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2025年1月の読書メーターまとめ

kero385
読んだ本
7
読んだページ
1755ページ
感想・レビュー
7
ナイス
237ナイス

2025年1月に読んだ本
7

2025年1月のお気に入り登録
6

  • naohiko
  • hani
  • アドソ
  • そうだね
  • Masako33
  • 果てなき冒険たまこ

2025年1月のお気に入られ登録
4

  • naohiko
  • hani
  • そうだね
  • 果てなき冒険たまこ

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

kero385
お気に入りに登録させていただいている方の感想で知った本。10ページ前後、長くても20ページに満たない掌編と言っていい長さの作品を集めた短編集。文体も短く簡潔であるにもかかわらず、人生の一齣の何気ない出来事が、大きな意味を予感させる含みを持って描写される。長年ドイツ語圏の小説読んできたけど、はじめて知った作家。と言うよりドイツ語圏の女性作家あまり知らなかったかも。知っている女性作家は政治的イデオロギーが強烈な方達ばかりで、この短編集のような味わいはすくなかった(もっとも私が読んでる数が少ないのだが)。
水蛇
2025/01/11 16:37

kero385さま、はじめまして✨️こちらこそいつもいいねや素敵なレビューありがとうございます。コメントへの返信機能がないみたいなのでこちらにお邪魔しますね。こんなふうに言っていただけて本好きとして感無量です!「国家の反逆者」も「間借り人たちのクリスマス」も忘れがたいですね。仰るようにイデオロギー色がないからこそ、戦争に巻き込まれる市民のしみいるような悲しさが伝わります。 じつはわたしも先日のシュトルムのレビューを拝見して久しぶりに「みずうみ」が読みたくなって買いなおしたところでした。わたしは →

水蛇
2025/01/11 16:39

混雑に負けてモネ展を諦めたので、なおさら神秘的な連想にうっとりしてしまって。ほかにも「9時半の玉突き」やフォークナーもkeroさまの真摯な思索や読みこみに惹かれて 実家から持ってきたりしてるんですが、立て続けにコメントするのも…と思ってずっとひっそりいいねするだけでした😖第2外国語のドイツ語は分離動詞で早々に挫折してしまった身としては、原文への言及もすごくおもしろくて参考になります! 長くなっちゃってお恥ずかしいですが、これからもkeroさまを通していろんな本に出会えるのを楽しみにしています。

が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
7

kero385
「フォークナー全集第24巻 短篇集(1)」は、1950年に出版された「フォークナー短篇全集」の中で「これら十三篇」「医師マティーノ、その他」に収められられていない短篇17篇を集めたもの。スノープス関連3篇(「真鍮の半獣神」「庭に騾馬が」「納屋を焼く」)、ネイティブアメリカン関連2篇(「見よ!」「嫁取り競争」)、グリーア少年の語る3篇(「二人の兵隊さん」「天壌無窮」「主の柿板」)、「征服されざる人々」の設定を使った最も長い1篇、その他ヨクナパトゥーファの物語5篇、ヨクナパトゥーファ以外の物語3篇からなる。
kero385
2025/01/28 10:42

この巻では、やはり「納屋を焼く」が圧倒的によく出来ている。主人公カーネル・サートリス・スノープス、通称サーティは、スノープス一族でほぼ唯一と言っていい共感を覚える人物。後のスノープス三部作で彼がいなかったことになったのも頷ける。フレンチマンズベンドに暮らす貧乏白人グリーア家の三つの物語は、第二次世界中に国威高揚のために書かれたそうだが、最初のが1000ドルで売れて、二匹目のドジョウを狙った2作目が全然売れず結局25ドルでやっと売れたエピソードが解説に書かれているが、面白い。

kero385
2025/01/28 10:43

そして値段通りの出来なのが、さらに面白い。実は3作目の「主の柿板」が一番の佳作。巻末の解説で、短篇毎の掲載に至るやり取りや買い取られた値段などが記載されていて、1940年代半ばまでのフォークナーの経済的困窮の為短篇を乱作しなければならない背景が読み取れて感慨深い。

が「ナイス!」と言っています。
kero385
昨年の9月30日に出版された「響きと怒り」最新の邦訳。まだ40代の若い研究者桐山大介氏の翻訳。是非読みたいと思っていた。私は英語ができないので訳業を云々する資格はないけれど、とても読みやすい。平易と言う意味でなく、日本語としてこなれている。また作品の味わいを損なう分かりやすさでもない。初めて「響きと怒り」を読む方にはおすすめかと思う。ところで、大抵の人が、初読の時挫折する(私も挫折した)冒頭のベンジーの章、語り手のベンジーをはじめ登場人物のほとんどの泣き声や嘆きが至る所で聞こえる悲惨な音調の章だけれど、
kero385
2025/01/16 22:39

キャディーがベンジーにかける優しい言葉や暖炉の火、チョウセンアサガオや片割れの靴、ラスターとのやり取りなどベンジーにとってほっとする出来事もその合間合間から聴こえてくる。これ、今回読みながら同じアメリカの作曲家チャールズ・アイヴズの交響曲第4番を連想した。アイヴズの4番は、強烈な不協和音、対位法と呼ぶには騒音と言っていい旋律と旋律のぶつかり合いの中から、聖歌や民謡のメロディーが聴こえてくるのだけど、この小説と同質の形式美を感じる。

kero385
2025/01/16 22:40

主題の断片の提示、その継承と展開、雰囲気の変わる3番目の楽章、そしてそれまでの主題や動機を統合し高みに昇る最終章。「響きと怒り」の4つの章にそのままあてはまらないだろうか。そう言った連想が出来るくらい日本語として見通しのいい訳になっていると思う。

が「ナイス!」と言っています。
kero385
昨夜は、月冴ゆる、と言う言葉どうりの月夜で、しかも、私の帰宅途中の21時半頃は、天頂に木星、月の側に火星、そしてその間を冬の星座が占める、美しい夜だった。そして必然とさえ言えるほどにシェーンベルクの「浄められた夜」の降り注ぐ月の光のモティーフを思い浮かべて、家に着くなり平凡社の「世界名詩集大成 ドイツII」のリヒャルト・デーメルのページをめくったのだった。世紀転換期以降の多くの作曲家が彼の詩を取り上げたにも関わらず、日本では、ほとんど紹介されることがなかったのかな。
kero385
2025/01/15 15:24

Amazonで検索しても日本語の本は一冊もヒットしない。平凡社のこの集成では、デーメルの詩が70篇ほど収められている。多分日本語で読める数少ない本かもしれない。なおこの集成には、シェーンベルクの曲の元になった詩、“Verklärte Nacht“は、掲載されてはいないけど、あの詩も明らかに冬の月夜ではなかったか。

kero385
2025/01/15 15:25

これは、月でも木星でもなく、金星を歌った詩だけれど、Lieber Abendstern, /lieber Morgenstern,/ hilf uns Tag für Tag / eins sein, bis die letzte Nacht uns eint 円子修平氏の訳で載っているが、あの時代らしくちょっと恥ずかしいかも。

が「ナイス!」と言っています。
kero385
「サンクチュアリ」で惨劇に見舞われたテンプル・ドレイクの身に8年後に起こった悲劇から物語は始まる。三幕の戯曲構成で各幕の冒頭にはそれぞれの第一場に関連したト書き、というには異常に長い記述が置かれている。第三幕に至っては、80ページのうち50ページがト書き。そのト書きは、南部伝統のホラ話の体裁をとりながら、ヨクナパトゥーファ郡ジェファスンの歴史が語られる。ほら話と言ってもかなり入り組んで難解な文章(特に第三幕)。戯曲部分は「サンクチュアリ」後テンプルが抱いていた内面の罪と向き合うまでが描かれる。
kero385
2025/01/14 11:47

後期作品群の重要人物郡検事兼私設弁護士ギャヴィン・スティーブンスが弁護に奔走する被告人は、短編の傑作「あの夕陽」で不在の夫の影に終始怯えていたナンシー。散文の大袈裟な語り口と台詞劇の厳粛な調子が対比される、読む戯曲。台詞の部分に現れる「明日、そして明日、また明日」という言葉に殊の外重い響きを感じる。これは、シェークスピアの「マクベス」第三幕の台詞で、フォークナーの長編「標識塔」の第四章・第五章の標題「明日」、「そして明日」の出典と同じ。

kero385
2025/01/14 11:48

人間は、どんな悲惨な状況でも「明日、そして明日、また明日」と生き続けなければならない。単純な言葉だが、小説の中に置かれるととても重く響く。

が「ナイス!」と言っています。
kero385
お気に入りに登録させていただいている方の感想で知った本。10ページ前後、長くても20ページに満たない掌編と言っていい長さの作品を集めた短編集。文体も短く簡潔であるにもかかわらず、人生の一齣の何気ない出来事が、大きな意味を予感させる含みを持って描写される。長年ドイツ語圏の小説読んできたけど、はじめて知った作家。と言うよりドイツ語圏の女性作家あまり知らなかったかも。知っている女性作家は政治的イデオロギーが強烈な方達ばかりで、この短編集のような味わいはすくなかった(もっとも私が読んでる数が少ないのだが)。
水蛇
2025/01/11 16:37

kero385さま、はじめまして✨️こちらこそいつもいいねや素敵なレビューありがとうございます。コメントへの返信機能がないみたいなのでこちらにお邪魔しますね。こんなふうに言っていただけて本好きとして感無量です!「国家の反逆者」も「間借り人たちのクリスマス」も忘れがたいですね。仰るようにイデオロギー色がないからこそ、戦争に巻き込まれる市民のしみいるような悲しさが伝わります。 じつはわたしも先日のシュトルムのレビューを拝見して久しぶりに「みずうみ」が読みたくなって買いなおしたところでした。わたしは →

水蛇
2025/01/11 16:39

混雑に負けてモネ展を諦めたので、なおさら神秘的な連想にうっとりしてしまって。ほかにも「9時半の玉突き」やフォークナーもkeroさまの真摯な思索や読みこみに惹かれて 実家から持ってきたりしてるんですが、立て続けにコメントするのも…と思ってずっとひっそりいいねするだけでした😖第2外国語のドイツ語は分離動詞で早々に挫折してしまった身としては、原文への言及もすごくおもしろくて参考になります! 長くなっちゃってお恥ずかしいですが、これからもkeroさまを通していろんな本に出会えるのを楽しみにしています。

が「ナイス!」と言っています。
kero385
国立西洋美術館で今話題の「モネ 睡蓮のとき」に行った。実は、都合三回訪れたのだが。二度目のとき、キーヴィジュアルにもなっている絵を見ながら、とある小説を思い出した。それは、シュトルムの「みずうみ」で、物語の後半で語られるこの小説の核となるシーン。久々に郁文堂版の対訳本を引っ張り出して読んだ。そのシーンでは、睡蓮があるものの象徴として描かれるのだが、、、、勿論モネの描く睡蓮とシュトルムの語る睡蓮とはなんの関連もないのだけれど。モネの言葉フランス語で、睡蓮はnénupharと言うそうだが、
kero385
2025/01/02 19:09

この「みずうみ」の睡蓮のエピソードは、追憶や憧れと言う美しい言葉の後ろにある人間の生の残酷さも同時に描いていて、初めて文学に心奪われた頃から常に私の心の中から離れない情景となっている。この対訳本は、「湖畔」と訳されているが、原題はImmenseeで、インメン湖と言う意味。立原道造の詩「はじめてのものに」で「エリーザベトの物語」として詩に織り込まれ、トーマス・マンの「トニオ・クレーゲル」では物語の中盤に故郷の図書館で手に取る本はこの小説。一流の文学者達にとっても感慨深い作品となっているよう。

kero385
2025/01/02 19:15

なお、この郁文堂の対訳本は、Immensee の全文であり、訳文は極力直訳に近く、原文と参照しやすいように作られている。2025年最初の読書がモネによって思い出されたシュトルムのImmenseeになるとは、感慨深い。

が「ナイス!」と言っています。
kero385
ここ1ヶ月、1日8ページを目標にして、久しぶりに通しで精読していたが、やっと2日前に読了した。このレクラム文庫版“Goethe Gedichte“は、シュテファン・ツヴァイクが編年体で編集したもの。かなりドイツ語の知識も落ちてて、「Die Metamorphose der Pflanzen(植物の変態)」とか全然読めてなく悲しくなった。辞書なしで読める詩もそれなりにあるけれど、単語の意味わかっても読めない詩もたくさんある。今年はどこかで「West–Östlicher Divan(西東詩集)」を精読しよう。
kero385
2025/01/01 18:38

Willst du immer weiter schweifen? / Sieh,das Gute liegt so nah. / Lerne nur das Glück ergreifen, / Denn das Glück ist immer da.

kero385
2025/01/01 18:59

君は相変わらず遠くまであてもなく彷徨うつもりか / 見たまえ、良きものはこんな近くにあるではないか / ただ学びたまえ、幸福を掴むことだけを /幸福は常にそこにあるのだから  Goethe“Erinnerung“ 2025年自分自身への「いましめ」として。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2024/10/21(105日経過)
記録初日
2023/02/04(730日経過)
読んだ本
102冊(1日平均0.14冊)
読んだページ
33823ページ(1日平均46ページ)
感想・レビュー
63件(投稿率61.8%)
本棚
0棚
自己紹介

2024年10月に参加したばかりですが、よろしくお願い申し上げます。

ここしばらくは、学生時代好きだったフォークナーを読み直しています。

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