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kero385
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kero385
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詩を読んでいて音楽を感じるのは誰もが経験すると思うが、私はとくに宮澤賢治と中原中也は、読んでいていつも音楽が聴こえる。と言うか音楽そのもののように感じる時がある。例えば賢治の「無声慟哭」の三篇と中也の「月の光」の二篇。両方とも大切な存在を失った悲しみの詩だけれど、賢治のそれが様々な心象風景の一つ一つが織りなすポリフォニックな音楽とすれば、中也のそれは何もない虚無の中で孤独にささやくような独奏曲という趣がある。高橋英夫氏のこのご著書は、そういった詩に触発される音楽がどこからくるのかを視点にして、
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近代の著名な詩人を短い文章で論じたもの。この内賢治と中也は、それぞれ四つの章を重ねており、最も長い。特に賢治の心象風景が織りなす多声音楽という前々から私が感じていたこととほとんど同じことを書かれているのに出会い、なんとも言えない感慨に浸っている。中也に関しては、私の感じ方よりももっともっと深淵で核心の音楽を引き出していて、さすがと思う。なお、このご本の中でも感動的なのは、高村光太郎を論じた三篇。素晴らしい!高橋氏の批評の言葉からも確かに音楽が聞こえる!

12/09 18:12
  • なるみ
  • こばやしこばやし
  • ヴェネツィア
  • 風に吹かれて
  • 水蛇
  • おわか
  • だんぼ
  • 愛の伝道師カロン@今日はイケメンの、晴れ舞台ですよっ
0255文字
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kero385
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読書データ

プロフィール

登録日
2024/10/21(118日経過)
記録初日
2023/02/04(743日経過)
読んだ本
104冊(1日平均0.14冊)
読んだページ
34145ページ(1日平均45ページ)
感想・レビュー
67件(投稿率64.4%)
本棚
0棚
自己紹介

2024年10月に参加したばかりですが、よろしくお願い申し上げます。

ここしばらくは、学生時代好きだったフォークナーを読み直しています。

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