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運河の首無し死体は一体誰か。大戦中の怨念、オックスフォード大学生の成績判定、対立する退職前の教授達、カレッジ内部の勢力争い、エロスに誘惑される老年、モースの悲劇的な初恋、半分に切れた手紙の復元、アナグラム、W・Sの謎、オックスフォード時代のモースと教授、双子の混乱、犯人も混乱(誰が誰を殺し、誰がどう死ぬか)と贅沢に詰め込んだ事件は、クロスワードかジグソーみたい。死体が誰か最後まで分からないのに犯人を追うのは疲れるけど脳の運動には良い。モースの推理に混ざり込むセクシー熟女に惑わされ…この書き方、作家は狡い!
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1983年作。後書き、若島正の最後の文章がモース・シリーズ最終作のタイトルを思わせて悲しい。この時既に分かっていたのか? いやそんな筈はない。「モースは知ることが多くなればなるほど、知らない領域が大きくなるという言葉が真実であることを痛感した。彼は深い森の木こりのようだと考えた。直接の目的には充分なだけの広い場所を切り開いたが、その周囲を広大な未知の暗黒の輪がとりかこんでいて、そこにひそむ他の人びとの邪悪さはまったくあばかれることがないだろう」

05/16 06:06
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読書データ

プロフィール

登録日
2012/03/09(4691日経過)
記録初日
2003/01/01(8046日経過)
読んだ本
4108冊(1日平均0.51冊)
読んだページ
1305655ページ(1日平均162ページ)
感想・レビュー
1852件(投稿率45.1%)
本棚
43棚
自己紹介


※2012年3月9日開始※
 それ以前の読書は過去の記録から。

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