読書メーター KADOKAWA Group

治したくない――ひがし町診療所の日々

感想・レビュー
25

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
エノコログサ
新着
べてるの家で有名な浦河町、その地域の精神科医療の話。すごい。システム化しない精神科医療は混沌としていて曖昧で、この瞬間に溢れていて前衛的だと思った。今は社会全体で曖昧さ不透明さ寛容さに対する忍耐力が底をついている時代なので、精神障害者が健常者を鍛える、地域を鍛えるという川村先生の野望はとんでもなく大変だろうけど、それが本来実現すべき世界なんだろうというのは良く分かる。
0255文字
yabuhibi89
新着
図書館蔵書。ラジオ武田鉄矢の「今朝の三枚おろし」で、取り上げ中の本なので、読んでみました。https://www.joqr.co.jp/qr/program/takeda/ こういう診療所があったら、精神疾患や認知症の患者さんも救われますね。
0255文字
亀山正喜
新着
うーむ。最近の関心事に近い。精神障害がテーマではあるが、本質的には人がどう生きればいいのかが論じられているようにも見える。実践家が直接本を書くのではなく、惚れ込んだ人が第三者的に書かれているところもポイントかもしれない。買おうか‥買わまいか。即決できないのはなぜか。いいと思う反面、万人には届かない感覚、スペシャルなものがそこにある気がするからか。でもやっぱりお墓のこと触れるよなぁ。ですよねぇ。
0255文字
ピンフー
新着
登場人物から直接話を聴いてみたい
0255文字
Sachiko
新着
北海道の浦河町にある精神障害者のための診療所の話。大きな病院にあった精神科の入院患者を減らしていき、精神科自体を失くして、精神障害者が地域で暮らせるようにしてきた。タイトルは患者のひとりが言ったことばから。病気を治そうとして薬漬けにしたり、病院に閉じ込めたりということをせずに、医療者は問題を解決するのではなく、楽しく、当事者が自分のことを話せるように導いていく(そうではないのかもしれないけれど)なっていく過程が描かれている。とても興味深かった。
0255文字
Jau
新着
中動態のこと出てきた。 (支援職が)力を出さないってこと、 少々失敗するとしても、みんながやることの方が大事ってこと、 それって、この診療所みたいな場を作るために、 まず自分一人から働きかけ始めようとしたら、 とても役に立つ話だと思った。 だって、働きかけた最初の相手が 「力を出したい」って言ったら、 「うん、ありがとう」って返そう、って ことだと思うから。
0255文字
いたる
新着
あまり自分にはヒットしなかった。 施設作るためのコンサル話のように感じた。治したくない人には思ったようにフォーカスがあたっていない。
0255文字
もも
新着
その行動をどう感じるのか。社会という枠組みの中で迷惑と捉えているのか、自分という枠組みで迷惑なのか。 読みながらも悩みます。実際にこちらも困ったり、怯えたりすることもあるからこそ、綺麗に解決しないでおくことも必要なのかなと。 この取り組みを知ることができて良かった。未来に繋がる気がする。
0255文字
しんすけ
新着
患者は病院でなく人の間に棲むことが重要であることが一貫して述べられるのが印象的。もう一点。かつてE. H. カーは『歴史とは何か』で「優れた歴史家たちは、・・・、未来というものを強く感じているものです。「なぜ」という問題とは別に、歴史家はまた「どこへ」という問題を提出するものなのであります」(p.160)と述べたが、著者は浦河における精神医療が「なぜ」このようなかたちをとるに至っているのかを描き出すとともに、浦河の、そして日本の精神医療は「どこへ」進んでほしいか希望を込めて語っている点もまた印象的だった。
0255文字
のりのりの離島
新着
表題は患者側の声なんだろうなと思って読み始めたが、先生の言葉でもあった。早く治すのではなく、たいへんさの中に、何が大事か気づきのチャンスがあるという。
0255文字
jackbdc
新着
べてる関連を探していて偶然たどり着く。浦河の先端性の一端を垣間見た気分にさせてくれる出会えて良かったと思える本。著者はこの界隈を20年以上取材をしてきたというだけあって背景描写など巧みであり内容に説得力を感じた。主人公である川村医師は向谷地氏と日赤病院で出会い、感化されてこの地で働くようになったが、入院患者の在宅化を上手くすすめすぎて病院経営を圧迫し病棟が潰れて、自ら受け皿を作る形で診療所を経営しているという流れ。これら少数の英雄の物語ではなくこの地の関係者、住民や患者等による文化の賜物なんだと感じ入る。
0255文字
yurari
新着
こんな医者がいたのか、という新鮮な驚きがあった。精神科医の川村先生は、病名や診断なんて、と言う。大事なのは患者が何に苦しんでいるのかという患者のストーリー。また、医者が一生懸命になるほど、逆の方向にいってしまうから、病気を丸ごと引き受けない。「先生のおかげ」と言われることを良しとせず仲間や友人との関係を大事にする。何年も風呂に入らない認知症のばあちゃんの話が秀逸だった。「風呂に入ろう」ではなく、「風呂もあるよ」という声かけで、ばあちゃんは風呂に入ることに。下心を持たないことで、ばあちゃんの心が軽くなった。
0255文字
あだっち55
新着
帚木蓬生の「閉鎖病棟」を読んだ直後だったので、感慨深かった。20年以上前に、イタリアは精神病棟がないと聞いて、どうしてそんなことができるのだろうと思っていたが、日本でも、それを実践しているところがあったんですね。かつては130床あった浦河日赤の精神科の入院患者を全員退院させることができたなんて‼でも、問題はその後‼障害のある人々を医師や看護師のコントロール下に置こうとするのでなく、患者自身が病気と付き合いながら地域で暮らしていくための支援はどうあるべきか?ひがし町診療所の模索は続く。
0255文字
ねここん
新着
症状を抑えるのは治すことではなく、症状を抱えながら生きていくということの難しさ。町全体で、たくさんの人の関りがあってこその生活。大変難しいこと。共生するということ。
0255文字
圓子
新着
よい本だった。というより、よい世界に触れられてよかった、というべきか。人間は、やっぱり人間と一緒に生きていくしかなくて、それには言葉が、語りが必要なんだなあ。特に90・91頁に「それだ!」という言葉が詰まっていた。本で取り上げられているのは主に統合失調症の患者さんだけれど、それ以外の精神科領域でも基本はおんなじだろうなとおもうし、もっといったらとくべつ「病」ではない人間にだって共通することだ。ポジティブな面が強調されているかもしれないけど、なんだか夢みたいで。ルポでこんな多幸感を味わえるのは珍しい。
0255文字
ネギっ子gen
新着
北海道の浦河に通い始めて23年――。自らの人生行路を振り返って記す。<それは私が会社という組織から転落していった時期と重なっている/ところが人生半ばで道を踏み外し、弱さに引かれ、少数派の中に入って主流から遠く離れてしまった/「引き寄せられるように、逃れるように」浦河に行った/その浦河で出会ったのが精神障害者と呼ばれる人々だった>と。その著者が、精神障害やアルコール依存を抱える人々のための、開設から6年目の小さなクリニックで、<当事者メンバーがどのような苦労をしているか>に焦点を当てたルポを書いた―― ⇒
ネギっ子gen

<われわれのすることが「基本的に無力」だというは、精神障害者をこちらの思う通りにはできないという意味だ/そこにあるのは、精神障害のある種の強固さだ/強固さの前にたたずむ診療所の人々は、常に一つのことを問われている。わたしを変えるのか、それともあなた方が変わるのか。その問いの前で、診療所の人々はほとんどいつも、もどかしさとともに自分たちを変える道を選んできた。なぜなら自分たちはほとんど無力だったし、他にどうすることもできないと繰り返し思い知らされてきたからだ>。そう。「治すことじゃない」のですよね、うん……

03/10 07:39
ネギっ子gen

<私たちは自分ではどうすることもできない事態に向き合っている。どうすることもできないけれど、なおかつそこで何かをしなければならないとき、そして全体を見通すことができないとわかっているとき、私たちにできるのは笑うこと、そして考えることだろう/精神障害という現象は、ついには私たち自身が何者なのかということを考えさせる。私たちが生きていることの意味は何なのか、私たちの役割は何なのかを考えさせる。そのとき常に私たちには、もどかしさやはがゆさがつきまとい、離れることがない>。「精神障害とは何か」を根源から問う書。

03/10 07:40
4件のコメントを全て見る
0255文字
パン太郎
新着
治療のゴールは健常者のようになることではなく‥。横並びや均質化という暗黙の圧力がある社会に向けて、ストレートな一石は投じたのではないか。意に反して社会から隔離されている精神障害者が、それぞれの価値観を尊重されたまま居場所を確保できますよう。
0255文字
hana
新着
川村先生は医者である前に人間なんだとおもう。人から逃げず関わるのって、自分の弱さを認めて、自分の価値観や生き方を変えていくことだから、診療所の職員さんも患者さんもどちらも相当しんどいとおもう。さらっと読みやすく書かれてあるけれど、実際は日々出来事に試され、葛藤や闘いなどの連続だとおもう。けど、すごくワクワクする。うらやましい。
0255文字
newpapa
新着
 べてる関連の本はよく読んでいるのですが、病院の方の視点の本は珍しいなと感じました。ちょっと気になったのは、なぜヨーロッパの中で特にイタリアは患者さんを病院から社会へ治療の場を移せたのだろう。そこら辺知っている人がいたら、教えてほしいです。
0255文字
Mc6ρ助
新着
『・・川村先生が子どものころの漁師の世界はいまの社会とは異なる力学が働いていた。人間を表層で分析し、分類し、管理し、統制するのではなく、原始のまま、未分化のままにとどまろうとする・・精神障害者といわれる人びととともにいようとしたとき、彼らの問題に注目して治そうとするのではなく、まず丸ごと受けとめようとする・・「それでいいのだ」と受けとめること。・・主体性という概念が希薄になった不分明な混沌のなかにこそ、根源の安心がありはしないだろうか。』精神障害に向き合うことは、人とはなにかと問うことなのかも知れない。
0255文字
コトノハ小舟
新着
本当に面白かった。平和とか共存とか共生とか、こういう繋がり方の実践を言うのではないだろうか?しっかりしていない多くの人が知恵を出し合うのが厚みのある温かい支えになっていく、質より量。色んな人がいること。能力や力のある人がそれを存分に発揮するというのとは違う。誰も代わりにはなれない。新しい人が来たら、新しい展開をつくる。気を遣うな、頭を使え。問題を解決しなくともいい、治すのに興味はない、考え続けよ、答えがないからこそ考えるのだ。起こることは計り知れない。 人と人のかかわりの再構築。何度も繰り返し読みたいです
0255文字
kanki
新着
良本。障害とともに。健常者にならなくていい。「精神科医が治療に熱心になるとろくなことがない、コントロールしたがる」
0255文字
necoko19
新着
★★★
0255文字
fujimi243
新着
北海道の精神科の診療所の取り組みについて書かれた本。精神障害を無理に治そうとするのではなく、共に生きていく。退院支援など、一筋縄ではいかないことだらけだけど、とにかく「質より量」でみんなで「考えて」いく。「健常者支援」という発想は興味深かった。「金欠病ミーティング」も、参加してみたくなってしまった。
0255文字
fwhd8325
新着
面白いと言っていいのか迷いますが、とても面白く読みました。最近は、普通をテーマとしてた小説も多くあり、普通とは何だろうと考えます。先日読んだ「アナザー1964パラリンピック序章」では、失ったものよりも残った機能を考えることが書かれていました。ひがし町診療所は、悉く今までの慣習や常識にとらわれない診療を行っています。その結果、医療とは一体何なのだろうという疑問が浮かびます。著書は、現状の治療に逆らうものではなく、本当に必要なものを考え続けた記録です。専門ではありませんが、本当に素晴らしく感動しました。
0255文字
全25件中 1-25 件を表示
治したくない――ひがし町診療所の日々評価93感想・レビュー25