2023年7月16冊4539ページ7494ナイス→ https://bookmeter.com/users/822995/summary/monthly/2023/7 勢いで安全保障関係の本を読んでたような。エネルギー関係では『電力崩壊』、いい本ですよ、現況を概観する際には外せないと思います。イデオロギーや党派性(客観的思考出来なくしてしまう元凶の2つ)に頭をやられてなければ是非。経済も力入れねば。かくして漫画が読めなくなってるぅ~。
(3)以下感想 a)宗教や詐欺商法に限ったことではない。外部とのコミュニケーションが不全で批判を一切シャットアウトしてしまう環境下では、どのような組織でも「カルト的思考」は蔓延ってしまうものだ、ということを再確認しました。財務省は、日本を戦争の道へ引きずり込んだ帝国陸海軍(そして今も残る朝毎読の巨大メディア)同様、自己の組織と利益を守るのを主目的としてしまい国民の懐を最大化する使命からかけ離れてしまった機関というのが偽らざる感想です。(4/5)
b)本来の目的から逸脱してしまい国民に仇成す巨大組織をどうすべきか。本書では、第2次以降の安倍政権で安倍元総理が政治的にあらゆる手段を駆使してこの「魔物」に立ち向かったことが述べられています。しかし、途半ばにして安倍氏は逝かれてしまった。森永さんは民主党政権誕生前に検討されていた「歳入庁」構想など、制度としての同省解体論を示唆します。一考に値するでしょう。防衛費やMMTへの姿勢など個人的には森永さんに同意できない点もありますが、是非ご一読を。(5/5)
(3)以下感想 a)今日、米中対立という地政学的に大きなリスクを抱えている東アジアですが、同地から半導体産業の集積が移転するのは不可能に近い、今後もこの世界で革新が生まれるのは同地か北米であろうと、歴史的な経路依存性から考えます。 b)ただ、それは今繁栄を誇る国、企業が永続することは意味しない。今日、機器の中枢司るロジック半導体で世界の過半のシェア占める台湾TSMCも、10年後の将来は不明である。そのときにはスマホのように思いもよらないデバイスが台頭し、またそれに最適化した半導体メーカーが(4/5)
覇権を唱えている可能性について、本書のそこかしこから示唆を受けるのです。 c)その覇を唱えるのが中国企業となる可能性ですが、現段階では難しいと思えます。習政権肝煎りで行われている半導体純国産化ですが、北米・東アジア・西欧を複雑にネットワークする製造サプライチェーンを移殖するのは先に言ったように不可能に近い。また、猫の目のように変わる市場を相手に、政府主導で市場の次の勝者を見つけることは出来ません。西側の現在のアドバンテージ保守と、次世代の覇権獲得の行方は別に考えるべきではないでしょうか。(5/5)
c)そして著者二人の自分自身の異論に対する姿勢に心打たれました。著者の一人ルキアノフ氏が鬱病から脱け出すときに用いた「認知行動療法」を踏切台として、M.ルーサー・キングJr.師が訴えた異見者との「共通の人間性」を拠り所に「社会正義」を実現していくべきだ、とする所は迫力があります。そう、本書は教育関係者のみならず、今日の民主主義社会での成員たる我々一人一人に対する「励まし」の書なのです。(8/8)
積ん読、借り本優先なので、感想のアップは遅くなります。
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(3)以下感想 a)今日、米中対立という地政学的に大きなリスクを抱えている東アジアですが、同地から半導体産業の集積が移転するのは不可能に近い、今後もこの世界で革新が生まれるのは同地か北米であろうと、歴史的な経路依存性から考えます。 b)ただ、それは今繁栄を誇る国、企業が永続することは意味しない。今日、機器の中枢司るロジック半導体で世界の過半のシェア占める台湾TSMCも、10年後の将来は不明である。そのときにはスマホのように思いもよらないデバイスが台頭し、またそれに最適化した半導体メーカーが(4/5)
覇権を唱えている可能性について、本書のそこかしこから示唆を受けるのです。 c)その覇を唱えるのが中国企業となる可能性ですが、現段階では難しいと思えます。習政権肝煎りで行われている半導体純国産化ですが、北米・東アジア・西欧を複雑にネットワークする製造サプライチェーンを移殖するのは先に言ったように不可能に近い。また、猫の目のように変わる市場を相手に、政府主導で市場の次の勝者を見つけることは出来ません。西側の現在のアドバンテージ保守と、次世代の覇権獲得の行方は別に考えるべきではないでしょうか。(5/5)