こんにちは。 「若き三島の頭の中だけで組み立てられている観念みたいな感じ。」すごくわかります。三島の初期作品は理論上の観念的描写が多くて青いなあ...という感じを私も受けてます。 後期になるにつれ人生経験に基づく思考と言語への落とし込みの練度がガッチリ噛み合ってきてからの方が、より文学としての高みに達していると思います。ですので本作は後回しにしておきますw
kepeta様 若き三島の観念ごっこに付き合うのはしんどいですが後の作品の展開を含めた変化を楽しめるのなら熟読有りだと思いました。個人的には何かと自分自身に余裕があるときでないと受け付けられない要素が強くなる気がしますね。
ロシアの極寒では内省的で自分語りに尽きないドスト的ムルソー。四季の変化があり自然災害も多い日本ではまた違う私小説的なムルソーだったり。自然に生かされている側面も忘れてはならない、そんな感想も持った。
太宰と三島がロックバンドを組んでいたら、とてつもない化学反応を生み出すスーパーバンドになったに違いない。某超有名カブトムシバンドでのションとポールのコンビのように。と思った。
には容易に寄り添えないのだが、所々に太宰の描写される太宰の考え方には同意できる点は多い。かず子がお母様の余命を聞いたときの悲しみの表現「缶詰の鮭を詰めたい御飯の上に乗せて食べたら、ぽろぽろと涙が出た」なんかはすごい表現力だと思う。
あとローザ・ルクセンブルクの本を読んだときの経済学に関する考え方だとか。人間と言うものはケチなもので永遠にケチなものだという前提がないと成り立たない学問と言っている箇所も好きだなあ。経済理論に傾倒するのではなくイズム的な思想に対する「情熱」に魅力を感じているところとか。そんなところは共感できる。
身を切り刻み底から作品を生み出す。そんな所にメンタリティの共通性を感じるのだが。戦場で太宰の女生徒を読んでいた兵隊が次の日戦死する逸話がさり気なく紹介されていた。そのシーン、印象的だなあ。
最後も太宰は死ぬつもりはなかったとの推理。井伏鱒二との関係性については、井伏の盗作癖に焦点が当たる。資料が多く詳細に書かれているにも関わらず、実像に迫れていない感がオモガユサを感じる読後感。
5段階で読後の満足感を記録
B→購入 L→図書館 K→Kindl
息を吸うように本を読む毎日
好きな作家
太宰治 三島由紀夫 松本清張 司馬遼太郎 芥川龍之介
ガーディアン必読書1000冊も漁り始めた
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ロシアの極寒では内省的で自分語りに尽きないドスト的ムルソー。四季の変化があり自然災害も多い日本ではまた違う私小説的なムルソーだったり。自然に生かされている側面も忘れてはならない、そんな感想も持った。