「バロックとは、世界を劇場と考え、人生を夢として、幻想として、生き生きとした色彩と劇的なジグザグ線を映す鏡と見なす、あの美学上の潮流である。まさに魔術師(キルケ)と孔雀(パオン)、すなわち変容(メタモルフォーズ)と誇示(オスタンタシオン)。バロックは直線よりも曲線を好む。バロックは非対称と騙し絵と逸脱を愛する」主人公は作家自身で、この様な思想文学的冒険をしたかったのか。時代と思想家達を嘲笑しながら「遅れてきた」ことへの復讐と口惜しさが感じられる悪趣味な作品。作家の性格と品位が窺えるという意味では面白い。
この作家は前作からして性格と品位が窺えるものでしたので、新作にも特に興味が持てませんでした。つまりハッキリと不快でした。本作は未読なんで、読んでないものに感想は当然ありませんが、前作を読んだ自分の感想にそっくりなんですよ。
かんやんさんが読まれたのは『HHhHプラハ』ですか?本作よりは読んでいやな気分になりませんでした。本作は読まない方がいいかも?ただ、スノッブな記号学や文学や時代的サブカル知識のひけらかしが気に障らなかったら暇つぶしにスイスイ読める本です。笠井潔の矢吹駆シリーズを思い出しました。ハイデッガーやらフーコーやら、似た思想家が出演するけどまだ節度があったような覚えがあります。
『HHhH』、そんなタイトルだったような。あの作品も知識のひけらかしが鼻につきました。ジョナサン・リテルの『慈しみの女神たち』への幼稚な攻撃とか。
※2012年3月9日開始※ それ以前の読書は過去の記録から。
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「バロックとは、世界を劇場と考え、人生を夢として、幻想として、生き生きとした色彩と劇的なジグザグ線を映す鏡と見なす、あの美学上の潮流である。まさに魔術師(キルケ)と孔雀(パオン)、すなわち変容(メタモルフォーズ)と誇示(オスタンタシオン)。バロックは直線よりも曲線を好む。バロックは非対称と騙し絵と逸脱を愛する」主人公は作家自身で、この様な思想文学的冒険をしたかったのか。時代と思想家達を嘲笑しながら「遅れてきた」ことへの復讐と口惜しさが感じられる悪趣味な作品。作家の性格と品位が窺えるという意味では面白い。
この作家は前作からして性格と品位が窺えるものでしたので、新作にも特に興味が持てませんでした。つまりハッキリと不快でした。本作は未読なんで、読んでないものに感想は当然ありませんが、前作を読んだ自分の感想にそっくりなんですよ。
かんやんさんが読まれたのは『HHhHプラハ』ですか?本作よりは読んでいやな気分になりませんでした。本作は読まない方がいいかも?ただ、スノッブな記号学や文学や時代的サブカル知識のひけらかしが気に障らなかったら暇つぶしにスイスイ読める本です。笠井潔の矢吹駆シリーズを思い出しました。ハイデッガーやらフーコーやら、似た思想家が出演するけどまだ節度があったような覚えがあります。
『HHhH』、そんなタイトルだったような。あの作品も知識のひけらかしが鼻につきました。ジョナサン・リテルの『慈しみの女神たち』への幼稚な攻撃とか。