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2024年3月の読書メーターまとめ

あまね
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1084ナイス

2024年3月に読んだ本
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2024年3月のお気に入り登録
18

  • Kircheis
  • ぶぶ
  • コロンブスの卵から孵った雛
  • 公園
  • くりぞう
  • Kepeta
  • 優希
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  • 毒兎真暗ミサ【副長】
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  • 山のジョニー
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2024年3月のお気に入られ登録
17

  • Kircheis
  • 公園
  • コロンブスの卵から孵った雛
  • くりぞう
  • Kepeta
  • うたかた
  • だいてんしのいぶき
  • 優希
  • 毒兎真暗ミサ【副長】
  • toshi
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  • 六点
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2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

あまね
4.5L名作。窪田訳以外の新訳が出てこないのは、カミュの余計な意味を削ぎ落としたソリッドな文体に翻訳も素晴らしく合致しているからなのだろう。言語宗教文化的バックグランドは異なれど人間に共通するのはムルソー具合。生きている時間100%ムルソーな人はそうそういないと思うが、私含めにょきにょきとムルソーが顔を出す瞬間やムルソる巡り合わせは往々にしてあるもの。論理的一貫性や意味を付けることに対する無意味さ、ムルソる事、実は人間が人間たる所以だと思う。アルジェの太陽と熱気に美しい海。文学要素に気候は大きく関係する。
あまね
2024/03/23 06:12

ロシアの極寒では内省的で自分語りに尽きないドスト的ムルソー。四季の変化があり自然災害も多い日本ではまた違う私小説的なムルソーだったり。自然に生かされている側面も忘れてはならない、そんな感想も持った。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
23

あまね
1L第一次世界大戦に従軍し27歳で戦死したフルニエの青春恋愛探求小説。何かと文学批評の題材となってきた小説の一つ。
が「ナイス!」と言っています。
あまね
1.5L安部公房版ドストの地下室の手記みたいな印象。顔に代表される人間の外観と外観以外の要素の人間存在の本質みたいなことについて執拗かつ延々と独白が続く感じ。60年代特有の唯物論や実存哲学の大きな影響を感じる。なので時代を突き抜けた本だとは思えず、今の時代に当てはめた汎用的解釈はちょっとしづらいなあと思った。顔や外観は他者からの自分認識の巨大情報で当然重要なのだが、哲学的独り言が延々と継続するのみのような感じがして、独り言の長さの割に、で、結局どうなのよ?と思いつつ読み進めた……
が「ナイス!」と言っています。
あまね
2.9Lシャーロックホームズシリーズ長編。迷信的伝承、怪物犬がバスカヴィル家の当主を襲い殺したのか。はたまた…真実は。複数のプロットをホームズが解決していく。書かれたのは1901年。第一次世界大戦の勃発前。世界は大英帝国の繁栄と自信過剰の下に。科学的、合理的な思考により世の非科学的、迷信的な不合理性は全て解決されるものとの自信。ドイルを読むとそんな古き良き時代を感じる。謎解きプロットは古典的なのだが、同時代的読者目線で見るとメッチャ新鮮だっただろう。お馴染みホームズのワトソンへの強烈マウント取り好き。
が「ナイス!」と言っています。
あまね
1.5L純愛、ホモセクシャルときて3作目のこの長編で不倫を扱う。戦後のスノッブ感漂う金持ち達の日常離れした不倫事情。なんだかなあ、会話や恋愛描写が観念的すぎて好きにはなれない。緻密な文章の組み立てや表現力は流石と思うしかないが、まるで雲を掴む掴みきれない歯がゆさのような実感力、現実感の無さがひしひしと伝わってくるんだよなあ。若き三島の頭の中だけで組み立てられている観念みたいな感じ。それが好きになれない理由だと思う。
Kepeta
2024/03/26 02:29

こんにちは。 「若き三島の頭の中だけで組み立てられている観念みたいな感じ。」すごくわかります。三島の初期作品は理論上の観念的描写が多くて青いなあ...という感じを私も受けてます。 後期になるにつれ人生経験に基づく思考と言語への落とし込みの練度がガッチリ噛み合ってきてからの方が、より文学としての高みに達していると思います。ですので本作は後回しにしておきますw

あまね
2024/03/26 07:04

kepeta様 若き三島の観念ごっこに付き合うのはしんどいですが後の作品の展開を含めた変化を楽しめるのなら熟読有りだと思いました。個人的には何かと自分自身に余裕があるときでないと受け付けられない要素が強くなる気がしますね。

が「ナイス!」と言っています。
あまね
2L太宰と坂口安吾のエピソード随筆集。太宰については小説太宰治とかぶる所あり。走れメロスは熱海事件がモチーフに。
が「ナイス!」と言っています。
あまね
4.5L名作。窪田訳以外の新訳が出てこないのは、カミュの余計な意味を削ぎ落としたソリッドな文体に翻訳も素晴らしく合致しているからなのだろう。言語宗教文化的バックグランドは異なれど人間に共通するのはムルソー具合。生きている時間100%ムルソーな人はそうそういないと思うが、私含めにょきにょきとムルソーが顔を出す瞬間やムルソる巡り合わせは往々にしてあるもの。論理的一貫性や意味を付けることに対する無意味さ、ムルソる事、実は人間が人間たる所以だと思う。アルジェの太陽と熱気に美しい海。文学要素に気候は大きく関係する。
あまね
2024/03/23 06:12

ロシアの極寒では内省的で自分語りに尽きないドスト的ムルソー。四季の変化があり自然災害も多い日本ではまた違う私小説的なムルソーだったり。自然に生かされている側面も忘れてはならない、そんな感想も持った。

が「ナイス!」と言っています。
あまね
2L後期晩年のエッセイ、インタビュー。ニーチェの悲劇の誕生でのデュオニソスとアポロンの対比や言葉と肉体の格闘だとか三島は二項対立的なかっちりした論理性が好きなんだよなあ。言葉が現実を描く際の腐食作用の例えや、自分には先に言葉、後に肉体が現れたなど興味深い事が書かれている。太宰の斜陽を読んで華族階級の言葉づかいや敬語の使用方法の間違いが多すぎ読む気をなくし、太宰に会いに行きあなたの文学は嫌いですと伝えたが、太宰はこうして来てるんだからやっぱり好きなんだと答えたあの有名なエピソードトークも収録。
あまね
2024/03/20 11:52

太宰と三島がロックバンドを組んでいたら、とてつもない化学反応を生み出すスーパーバンドになったに違いない。某超有名カブトムシバンドでのションとポールのコンビのように。と思った。

が「ナイス!」と言っています。
あまね
1.6L著者は徴兵で陸軍に入隊1969年から1970年までの1年間ベトナムで歩兵として従軍。その経験を小説にしたもの。政治学を専攻したインテリジェンスの高い若者がベトナム戦争で最も生命を失う確率の高い一兵卒としてジャングルを這いずり回った体験。結果戦友の悲惨な戦死を目撃したらどう感じるのか。ということが文学的要素と共に描かれていると感じた。文学的とは戦争を語るに付き物の反戦平和を掲げる事ではない。特殊で悲惨で感情の頂点絶頂の出来事ではなく、太陽の光についての話であり日常についと同じように語る事。
が「ナイス!」と言っています。
あまね
1.5L本書の翻訳は苦手。なのでのめりこめなかった。パッシングと言われる黒人の血が混じっているが外見上肌が白いため白人としてパッシング(すり抜け)し社会生活を送れる人々を描いた小説。クレアとアイリーンと言う二人の女性の生き方が描かれる。出版時1920年代当時は承知の通り黒人差別は陰惨に酷く自らの出自の身の振り方次第でその後の人生を大きく左右した時代。極めてアメリカ的な問題を取り扱っているが、外見上わからないと言うことに差別の根源を見る思いがした。なので人間共通の人間的なあまり人間的な側面を見た気がする。
が「ナイス!」と言っています。
あまね
1.5L
が「ナイス!」と言っています。
あまね
ネタバレ3L若い帰還兵と彼に夜伽する年増女との夜の会話の盗み聞きと読んだ。母と同い年と分かった女。「電気をつけちゃ、いや」なんてセリフ、可愛らしいじゃないですか。
が「ナイス!」と言っています。
あまね
3.7L太田静子との不倫が題材となっているのは有名。お母様や直治へのかず子一人語りモノローグ描写、かず子の上原への執拗で偏執狂的な恋文、直治の文学青年崩れのデカダンス作文と遺書などこれまで太宰がしたためた短編の技術的要素を集大成した作品。敗戦による戦前貴族の没落が大きなテーマであり、昭和22年当時の同時代的感傷受けを得て時代を代表する作品ともなっている。お母様の存在と直治の憧れの洋画家の妻の存在が無私の愛を持つキリストに例えられ、それが貴族の理想型として描かれている。かず子の上原への慕い方や直治の気持ち
あまね
2024/03/16 08:50

には容易に寄り添えないのだが、所々に太宰の描写される太宰の考え方には同意できる点は多い。かず子がお母様の余命を聞いたときの悲しみの表現「缶詰の鮭を詰めたい御飯の上に乗せて食べたら、ぽろぽろと涙が出た」なんかはすごい表現力だと思う。

あまね
2024/03/16 08:54

あとローザ・ルクセンブルクの本を読んだときの経済学に関する考え方だとか。人間と言うものはケチなもので永遠にケチなものだという前提がないと成り立たない学問と言っている箇所も好きだなあ。経済理論に傾倒するのではなくイズム的な思想に対する「情熱」に魅力を感じているところとか。そんなところは共感できる。

が「ナイス!」と言っています。
あまね
2L高校生が読むには非常に勉強になる本ではないでしょうか。1996年なので扱われている事例は古いですが、古い分懐かしい思いで読めます。いじめに対する90年代と80年代の新聞記事の変遷などは面白いです。90年代は「いじめ」と言うワードが社会に定着しのそワードで少年の傷害事件が記事化されていますが、80年代は刑法的な傷害事件として扱われています。今の感覚でいうと「いじめ」ワードが教育更生的に扱われすぎ被害者軽視となった反動で揺り戻しがあるかなと。警察が介入してくる80年代のシンプルな記事方に好感が持てたりと。
あまね
2024/03/15 12:57

ただ実態を問う議論の仕方はナンセンスという説明がされていますが、人間が、人間たる所以はこの実態のといかただと思うので永遠の課題だなあとも感じました。

が「ナイス!」と言っています。
あまね
2L控えめに言ってもいい意味で何かと狂いまくっている本(笑) 河出文庫版が他の会社よりも良いところは挿絵だと思う。
が「ナイス!」と言っています。
あまね
4Lやっぱり名作。翻訳も良い。老とはどんどんどんどん死が忍び寄り死に近付いていくこと。若い時と違って力も弱くなり、体のあちこちも痛む。夜半の覚醒。寝る事すら若さゆえにグッスリと寝られたんだと老いて初めて分かる。老とは避けられないもの。命ある者誰もが通る道。だが経験やそれを踏まえた人生に対する善き振る舞いは若さだけでは到達できないもの。チャレンジする事や闘うことに年齢は関係ない。本作には時代を超えた普遍性がある。生死をかけたカジキとの死闘を通して。結果サメに無惨に食われ果てたとしても。海は女性なんだから。
が「ナイス!」と言っています。
あまね
3.7L太宰の死の直前、本当の意味での晩年の短編はちょっと神がかっていると思う。ちょちょっと書いて圧倒される。現実世界があっての夢。夢の中で無意識という現実の落とし前がつけられると説明されるフロイト心理学。そうではなくこの短編の中では現実と夢の境目がなくなる感覚が非常に上手く表現されている。夢の中で別れ現実でまた出逢う。夢も現実も溶けて一緒くたになる。山崎富栄のことなのだろう。燐光と言う意味であるフォスフォレッセンスと言う架空の花に寄せて。寄せては返す夢の花。そして本当に溶けていく………
が「ナイス!」と言っています。
あまね
ネタバレ3.7L敗戦後間も無い時期。焼け野原にバラックに闇市に食らったノックダウンパンチに。打ちのめされた国民が必死に生きようとした大変な時代。なんて後追い世代は考えがちだか、太宰は変わらない変わらない東京は何も変わっていないと言う。数年ぶりに偶然出会った知り合いの若い娘。母よりも綺麗になった娘へと男の触手が伸びる。娘の家に着いたら母が広島で空襲にあい死亡していた事が判明。そんな悲惨な出来事があっても人間というものは変わらない。馬鹿みたいに欲に正直。三人分の鰻とお酒は償いか。それでも変わらない欲はある。アメリカ兵
が「ナイス!」と言っています。
あまね
3.6L太宰19歳時の未完の作品。同人誌「細胞文藝」に掲載。後の道化の華や人間失格に通ずる、出自、実体験、性体験に基づいた自身の人格形成の系譜にある小説。文体はぎこちなく硬さがありまだまだ若さを感じさせるが、物語に引きずり込みじっくり読ませる十分な力がある。地元の名士である父とその妾。彼女の悲劇の結末がメイン。当時の共産主義運動の影響もあるのだろう。田舎の金持ちの家に産まれたらこそ分かる、主人と使用人との間に横たわる厳然とした階級の格差。社会的地位と愛情の関係性、そして悲哀を妾の心情を通して語りかける。
が「ナイス!」と言っています。
あまね
2.5L大正14年青森中学校2年時の処女作。太閤豊臣秀吉臨終時の様子を描いた小品。血が滲むような西日なげうつ夕日の下、太閤の傍に控える臣下達の身も心も血で赤く染まるような比喩表現。蝉がジージージージーと鳴く声。後の才能の萌芽を感じさせる。
が「ナイス!」と言っています。
あまね
1.5L三島の長編処女作。精神の屈折具合が初めにして、常人では推し量れない彼のその後の生き様を象徴している気がする。ある意味最後まで首尾一貫していたのかなと思う。話の筋は正直共感できる部分は少なく面白くもない。繊細さと勘違いの固まりの様な印象を抱く。失恋した二人が結婚式の当夜に情死する流れに。
が「ナイス!」と言っています。
あまね
3.5L太宰の才能を認めた親友の一人、檀目線から見た等身大の太宰治を味わえる。活字を通して昭和10年ぐらいの船橋時代の太宰がひょっこり現れてくる疑似体験。メインは壇が徴兵中国戦線に出征する前。熱海事件の詳述あり。酒の肴にいつも大量の味の素を振りかけて食す癖のある太宰。この時代の文士のメンタリティは強いて言うならば60年代後半ウッドストック世代のロックミュージシャンに似ている。酒に女に薬。破天荒で倫理感ゼロを地で行く。カッコよく言えば善悪の彼岸に身を置き自身の破滅のみならず身内人様も不幸に巻き込む感じ。
あまね
2024/03/08 18:47

身を切り刻み底から作品を生み出す。そんな所にメンタリティの共通性を感じるのだが。戦場で太宰の女生徒を読んでいた兵隊が次の日戦死する逸話がさり気なく紹介されていた。そのシーン、印象的だなあ。

が「ナイス!」と言っています。
あまね
3L三島の言葉を100個抜書き。「生き方と行動」「政治と思想」「恋愛と芸術」に分けて。文化防衛論から引用された「私は民主主義と暗殺はつきもので、共産主義と粛清はつきものだと思っております」に目が止まった。
が「ナイス!」と言っています。
あまね
3.6L残念ながら素のアーティスト太宰治の思想や実像には迫り切れていない。井伏鱒二との関係も然り。けれども豊富な資料に基づき時系列に沿って発表した作品の意図や背景を再確認できるものとなっており、遠近法的に俯瞰した立場から太宰の人生を振り返り読むには評価できる。高校時代のパビナール過剰摂取での自殺未遂を第一の事件。上京後の田部あつみとの七里ヶ浜心中自殺幇助事件を第二の事件。他自殺未遂2つを第三第四の事件として章立て。いずれも死ぬ本心はなく未遂で終わられせるのが本音と推理。そして本気の山崎富栄に行き着く。
あまね
2024/03/02 09:06

最後も太宰は死ぬつもりはなかったとの推理。井伏鱒二との関係性については、井伏の盗作癖に焦点が当たる。資料が多く詳細に書かれているにも関わらず、実像に迫れていない感がオモガユサを感じる読後感。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/03/01(1886日経過)
記録初日
2020/06/01(1428日経過)
読んだ本
470冊(1日平均0.33冊)
読んだページ
119142ページ(1日平均83ページ)
感想・レビュー
470件(投稿率100.0%)
本棚
17棚
血液型
AB型
職業
アーティスト
自己紹介

5段階で読後の満足感を記録
B→購入 L→図書館 K→Kindl

息を吸うように本を読む毎日

好きな作家
太宰治 三島由紀夫 松本清張 司馬遼太郎 芥川龍之介

ガーディアン必読書1000冊も漁り始めた

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