血液型
A型
職業
技術系
現住所
愛媛県
自己紹介

主にミステリを中心に読んでます。
高校の頃は星新一氏を中心に水野良氏や田中芳樹氏のラノベ中心でしたが、大学の時、友達が授業中に貸してくれたミステリが運命を変えました。
それ以来、島田荘司信奉者で、神と崇めております。
あと海外ミステリもけっこう読みます。
死ぬまで読書!が信条です。

ようやく日本に戻ってきました!
そしてようやくネット開通!
しかし引っ越しで片付かない状況です。とにかく本が段ボールに入った状態で山のように積まれてます(ヒエ~)

これからイベントとかも積極的に参加したいと思いますのでよろしくお願いいたします!

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