読み友のみなさん、新年あけましておめでとうございます。先月12月も沢山のナイスを下さって誠にありがとうございました!うーん、去年は9月からどん底に沈みまして最悪でした。また今月から気合を入れ直して読んで書きます。体力的にキツイですが、がんばりますよ!2022年12月の読書メーター 読んだ本の数:3冊 読んだページ数:75ページ ナイス数:25451ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/868158/summary/monthly/2022/12
準決勝では代打の中西がサヨナラホームランを打って遂に決勝戦に進む。決勝戦は中西が初めてスタメンで5番を任され球道くんがベンチに入れてもらえる。だが何故かチームの勢いが止まり9回表まで相手に4-0とリードを許す。スタンドで観ていた愛子は帽子のせいだわと気付き球道に東日の帽子に変えて南海の帽子をかぶらせる。すると打線が活気づき2点を返し2死一三塁のチャンスで中西が打席に立つ。だが中西は「球道は俺達の子だ」と言い帽子を元に戻す。中西は2球空振りするがファールで粘り遂に最後の球を逆転サヨナラ3ランHRし優勝する。
中西は北海道予選に優勝した事で浮かれ、また酒場通いを復活させ毎晩家に帰らなくなるが、愛子は「しっかりなさいよ」と水をぶっかけて気合を入れ直す。まだ頼りなくフラフラしながらも中西は一週間後の東京・後楽園球場での全国大会の活躍を誓う。さて、最後に本書には南海の漫画なのに「あぶさん」景浦安武が登場しません。理由は私にはすぐにわかりましたよ。それは幼い少年雑誌の漫画なので大酒を飲む事を悪だと書いていますので、酒しぶきをしながらHRを打つスター選手の景浦を出す訳に行かなくて水島先生は泣く泣く我慢されたのでしょうね。
らなんさん、ありがとうございます。私にとって著者の初読み本でしたが、油断しているとエライ目にあう本当に面白い本でしたので、発売はまだ先になりますがぜひお読みくださいね。
1974年のペナントレース最後の甲子園での阪神-巨人の4連戦は巨人の2勝1引き分けで最終戦を迎え、藤村甲子園が初の巨人戦の先発マウンドに立つ。巨人は堀内が先発し0-0の8回に田淵がHRを打ち均衡を破る。9回表、王選手がエラー気味の三塁打で出るが藤村は全く動じず二者を三振に打ち取る。そして代打・長島が告げられ藤村はど真ん中に2球ストレートを投げ込んで簡単に追い込む。だがここで捕手の豆タンは藤村にカーブのサインを出す。うおおおおお!藤村が投げ込むと長島のバットがこっぱみじんに折れボールは岩風のミットの真ん中。
ミスタージャイアンツは三球三振に倒れ藤村が完封勝利する。スタンドで観ていた鬼頭はカーブのサインを出して藤村をカッカさせて怒りを呼び戻した岩風の手柄だと分析する。翌日、豆タンが藤村に剛球を打たせてくれと頼み、初球は大きく空振りするが二球目をファールして三球目をレフトスタンドへ叩き込む。ドアホ!気を抜いたらアカンと豆タンが藤村に説教し、おふくろの為に阪神を退団すると藤村に別れを告げる。藤村は長い間おおきにと礼を言い、わいもおんどれの分までやるで!と涙ぐみながらも雄叫びを上げる。最高に素晴らしい野球漫画でした!
強いて若干のアラを探せば、善人率があまりにも高すぎるかなと思える点ですが、まあ性善説を信じるのも時には悪くないなと思えますね。5つの物語の語り手の元歌手の三上順太郎と、本書の影の主役の警備指導官・火石司の存在感が抜群で何となく違和感を覚えながら読み進むと最後に衝撃のサプライズが明かされるのですね。まあ過去はどうであれどちらも人生の苦労人の二人の今後の人生に幸あれと願いますね。本書の内容は若い方には少し年寄り臭い古さを感じる面もあろうかと思いますが、老境を迎えた人生の経験者には堪らない読み物だと思いますね。
彼女は猟奇死体を目の前にして嘔吐しますが、亡き母から送られた故郷・長野の七味唐辛子、善光寺名物の八幡屋磯五郎を秘密兵器にして逃げ出さずに踏み留まるのですね。今回は残虐極まりない犯罪現場と交通課の同僚の美人警官・仁美にまで魔の手がという試練の連続で、しかも男運も最悪としかいいようのない運命ですが、それでも彼女には不幸を跳ね返すガッツの心強さが感じられますし必死になれば殺人犯にも一泡吹かす頼もしさがありますので彼女の活躍と成長を期待してきっと今後とも長く続くだろう複雑怪奇な犯罪ドラマを見守っていきたいですね。
すみませんが、×死神女子→〇死神女史でした。ガンさんと死神女史は30年前に夫婦でしたが経緯は不明ながら離婚されたのでしたよ。他にも彼女いない歴34年の三木鑑識官がいますし、重要人物・野比くんもまだ2作目以降に顔を出しそうですよ。
女が立ち去り友達が来ると電話なんてしていないと言われ調べると着信履歴も無く先程会った女の顔も思い出せないそうだ。『ヤとの友情』黒史郎:浩一さんの住む横浜のアパートは住人の質が悪くトラブルが多発し自身も夜に隣の男と揉めたが一緒に近所のラーメン屋で飲む仲になった。彼は暴力団事務所に出入りする下っ端でよく兄貴分に殴られていたそうだ。ある晩帰宅すると彼が自分の部屋の前で立っており頭が変な形にへこんでいた。どうしたんですかと聞くと、すうっと消えてしまい二度と会えなくなった。きっと兄貴分に殴られ過ぎたんだなと思った。
『はしご』黒木あるじ:植木屋やってて山形のある集落の白壁の蔵がある家に剪定に行ったら、外壁に長い木の梯子が立てかけてあってさ邪魔だから地面に寝かせたら家の旦那が駆けてきて「あれはうちの■■(神)様が出入りする梯子だから元に戻せ」と怒ったんだ。冗談かと思って笑ったら、ががががって音がして見ると自分の持って来たアルミ製の頑丈な脚立がバキバキに折れちゃってんの。信じるしかなくて元に戻しお酒と卵を供えて手を合わせて詫びて帰りに口止めされた。我慢できなくてあんたに喋ったけど大丈夫だよな、なあそうだって言ってくれよ。
扉を開けても誰もいません。彼は故障か疲れのせいだろうなと深く考えなかった。翌日、まだ明るい時間にKが出勤すると学習塾の前で男性講師が女子中学生をなだめていた。うちの男子生徒が交通事故で亡くなり皆で通夜に行くと言う。彼は日頃から陽気に笑う子で昨夜の深夜二時頃に事故に遭い息を引き取ったという。『多目的室』牛抱せん夏:私は7年前に美保子という私より年下の役者の卵に出会いました。芝居の本番を翌日に控え30人近くの役者が通し稽古を大きな施設の地下2階の多目的室で行う予定でエレベーターで降りると妙な胸騒ぎがしました。
自分も美保子も気分が悪くなり演出家に施設の方に聞いてもらうと先程までお婆さんの葬儀をしていたとわかりました。美保子は手の指が変形して足を引き摺り出したが、初日の朝神社の宮司さんに御守りを貰い何とか美保子は舞台を無事務めました。けれど一月後に美保子が自殺したとの知らせが来ました。『高速道路を通過するモノ』山口敏太郎:私の同級生のK君が高速道を走っていると目の前を白いシーツを身にまとった男の子が走り過ぎた。「こんな事ある訳ない冷静になれ」と言い聞かせ料金所に着くと係員が、一台前の車が同じ姿を目撃したと話した。
夜寝ているとYちゃんに起こされ、さっきと同じ事を聞かれたので「どうしてそんなこと聞くの?」と言うと「だって、庭に赤ちゃんがいるの」と答え、ここに来てから夜になると泣き声が聞こえ、行ってみると庭に赤ちゃんがいて四つん這いで動き回っているというのだ。旦那を起こして見に行ってもらうと草影の中に裸の赤ん坊を見つけたがこれは人間じゃないと感じて逃げたという。赤ん坊は目の前のガラスに貼り付き不気味な顔でアーッと声をあげて消えた。義父と義母が言うには、それは昔おぶっていた母親が誤って井戸に落として死んだ村の子だという。
死んでからも時折り村に現れて井戸に子供を引き摺り込み、行方不明になった子が井戸の中で水死体で見つかる事件が多発していたらしい。最近は過疎化で村に子供がいなくなって静かだったがYちゃんがいるから来たんですかねとHさんは締めた。『さぶいぼ』Oさんは中三の時にYくんに虐められ高校も同じに決まって泣いていると占い師のおばちゃんと出会い「大丈夫や、唯さぶいぼ(鳥肌)が出たら止まりや」と忠告された。高校に入るとYくんが上級生に虐められるのを見て助けに行く途中さぶいぼが出たので立ち止まるとトラックが上級生に突っ込んだ!
『どなたですか』桟敷美和:S県に出張した私はムチャクチャなスケジュールで疲労困憊し日付が変わろうとする時間に今夜の宿のビジネスホテルに戻った。すぐに寝たが何故か夜中に目が覚め、ふと見るとベッドの横に黒っぽい人影が壁を向いた後ろ姿で立っていた。どなたですか?と聞いたが返事はなく自然に消えた。怖くて震え部屋中の灯りを点け寝ると朝だった。1週間後、F県のホテルは豪華な部屋だったが風呂から上がりベッドを見ると男が寝ており苦しいと言った姿が何と自分そっくりで間もなく消えた。そうか、先週の奴も自分だったのだと思った。
半年後、入院して病院のベッドに横たわる俺は、まるで半年前に見た俺の姿その物じゃないかと気付いた。妻や同僚たちが見舞いに来てくれたドア口で普通に歩く自分の姿が見えた。さらに半年後、彼は病気が治癒全快して退院する事となった。自宅に帰ると医者は妻に奇跡だと話していたらしいと知った。あれはきっと予言だったんだ。見えてたのは近い未来の自分の姿。お茶を飲んでいてふとカーテンの方を見ると驚いて湯呑みを落としてしまった。やだ、あなた、どうしたの?と妻の声。背広姿の自分の首が右肩に折れ曲がり口から血を流し白目を剥いていた。
もう既に陽は落ち、見ると前方に犬よりは大きい何かが蹲っていた。近づいて見ると、それが老婆でえんじ色の和服を着て白髪が地面に垂れ、犬か猫のような目でこっちを見て立ち上がった。春雄は全速力で逃げ出し一度振り返ると老婆が四つん這いで追いかけて来る。必死で家まで帰り鞄を置いて来たのに気付いたが怖くて取りに戻れず両親に話し父に取りに行って貰い以後はその道は通らないようにした。オカルトマニアの三崎は石碑に触れた先輩達がバイク事故や交通事故で怪我をした事を知っていて祟りは交通事故関係だと判断し自分は大丈夫とナメていた。
ある夜、彼は悪友二人と真冬の夜8時に自転車で遠征した。石碑が膝下より小さい事に拍子抜けし、三崎はいざとなると少しビビったが勇気を出して触り、どうだ俺は気合が違うんだと偉そうに言ったが戻ろうとすると腕から力が抜け顔から地面に落ちた。「ってぇ!」痛みに耐え立ち上がろうとしても力が入らない。同時に首筋を掴まれ何かに引き摺られた。仲間達はふざけてるのかと思っていたが彼は踏切の場所まで引き摺られカンカンと警報音が鳴り「殺される、もう駄目だ」と思うと頭上を電車が通過した。悪友達が彼の足を掴んでくれたので助かったのだ。
しかし外に出たが辺りには公園もコンビニも見当たらない。暫く歩くと雑木林に建つ古いお堂が目に留まり周囲に人がいないのを確かめて中に入り無事着替えを済ませバスに戻ると何とか間に合って都心に戻り解散となった。その夜は疲れてベッドに潜り込むと、まどろみの中で瞼を上げると自分の部屋ではなく昨日のお堂の中だと気づく。そして体が動かないなと思ったら自分が縄で縛られて吊るされている事を知る。彼女が「誰かいませんか!」と必死で叫ぶと右側でベルの音が響き、はっとして目覚めると枕元で時計が鳴っていた。やっぱり夢かとホッとした。
彼女はどうしてこんな夢を見るのだろうと首を傾げ乍らバイト先のカフェへ出かけ深夜に帰宅し眠ると昨日と同じ場所に居て同じ夢を見て朝方に時計に起こされた。そんな事が何と四日続けて起きた。彼女は不安になりもし目覚ましのベルが壊れたら永遠にあの場所に閉じ込められるかもと思いビーチの場所を調べてお堂に来て頭を下げ「ごめんなさい」と心から謝った。号泣した後に彼女はグラドルを辞め女優になると決心した。だが彼女は映画のオーディションをドタキャンして行方不明になり、マネージャーがもしやとお堂に行くと中で首を吊って死んでいた。
K氏は夜中にひそひそ話をする声で目覚め同時に金縛りで体が全く動かない事に気付いた。複数の影が車座で座り「早くしないと」「もう思い切って、やっちゃいなよ」「その方が絶対楽だって」「そうそう、ひと思いに、さあ」「さあ」と繰り返す。「ああ、そうだ、早くしないと」K氏は体が動いて起き上がり窓辺のカーテンを掴み首に巻き付けた。「よしっ!」直後に妻が奇声に気付いて部屋に入ったお蔭でK氏は危うく一命を取り留めた。彼に自殺願望はなかったが、とにかく早く死ななきゃと衝動が込み上げたという。後日K氏がプロデューサーに聞くと、
実はビルの以前のオーナーが地下で首吊り自殺をしていたのだが、びびらせない為に黙っていたのだと知った。『神隠し』人気女性アイドルグループのKさんは実は幼い頃から霊感が強く心霊体験も豊富だったが事務所の意向でそっち方面の話題は封印していた。そんな彼女が郊外の貸別荘でグラビア取材を受けると、ここは一家四人が神隠しのように消失した家だと聞く。彼女は四人が幽霊でなくパラレルワールドに入ったと言い彼らの気配を追って立入禁止と書かれた部屋に入り黒電話に触れると急に仰け反って口から血を流し、右の奥歯上下四本が消えていた。
障害物もないのに何故なの?と不思議で、ふと天井を見ると丁度真上に小さな子供の手形がひとつ残っていた。気になって仕方ないので外に出て店内で仕事し一刻も早く引っ越したいと願っているという。『わんのいれもの』意味が完全にはわかりませんが印象深い恐ろしい噺です。半世紀以上前のとある村での話。七歳になったばかりのサトが幼馴染のミチから「うちの蔵にある〈わんのいれもの〉を見にいぐべは」と誘われる。父母が田畑に出かけている間に二人は鍵の壊れた蔵の中へ忍び込む。ミチに聞くと両親が蔵を潰して家を建てる相談をしていたという。
母が〈わんのいれもの〉の扱いを心配していたのでミチが何なの?と聞くと子供が知らねで良い話だと教えてくれなかった。ミチが見つけてきたのは蓋つきの丸い桶で赤茶けた和紙が貼られ麻紐できつく縛られていた。ミチが紐に手をかけた途端「ぎぁんぎぁん」という金切り声が蔵中に反響した。その年の秋に土蔵から収蔵品を運び出そうとした人足が例の桶を開けると中は空で、その瞬間便所にいた当主が「ぎぁんぎぁん」と絶叫し同時に妻も部屋の中で絶叫し寝た切りの祖母も同様で皆救急車で運ばれた。サトは後に父から入れ物とは棺桶の事だと教えられた。
著者はこの後久々の長編小説を書かれ、好調に書かれた夫婦や親子の家族がテーマの短編集に一区切りを付けてまた新たな分野にチャレンジされていますが、また時間をおいてでも本書のようなタイプの作品にトライしてぜひともリベンジして欲しいですね。それから本書の前に一作だけKindle限定のホラー連作短編集がありますが、こういう形では読む方が限定されて増えないと思いますので、なるべく早く書籍化して多くの方に読んでもらえるようにして欲しいなと望みますね。とにかく著者には期待していますので今後ますます頑張って頂きたいですね!
『机上の奈落』鷲羽大介:小さな会社の経営者のキヨシさんが、ある取引きの決済印を押す為、社長印を朱肉にぽんとつけようとしたら朱肉に指までずぶりと吸い込まれ、あわててひきあげると何の痕跡もなかったが、その取引きがきっかけで会社は倒産した。『地獄絵』蛙坂須美:高校の友人Yが家で見せたのは狂気の絵だった。動物の頭部を持った筋骨隆々の大男達が巨大な肉切り包丁等の凶器で大勢の人間を殺戮している絵で死者の顔は同級生や教員なのだ。十年後の今、あの絵に描かれた者達の半数が病気や事故で亡くなりYも二年前に恋人と無理心中した。
『いきさき』黒木あるじ:弟が初めて口にした言葉が「ぢごく」で翌日に親父が急死したんだけど何か関係あるのかな、専門家のあんたどう思う?『永遠の恋人』つくね乱蔵:塚田さんは悩み事があると亮太君に相談する。つき合い始めて早十二年、五年前に自殺してからは常に背後に立っているので相談し易く彼女が男性と写真を撮ると彼が必ず写り込み、そんな嫉妬深い所も大好きだという。『証し』平山夢明:神様の存在を確かめようと近所の神社の本堂から鏡を盗んで公園に隠したら、飼い猫が赤い糸で両瞼を縫われていたので、あわてて鏡を戻しに行った。
夢様、おはようございます。こちらの本、Amazonで見たら、中古で2342円+送料で出てました。お宝ですね。「寒い国から帰って来たスパイ」はとても有名だと思うのですが、こちらはわが町の図書館にもありましたが、残念ながら「死者にかかってきた電話」はありませんでした。いくつかの他市にはありました。
Ruiさん、おはようございます。私の持っている本は定価320円消費税がまだない時代のものですね。こういう今は高価な値の張る本は無理に買おうとせずに図書館を利用して読むのがベストでしょうね。
本書はドイツとの戦争の中で金の為に祖国を裏切る売国奴の存在がテーマで、国民的な英雄に疑惑の目が向けられる単純だけど重い物語ですね。また題名の検屍官は終りの方で2頁程度しか顔を出しませんので著者も題名に特に深い意味を込めて名付けたのではない感じですね。クリスティーばりの謎解き本格ミステリーを期待する方はガッカリされると思いますが、英国の昔の人々の国民気質が描かれ随所にユーモアを漂わせながら面白く読める一冊ですね。私は短編集3冊のみ既読で数は少ないですが著者の残された既訳長編作品を読んで行きたいと思いますね。
さて、烏丸ひろみ刑事と同僚のフレッド・ニューマン刑事の若い二人はタヒチ島へと出張捜査で派遣されますが、事件関係者を油断させるという理由で、バカンス気分の浮かれた気持ちで乗り込むのですね。でも安心できるのは二人の間に恋愛感情はなく基本は仕事が第一で常に確かな成果を挙げるプロフェッショナルである事ですね。このシリーズの良さは二人の上司の財津警部が堅物でなく砕けた話の判る人柄で冗談やタメ口を叩いても寛容に許す大らかな性格である事で普通の厳格な警察組織ではまず考えられない自由奔放なムードが最高に良いと思いますね。
懇切丁寧な謎解きと控え目な態度で偉ぶる事も無く高感度抜群だなと思えますね。コンビの学生・萌絵ちゃんが何となく多くの方々に不人気な感じがするのは生意気に見える点が災いしているのかなと思えますが、まあ彼女はブリッ子ではないし今回は犯人に命を狙われる程に積極的にがんばったのですからもう少し実力を認めて評価してあげるべきだと思いますね。今回本書の内容とは別に印象に残ったのは、解説を書かれた太田忠司さんと西澤保彦さんの文章の意味が理解し難い程の難解さで結局何が言いたかったのかさっぱりわからなくてやや苦労しましたね。
×高感度→〇好感度でした。ああ、集中力が欠け過ぎですね、いつも本当にごめんなさいね。それからこのシリーズは犀川助教授の推理だけではなく数多くの名言もじっくり味わって心に残す読み方をするのが良いでしょうね。
心に傷を負った主人公がどうしても聴くのが嫌で堪らない歌がサザンオールスターズの当時のヒット曲「メロディ」なのですね。本書には騙しのトリックや意外な犯人の趣向はありますが、それ程複雑ではなく推理する事よりも主人公の心の動きを追いかけ見守る読み方をするのがいいでしょう。最後に明かされる真相は中々に悲惨な物語なのですが、でも不思議とさばさばとした気持ちになってズルズル後を引き摺らずまだ見ぬ未来に向けて堂々と突き進んで行けそうな爽やかな読後感を残してくれますね。本書は心に大切な何かを刻んでくれた青春小説でしたね。
さて著者は実は熱烈な、さだまさしファンで全4冊のタイトルが全部さださんの曲名なのですよ。本文中にもさださんの歌の世界に出て来る舞台や歌詞が、さり気なく引用されています。学生達に人気の喫茶店クレセントの描写は「たずねびと」の歌詞ですし、洗濯物の万国旗は「異邦人(エトランゼ)」悲しい仔犬の様には「つゆのあとさき」で、解説で鮎川哲也さんが呆れられた本書の改稿前の文章「死んだコーヒー」は「第三者」の歌詞なのですよ。もしもメジャーな曲「関白宣言」だったら一目瞭然ですがマイナーな曲の為に気付かれなかったのでしょうね。
夢様、おはようございます。偶然にも昨日読んが岩井圭也さんの本のレヴューにも同じようなことを書きました。>クリスティー女史の永遠の名作「そして誰もいなくなった」に挑戦★★全く、クリスティ女史の作品はその後のミステリー作家の金字塔のようなものなのですね。
Ruiさん、おはようございます。まあ本書のトリックは超自然の責任にする以外には結局はこういう手でしか成立させる事が出来ないとわかってはいるのですが、何だか剛速球を期待して打ちに行ったらフォークボールでストンと落とされて空振りしたみたいな呆気なさを感じてしまいましたね。でも魅力的な設定ですので他の方が勇敢に挑戦された作品群を今後もどんどん読んで行きたいですね。
昨年は、全問プレゼントに締め切りギリギリで何とか葉書を出しましたが、やはり何一つ当選しませんでした。まあ葉書を出す時期が早い程当たる確率は高くなるかも知れませんが、まあこれはあてずっぽうの推測でしかありませんね。まあ純粋にパズルを楽しめればそれでいいのであって、余計な欲は持たない方がいいでしょうね。
かっこちゃんさん、ありがとうございますね。また今後も時々怖い話を書くようにしますね。昨夜書いたコメント1の文章がおかしいので以下に修正しますね。彼女によるとドアを閉めると男の声が描け!と命じたのだと言い、気味が悪いので別のペンキで絵を塗りつぶしたが何度塗っても赤い絵の具が下から滲みでるのだ。
しかも奥沢は妻の妹に死ぬ間際に電話を掛け「したいがいきかえった」と謎めいた言葉を言い残していたのだ。隣の住人が外を見張っていて家から出た者はいないと証言し、死霊による殺人なのかと疑いたくなる不可解な事件だった。この事件の謎解きは大胆不敵なアッと驚く仕掛けで、やや強引な悪人が臨機応変に対応し過ぎと思える要素が強いトリックで読者の好みと評価が分かれそうですが、まずは天晴れでしたね。それとは別に後半で奥沢が過去に縁のあった女が絡む有名役者の関係する事件が描かれていて鬼気迫る凄惨な情念のストーリーで楽しめますよ。
また貴島刑事とコンビを組む新米女性刑事・飯塚ひろみがいい味で事件解決の打ち上げで高級な寿司屋で自分がおごると言って腹一杯食べた後のおあいそで財布に千円札と一万円札を入れ間違えた事に気付くエピソードに大爆笑しましたね。でも残念ながら二人が結ばれる事はないのです。さて直感で謎を解く天才・貴島刑事が背負う過去の悲劇は函館の地にあるとまでわかりましたが結局今回も不明でした。実は凄く気になって次作のあとがきを先に読みますと最後まで書かれなかったとの事で書きたくないという著者の意向ですので惜しいですが仕方ないですね。
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ガリレオですか!
けんけんださん、コメントをくださってありがとうございますね!