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反共感論―社会はいかに判断を誤るか

感想・レビュー
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史
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なんだか最近世の中感情が優先させられてるなと思っていたら、実は昔からだったのさという話。共感されるか否かで物事の善悪が左右されてしまう。当然その感情を揺さぶれば人々は付き従うと理解すれば悪用する存在も現れるか。理性でどうにかと思うけれどもやはり難題であろうかな。
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かわ
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『アテンションエコノミーのジレンマ』の参考文献に挙がっていたので続けて読んだ。 著者が「悪玉共感」として問題視しているのは、「情動的共感」。これは、一人の可哀想な存在にスポットライトを当てることで、他にも同じ境遇の人がいるにもかかわらず、その光に照らされている人だけを優遇してしまう心理。日本語でいうと依怙贔屓が近いか?そして、この「共感」は誰かの恣意的な思惑によって利用される。 すごく予防線を張った書き方で、向こうの大変さが伺える...
かわ

「身元が分かる被害者効果」を民放のバラエティやワイドショーが使うのはまだしも、公共放送までもが亡くなった方の中で一番可愛い女の子の写真を選んで報じていたのが未だに釈然としない。

02/09 11:15
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清水勇
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著者は「共感」を情動的共感と認知的共感に分け前者の危険性(結果的に愚かな判断を導き無関心や残虐な行為を動機づける)を丁寧かつ具体的な事例で説明。だからこそ我々は人間が有する特性(情動的だが合理的な意思決定能力を持ち理性的)を活用することでよりよい社会を構築可能に納得。SNS全盛期の今こそ、我々を「共感」で誘導しようとする情報には「考え抜く」姿勢が必要だと痛感。昨日の新聞にトランプ政権の不法移民対策の酷さを不法移民家族に焦点を当てた記事があり「共感」を煽り、不法移民の問題(治安悪化)に目を瞑る記者に驚く。
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nobidora
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3年来の読みたい本。著者は発達心理学者。タイトルには異論が噴出しそうであるが、訳者まとめにもあるように共感でも情動的共感(感情)が道徳的問題や公共政策に関わってくると問題なのであり、認知的共感(他者の立場でものを考える)については著者は中立的な立場を取る。その切り分けが自分は出来てないんだなという感想。医療従事者がしばしば治療対象に飲まれてしまう現象について書いていてなんだか納得。とはいえやっぱり話が冗長な印象を受けた。最近読んだタークル『一緒にいてもスマホ』が出てきて驚く。類書扱いなのか
nobidora

本邦だとやっぱり共感が大切という論調が大勢を占めるだろうから、こういった意見は貴重。情動的共感はしばしば自他境界の喪失を招くのだろう、だから情動的共感のしすぎは困ったことになり、心身の健康を損ねてしまうこともあるのだなあ、と今の自分に重ね合わせて読みました。

12/19 18:15
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並林
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一般に善とされる共感の負の側面を暴いた書物。共感には情動的共感と認知的共感があり、とりわけ前者を有害認定している。なぜなら、それは遺伝子を共有している人達や自身と共通点がある人を贔屓してしまうからだ。無意識的に駆動してしまう、いわばシステム1が情動的共感の仕組みである。例えば、人間は固有名詞や具体的なストーリーに弱い。統計的根拠を出しても、1人の分かりやすいエピソードの前では弱い、弱すぎるのだ。このように、本書は情動的共感を叩いているのだが、いやはや文章が分かりにくい。もっと簡潔に書けばいいし、
並林

俺はあえて情動的共感が働かないように工夫する時がある。スイッチかONにならないように、あえてモノ化することがある。また、認知的共感が優位であるため、あまり得られるものがなかったな。うーん。ただ、バイトの本にも書いてあったが、道徳や倫理の研究者こそそれらがないって話はバカ面白かった。アイロニカルすぎる。

12/19 09:21
並林

それと、著者の進化論の理解が出鱈目。頑張れ、勉強

12/19 09:23
3件のコメントを全て見る
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チシャ猫
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題名に惹かれて手に取った本。思ったより読みにくかったが、共感を情動的なものと認知的なもの、2つに分けて捉える論法は分かりやすい。情動的共感が社会的に間違った方向へ人々を導く(ことがある)という実例を多く示してくれる。元々情動的共感能力の低い自分からしたら、「当たり前だろう」を思う部分が多く、共感=善と捉える考えの方がスタンダードという前提に首を傾げながら読み進めることになった。やや冗長に感じたのは事実だが、著者の主張には大きく共感(認知的な方)する。
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もりくろ
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共感と言うものが、情動的に働く場合、理性的な合理性をすっとばしてゆく。人間が持つ本能に近いところの弱さなのだろうか?昔から感じていたアフリカの飢餓でやせ細った子供の写真に感じていた違和感。騙そうとするうさん臭さ… 原発大反対でエアコンが効いた部屋でアイスコーヒー飲んでる人は、エネルギー無し日本が原油天然ガスが入らなくなった時にどうするか?など… 情動的な共感が持つ幻想は、今日も現実を凌駕する。
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おわか
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おもしろかった。「情動的共感」と「認知的共感」。問題とするのは前者で、いかようにでも操作できる。後者は良い方にも悪い方にも作用する。共感は暴力を煽る。訳者のあとがき(解説?)は簡潔でわかりやすい。SNSでの「リベラルでさえ、ネガティブな情動的共感の影響を非常に強く受けている」など。
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たまに読書
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共感という言葉は最近よく聞くので、中々刺激的なタイトル。結果としては共感全てが悪いわけでは無く、情動的、認知的共感の2つに分けた場合、情動的な共感に対しては警戒した方が良い、という事。道徳に関することなので、内容が難しく、読み進めるのが遅かった。
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ありさと
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「他者の経験を経験する」「情動的共感」は本当に有益なのか、実は有害ではないのか、を考察する。理性と思いやりとが重要なのだと著者は主張する。過度の共感は燃えつきを招き、仲間内での共感は対外的な憎悪と非人間化を招く。おおむね持論と近いのでついつい共感してしまったじゃないか。
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perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
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原著は2016年、邦訳は2018年。著者はイエール大学の心理学教授。 第1章。まずは反共感論についての想定問答集。ここで共感についての2種が提示される。情動的と認知的なそれ。本書で主に使うのは前者。後者は道徳的には中立に作用する。例として『1984』が引用されている。また善き行いをするのに共感は必要ない。そんな事は当然だが共感主義者には受け入れ難いようだ。 第2章。神経科学的実験や研究の成果によって共感を分析し、それによって通俗的な説を批判乃至否定していく。→
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

第6章。積極的に理性や知性を擁護する。ここでは自由意志などないという説を批判する。要するにそれは例外的でしかないと。また道徳的な思いやりや気遣い、さらに自制を重視する。 私は「行動原理主義」ではないし今後も組するつもりはないので「功利的利他主義」が性に合う。相手ではなく自分自身のために行う偽善性は個人的に耐え難い。例えば川内美彦『尊厳なきバリアフリー』を読んでみればいい。他人の善意に依存するような制度は欠陥品だ。ただ本書は私の意見に大変近いが…所々ひっかかる。→

04/25 20:09
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

その引っかかる所にこそ確信があるのだと精神分析家なら言いそうだ。

04/25 20:09
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きゃれら
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4年半も前に出た本で、その時買ったきり積んでいたけれど、今でも十分に読む価値がある。いや、今こそ読むべきかも。言いたいのは帯にある通り「共感は100%善である」というのは間違いだということで、それは常日頃から身にしみている。戦争だって、共感から引き起こされることがあるんだから。アダム・スミス「道徳感情論」が何度も何度も引用されているのが印象的で、逆に言うと、道徳感情論がどれだけいい本なのか、ということかも。この本と併読をおすすめ、国富論より面白いし。
きゃれら

選挙制度というのは共感合戦で、先日の知事選挙も地方のかかえる課題としては明らかにちっちゃかったテーマが大きく影響したとの報道ですね。真偽はわかりませんが、もしそうなら、そういうところが反共感論につながるのでした。

09/12 17:44
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summerman
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ブルームちゃん良いこと言うわ。序盤はめっちゃ退屈だけどね。反感を買うタイトルだからか論を展開するまでに前置きが多くてね。「はよ言えや」とイラついて閉じそうになったね正直。しかしその論説には待たされるだけの価値ありましたね。近年の直感礼賛にはずっと違和感あったのよ。行動経済学のアホどものせいだろうけど。連中の非実際的な実験室限定理論(というか実験ですらないけど)が当然みたいな顔で市民権得てるのはおかしいよ。学問のための学問という最も愚かな領域に肩まで浸かった人文科学に差しのべられた蜘蛛の糸なんだこの本は。
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h
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数10ページしか読めなかった。 論文系の本は理論と例の繰り返しなので、例を飛ばしたくなる。得意でない。理論書や知識を並べ立てる本の方が得意。
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めぐりん
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共感のうち「情動的共感」に伴う対応は情緒的なもので短絡的な判断から社会的状況を悪化させることがある。一方、「認知的共感」認知的・理性的であり判断する際の便利なツールになり得る。背景として、前者は自らの経験に基づく郷党的なものにならざるを得ない点がある。
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zozomu
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ネタバレ評価項目等にある「他者理解」って共感(同じく感じること)なのか?を疑問に持っていたがこの本がとてもしっくりきた。「共感≠思いやり」で共感には認知的共感と情動的共感がある。情動的共感はスポットライト的効果があり、親しい間柄においては大いに有効だがその他を無視し、合理的判断を妨げる。認知的共感は親しい間柄には冷たい印象を与えるが、事を俯瞰して建設的な解を得やすい。バランス感覚が必要となるが「思いやり」はそれ(共感)とはまた違う。共感がなくても理性(倫理・道徳性)があれば他者を思いやることはできる。
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ヨックムド
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against empathy the case for rational compassion 「共感ではなく思いやりを正しく持つために」 共感とは独りよがりに相手の感情と思われるものに同一化すること。思いやりとは相手に必要だと公正に慮り差し出すこと。政治はスポーツ観戦と同じ、ひいきしているだけで合理性とは無関係だという記述に深く首肯。
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KJ
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「共感」についての反論の書ということで期待していたけど、個人的には期待していたほどではなかったかなと言う所。主張としては相手の感情を自分のものとする「情動的共感」に従って行動することの危うさの警鐘を鳴らすということで、主張は非常に理解できるんだけど、自分の想像を超えてはなかったというのが残念ポイント。主張自体については、細かい部分に疑問に感じる部分はあるものの、だいたい賛成。共感は人を狂わせることも往々にしてあるので、それに従うことは本当に正しいのかという問いは大事だね。
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芙由
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ネタバレ「共感≒思いやり」ではなくもう少し細分化して「情動的共感」と「認知的共感」に分け、情動の方を重視しすぎると特に他者を救うための政策決定においては危険だよ、という主張。困っている人と同じ気持ちになるよりも、冷静に相手を思いやる方が助けになるということ。その根拠や事例をひたすら紹介していくので、最初の結論以上の展開はなく、引用される研究やエピソードを楽しめなければ退屈になってくるかも。認知的共感の方が有用、で終わるのではなく、認知的共感もまた難しいとか、さらに話が広がればより面白かったかな。
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小木ハム
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共感は万能ではない。精神科医が共感に過ぎると適切な処置ができず医者自身が病気になり、スーパーマンが共感に過ぎると身内だけ助けてその他多数を見殺しにする。『情動的共感』はプライベートな人間関係において大いに有効だが、感情に寄り添うだけで問題は解決しない。『認知的共感』は親しい関係であるほど冷たい印象を与えてしまうが、事を俯瞰して建設的な解を得やすい。二つとも時と場合を選んで使い分けるべきであり、更にいえば、本書からは共感より『思いやり』を重視した方がいい事が学べる。両者は似て非なるものだ。
小木ハム

▼最近の国内だと自粛警察・マスク警察、ツイフェミやヘイトスピーチ、右派左派の叩き合い等は、情動的共感を拗らせた末の行動に見える。ヘイトを募らせても良いことなんか一つもないし、何も解決しない。勧善懲悪で割りきれるほど社会は単純ではなく、極端な行動には必ず"余り"が出て、しわ寄せが誰かに行く。共感を持つのは基本的に良いことだけど、真に持たなければならないのは『共感に振り回されないパーソナリティ』を一人ひとりが備えること…だと思う。

07/10 21:55
小木ハム

▼共感の有毒性について、ちきりんさんが書かれていた文章を引用してみると『毎日2キロ離れた井戸まで水を汲みに行く途上国の子供たちを見て『一生懸命働いていてエライね!(情動的共感)』と褒めるより『蛇口をひねればすぐに水が出る環境を整えるべき(認知的共感)』と考える方がよほどまともなのです。』がわかりやすい。

07/10 21:56
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shohji
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共感は善きものとされているが、感情に飲み込まれる共感では相手を助けることはできない。このような共感はピンポイントである。誰かに共感することは誰かに共感しないことなのだ。本書は過度の共同性や平等を求める傾向が強い現代社会への警鐘である。著者は仏教には「思いやり」と「共感」を分ける考え方があると大発見のごとく書いている。確かに私たちに日本人にとっては、今まで漠然と考えていたことを言語化しただけという側面もある。政策と共感の関係性ではリベラルと保守の違いがわかりやすかったが、非常に細かい考察なので少々疲れた。
0255文字
huyukawa
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非常に刺激的な本。共感をあまりにも信じる風潮がまわりにあるので、そういう意味では自分の考えをまとめる資料になる。
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kadokko
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認知的共感→他社の中で起こっていることを感情を挟まずに評価する能力に結びつけて捉えること 情動的共感→他社が感じていることを自分でも感じること。スポットライト効果がある。 違いを理性的に認めるということを意識していきたい。 情動的共感で、なにかを判断することの危うさは確かに実感としてある。
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テツ
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共感する力が人間としてとても大切だとされ、それがなければ失格みたいな風潮に常々疑問を抱いていたけれど、そうしたモヤモヤ全てをキッチリ言語化してくれていた。共感して寄り添うとき、人は必ずある程度は情に流されてしまう。そうしたときには理性的、理知的な思考の積み重ねから生み出される判断とは全く異なる判断をしてしまいがちだ。感情移入の全てが悪だとは思わないけれど、他者の感情などに呑まれることのないように、何事も常に一歩引いた場所から客観的に俯瞰することを心がけていたい。
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zgkzw
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わりと考えたことのある内容だった。効果的利他主義の説明の際、ピーター・シンガーがたびたび引用されているのに興味をそそられた。共感(empathy)と思いやり(compassion)、情動的共感と認知的共感の区別が明快で良かった。/訳者あとがきに出てきたターリ・シャーロット『The Influential Mind』の「ツイッターはインターネットの扁桃体」という表現が好きだ。『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』の題で邦訳が出ているから、こんど同じようなテーマに突き当たったらこれを読む。
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はぶちえ
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共感という単語の使い方が難しいが、情動的/認知的共感については別物であることが理解できた。とくに、顔が見えたり距離感が近い相手への共感にバイアスがかかるのは、スーパーの野菜コーナーに書かれた「この人がつくりました」にも似た効果があるのかもしれない。 情緒的共感が思いやりや親切心で説明できてしまうことは、そもそも共感が利他的行為のトリガーにもならず、不要論が持ち上がるのもわからなくはない。 訳者による解説がわかりやすい。本文はやや遠回りな部分があるため、第一章と解説を読んだ上で他の章を補足とすると良いと思う
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jackbdc
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目から鱗。共感に反対する視点などあり得るのか?と思っていたのだが、読み進めてみて自分に思いが足りない点があったことに気付く。共感は万能ではない、意思決定を歪める、何より恣意的に操作されやすいというのは納得だ。また、共感は公共善に不可欠だと感じていたのだが、他人を気遣う理由は他にもあるという。確かにそうだ。感情の強弱を善悪と繋げて解釈するのも危険という気付きも。強い感情は力も大きいが弊害も大きいのだ。まとめとして、共感は人間の本質的な部分だが、それだけに軽く扱うのは危険だと認識する事が重要なのだと理解した。
0255文字
asumi
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本の内容に共感した。反共感論に共感したというと変な感じがするけど、共感にも種類があって、この本の内容に共感したというときの共感は情動的な共感ではないんだな。本書の主張に説得させられたというべきか。とはいえ、そもそも私の考え方も著者に近かったのだと思う。でも共感についてよくよく考えることなんてなかったから読んでよかった。第4章のプライベートな領域では他人の影響を受けやすい自分の生き方を考えるヒントになった。
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那由田 忠
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他人がどのように苦しんでいるかを想像して「共感」することと、似たような苦しみを感じて「共感」することとは違うということ。似た苦しみを感じると、そのために自分も苦しくなってしまう。また、「共感」を強調しすぎると、個人的に感応する範囲でものごとを判断するようになり、個人の思いに偏ってバランスのとれた判断にならない、という問題点を突いている。微妙だけれど注意しなければならない大事な指摘だとわかった。
0255文字
シクロ
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他者へ感情移入し自分も感情を動かされる"情動的共感"の負の側面を取り上げる。感情を動かされるような報道に触れるとき、疑いの目を向け、理性に問いかけるようにしているつもりではあるけど、様々なバイアスは思いもしなかったところで生じているように思う。僕はこの本での議論にあまり反対意見を持たなかったが、強烈に反発する人がいるんだろうなということ、分かり合えないんだろうなということも想像できる。こういうの読むと自分にできることを粛々とするしかないという結論に至るな。
0255文字
marukuso
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共感を情動的共感、認知的共感と分けて考えた上で情動的共感を批判する。情動的共感は他者が感じていることを自分も同じように感じるという意味での、アダム・スミスがいう同感と同じである。情動的共感はスポットライト効果があり、合理的な思考を妨げる。道徳的な判断や、公共政策における意思決定において特に問題となる。単純に人間が持つ本能だと思うし、それを乗り越えるのはかなりの研鑽が必要だろう。アダム・スミスが多く引用されていたのが示唆的で、とても面白かった。
0255文字
corriedale_
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睡眠導入にぴったりだった。そもそも著者は「他者が感じていることを感じる能力」=「共感」と限定している(思いやり/気づかい/理解力は否定していない)ため、言葉の印象に混乱する。例えば医者が治療に際して ヒイキしてしていたら?患者の気持ちに同化して動転していたら?他者の気持ちがわかるなら優秀な詐欺師になれるね、でも自分の子供に何かあったら優先して当然だよねなどと。
corriedale_

例えば アピールの上手い人ばかりが世間の耳目を集めて"得"をするのは 公平と言えるのか。負のニュースに振り回されて心を病み/他人に強制するのは 善いことと言えるのか。情動的共感と認知的共感

04/12 14:23
0255文字
コージ
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0255文字
shin_ash
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タイトルの通り共感の問題点を主張する本である。この主張が表面的には直観に反する為、全編通してその反論が展開される。その影響か、肝心の考察が浅い部分が散見される様に感じる。本書の主張は共感を情動的共感と認知的共感に分けた上で、両者を混同したり無条件に情動的共感を賞賛する事に問題点を見出している。この主張は極めて妥当で情動的共感は合理的な判断を妨げる可能性がある。そこから著者は理性的熟慮の重要性を訴える。そこに異論はない。問題は人間がそう言う事が苦手で、その克服である。この点が楽観的なのは違和感を感じる。
shin_ash

心理学系の実験で再現性が無いケースが散見されることは最近はホットな話題である。ただ、理性の重要性の根拠として挙げられているマシュマロテストも再現性がなかっとの話もある。ただ、それは短絡的に自制心の重要性を否定する事には直接繋がらないのがややこしいところでもある。そう言う意味ではこの手の話題はエビデンスも重要であるが、着眼点と論旨の鋭さがより重要であると感じる。本書の着眼点は鋭いが、論旨が想定される反論に注力してしまっている点が残念である。訳者あとがきが一番まとまっているのが救いである。

01/13 21:01
shin_ash

ただ、共感と怒りが、善悪は兎も角、人間のモチベーションを強烈にドライブする点は再認識できた。意識して使いこなしてみたいものだ。 また、認知心理学等では判断に対して直観が優先である事は周知である。ならば、なぜ理性が発達する余地があったのかについては、"あたりまえ"であるためかあまり突っ込んだ議論を聞かない。本書に少し期待した所ではあるが、心理学であるためかそこは触れないとされた。 直観に反する展開も多いため、読みにくい本であるが、重要な論点である事は間違いない。

01/13 21:10
0255文字
やん
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ある種の共感には負の側面があり、その危険性を解き明かすとともにそれに代わる規範となるべきものを示している。文章や論の立て方、事例などがとても分かり易く、読み応えがあった。訳者あとがきも本書のテーマに踏み込んでおり素晴らしい。まさに今の世相の中で広く読まれるべき本だと思う。去年の春発売され、新聞の書評を見て購入し、ずっと放置していてようやく読み終えた。安くない本だったがそれだけの価値はあった。読書の醍醐味。
0255文字
Hiroo Shimoda
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情動的共感と認知的共感があり、情動的共感は害をもたらすと説く。SNSにより情動的共感に訴える手法、例えば幼児が巻き込まれた交通事故加害者へ厳罰を求める署名が大きな効果を発揮しているのを見ると、確かに共感に基づく判断には危うさを感じる。
0255文字
やまやま
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結論としては「理性の復権」を述べる。感性は、合理的行動を補うものという総括は、常識的な社会通念と考えてそれほど乖離は無い。情動的な行動は最適でないのだよ、と諭す。理性や合理性は必要不可欠であり、一般にはそれらは高ければ高いほど望ましいという、目新しさの欠けた主張に戻る。自制的な人間が望ましいのだが、これは功利主義に基づいた合理的な行動と整理できる。長期的な結果に焦点を置くことで当面の欲望が抑えられる。一方、政治的決定で時折見られる不合理さは、賭けられている内実が微小なので当事者の理性が働かないとのこと。
0255文字
teddy11015544
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興味深い論考ではありますが、秋の夜長のせいか半分眠くなりながら読みました。はてさて、と思っていたところ、最後の高橋洋さんの出色の訳者あとがきがすべてをまとめてくれておりました。(私のあとがきは)情緒に押し流されてはいけない、でも人間は感情で動く。勘定で動く合理性と広い視野と想像力を持て。
teddy11015544

SNS特にtwitterは情緒の増幅装置。感情は語れるが勘定には字数が足りない。

09/26 07:29
0255文字
Sumiyuki
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うむ。共感はスポットライト効果がある。すなわち特定の人々に意識が集中し、他の人々はピントのボヤケた状態になる。そのためマクロ的な判断が必要な道徳やら政策を間違う恐れがある。著者は共感ではなく、他者の苦しみを共有せずに配慮する「思いやり」を重視する。他はデータと論理。@政治的議論は一般に、誰かに共感すべきか否かではなく、誰に共感すべきかに関して見解が分かれるのである。@自分の子どもと同程度に敵の子どもに共感を寄せるよう人々に求めることは、リンゴと同程度にイヌの糞に食欲を感じるよう求めるのと変わらない。
Sumiyuki

「政治の領域において人々が客観的なデータに注意を払わないことが、彼らの理性の欠如を示しているわけではないということである。それは、たいていの人々が政治をどう捉えているのかを示している。人々が真実を顧慮しない理由は、実のところ人々が抱いている政治的見解が真実に関するものなどではないからだ。」とある。すなわち、政治が自らの生活に影響しないと、考えているので、テキトーな考えに乗ってしまう、という。それこそ「理性がない」し、「共感しろよ」と言いたくなる。が、これに対する改善策を著者は提示しない。

08/11 16:38
Sumiyuki

この反共感論が、無知のベール、人権宣言と結びつくのか。

08/11 16:45
0255文字
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反共感論―社会はいかに判断を誤るか評価70感想・レビュー86