また、日本だけでなく海外の文化に対してマニアックな知識を持っている作者がいる事も確認できた。自分の大ファンの銀河ヒッチハイクガイドのネタをそのまま使っていて興味深かった。 また、量子コンピューターやゲーデルの不完全性定理などコンピューターサイエンスへの高い関心も伺える。中国は海外のSF作品を楽しむ環境や数理物理の情報を手に入れる環境が相当整っているのか非常に気になるところである。
16篇の小説から成り、自分の印象に残ったのは張再作「晋陽の雪」、韓松作「潜水艇」、宝樹作「金色昔日」、陳楸帆作「開光」の4作であった。中でも金色昔日は必読である。主人公の心情の描写と謎めいた世界観が見事に調和しており、主人公の運命に翻弄される様は心をグッとつかまれる。また、進めるにつれ強まってゆく違和感と謎が確信に変わる瞬間は見事であった。読み返しても新たな発見があり、とても深い作品となっている。
陳楸帆は1月に「荒潮」が出版された注目の作家である。「開光」は現代を舞台としたサイバーパンクチックなSFで、背後に感じられるニヒリズム的な哲学感とコンピューターサイエンスという題材が自分の好みであった。全体的な印象は日常の延長線のような話であるのに突然深い世界の話に巻き込まれる展開が世にも奇妙な物語を彷彿とさせた。今後の著者の作品にも注目しようと思う。その他にも興味深い作品が多く収録されていてとても面白い作品であった。自信をもってオススメできる作品であると思う。
他の人の数学、技術系の本の書評を参考にするのと趣味の読書を充実させるために使用。新書を読むことが多いです。自然科学、社会科学、哲学、歴史等々幅広くに興味があります。メッセージも歓迎ですので、趣味が合いそうだなーと思った方はお気軽に送ってもらえれば。宜しくお願いします。
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また、日本だけでなく海外の文化に対してマニアックな知識を持っている作者がいる事も確認できた。自分の大ファンの銀河ヒッチハイクガイドのネタをそのまま使っていて興味深かった。 また、量子コンピューターやゲーデルの不完全性定理などコンピューターサイエンスへの高い関心も伺える。中国は海外のSF作品を楽しむ環境や数理物理の情報を手に入れる環境が相当整っているのか非常に気になるところである。
16篇の小説から成り、自分の印象に残ったのは張再作「晋陽の雪」、韓松作「潜水艇」、宝樹作「金色昔日」、陳楸帆作「開光」の4作であった。中でも金色昔日は必読である。主人公の心情の描写と謎めいた世界観が見事に調和しており、主人公の運命に翻弄される様は心をグッとつかまれる。また、進めるにつれ強まってゆく違和感と謎が確信に変わる瞬間は見事であった。読み返しても新たな発見があり、とても深い作品となっている。
陳楸帆は1月に「荒潮」が出版された注目の作家である。「開光」は現代を舞台としたサイバーパンクチックなSFで、背後に感じられるニヒリズム的な哲学感とコンピューターサイエンスという題材が自分の好みであった。全体的な印象は日常の延長線のような話であるのに突然深い世界の話に巻き込まれる展開が世にも奇妙な物語を彷彿とさせた。今後の著者の作品にも注目しようと思う。その他にも興味深い作品が多く収録されていてとても面白い作品であった。自信をもってオススメできる作品であると思う。