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2024年4月の読書メーターまとめ

きき
読んだ本
6
読んだページ
1798ページ
感想・レビュー
6
ナイス
118ナイス

2024年4月に読んだ本
6

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

きき
誰かが死んでも、私が死んでも日々は進んでいく。それは寂しい事でもあるけれど尊い事でもある。人生って自分が終わった後も進んでいくものなのだと教えてくれる一冊。若くして癌で亡くなったナスミ。彼女の姉妹、夫、友人、更に彼女が一度しか会った事ない人まで、彼女の死によって大切な何かを思い出していく。ナスミの言葉や行動は真っ直ぐで嘘がないから、だから人々の心に残り続けていくんだろう。人間って何かと取り繕おうとする。だけど結局ありのままの姿が尊くて人の胸を震わせるんだろうな。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
6

きき
失踪した夫の日記に残された「真鶴」という言葉から、現世と浮世を行き来するかのように真鶴へ足を運び続ける主人公。心にはずっといる、「いないのにいる」夫。反して彼女をかろうじて引き留めるかのように日常に存在する彼女の母や娘、恋人たちは「いるのにいない」もののようになっている。その狭間で、見えない何かに誘われながら、これから先の自分の居場所を探すように彷徨う姿は痛々しいというよりも、仄暗さと不気味さすら感じる。記憶は永遠だけど現在は変化していく。それをどう受け入れ生きていくか。波が引いていくような終幕だった。
が「ナイス!」と言っています。
きき
穂村さんの記憶を通じて様々な作品をつまみ食いしながら覗いているような贅沢な一冊。本の虫な穂村さんが書く書評がずっと好き。なのに語られている事の全てを理解出来ないもどかしさがずっと付き纏う。それは、読書の趣味嗜好の違いもそうなのだけど、生きてきた環境や考え方が違うからなんだと、最後の「私の読書道」を読んで実感した。穂村さんが感じる脅威が私にはそうではなかったり逆も然り。もっと理解したい気持ちもありつつ、それで良い。自分が理解出来ない世界だから穂村さんの書く書評が楽しく読めるんだ。新たな扉を開きたくなる。
きき
2024/04/26 23:50

タイトルが二階堂奥歯さんの「八本足の蝶」の章から取られているのが個人的にとても嬉しい。穂村さんにとって、奥歯さんって本当に衝撃的な存在だったんだろうな。

が「ナイス!」と言っています。
きき
5名のレターマニアな男女を例に、様々なパターンの文例が載せられたレター教室。その実、5名それぞれの思惑が入り乱れる異色小説。お見舞い状、ラブ・レターなどのスタンダードなものから、恋敵を中傷する手紙と言った私利私欲丸出しのものまで。しかしながらそこは筆まめな人間達。実にエレガントに、ボキャブラリー豊富に手紙を綴っていく。ここで分かるように登場人物達はかなり曲者揃い。一見関係ないような人物同士もやがて深く絡み合って歪みあって…みたいな展開が面白い。手紙だけで展開していく物語のラストはくすりと笑えてしまった。
が「ナイス!」と言っています。
きき
大人になっても恋とか愛とかよく分からん。好きなのに嫌な態度とったり嫌な言葉を吐いたり、やがて修復出来ないまでになったり。そんな子供みたいな事を繰り返してしまう。でも子供の時と違うのは、相手にそっぽ向いている間に相手がこの世からいなくなってしまう事もある事。経験を重ねても大人になりきれない大人や、まだまだ未熟な大人が集う中野商店。自分の感情に正直に、でも子供のようにへそ曲がりな人々がとても愛おしい。そして全てのものに永遠がない事を、何気ない日々の風景から伝えてくれるのが何とも切ない。
が「ナイス!」と言っています。
きき
誰かが死んでも、私が死んでも日々は進んでいく。それは寂しい事でもあるけれど尊い事でもある。人生って自分が終わった後も進んでいくものなのだと教えてくれる一冊。若くして癌で亡くなったナスミ。彼女の姉妹、夫、友人、更に彼女が一度しか会った事ない人まで、彼女の死によって大切な何かを思い出していく。ナスミの言葉や行動は真っ直ぐで嘘がないから、だから人々の心に残り続けていくんだろう。人間って何かと取り繕おうとする。だけど結局ありのままの姿が尊くて人の胸を震わせるんだろうな。
が「ナイス!」と言っています。
きき
日本版ヘレン・ケラーと言うべきか(名前も何処となく似ているし)。見えない・聞こえない・喋れないという三重苦を抱えた少女とその教師の葛藤の日々は「葛藤」という言葉では生半可に感じる位壮絶なものだった。でも苦しみの中に確かに光がある、とも感じる。それは教師・杏の優しさと根気強さ。優しさとはただ優しくするだけでない、相手の可能性を見極め見出す事だと教えてくれる。本書で描かれるのはきっと彼女達の序章に過ぎない。しかしその後の少女・れんの成長を思わせるラストに、「真の優しさが生み出す強さ」を感じた。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/10/18(3123日経過)
記録初日
2015/10/17(3124日経過)
読んだ本
536冊(1日平均0.17冊)
読んだページ
144798ページ(1日平均46ページ)
感想・レビュー
536件(投稿率100.0%)
本棚
2棚
性別
年齢
31歳
血液型
O型
現住所
神奈川県
自己紹介

ジャンル問わず色々読みます。
穂村弘さんがとても好きです。

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