形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:百万年書房
【結婚式で、わたしはどうしてここにいるのだろうと思ってた】<『卒業』がひりひりと教えてくれるように、ラストシーンのあとにも、人生は続いてしまう。もちろん主人公の死で終わる物語もたくさんあるけれど、そうでないものもたくさんある。それならば翻って、わたしの人生の途上にも、死を待たずしていくつものラストシーンが訪れたっていいはずだ。それなら、どうせならいかしたラストシーンがいい。結婚式というのは、単に、それにはださすぎる>。結婚式とラストシーンといえば、映画『卒業』。ラストのバスの中の二人の気まずさが好き、と。
【作った食事の写真を母に送ると「あなたの愛情が伝わるね。料理の力だね!」と】<詩人と国語教育という仕事をしていてときどき言われる、「言葉の力だね!」というやつにも、断固として反対したいと思っている。「言葉の力」といわれているもののほとんどは、知識の力であったり、信仰の力であったり、性愛の力であったりする。最悪の場合はそれが権力そのものであったりして、まるで信用ならない。「言葉の力」というときに、言葉そのものの話がされることは少ない。「料理の力」というときに、料理そのものの話がされることが少ないように>と。
83歳の爺イには遅きに失した感がありますが、レビューを読んだら読んでみたくなりました。(笑)
じいじさん、全然遅くないですよ😆じいじさんには初々しく思えるかもしれません。ぜひ呼んでみてください!笑
「できたら、夫を大切にしたいと思っている。それをぐっとこらえて、夫の存在をひとつ飛ばしに、代わりに夫の睡眠や、夫の仕事や、夫の家族や、夫の身体を大切にする。夫の持っているものを、わたしが一緒に大切にする。それが、強すぎず弱すぎもしない、愛というものの適温ではなかろうか。」
◆いや、愛情というのは、生まれたあとはもう勝手にあちこたに混じっていってしまうものなのかもしれない(142)◆好きなものしかなければいかに散らかっていてもなんとなく全体がうれしい感じにまとまる(177)◆外がの観察者でいるのではなく、できごとのなかにぐしゃぐしゃにまみれていながら書くことはできるだろうか(201)
夫婦間の愛って何なんでしょうね。時間が経つと若い頃の恋愛感情は全く無くなり、親子の家族愛みたいになってしまうのは私だけでしょうか?
CABINさん、いやいや私もそうですよ。でも、子どもは血が繋がってる、夫は繋がってないという差はありますꉂ 🤭この作品は全然違う観点での夫婦間で、観察が高じて笑っちゃいます。実際お会いしたくじらさんが変わっている方なのかもしれません。
強すぎず、弱すぎもしない、愛の適温とは…。その見解に「おーっ」。でも確かに「それもまた考え過ぎでしょ」なのだが、その会話の距離感までもが心を温めてくれる。
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