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2023年12月の読書メーターまとめ

新田新一
読んだ本
32
読んだページ
6655ページ
感想・レビュー
32
ナイス
698ナイス

2023年12月に読んだ本
32

2023年12月のお気に入り登録
5

  • 吉田あや
  • はなこ
  • こぞのしおり(去年枝折)
  • よむよし
  • さゆ

2023年12月のお気に入られ登録
6

  • 吉田あや
  • はなこ
  • こぞのしおり(去年枝折)
  • ムッネニーク
  • よむよし
  • さゆ

2023年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

新田新一
息子たちを殺された二人の男が復讐を誓って、犯人たちに闘いを挑みます。二人はゲイのカップルで、偏見の目で見られていました。父親たちも、息子たちが同性愛者であることを受け入れられません。さりげない伏線が大きな意味を持ってくる構成で、謎解きとしても面白いのですが、読者の感情に訴える登場人物たちの葛藤が、心を揺さぶる小説です。息子たちのことを理解してあげられなかった、という父親の悔恨がブルースのように切々と語られます。同時に激しい暴力シーンが織り込まれ、米国の病んだ一面が浮き彫りに。このミス一位が納得できる小説。
が「ナイス!」と言っています。

2023年12月にナイスが最も多かったつぶやき

新田新一

先月もナイスやコメントを有難うございました。急に寒くなったので、皆さんどうかご自愛ください。画像はツワブキの花です。素朴で明るい雰囲気の花で、この時期は田舎道によく咲いています。2023年11月の読書メーター 読んだ本の数:50冊 読んだページ数:8207ページ ナイス数:882ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1010824/summary/monthly/2023/11

先月もナイスやコメントを有難うございました。急に寒くなったので、皆さんどうかご自愛ください。画像はツワブキの花です。素朴で明るい雰囲気の花で、この時期は田舎道によく咲いています。2023年11月の読書メーター 読んだ本の数:50冊 読んだページ数:8207ページ ナイス数:882ナイス  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1010824/summary/monthly/2023/11
毒兎真暗ミサ【副長】
2023/12/02 17:13

新田さん、いつもありがとうございます✨このお花、ツワブキというお名前だったのですね!寒い中でも瑞々しく咲いていて元気をもらえます😊今月もよろしくお願いします🌼

新田新一
2023/12/02 17:40

ミサさん、こんばんは。こちらこそいつも有難うございます。これはツワブキですね。おっしゃる通り、元気をもらえます。今日も散歩のときに眺めました。今月もよろしくお願い致します。

が「ナイス!」と言っています。

2023年12月の感想・レビュー一覧
32

新田新一
14世紀のインドで活動した神秘家ララの詩集を読みました。力強く、簡潔な英語訳になっており、ララの思想の核心が読者に真っ直ぐ伝わってきます。彼女の教えは、大切なもの(霊性)は自分の中にあるというもので、他の神秘家と共通しています。でも、詩は日常的な言葉を使い、イメージが豊かなので芸術性が高いです。良いと思う詩の一つを訳して紹介します。(私の師はたった一つのことを教えた / 外のことは忘れて、物事の内側に目を向けよ / 私、ララはその教えを心に刻んだ / その日から裸で踊っている)
宵待草
2023/12/31 13:16

追伸 詩や仏像がお好きな上に、短歌を詠まれるとの事、、、嬉しい限りです!🍀 私は歌歴が長いだけで、精進が足らずに、愚作ロマンチック短歌を詠むばかりですが、やはり短歌を愛して来ました。 詩も短歌も良いですよね!😊 有り難うございます!🙋 宵待草

新田新一
2023/12/31 15:38

宵待草さん、有難うございます。宵待草さんは、端正な文章で深い洞察を感じるレヴューを書かれているので、良い短歌を詠まれるのではと想像しています。またいろいろご指導ください。私は河野裕子さんの『母系』を読んで感動し、自分でも詠むようになりました。仏像は、親戚が奈良に住んでいたので、古いお寺に連れて行ってもらい、好きになりました。み仏さまの周りに漂っている静けさに包まれていると、身も心も浄化されるような気がします。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
フランス文学の最高傑作の一つと言われているゾラの『ジェルミナール』を読みました。エティエンヌという青年が炭鉱のある村に来て働くようになり、ストライキを指揮し、それが頓挫するまでが描かれています。ゾラは自然主義の作家であり、人間が持つ重たい業を描き切っています。終盤エティエンヌが炭鉱に閉じ込められ、恋敵を殺してしまう場面はその好例です。彼は抑えきれない激情によって、自分の手を血で染めます。共産主義が出てくるのですが、批判的に描かれます。政治では人間の本性を変えられないという文学者の洞察は、多分正しいです。
いこ
2023/12/31 18:17

新田新一さん、こんばんは。少し早いのですが、今年一年ありがとうございました<(_ _)> どうぞよいお年をお迎えください。来年もまたよろしくお願いいたします。

新田新一
2023/12/31 18:28

いこさん、こんばんは。こちらこそ今年はありがとうございました。教えてくださった『世界でいちばん長い写真』は忘れられない一冊になりました。これからも繰り返し読みたいです。いこさんも、よいお年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
懐かしい本を読みました。この文庫の初版が出たのは昭和59年なので、約40年前の本になります。椎名さんの初めての短篇集。片仮名を多く駆使した独特の文体で書かれています。SFやファンタジーの雰囲気を持ちながら、そこからはみ出してしまう面白さを感じます。言い換えれば、椎名誠しか書けない小説です。地方の普通の食堂で、男性同士の血なまぐさい闘いが突発的に起きる「悶絶のエビフライライス」が特に面白かったです。現実の世界から物語が始まり、あっという間に異世界に連れていかれます。その眩暈のする感覚が好きでした。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
著者の岡嶋さんは、高校に進学せずに音楽学校に行って、作詞作曲家として働くようになりました。順調に音楽業界で働けるようになったわけでなく、十代の頃は自分の居場所はない、とかなり苦しんで悩んだそうです。とても優しい語り口で、希望を捨てずに、本当に自分のやりたいことを見つけることの大切さが書かれています。私のような良い歳をした大人が読んでも、勇気づけられます。現代の日本の音楽業界で、どのようにして曲が作られるか書いてあり、この部分が一番面白く読めました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
題名が面白かったので、図書館で借りました。やぎのしずかが、しんみりするとはどういうことか考えていきます。セミが木から落ちて、動かなくなったのを見たのがきっかけでした。しずかは命のはかなさに気付いたのだと思います。それでも、作者の田島さんの絵は力強くて躍動感があり、読んでいて悲しい気持ちにはなりません。どんな命もはかないけれど、生きているものは輝いていることを、教えてくれる絵本です。みんなで歌を歌う最後の場面が、素晴らしいです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
7編が収録された短篇集。片岡さんらしい感傷を抑えた透明感のある文体が良かったです。「さようならの言い方」が一番の好みでした。バイクの事故で恋人を亡くした女性。気持ちの整理をするために、彼女はある行動に出ます。無謀とも思えるやり方ですが、潔さと美しさを感じました。若くして死んでしまう男性が出てくるので、お涙頂戴の物語にすることもできます。それはしないで、突き放した書き方をするのが片岡義男の真骨頂です。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
銀色さんの詩集は多く読んでいるのですが、単行本で読むのは初めてでした。サイズが大きいので、一つ一つの写真の良さが際立ちます。何回も出てくる花や木の写真は、その植物の葉擦れの音が聞こえそうなぐらい繊細で、美しいです。詩は他の詩集と同じ雰囲気で、切なさや悲しみの中に希望が滲んでいることが多く、読んでいると心の中が晴れてきます。載っている詩の中では、本のタイトルになっているフレーズが含まれているものが良くて、いろいろなことがあっても、とにかく前へ進もうよ、という銀色さんの呼びかけに勇気づけられました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
日曜日の朝、ともちゃんは朝早く目を覚ましました。ご飯ができていたので、お茶碗に装うと、冷蔵庫の中から声が。たらこが「わたしがごはんのともなのよ」と言ったのです。その後は、漬物や納豆も出てきて、自分たちこそごはんのともなのだ!と主張。てんやわんやの騒ぎになって、関係のないものまで出てくるのですが……。絵がかわいい、楽しい絵本です。子供たちが読むと、何にでも合って、やっぱりご飯はおいしいのだと思うでしょう。大人の私でも、改めてご飯の良さに気づかされました。
えか
2023/12/26 16:05

うちは、納豆と豆腐とご飯ですよは、声かけてくれそう。生卵も、かけてくれるかな。味海苔は、冷蔵庫にないから、茶箪笥の中から声かけしてくれるかも。

新田新一
2023/12/26 17:43

コメントありがとうございます。あっ、卵を忘れていました。卵かけごはんはおいしいので、声をかけて欲しいですね。味海苔も良いです。こうしてみると、日本食は良いものが多いと思います。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
コヤッキースタジオの名前で、YouTubeで活躍している著者たちが、オカルト的なことを熱く語った一冊。子供の時に、ノストラダムスの大予言の本を読んでから、この手の話が好きになり、いまだに惹かれています。地中の奥深くに別の人類がいるといった話は面白いとは思うのですが、荒唐無稽な気がしました。でも、確実はことは分からないしょう。一番面白かったのは、過去に核戦争が起こったという仮説です。アフリカの砂漠では謎のガラスの破片が多く見つかっており、それが核戦争の跡と考えられるそうです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
くま君の温かそうなマフラーが、吹き飛ばされて森の中に落ちます。それを見つけた動物たちが、マフラーで遊び始めます。綱引きをしたり、ぶら下がったりして、遊び道具として使っていました。そのうちに糸がほどけてしまい、くま君はがっかりするのですが……。みんなで仲良く暖を取る結末が微笑ましいです。寒い日に読むのにぴったりの温かい絵本でした。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
著者のお気に入りの道具を写真と文章で紹介していく本です。装丁が美しく、本の角の部分が丸くなっているのが良い感じだと思いました。どの道具も愛着を持って丁寧に使われていることが伝わってきて、見習いたいと気持ちになります。絵本好きな私は、いくつかの絵本が紹介されていることに嬉しくなりました。「私にとって絵本は哲学書、宝物」という著者の言葉に深く共感します。
宵待草
2023/12/22 09:36

新田新一さん こんにちは 私も絵本が大好きなので、、、『私にとって絵本は哲学書、宝物』には、深く頷きつつ拝読しました!💫 お教え頂き感謝です!🍀 お寒いですので、体調に留意されて、素敵なクリスマスイブ&クリスマスをお過ごし下さいね!🎅🎄✨ 何時も有り難うございます!🙋 宵待草

新田新一
2023/12/22 12:53

宵待草さん、コメントを有難うございます。絵本は本当に良いですね。これまで何度も絵本に救われました。宵待草さんもお好きだという事で、本当に嬉しいです。この本の著者の言葉を読んで、これからも絵本を読み続けようと思いました。本当に寒いですね。こちらでは先ほど雪が降っていました。風邪などひかれませんように。くれぐれもご自愛ください。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
日本経済に対する悲観的な見方が書かれています。1ドルは200円になり、最終的には500円になる可能性があるとか。そんな状態になると日銀は破綻し、円は紙屑同様になってしまいます。この危機的な状況に備えて、ドルで預金を持つ必要性が説かれます。著者はアメリカびいきの方で、アメリカにくらべて日本の経済は劣っているという主張が多いです。でも、アメリカの経済は破綻するという見方もあり、どれが正しいのか見極めるの難しいです。結局のところ、自分で色々な本を読み、情報を仕入れて、臨機応変に対応するのが良いと感じました。
新田新一
2023/12/20 08:02

yominekoさん、おはようございます。ペットの食料の流通が後回しになるのは悲しいですね。でも、yominekoさんのように日頃から準備しておけば、安心でしょう。今は飼っていないのですが、将来猫を飼うつもりなので、参考になりました。有難うございます。

yomineko@猫毛まみれ
2023/12/20 08:15

凄く高いフードをあげていた猫が夭折しましたので、今は日本一安いフードをあげています(笑)で、みんな元気にしています😻😸😻😸是非猫を飼ってください!!!とても幸せな生活になりますよ😊

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
米国の女性詩人のアンソロジーです。日本で翻訳されている詩人の作品もありますが、大部分は未訳の詩です。アメリカは言葉を大切にする伝統があり、詩を書くこともそれにつながっています。社会の中で低い地位にあっても、自分を表現することを恐れなかった女性たちの言葉は胸を打ちます。一番好きなエミリー・ディキンソンの短詩を訳します。「もし私が壊れそうな心を救えたら、私の人生は無駄ではなかった / 誰かの人生の苦しみと痛みを和らげることができたら /気絶しているコマドリを巣に戻すことができたら、私の人生は無駄ではなかった」
はなこ
2023/12/19 19:18

素敵な詩をありがとうございます。丁寧な感想から感じられるお人柄にひかれて、お気に入りに登録させていただきました。よろしくお願いいたします。

新田新一
2023/12/19 19:32

はなこさん、こちらこそよろしくお願い致します。過分なコメントを有難うございます。この詩を読むと救われた気持ちになるので、紹介してみました。気に入ってくださり、嬉しいです。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
おっかない顔をしたグロームズさんは、子供の時に願いが叶わなかったので、サンタクロースのことを嫌がっています。でも、そのことを気の毒に思った親戚の子供たちが、サンタに手紙を書くのですが……。クリスマスにぴったりの優しい気持ちになれる、素晴らしい絵本です。おばけのジョージの活躍で、グロームズさんが笑顔になる場面にほろりとしました。大人になると子供心を忘れてしまいがちですが、どんな人の心の奥にも童心は残っていると思いたいです。
新田新一
2023/12/19 15:54

こかげさん、初めまして。コメントありがとうございます。本当にグロームズさんが幸せになれて、嬉しくなりました。今頃の時期にぴったりの絵本ですね。

yomineko@猫毛まみれ
2023/12/19 17:07

新田新一さん、こんばんは~🍊🍊🍊素敵な物語ですよね😊🎄🎅🎄クリスマス本番が楽しみです🎄🎅🎄

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
作者は葬儀屋を営んでおられるそうで、絶えず人の死に接することの哀しみや諦観が、詩の中で表現されます。「死の砦」では、夢の中に死者が多く出てくることが語られて、作者の母の娘を守ろうとした生き方がさりげなく書かれています。娘は夢の中でそのことに気づき、悲しみと諦めが入り混じった感情を持ちます。最後の「若潮まいり」という詩が一番心に残りました。昔から続いている日本の海に対する素朴な信仰を描きながら、結末で海の向こうの戦争が終わることが祈られます。案外のこのような祈りが、この世界を支えているのかもしれません。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
新聞記者のジェイコブは、殺人事件の取材をするうちに謎めいた女性レイチェルと出会います。美しくて気品があり、頭の良い女性です。やがてジェイコブは、彼女が殺人犯を素早く突き止めて、自殺に追い込んでいると確信するようになるのですが……。600ページ近くある長い作品ですが、物語が二転三転し飽きることがありません。翻訳も読みやすいです。黄金期のミステリーのような印象的なトリックやどんでん返しはないのですが、人物描写が巧みで、小説として完成度が高いので非常に面白かったです。
空猫
2024/01/15 08:12

新田新一さん。ナイスありがとうございました。

新田新一
2024/01/15 08:24

空猫さん、ご丁寧にコメントありがとうございます。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
表紙の絵がきれいで、可愛いので図書館で借りました。童謡の「ゆき」を絵本にしたものです。犬や子供たちが、降り出した雪に大喜びで、外に出て遊びます。南国に住んでいるので、雪はめずらしくて、雪が降ると大喜びだったことを思いだして、懐かしい気持ちになりました。こたつの上にみかんがあって、そこで丸くなる猫が描かれている絵が特に好きです。こんな絵本を読むとほっとできるし、子供の頃に帰れるので、絵本は良いなと改めて思いました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
私のような猫好きの方には、たまらない本ではないかと思います。子猫の寝顔の写真集です。半目で眠っている顔、万歳するように眠っている猫の顔、かわいい肉球を見せて寝ている猫の顔など、見ているとかわいい過ぎて、胸がきゅんとします。笑える寝顔も多いです。子猫は体が柔らかいので、くの字の寝相で、足を横に突きだしていたりします。よくもまあ、こんな格好ができるものだと感心しました。図書館で借りた本ですが、この本は手に入れて、毎日眺めたいです。気が滅入っている時は、これを眺めたら元気になれそうだと思いました。
新田新一
2023/12/15 12:54

yominekoさん、コメントありがとうございます。図書館にないのは残念ですね。子猫たちがかわいい、良い写真集でした。おっしゃる通り、子猫時代は短いですよね。私も以前飼っていて、それを感じました。yominekoさんの家の猫たちの健康と幸せを祈っています。

yomineko@猫毛まみれ
2023/12/15 13:00

ありがとうございます😊5月にやって来た仔猫たち、その時は私でも二人合わせて片手で持って移動させていたのに、今は両手で1人でも重いです😊成長しているんだなぁと思います😻😸😻😸

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
東京に住むさまざまな人たちの部屋の写真集です。ミュージシャンやアーティスト、音楽評論家などいろいろな人たちが出てきます。共通するのはどの部屋も家賃が安くて、自分の好きなもので溢れかえっていることです。積み重ねられたCDが崩れそうになったり、どっちを向いても本が並んでいる部屋が出てきます。著者の都築さんのコメントが優しくて、その部屋に住む人たちの生き方を肯定しています。私の大好きな本で繰り返し読んでも飽きません。人の生活の仕方には優劣はなくて、自分の個性に合わせて生きれば良いのだ、と教えてくれます。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
父親が日本人で、母親がフィリピン人の子供たちが置かれた苦しい立場について、詳細に書いた本です。母親たちはフィリピンから日本に出稼ぎに来て、バーなどで働き、日本人男性と親しくなり、妊娠することがあります。日本の父親は、自分の子供を認めないことも多いそうです。認めて養育費を送っても、途切れてしまうことも。円安になった今では起こりにくいことかもしれません。でも、過去の貴重な記録として読む価値があると思いました。表紙に載っている子供たちは、みんなかわいいです。無事に成長して、幸せに暮らしていることを祈りたいです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
息子たちを殺された二人の男が復讐を誓って、犯人たちに闘いを挑みます。二人はゲイのカップルで、偏見の目で見られていました。父親たちも、息子たちが同性愛者であることを受け入れられません。さりげない伏線が大きな意味を持ってくる構成で、謎解きとしても面白いのですが、読者の感情に訴える登場人物たちの葛藤が、心を揺さぶる小説です。息子たちのことを理解してあげられなかった、という父親の悔恨がブルースのように切々と語られます。同時に激しい暴力シーンが織り込まれ、米国の病んだ一面が浮き彫りに。このミス一位が納得できる小説。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
写真家梅佳代さんのおじいさんを被写体にした写真集。日常生活のさまざまな姿が写真に取られていて、眺めていると幸せな気持ちになります。鉛筆を唇の上に載せているところとか、蚊取り線香を顔の正面にかまえているところとか、佳代さんに後ろから抱きつかれて喜んでいる姿とか、眺めているとおかしくて、心が温かくなります。私はばあちゃん子で、お年寄りが好きなので、この写真集はたまらないです。帯に「長く生きている人は神様に見えます」と書いてありますが、全くその通りだと思いました。
新田新一
2023/12/12 17:46

それは良い思い出ですね。母の体が弱かったので、私も祖母に育てられました。yominekoさんの優しさや思いやりは、おばあ様やおじいさまに大切に育てられたところから、来ているのでしょう。いつも感心しています。

yomineko@猫毛まみれ
2023/12/12 18:18

新田新一さん、こんばんは~🍊🍊🍊ありがとうございます😊いえいえ、一人っ子なのでワガママ三昧言っていましたよ(笑)

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
『土芥寇讎記』という歴史的な資料を使って、江戸時代の大名の本当の姿を描いた一冊です。『土芥寇讎記』は隠密の調査によって書かれたものです。徳川光圀、浅野内匠頭といった有名な人物たちの意外な一面を知ることができます。一番面白かったのは、最後に出てくる本多作左衛門です。彼は家康が手に入れた処刑釜を故意に砕いてしまいます。その理由は何だったのか?作左衛門は乱暴な男で恐れられていましたが、政治の要諦な理解していました。彼の進言を受け入れた家康の度量にも感心します。歴史の奥深さを知ることができる良書でした。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
英国推理作家協会賞受賞作。主人公のヨナはダークツーリズムを企画する会社に勤めています。ダークツーリズムとは、被災地を見に行くツアーです。ベトナムのツアーに行った時、ヨナはそこでトラブルに巻き込まれ、韓国に帰国できません。異国での心細い心情は、私も経験があるので彼女に感情移入しながら読みました。災害さえも、利益追求の対象にしてしまう現代社会の病んだ部分に、切り込んでいく書き方に惚れ惚れしました。不条理が幻想的に描かれるのはカフカの小説に似ており、ミステリーと言うより純文学に近い内容です。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
英文学の古典トーマス・モアの『ユートピア』を読みました。英語で書かれていると思っていたのですが、原文はラテン語で書かれているそうで、私が読んだのは英語訳です。どんな国を作ったら、全ての人が幸福に暮らせるか真剣に考察されているところに、心を打たれます。今の世の中はユートピアから程遠いので、モアの試みは馬鹿々々しく思えるかもしれません。でも、まずは一つのビジョンを持たなければ何も始まらないので、この小説はより良い社会を作る叩き台になり得ます。ユートピアのもっともらしい地図もあり、物語としても面白いです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
日々のご飯を食べる喜びを時に温かく、時にユーモアたっぷりに描いた作品です。良い作品なのでこれが最終巻であることが残念。セリフがないのですが、登場人物たちが生き生きと描かれているので、彼らの気持ちはしっかり伝わります。44話の「コロッケ」はほろりとする作品です。妻に去られて、一人で娘を育てた男性。彼女が結婚した後の食卓にはコロッケが並んでいました。コロッケは彼にとって思い出深い食べ物でした。コロッケの素朴な味によく似合う物語です。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
青色を基調にした表紙の装丁が美しい思潮社の詩集です。作者は中学校の教師をされながら、詩を書き続けた方です。日々の生活で感じるいろいろな感慨を、優しい言葉で表現されており、良い詩集を読んだ、としみじみと感じながら読み終わりました。初めの方で詩の中に出てくる奥さんが、後半の詩では亡くなっており、一冊の詩集の中で長い時間が流れていることが分かります。60ページの「冬の日に」は冬の陽だまりの中で、物思いにふけりながら過去のことを思いだしている詩です。この詩の小春日和のような温かさが、心にじんわり沁みました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
永瀬清子は、私が本当に好きな詩人です。東京の文壇からは離れたところで、主婦としての生活を続けながら、読み手の心に深い印象を残す詩を書き続けました。深い優しさと個人を押し潰そうとする社会に対する怒りが、詩の中で両立しているのが特長の一つです。ちまちましたところが少なく、読んでいると心にそよ風が吹き渡っていくような爽やかさを、感じる詩が多いです。この本には永瀬さんの散文も多く含まれており、散文の第一級の書き手だったことも分かります。この本は手元に置いて、これからも繰り返し読みます。
宵待草
2024/02/22 11:48

新田新一さん こんにちは 予定が詰まり気味で漸く既読し、先ほど拙いレビューを掲載しました。 素晴らしい詩集のご紹介を感謝です!🍀 そして共読本が一冊加わり、とても嬉しく思います!💫 何時も、有り難うございます!🙋 宵待草

新田新一
2024/02/22 17:37

宵待草さん、こんにちは。ご丁寧なコメントを有難うございます。この詩集を読まれたのですね。気に入って頂けて、嬉しい限りです。共読本が増えたことも嬉しいです。この詩集は、これからも手元に置いて読み返したいです。私をずっと支えてくれると思います。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
個性的で独創的な詩を書き続けた尾形亀之助の作品が、多く収録されています。脈絡がなくシュール過ぎて、何だこれはと感じる詩ばかりなのですが、面白いのでどんどん読みたくなります。「飛行船が低い/湯屋の煙突は動かない」「十二月の昼」という題の詩です。さっぱり分からないのですが、心が揺さぶられるのを感じます。閉塞感や虚無感、孤独感といったものが、ぼんやりと伝わる気がしました。詩を作ることに行き詰まったら、餓死を考えていたそうで、社会に全く適応していません。ただ自分自身に忠実に生きようとしたことは、詩から伝わります。
いこ
2023/12/04 15:40

新田新一さん、こんにちは。わたしの大好きな江國香織さんの本の中に、始終尾形さんの詩を暗唱する主人公が出てきます。『ホリーガーデン』という本の中の果歩さんという主人公です。この本の中の詩しか知りませんが、嫌いではない感じです。新田さんレビューのこちらの本も読んでみたいです。

新田新一
2023/12/04 17:28

いこさん、コメントありがとうございます。江國さんの作品に尾形亀之助の詩が出てくるのは、よく分かる気がします。雰囲気が似ています。『ホリーガーデン』は未読だったので、いつか読んでみます。この詩集は本当に面白かったです。ぜひ読んでみてください。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
足軽の茂兵衛から見た戦国時代の戦いが、迫真の筆致で描かれた時代長編です。この巻で茂兵衛は、徳川家康の妹川の戦いに参加。銃で撃たれて瀕死の重傷を負います。彼の苦い初恋なども描かれて、小説として読み応えがありました。槍を使った戦闘法が詳細に描かれて、これまでの時代小説にない面白さを感じます。茂兵衛が銃に打たれて、弾が体内に残り、そのために苦しむ描写にはリアリティーを感じました。むやみに人を殺さず、死人が出たらお経を唱える彼の人柄は魅力的です。
いこ
2023/12/02 19:44

新田新一さん、共読嬉しいです(^O^)/ 茂兵衛さんが撃たれた時、死んじゃうかと思って心配しました(シリーズ続いているのに)。わたしも、新田さんのレビューをきっかけにまたシリーズの続きを読もうかな。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
大阪の安いアパートが舞台の漫画です。借金やドメスティックバイオレンス、援助交際など難しい問題が次々と出てくるのですが、抑制された画風で、とぼけたユーモアがあるので、暗い気持ちにならずに読めました。私の好きな漫画家つげ義春に雰囲気が似ています。突然首吊りの自殺者が出てくる1話がインパクトがありました。自殺した人は物を集める癖があり、部屋の中は拾ってきた電気製品が溢れています。片づけが終わった後に、登場人物の一人のユリちゃんが、自分の部屋でぽつりと言う言葉のやるせなさが、心に刺さりました。
えか
2023/12/02 15:50

新田さん、こんにちは。大阪の安いアパートが舞台、というと、どうしても、いしいひさいちさんの“おじゃまんが”を、思い出してしまいますが、どうも、そんな悠長な事言っていられる感じじゃないようですね。

新田新一
2023/12/02 16:32

えかさん、コメントありがとうございます。いしいさんにそんな作品があったのですね。私は知らなかったです。いしいさんの作品よりは、深刻かもしれません。昭和の雰囲気があって、私は好みでした。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
あかねこは、家族の猫たちに変わっていると言われ、困ってしまいます。やがて家を出て、いろいろなところを旅して、あおねこに出会います。この猫は、あかねこのことを認めてくれました。いろいろな猫たちが登場するので、私のような猫好きの方には、楽しめると思います。可愛くて生き生きとした猫の絵を見るのが楽しかったです。物語の主題は、大人の心にも響きます。どんな時でも、自分らしく生きるのが一番という事です。絵本を読んだ子供たちが、生きづらさを感じるときに、あかねこのことを主出してくれたら良いなと思いました。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/05/25(1863日経過)
記録初日
2023/06/01(395日経過)
読んだ本
622冊(1日平均1.57冊)
読んだページ
96937ページ(1日平均245ページ)
感想・レビュー
622件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
自己紹介

日本と海外の古典文学、SFとミステリー、漫画、児童書が好きです。どんな本でも丁寧に読んで、自分の言葉で感じたことを書いていきたいと思っています。よろしくお願いします。

好きな本10冊

夏目漱石 『道草』
三島由紀夫 『午後の曳航』
山本周五郎 『さぶ』

ジョナサン・スウィフト 『ガリバー旅行記』
グレアム・グリーン 『情事の終わり』
J・D・サリンジャー 『ライ麦畑でつかまえて』

レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るのか?』

チェーホフ 『桜の園』
シェークスピア 『ソネット集』

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