読書メーター KADOKAWA Group

2023年11月の読書メーターまとめ

だまし売りNo
読んだ本
31
読んだページ
7452ページ
感想・レビュー
31
ナイス
1228ナイス

2023年11月に読んだ本
31

2023年11月のお気に入り登録
9

  • keint
  • てつ
  • あっちゃん
  • ひめか*
  • 忽那惟次郎8世
  • よむよし
  • yabuhibi89
  • ジュール
  • 新田新一

2023年11月のお気に入られ登録
4

  • てつ
  • 忽那惟次郎8世
  • よむよし
  • 新田新一

2023年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

だまし売りNo
菅原道真の兄の吉祥丸の死の真相が明らかになる。権力の傲慢の犠牲者であった。天皇との姻戚関係という形で権力を維持する藤原氏の歪みは清和帝の母の染殿明子で描かれる。
が「ナイス!」と言っています。

2023年11月の感想・レビュー一覧
31

だまし売りNo
足利義満の命で明への使節となった人々を描く歴史小説。甚八郎は船が明までの航海に耐えられるか不安を持つ。大丈夫と言われても安心できない。「本当に大丈夫だろうか。どうもこちらの船は華奢な感じがする。それに波が高いわけでもないのに、しょっちゅう船底から水をくみ出しているのも不安だ」。往々にして大丈夫は気休めでしかない。 一方で船が壇ノ浦を通過すると平家物語の「浪の下にも都の候ぞ」を吟じた。船で航海している状態では縁起が悪いが、そのような不謹慎は気にかけない。大丈夫という根拠のない楽観論よりは健全である。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
元代には元曲が隆盛した。関漢卿の『竇娥冤』(とうがえん)は冤罪をテーマとした元曲の傑作である。竇娥は姑を拷問から守るため、冤罪で処刑された。彼女は無実を叫び、夏に雪が降り血は舞い上がると言い残し、そのとおりの現象がおこる。作中には「官吏は法を糺すことがない」との批判がある。支配と搾取が過酷な時代を反映している。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
「童幼使い」の寿常套との戦いで低周波騒音を公害として紹介する。マンション建設工事などの低周波騒音が深刻な問題になった時代を反映している。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
中学生に中学生はコンピュータゲームが好きという安直な偏見を批判させていることは面白い。ゲームよりも外で遊ぶ方が楽しい。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
菅原道真を主人公とした歴史漫画。バディ物の平安クライムサスペンスと紹介されると、推理ドラマのようなオムニバスの事件解決の印象を持ち、読まず嫌いで敬遠していた。歴史上の人物の動きと絡み、歴史ファンに楽しめる作品である。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
「宗室の器」は博多の豪商の島井宗室が主人公。宗室は天下三肩衝の一つである茶器の楢柴肩衝を所有していたが、織田信長に召し上げられそうになった。そこで本能寺の変に遭遇する。「宗室の器」では宗室を民間感覚を持った人物と描く。「宗室は何物も生み出さない武士を心から憎み、同時に商人である己に誇りを抱いていた」(50頁) 千利休は権力と戦った茶人として名高いが、宗室の方が民間感覚が徹底している。「権力者のために茶を点て、名物を鑑定し、茶器に序列を付けるという行いが、宗室にはどうしても認めがたかった」(54頁)
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
菅原道真は「どんな理由があれ、騙した方が悪い」と言う。これは現代の消費者問題にも通じる真理である。消費者問題では消費者側に「だまされた側の注意不足」と責任を転嫁させる論理が見られる。これは筋違いである。だます側とだまされる側では、だます側が全面的に悪い。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
第二十六話「長谷雄、唐美人に惑わさるる事」で菅原道真は嘔吐する。在原業平は「おい、大丈夫か」と質問し、「大丈夫なわけないでしょう」と答える。嘔吐する状態であり、どう見ても大丈夫ではない。「大丈夫か」は聞くだけ無駄な質問である。「大丈夫か」と質問して「大丈夫」と答えさせて安心したいという質問する側の責任逃れと保身だけの質問である。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
菅原道真が在原業平の宴に嫌々参加させられる。宴会に興味ないという点が道真らしさを出している。反藤原北家の集まりという点で政治的には注目したくなるが、単なる雑談の宴会に過ぎなかった。平安時代末期の鹿ヶ谷の陰謀で「瓶子」が倒れたのを見て「平氏が倒れた」と大喜びした内輪の盛り上がりに重なる。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
菅原道真の兄の吉祥丸の死の真相が明らかになる。権力の傲慢の犠牲者であった。天皇との姻戚関係という形で権力を維持する藤原氏の歪みは清和帝の母の染殿明子で描かれる。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
幻覚を見せる香が出てくる。依存性薬物の類である。現代でも「武蔵野はらっぱ祭り」で大麻グミを食べさせられて具合を悪くする人が続出する問題が起きた。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
菅良道真を主人公とした歴史漫画。道真は朗らかという優等生的な主人公とは真逆のキャラクターであり、それが新鮮である。権力に反感を抱いているが、後の宇多天皇の抜擢に対して、どのように感じるのだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
藤原高子と藤原多美子が表紙。藤原多美子が入内する。藤原氏の中にも権力争いがある。多美子は純粋であるが、悪意のない純粋さも誰かの犠牲の上に立っており、複雑である。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
「長谷雄、唐美人に惑わさるる事」では腐敗した官吏が殺害されても市民は同情しない。官吏の横暴や搾取の被害に苦しめられているためである。官吏の職権乱用には厳しい視線が注がれる。警察不祥事が相次ぐ現代日本以上に健全な感覚がある。警察官の立場を利用し、マッチングアプリで知り合った女性に性的暴行をしたなどとして、中国四国管区警察局の警視(58)=自称広島市南区出汐2丁目=が不同意性交と強要の容疑で逮捕された。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
桓武天皇は自分の在位中にその治世の様子を記した史書を編纂させた。早良親王の廃太子のような都合の悪い事実を削除した。「平安時代初期が一見文運隆盛に見えても、政治思想的に見るべきものがないことの一因に、天皇による史書の改訂を挙げることも可能であろう」(84頁)。権力による表現の介入は文化を衰退させる。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
菅原道真は宴会への出席を面倒くさがる。宴会を主宰する源融も本音は宴会を下品で騒々しいと思っている。何のための宴会であるか、宴会が皆の負担になっている。道真は「学問や知は、知らぬものから奪うためにふるううものではない」と言う。だますことを否定する。不利益事実を伝えずに利益を得てはならない。健全な感覚である。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
藤原基経は菅原道真の最大の敵かと想像したが、そうでもなさそうな関係であった。基経と道真は阿衡の紛議が有名であるが、互いに認めるところがあったから成り立つものだろう。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
西軍最強とされた宇喜多秀家の軍勢は、内紛による離反者続出で実態はガタガタであった。家臣の明石守重は新たに浪人を抱えたから「存外丈夫にこれある事に候」と手紙に書いたが、大丈夫と言う場合は大抵大丈夫ではない。「守重が豪語した割に、関ヶ原合戦で宇喜多勢がその力を十分に発揮したとはやはり思えない」(227頁)
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
「国持大名は幕府役職の就任から排除されていあっため、自分自身の序列を上げるには官位昇進しか途がなかった」(52頁)。官位昇進のために賄賂が贈られるほどであった。江戸幕府は大身の大名は幕政に参加させなかった。この仕組みは優れたものとの評価されるが、官位昇進に熱を上げるという弊害があった。官位を意識するということは朝廷を意識することになる。尊王思想を醸成することになる。尊王を掲げる勢力によって幕府が倒されたという結果を踏まえれば官位による序列化は危険がある。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
方広寺鐘銘事件は言論弾圧の卑怯な言いがかりである。しかし、銘文を撰した僧の清韓(せいかん)が隠し題の趣向を取り入れ、国家安康に家康の名を用いたということを言っている。これは藤堂高虎の陰謀による清韓のやらせとする説がある。「この鐘銘は高虎が清韓とはかって意図的に刻ませ、時期を待って問題ありと騒ぎ立てた可能性がきわめて高い」(153頁)。高虎は清韓を庇護し、死後に津の寺に埋葬させている。豊臣家にとって方広寺鐘銘事件は冤罪であった。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
足利義持も父親の義満と同じく北野天満宮を強烈に信仰した。義満に反発し、義満の逆の政策を採ることが多かったが、北野天満宮信仰は一致していた。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
室町時代は将軍家と朝廷の宴会が多かった。足利義持は宴会を頻繁に行い、二日酔いという言葉を登場した。足利義教の臨席する酒宴の場では嘔吐が最高の座興とされた。飽食の弊害が出ていた。 応仁の乱の最中も宴会三昧であった。室町幕府は将軍の権威を高めるために朝廷の権威を利用した。朝廷も幕府が必要であった。このために将軍と朝廷は近しい関係であると演出する必要があった。実際に仲が良くなくても、本音は嫌でも付き合わなければならかなった。現代日本の飲みニケーションと重なる。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
シダラ神信仰は冤罪被害者である菅原道真を前面に押し出した民衆による世直しの運動であった。その意味では幕末の「ええじゃないか」と重なる。「ええじゃないか」は民衆のエネルギーが消耗され、薩長の倒幕勢力に利用された感がある。 シダラ神信仰も神輿が入京せずに石清水八幡宮に鎮座したことで権力に対する世直しとは別のベクトルに誘引された。石清水八幡宮への陳座を求めた道真の託宣も権力側の謀略とする説もある。しかし、京に菅原道真を祀る神社を求める人々の思いは深まり、北野八幡宮につながっていく。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
天神信仰には冤罪に陥れられた菅原道真に共感し、搾取に苦しむ人々の救済を願う民衆の動きは、天神を福徳をもたらす神と位置付けた。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
安楽死を合法化すると、なし崩し的に要件が緩和され、終末期ではない患者に安楽死が提案されるようになる。医療費削減や医療資源の逼迫であるという本人とは無関係の要因で安楽死が進められる実態がある。既に患者の長男の意思で治療を中止する林田医療裁判のようなことが起きている。公立福生病院透析中止事件では安易に「延命治療」を中止させたり、その約束をさせたりする行為が批判された。一度合法化すると拡大することは違法ドラッグの合法化論と通じるところがある。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
内海課長は悪役として新鮮なキャラクターであった。シャフト・エンタープライズは多国籍企業という設定であるが、外資というよりも日本企業的な社内政治を感じる。売り物にならないグリフォンに予算を青天井でつぎ込んで開発する点は現代のビジネス感覚では違和感がある。ここも昭和の古さを感じる。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
第212話「膿む」で虎杖悠仁は、伏黒津美紀が死滅回游から離脱すれば、もう伏黒恵は大丈夫と考える。さらに自分が死ぬことで五条先生が解放されれば「もっと大丈夫」と考える。 しかし、物語が進行するにつれて、虎杖の「大丈夫」という考えに根拠がないことが明らかになった。実際は全く大丈夫ではなかった。大丈夫は大抵の場合、大丈夫ではない。むしろ大丈夫と考えると大丈夫でなくなる。大丈夫だと思うことが逆に危険な場合が多い。大丈夫と言う考えが誤った方向に誘導させる。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
だます展開は好きではないが、スパイ工作員の類はだましても良心が痛まない。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
民衆の反発がエネルギーとなった動きとして太平天国の乱と比較される。太平天国の乱は清朝に対する反乱であり、独自の帝国を作ろうとした。これに対して義和団は扶清滅洋を掲げる排外主義であった。民族主義、反植民地主義、反帝国主義の視点から太平天国よりも義和団を評価する向きがある。しかし、義和団事件は反体制の反乱の太平天国の乱に比べると体制擁護の守旧的な動きであった。そのために体制に利用され、切り捨てられた愚かさがある。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
「毎年1,200万人の米国人患者が診断エラーを経験しており、そのうち40,000~80,000例は致死的であると推定されている」。誤診は想像以上に沢山起きている。医師は誤診が起こるという前提で対策や説明責任を果たす必要がある。
が「ナイス!」と言っています。
だまし売りNo
前の巻では徳川家康がピンチに陥り、どうする家康状態であった。真田丸では宴会で人が集まることが家康の人望を示していた。ところが、ここでは石田三成が働いているのに宴会をしていると呆れられた。 家康と三成を逆転させたのが七将襲撃事件である。家康が糸を引いていたとする説もあるが、暴発であった。三成と性格が合わない、三成が憎いというよりも、朝鮮出兵という無益な戦で疲弊したことによる切羽詰まった動きであった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/11/04(4651日経過)
記録初日
2011/11/04(4651日経過)
読んだ本
6428冊(1日平均1.38冊)
読んだページ
1234728ページ(1日平均265ページ)
感想・レビュー
6346件(投稿率98.7%)
本棚
1棚
URL/ブログ
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/book/4487695.html
自己紹介

趣味は読書です。好きなジャンルは歴史小説とSF小説です。両者は対極に見えるかもしれませんが、現代とは異なる社会という点で共通します。現代とは異なる世界に没頭することが好きです。この点ではファンタジーも当てはまりますが、人間社会の現実感が薄くなり、没頭しにくくなります。漫画も好きです。

マンションだまし売り被害を描く『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)
 東急不動産(販売代理:東急リバブル)から新築マンションを購入したが、隣地の建て替え計画等を売主が知っていたにもかかわらず故意に告げなかったとして、売買代金の返還を求めて東急不動産を提訴した。東京地方裁判所は2006年に東急不動産の消費者契約法違反を認定し、売買代金の全額支払いを命じた。
 「被告(注:東急不動産)は、本件売買契約の締結について勧誘をするに際し、原告に対し、本件マンションの完成後すぐに北側隣地に3階建て建物が建築され、その結果、本件建物の洋室の採光が奪われ、その窓からの眺望・通風等も失われるといった住環境が悪化するという原告に不利益となる事実ないし不利益を生じさせるおそれがある事実を故意に告げなかった」
 この判決は不動産取引に関して消費者契約法4条2項(不利益事実の不告知)を適用し契約の取消しを認めたリーディングケースである(今西康人「マンション販売における不動産業者の告知義務」安永正昭、鎌田薫、山野目章夫編『不動産取引判例百選第3版』有斐閣、2008年、31頁)。

 この東急不動産だまし売り裁判を契機として、インターネット上では東急リバブル・東急不動産に対する批判が急増した。「営業マンの態度が高慢」「頼みもしないDMを送りつけてくる」など「自分もこのような目に遭った」と訴訟の枠を越えた批判がなされ、炎上事件として報道された(「ウェブ炎上、<発言>する消費者の脅威-「モノ言う消費者」に怯える企業」週刊ダイヤモンド2007年11月17日号39頁)。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう