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ゆらぐ玉の緒

感想・レビュー
39

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いちむら
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P176-177
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ゲンゲン
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美しい文章だが、難しくて読み返し読み返しでなかなか進まない。時間があるときに穏やかな気持ちで読みたい本。私には無理でした。ごめんなさい。
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Bartleby
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生者か死者かわからない声たちがひしめき合う交響楽。息の長い文も、いつしか幽境に迷い込んでいく。固有名詞は千年くらい前の歌人くらいしか登場しない。現在はむしろ過去の時間の層に浸食される混沌。古井由吉の文章そのものが、あやうい揺らぐ玉の緒だ。 「玉の緒をよ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする」 この式子内親王の恋の歌はまさに、生きながらふとした拍子に自覚される狂いの兆しを書きつづけた古井文学をうまく要約している。
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たなまい
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匿名の主人公って入りにくくて読みにくい( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ )
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さんた
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相変わらず、現在と過去を自由に行ったり来たりするんだけど、慣れました。久しぶりに古井さんと会った気分だけど、お亡くなりになってるのかと思うと寂しいです。
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f
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「人違い」にあらわれた奈倉という名に『楽天記』をおもいだしてハッとしたが、しかし、これも単なる「人違い」に違いないのかもしれない。
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kaho
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古井由吉氏の作品は 初読み。何人かの読友さんが高く評価されていることから手にしてみた…初めて読むにあたり、この作品でよかったのかどうかは、判らないけれども。 西の哲学と東の思想の淡いを往還するような印象。言語化の難しい感覚的な対象…例えば、思い出と呼ばれるもの、入院中にみる天井、道に迷った時の気分…不確かでありながら覆われるほどに近いものを、音や匂い、味覚などの五感全てを積み重ね示唆されることで、ピントが曖昧なモノクロ写真のもつリアリズムや、ニーチェが幽玄を説くかのような、梅雨時の時鳥の声の幻聴のような。
SIGERU

kahoさん 古井由吉は、初期短篇をくりかえし読みました。『先導獣の話』『雪の下の蟹』などを。そして、「自分も何か書いてみたいなあ」と思いました。仰るように、古井作品には、なにか触媒のような力がありますね。

07/23 00:03
kaho

SIGERUさん そうなんですね!!あぁ、嬉しい、同じ方がいらした! 初期作品だと やはりここまで死と近いことはないのかな?それとも逆に若い方が若いからこそ そういう拘りとしてもっと直截的に死を書くのかな? …等と もわーん…と考えていたのですが、やはりそのうち 若い頃の作品も 読んでみようかな、と思います♪

07/23 01:43
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ブルーツ・リー
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文学界で評判の高い、古井由吉晩年の傑作。 「ゆらぐ玉の緒」は「ゆらぐ魂の緒」に通じ、魂が揺らぐ訳であるから、自らの晩年だったり、あるいは死、すらも、恐らく予感していたのであろう作品が並ぶ。 しかし、死が間近に近づいていたとしても、古井由吉は、動じない。元来、老病死苦は、古井文学の(少なくとも、晩年の)メインテーマであって、若いうちから、病や死について、日本に根付く仏教の思想の上からも、ずっと考え抜いて来た人であるから、動じる理由がないのだ。 死や老いに直面した日常こそが、文学の傑作へと、昇華されていく。
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yosuke
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難しい本だった。たしか又吉先生オススメの本。 年取った時の諸行無常感?昔の自分に出来たことが出来なくなる辛さ、切ない。
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よっしー
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2020年2月に亡くなった古井由吉の随筆集。古井文学の集大成。冒頭からの風景描写が素晴らしく美しい。内容としては作者の子供の頃の戦争の記憶、今までの入院や手術など体のことが多く書かれていた。歳を取るにつれて昔のことや健康のことが頭の中を占めていくのだろう。作者が体の衰えを感じながらも変に抗うことなく、自然体で受け入れている様が印象的。読み手としては、作品の中で何か大きな出来事を期待するのではなく、情景をイメージしながら自然に身を任せて読むと楽しめる。
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古義人
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永劫の反復、反復の永劫
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みあ
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日本語の美しさを極めたような流麗な文体の随筆集。老いの寂寞と死への諦念をちりばめながらも枯れた色気のようなものまで感じさせる。夢と現、過去と現在が溶け合って幽玄な凄みすら感じさせる。死を身近に感じて初めて人は自由を知るのかもしれない。折々の季節の描写は優婉でありまるで死者から見た世界のようである。時間の移り変わりと共に彼岸が見えてくるのだろうか?夕闇の残りわずかな生はあまりにも静寂で永劫へと回帰する。死に対する僅かばかりの恐れと憧れ。これは古井文学の集大成であり、残った私達への遺言書でもあるだろう。
Osamu Ueno(ラジオネーム風のふじまる)

お試しで読みましたが、みあさんの作者に寄せる敬愛の念を深く感じさせてくれたレビューですね。購入します。ご紹介ありがとうございます。🎵

03/01 16:09
みあ

Osamuさん、こんにちは。ありがとうございます。感想楽しみにしています。

03/01 16:45
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コーギー
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読みながらにして私は今どこで何をしているのかということを忘れる。時間と空間はほころび、夢と現は境目を喪う。例えば、「人違い」。時空を隔てた偽の再会にこれだけ豊饒な意味を持たせられるのは、理論家の領分ではない。これは古井氏の芸術的仕事だろう。もう一つ私の印象に強く残ったのは、表題作「ゆらぐ玉の緒」の一節だ。 ≪現し心とは、つながれてはほどかれ、ほどかれてはつながれ、心ここにあるのと、ここにないのとの、その往還の間にこそ生じるものか≫ この世とあの世を揺蕩う暖かさ、心地よさを味わうことができる読書になろう。
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みあ
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再読。新古今和歌集の幽玄を現代に蘇らせたら古井文学になるのではないだろうか?そう言いたくなるほどこの短編集は美しい。目覚めながら見る夢であり、生きながらさ迷うあの世である。濃密で甘美で寂寥としていて懐かしい。日本の伝統美を体現している今の世の唯一無二の作家だと思う。たゆたうようなあえかな夢。一瞬で消えゆく定めにあるからこそ美しい桜、あるいは夏の花火。諸行無常だからこそ生きていける。いつかは死ぬからこそ生が輝く。私達は時間の中の旅人であり、永遠と刹那が、過去と未来が妖しく乱れ飛ぶ蛍のように溶け合い消え去る。
燃えつきた棒

Beautiful!

10/01 13:25
みあ

Thanks♪♪♪

10/01 14:06
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Yoko
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思わず背筋を正しくして読ませる魔力を持つ文の連なり。氏の身体に中にある時の流れがとても興味深く読むことが出来た。理想とする「老いの境地」の一つかもしれない。やや淡泊な感はぬぐえないが、自分も齢重ねるにつれてこのくらいの薄味がたまらなくなってくるのだろうか。
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すな
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美文とはこういうことかなと感じいった。冒頭から綴られる情景の静かな美しさ。一文一文を読み連ねるだけで、すっと魂になじんで、整えられる心地がする。老いた近頃のことから、大昔のこと、少し前のことなど、回想や日々の所感を語るしらべは、遅くも早くもない歩調で、長い時間の歩みを思わせる。途切れそうになりながらも、細々と、脈々と続く。その流れにそって読んでいくのが心地良い。文章を辿っている間、人がその文章になっているのだとしたら、本書を読むうちは美しい文章になれるということだ。兎角、行きて、歩いてゆこうと思った。
すな

ありがとうございます!本作を読んだ影響かもしれません(笑)スロウさんのレビューも、いつも作品を読むような心地で拝見しています^^

09/08 12:14
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hirayama46
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老いと死の影が色濃い日常を淡々と描いた私小説風の連作短編集。とにかく文章の老練さがただごとでなく、風景描写のひとつひとつにも技工を感じさせます。始終現実に根を張ったことしか描いていないにもかかわらず、一種の幻想文学のような読み心地になっていました。すごい人だなあ。
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yumiha
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「老い」ちゅうもんをさまざまに見せていただく。時には、認知症の方のように、時間空間を飛び越えて眼前に繰り広げていただく。気候も物音も匂い(臭い)も触媒となって、足元も身体も心持ちも蹌踉(ふりがなは「よろけ」だった)としながら、杖に頼りつつ彼岸へまで渡りそうになりながら、あちこち歩く。これはエッセイなのか小説なのか、やっぱりワカラン。ストーリーを追うというよりも、読者もつられて揺らぎながら味わう、ちゅう本だな。
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白いハエ
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幼年の空襲の記憶と、人の死の記憶と、現在の足取りの間を絶え間なく、蹌踉けるように往還する、それが玉の緒の揺らぎということか。老いるということは正にこの、時も空間も韻も超えた反復の振幅のゆっくりと肥えていくことなのだろうと感じた。御年八十歳ということで、自分のはした人生の三周りを有に超える時間を湛えた文章を読めたなど、到底言うことはできないが、しかし、初めて『杳子』を読んだ時よりもその途方も無さは少ない。読めば読むほど、深さが見えて、より長大に見通せてしまうというか…。
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cape
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ゆらぐ歳を重ねて増えた記憶と深くうちに籠り、混濁する意識に、外への知覚はあいまいになり、老境にゆらぐ作家のことばは、美しくたゆたうようで、とらえどころがないが、日常が時間が季節が過ぎ、移ろう日々が、ゆるやかに描かれていて、ときに文章が長く続いて途切れないのには読みづらさも感じたが、誰にも訪れる老境の追憶は、こちらの自分自身にも過去のあれこれに想いを巡らせ、思いもよらず過ぎし日々を思い返し、悔恨やら諦めやらが寄せ返す、ゆらぐ読書となった。
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erierif
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『後の花』冒頭の桜にまつわる漢文、和歌をベースとした美しい文に魅了さた。西行を連想しそこはかとなく漂う死が、事故、病、老い…今まで語られなかった戦争によるものであれ日常のなか影のように淡く描かれていく。不吉でもなく恐ろしさ悲しさでもなく、ただ生と対になるように死は重なり日常にあるのをどうしてだか心地よく読んだ。そして死(=生)とは自然なものなのだなあとただただ納得し腑に落ちたような気がした。『人違い』『時の刻み』『年寄りの行方』『弧帆一片』緻密で豊かで静かないつまでも読んでいたいような作品。
erierif

日本の作家が書く父と息子の話(内田百閒の冥途、田中小実昌、色川武大など)が好きなのですが『年寄りの行方』の父子、『時の刻み』に出てくるむつむつとした顔つきで飯を喰い、家の柱となって飯を喰う…などとても好みでぐっときた。

02/21 19:10
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ぽかりんこ
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きっと素敵な文章を書かれているのでしょう。でも私にはレベルが高過ぎて言ったり来たり、読めない漢字もちらほら。年齢を重ねていくと色々と大変だということは分かった。
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渡邊利道
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集中に「その日暮らし』とある通り、老年の作家の日常をおとずれる記憶と夢と詩歌と身体の変調、ゆらぎが交錯する連作短編集。ゆったりと日を置きつつ一篇を何日にもわけて読んだ。腑に落ちるところあり、どうもよくわからないところあり。このところの本は一度読んだきりで放置しているので、またそのうちにまとめて読み返したい。しかしまだまだ元気だなあと思いつつ、思いついて『神秘な人々』を同時に読み返していたのだが、そちらとはだいぶん文体の感触が違う。おそらくはかなり意識してのもので、元気と言うのは知的操作の印象でもあるか。
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michel
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★-。(←私には評価不可能やわ(^_^;)) 初の古井由吉先生。人生を変える一冊。参ったな。最初から最後まで、気圧される美文。私にはレベルが高過ぎる。いつもの3倍くらい時間が掛かったが、なお、理解仕切れてないだろう。ここまで繊細で鋭敏で、かつ、深く文章を連ね続けられる作品は初めて。三島由紀夫『金閣寺』もそうだったが、また異なる感嘆。 私でも歳を重ねていくと、すべてに本物の老いの声を聞くようになると、由吉先生の域に入って共感出来る日が来るのかな。まだ私が幼いということか。
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miho
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古井文学の集大成と呼ぶにふさわしい短編集。熟練した流れるような美しい文章のなかで、夢と現、過去と今を漂っているような感覚が心地よかった。人は常に自然と死と共にあるのだと、老年になると、よりはっきり感じるようになるのだろうか。
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nishi
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文章の感覚がヒットしました。かーん、読破予定
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MK2
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とても勉強になります。知らない言葉の多いこと…考えの流れの美しさ、こんな風にものを考えて生きていきたい。足元にも及ばないにしても、何回も読みたいと思った本。
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あやか
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いつか私の内にも、こんな古老が住むとよいな。こういう風に年を重ねたい。痛みも含めて、人生なのでしょう。
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でんすけ
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細やかな感覚と、素朴な感性がある。いかに私小説が苦手だと言っても、これはじっくりと身をひたす価値のある文だと思う。没入感がものすごい。主語がほとんどない、永井荷風みたいな淀みのない長文を、一所懸命追いかけるうち、読み手が書き手の意識に同調する。ふっと気づくと、何を読んでいたのか忘れていることもあって、そのへんもまさしく一人で考え事をしていたときの意識に近く感じる。単純な結論ではない、自身の内奥でひびきわたる声の描写とも言えそうです。
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みあ
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過去と現在、夢と現、生と死が溶け合ったような不思議な連作小説。いや、随筆と言った方が近いかもしれない。現代にもこれほど豊穣でこれほど柔らかな官能性に満ちた日本語を書く人がいるのか?そのことにまず驚く。そして作者が1937年生まれだと知って、また驚く。これほど芳醇で瑞々しい感性を保ち続けているなんて、奇跡だとしか思えない。この本を読んでいる間、私は自分という存在を忘れ果てていた。新古今和歌集の世界に迷い込んだような錯覚さえ感じていた。老いるということはとてつもなく淋しくて甘美なのかもしれない。
natsuko

みあさん、こんばんは。古井ワールドにはまってらっしゃいますね。嬉しい。私も大好きです。まるで水のなかにいるよな、森のなかにいるような静かな気持ちになります。早く読みたいけど、未読の本がまだまだあるのもなんだか幸せな気分になりませんか?(笑)

07/25 21:04
みあ

natsukoさん、こんばんは。『ゆらぐ玉の緒』を読んで、私が読みたかった小説(?)だと確信しました。そうですね、嬉しいですが怖いです。全部読んだら、私はどこに行くのでしょうか?

07/25 22:37
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タオルケット
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まず、装丁が素晴らしく綺麗。 読み始めると、日本語のリズムと語感が素晴らしく、これぞ古井文学、と鳥肌がたった。 ほとんどがエッセイのような回想録のようなものだが、一番小説よりの「人違い」が特に良かった。 季節の移り変わりに沿った編成なので、長い時間をかけて少しずつ読むのもいいかもしれない。
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aloha0307
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私には少々難解であった。玉の緒 とは魂を繋ぎ止める紐の意の古語 それがゆらいでいく...過去&現在、生と死、自己と他者の境界が溶けあって混然一体となっていく、そのうつろいに読み手の意識も朦朧としてしまう。印象的だったのは、母の臨終場面 白髪の鬢が風もないのに揺れる...そこでみせた作者の分析的思考にドキリとしてしまう。
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tamioar
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齢八十にしてこの明晰さよ。
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ひろゆき
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賭けてもいいがペストセラーになることはない。ここで感想が少ないのは、物言えば唇寒しの感からだろう。日本を代表する作家と思うが、あらためて英訳困難と確信。実際に英訳あるのかは不知。訳したとたんに別物になるだろう。老年のためいよいよ気候と体調が同調している。読後にはこの人の文体を勝手に真似て私の脳内の言葉が語りだす。このような体験は太宰、野坂昭如にもある。句点から句点の文の中がゆらゆら揺らぐのが、私の脳をしばし支配する理由か。
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まるっちょ
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年を取れば取るほど思考は深くなり、より込み入ったことを考えることができるのではないのか。人はそういうようにできているのではないかと考えてみる。人間の一生は風に揺らぐ玉の緒のように不安定であり一つ一つに存在感がある。誰かが死んだという話を聞くたびに自分自身の人生と重ねる。深い無常観と水流のように静かな心がそこにある。息をつく間もなく言葉で編まれた美しい自然に触れる。
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たけはる
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長くぼんやりした夢を見続けているような読み心地でした。詰まるわけではないのに、読むのにとても時間がかかった一冊でもあります。しかしとにかく日本語の、表現のひとつひとつが端正でうつくしい。いつまでも浸っていたくなるし、じっくり浸っていたい。時間をかける読書、のふくよかさを改めて思い出しました。
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