89年時点で自由主義と民主主義の矛盾の激化を予言し、「村上春樹の「風景」」でロマン的イロニーによる歴史の空無化を批判(のちのジャンクな記号と戯れるのは歴史修正主義にも繋がる)。アカデミアや趣味に自閉せず時代状況への批判が鋭い。惜しむらくはその後は文芸批評から足を洗ったので、大江の後期作品や春樹の現在の作品の批評がないこと。
世界大戦の時、アレントが言うように社会民主主義だけはグローバルに展開しなかった(一国主義)。ナチズムも共産主義も植民地帝国も、ポスト国民国家のかたちに依拠した運動だった。 ピケティは民主社会主義、社会国家と累進税の拡大、ポスト植民地への賠償と差別対策、経済の段階的な脱商品化などを訴える。
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