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2024年1月の読書メーターまとめ

リュウジ
読んだ本
10
読んだページ
3160ページ
感想・レビュー
10
ナイス
225ナイス

2024年1月に読んだ本
10

2024年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

リュウジ
★4 平家というと「平家にあらずんば人にあらず」「おごれる人も久しからず」だから源氏にゴツンとやられ滅ぼされちゃったという、どうしてもネガイメージ。そんな彼らを源氏ではなく平家からの視点で描くのがこの作品。今村氏のどの作品にも見られる彼らしい視点(人には愛する家族がいて友がいる)で彼らしい筆運びで滅びるまで?を綴っていく。上巻は近江での小競り合いから水島の戦いまで。大筋は史実通りでも清盛や主人公知盛の夢やビジョンは今村氏らしい創作(かな)。ただこの小説でも後白河法皇はいやらしい奴として描かれるのが笑った。
リュウジ
2024/01/30 19:07

追記>今村氏は何気ない文章でその人となりを描き出す。後白河上皇の描写「もっと重厚な、雷鳴の如き威厳のある声だと勝手に思っていた。だが実際は、須恵器を鉄で引っ搔いたような甲高い声だったのである/p220」。長文なので引用しないが、主人公知盛が何かと反対する叔父の経盛との幼少の頃の山椒の葉のエピソード思い出すシーン/p249。知盛が無断で戦場に赴いた息子知章を武将として諭し、父として叱るシーン/p286。このあたり、いい意味で従来型の歴史小説的じゃないんだよな。

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2024年1月にナイスが最も多かったつぶやき

リュウジ

2023年12月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:2905ページ ナイス数:208ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/703986/summary/monthly/2023/12

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2024年1月の感想・レビュー一覧
10

リュウジ
ロシアとの戦闘に勝利した日本に、嫌らしくもっともらしい論法で圧をかけてくる露大統領。ただ敵はロシアだけではない。一つ言葉や対応を誤れば同盟国の米国でさえ【敵】に変わる状況。その緊張感のなかで女性総理は「日本は主権国である」立ち位置と「平和を守る」使命からはブレない逃げない。国を動かすことは人を動かすこと(p98)。政治も外交も戦闘も行うのは人同士。いい加減なことばっかりしている現実の与野党の政治家たちに、この政治ができるんかと問うてみたいw また戦死者を出し艦を失った艦長たちの責任の“取り方”に膝を打つ。
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リュウジ
★4 平家というと「平家にあらずんば人にあらず」「おごれる人も久しからず」だから源氏にゴツンとやられ滅ぼされちゃったという、どうしてもネガイメージ。そんな彼らを源氏ではなく平家からの視点で描くのがこの作品。今村氏のどの作品にも見られる彼らしい視点(人には愛する家族がいて友がいる)で彼らしい筆運びで滅びるまで?を綴っていく。上巻は近江での小競り合いから水島の戦いまで。大筋は史実通りでも清盛や主人公知盛の夢やビジョンは今村氏らしい創作(かな)。ただこの小説でも後白河法皇はいやらしい奴として描かれるのが笑った。
リュウジ
2024/01/30 19:07

追記>今村氏は何気ない文章でその人となりを描き出す。後白河上皇の描写「もっと重厚な、雷鳴の如き威厳のある声だと勝手に思っていた。だが実際は、須恵器を鉄で引っ搔いたような甲高い声だったのである/p220」。長文なので引用しないが、主人公知盛が何かと反対する叔父の経盛との幼少の頃の山椒の葉のエピソード思い出すシーン/p249。知盛が無断で戦場に赴いた息子知章を武将として諭し、父として叱るシーン/p286。このあたり、いい意味で従来型の歴史小説的じゃないんだよな。

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リュウジ
★5冒険も死体もでてこない。でも、これって伊坂版「スタンドバイミー」やん・・が最初に思った感想。この小説、「少年の出てくる短編アンソロジーを」という10年以上前の依頼から始まったという。青春真っ只中(死語)の高校生でもなく反抗期の中学生でもなく、親や大人にカンタンに言い負かされる小学生だけど、持っているのは大人たちの持つ先入観、既成概念に素直に疑問に思える柔らかさ。その時、トモダチと創った出来事から得た【何か】は大人になっても生きている。いいも悪いも先生や親や友達から学ぶ、コネも才能もない凡人の生きる力。
リュウジ
2024/01/26 09:19

(追記1)キーワードのように出てきた「僕はそうは思わない。/p25」。論破王(別名;論理破綻王)ひろゆきの「それってあなたの意見ですよね」と 似ているようで全く非なるパワーワード。この言葉の解説が巻末にインタビューにあったけど、伊坂氏は日ごろから言葉をアタマのなかで転がしているんだな。この辺り、ホント職人気質の小説家。「僕はそうは思わない」乱用はダメだけど、自分もを心の隠し玉に持っておこう。

リュウジ
2024/01/26 09:25

(追記2)もうひとつ「ギャンブルではなくチャレンジ/p196」。思い出したのは「人生最大の失敗は挑戦しないこと」という言葉。最近聞いたのはJリーガー渡邊りょうのインタビュー。彼は高校・大学を経てJ3の沼津へ(この時はサッカーしつつ別の仕事もしていた)。そこで成績を残しJ3藤枝に移籍→J2昇格に貢献。そこでも活躍、昨シズーン夏にJ1セレッソ大阪に誘われ移籍。「人生最大の失敗は挑戦しないこと」。話す言葉もサッカーもすごくクレバー。とても好きな選手。昨年は大事な時にケガしてしまったが、今年はすごく期待している。

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リュウジ
★5 断然面白くなるのは途中から。奈良は橿原の代々続く醤油蔵が舞台の家族物語(ややミステリ風味)。大正、昭和、戦後と世代も生き様も人生観も違う4人の女と2人の男。偶然や必然のしがらみであろうと、前向きに築かれる人のつながりはなんと人生を面白くするのだろう。また互いが誤解し互いが理解していく様はなんと人生を晴れやかにしてくれるのだろう。主人公の銀花と自分はほぼ同い年。彼女の異なる生き方、人生の向き合い方に心を寄せる。生まれて生きて最後は納戸に仕舞われる“箱”に収まっていく描写が印象的。ホントいい小説でした。
リュウジ
2024/01/24 10:34

遠田ファンの嫁が先に読み、その感想を聞くと「ああ、ふつうかな」。いやいや、むちゃくちゃ面白かったで。それに“直木賞候補作”やん。でも、こんなにいい小説なのに「受賞せんのか」と審査の先生方の書評を読むと、【厳しい言葉】が並ぶ。うーむ。そうなのか・・・。

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リュウジ
★5 血なまぐさい殺人事件ではない。送り主不明の脅迫状に悩む知人を助けようと依頼した先はハードボイルドではない探偵(若い女性)。事件の全貌解明へはゆっくりと歩みを進めるので、読者の自分も時に立ち止まりつつ、ともに推理を働かせることができる面白さ。登場人物たちの思いも巧みに描く。そして待っていたラスト約60P。「あれはどういうことなの?」とこちらが思う疑問をどんどん回収していく様は、事件の陰湿さとは裏腹に清々しい。そして物語の終わらせ方はお見事。読後は放心状態。第5回未来屋書店大賞。この賞はあたりが多いわ。
リュウジ
2024/01/21 11:08

追記>探偵の質問の仕方や洞察力、さらには職業意識。このあたりの描写も小説に深みを与えている。日本のリアルな探偵像というと自分の中では大沢在昌氏の長谷川公だったが、あれとは違うリアルさ。

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リュウジ
★3戦闘的レジスタンスでなく、なぜ反戦ビラだったのか?そのビラで何をしようと考えたのか?知りたかったのはそこ。決断の時はレニングラード戦の1942年。医学生の兄は医者として参戦。戦場とユダヤ人の惨状。「戦場で命を賭けるなら、違うことに命を懸けてもいいのではないか」。その思いで腑に落ちた。ビラに記したのは国民を目覚めさせ、サボタージュを煽ること。上手くいかないかもしれない。それでも心の中の正義心には背かない。「それでも地球は回っている」のガリレオ、殺されても「信じるものを捨てない」隠れキリシタンを思い出す。
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リュウジ
★5前作はお仕事小説というより生き方小説。今作はさらに深く「一度しかない人生において働くとは何か」小説。それもコロナ禍を経験し、職業問わず多くの人が以後の生き方にまで影響を受けた、コロナ後の「働くとは?」だ。サクサク読める。が決して軽くはない。登場人物が語る言葉がみんな生きていて刺さる。刺さるのは6人のタクシードライバーのそれぞれに違う「働く」意味。共通するのは自分たちはプロであるという意識。そしてタクシードライバーとして働くのが好きだという思い。この二つを携え働く道を選ぶことができれば人生は断然楽しい。
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リュウジ
★3 日米のあの戦争を、独ソ戦を戦ったドイツ人作家が描いた作品。確かに太平洋戦争が背景にはあるが、描こうとしたのは戦争という特殊な環境下におかれた人間たちが国民として個人としてどう生きどう戦うべきかの人間模様(思い出したのが松本零士氏「戦場まんがシリーズ」。あれも肝は人間の生)。時折、登場人物たちの行動・思考に違和感を感じるものの、ラスト150Pは意外な展開にハラハラドキドキ。原題は「アラトナーー荒野の決闘」。荒野というにはハードなアラスカの自然。極寒と狩りと戦争のサバイバル。最後に勝利したのは何だろう?
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リュウジ
時間はあるのに文庫を読む気になれない外出時に、U-NEXTでポイント購入。起承転結の「承」の巻。どこでもありそうなほのぼのとした日常的な彼らに、きな臭いお話が静かに近寄ってきたぞ。
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リュウジ
★3 井上氏の「桶狭間」などの戦国短編を抜き出し時系列に並べたら面白いのでは・・という文庫企画の大勝利!作品選者の思惑か井上氏の個性なのか、短編の主人公に据えた人物はいずれもが滅ぶ。その滅んだ要因についての作者の洞察が奥深く心に鮮やかに刺さる。特に面白かったのが「天正十年元旦」。この年に滅ぶ勝頼、信長、光秀、そして秀吉は「元旦に今年はどんな年になると思っていたのか」。歴史を知る我々は答えを知っているけど、ね。ここに視点を置いた井上氏の独創力には脱帽。あと短編小説では馴染みがなかった戦国女性も多く描かれる。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/08/31(3039日経過)
記録初日
2007/03/12(6499日経過)
読んだ本
1056冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
360227ページ(1日平均55ページ)
感想・レビュー
1049件(投稿率99.3%)
本棚
2棚
性別
血液型
O型
職業
クリエイター系
現住所
奈良県
URL/ブログ
http://blog.livedoor.jp/ryucere/
自己紹介

2020.06.20.更新 2020.12.08.追記 2021.01.04.改訂
2022.11.05.更新 2023.08.23.更新 2024.01.15.更新

子育て&会社の経営責任から離れて5年目に入った。
嘱託社員で気楽な身分だったが、そろそろその先のことも考えねば・・・
という時期になってしまった(年金制度ってホント、ややこしいぞ)。

趣味はあいも変わらず、「読書」「山」「セレッソ大阪」。


【読書】
幼いころから本好きで。童話「泣いた赤鬼」はその頃の愛読書。
中学2年の時に友人より大量に譲り受けた星新一で読む楽しさを覚え、
大学に入って生協で本が10%割引で買えることから、さらにどっぷり。
以来、本とともに生きてきた。

読後は次の本に移る前に読書メーターに必ず感想を。
制限文字数255字できっちりと収めることをおのれに科す。
「東京會舘とわたし」部門で
第4回 レビュアー大賞 優秀レビュアー賞をいただきました。
次の機会には最優秀をと思うが、いまだ夢は叶わず。
・・・というか、この催しは終わったのかな。
今年も年間最低100冊をめざす。

【山】
脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの術後後遺症(左足裏と臀部にシビレ)に
悩まされながらも、山歩きは続行。

2023年の夏に「息子の嫁と一緒に家族4人で北アを登る」夢を
息子がかなえてくれて、燕岳・大天井岳縦走。
また、秋には手術や台風などで4度予定をキャンセルした
折立から黒部五郎岳→双六岳→新穂高温泉を実現。

ただ足が辛かった。いつまで登れるか・・・と思いつつ、
今年も北アルプス、苗場山、八幡平を構想中。


【セレッソ大阪】
始まりは、2002年のW杯。
ダフ屋から10万円で買ったチケットを手にスタジアムで見た
チュニジア戦でのモリシのゴール。
そこからが自分のセレッソサポーター史スタート。
居場所はメインスタンド中央より北。
2023年は優勝できる戦力だったのに、失速。
3つ目の星は生きている間に拝めるか。

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