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2024年8月の読書メーターまとめ

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2024年8月に読んだ本
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2024年8月のお気に入られ登録
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  • てら
  • 似顔
  • みつ

2024年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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ネタバレ初読みの著者は、札幌市在住。テーマは母親の狂気であり、犯罪被害者の遺族の抱える闇。ありそうで案外なかったストーリー。2つの時と場所が離れた事件がじわじわと重なって、解決に至る展開がなかなか面白い。謎解き役の刑事自らも犯罪被害者の遺族として過去に苦しんだという設定によって、犯行の残酷さが緩和されている。読みやすく、一日で読了。
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2024年8月にナイスが最も多かったつぶやき

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あまり読めなかったなぁ‥‥→2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:16冊 読んだページ数:4954ページ ナイス数:722ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/242735/summary/monthly/2024/7

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2024年8月の感想・レビュー一覧
30

おさむ
ネタバレ初読みの著者は、札幌市在住。テーマは母親の狂気であり、犯罪被害者の遺族の抱える闇。ありそうで案外なかったストーリー。2つの時と場所が離れた事件がじわじわと重なって、解決に至る展開がなかなか面白い。謎解き役の刑事自らも犯罪被害者の遺族として過去に苦しんだという設定によって、犯行の残酷さが緩和されている。読みやすく、一日で読了。
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ネタバレいやー、11章からの怒涛の大どんでん返し、お見事です。えらく平穏なエピソードが下巻は続くなあと退屈していたところ、すっかり騙されていました。エピローグで明かされる秀人の能力(実は意識せずに使ってしまったわけだが笑)もまた、驚き‼️。辻村ワールドにはこうした超能力がスパイスのように振りかけられているんだ、ということを改めて実感。最後まで読まないと、辻村作品はなかなか全体像が見えてこないことを、教訓にします。
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ネタバレ2007年の作品。高校生のタイムスリップものといえば、私達の世代では「時をかける少女(原田知世主演、筒井康隆原作)」。あれは、まさに時を超える恋愛がテーマでした。恋人が未来からやってきましたし。さて、本作品は同じ学校の生徒の自殺を食い止める、というミッション。仲間と力を合わせてとりあえず食い止めたように見えるのですが、‥‥下巻に続きます。
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ネタバレ下巻は一気読み。想定通り、浅葱と藍は二重人格だった‥‥。トータル1000ページを超える力作でしたが、難をいえば、もっと圧縮することは可能かなあ。
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ネタバレ2005年の作品。初期とあって、やや文章や構成が粗く、ぎこちない点は否めない。ただ、それでも読ませる勢いを感じさせるのは実力でしょう。シリアルキラーが殺人を「ゲーム」にたとえるあたり、1997年の神戸連続児童殺傷事件を彷彿させます。児童養護施設でのいじめなどやや人物設定もステレオタイプではあります。そうそう、「メジャースプーン」で出てきた秋先生が本作品でも活躍しています。下巻に期待。
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ネタバレ1985年の日航ジャンボ墜落事件では520人の犠牲者が出た。あれからそろそろ40年。著者は圧力隔壁の整備不良が墜落の原因とする通説に疑義を唱える。垂直尾翼が異常な外的な力によって吹き飛ばされていることから自衛隊のミサイル誤射などが原因だった、との説を主張。そして、その隠蔽を日本政府や日航、米軍が行ったというのだ。本著はその真実に迫るため、副操縦士や乗客の遺族が原告となり、ボイスレコーダーの公開を求めた訴訟の一部始終をおさめたもので、請求は原告敗訴。いささか「陰謀論」めいており、最後まで同感はできなかった。
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厚生労働白書みたいな本でした(笑)
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ネタバレ著者は、国際畑の経験が長い元財務官僚。東大での講義を加筆修正したもので、ズブの素人には難解だが、それなりの金融知識を持つ読者にはわかりやすい。とりわけ6章以降のアジア通貨危機、米LTCM危機、リーマンショック、ユーロ危機のくだりはコンパクトに原因と結果をまとめており、理解が深まる。10年に1度は必ず起こる金融危機。さて、次はいつ起こるのか。著者は終章でさまざまな予想をしており、これも興味深い。米国の経常赤字に繁栄を依存する世界経済そのものの構造改革が必要との指摘には首肯するが、実現までの道のりは険しい。
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ネタバレ 辻村さんの藤子F不二雄先生と、ドラえもんに対する愛が溢れた傑作。こう言うと、まるで児童小説かのように感じるかもしれないが、中身は思いっきり大人向け。両親との別離や高校内の友人関係、思春期の自意識の暴走、恋愛が捻れてストーカーと化す元カレ‥‥。思いっきり「黒深月」です。ただ、ドラえもんのエピソードが所々に入ることでシリアスさが緩和されます。私も筋金入りの藤子先生好きなので、登場するエピソードや道具の話を懐かしく読みました。そして、明かされる最後のどんでん返し。お盆の8月に読んで大正解でした。
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ネタバレ米大統領選が3ヶ月後に近づいたこのタイミングでこの寓話を読むと、そのおかしみが増しますね。天涯孤独の身だったチャンスは、年老いた富豪の豪邸の庭師。富豪の死で家を追い出されるが、ひょんな事故に巻き込まれた結果、とんとん拍子で成り上がり、大統領候補に祭り上げられる、といった内容。著者のコジンスキーも似たような境遇から有名人になったが、スパイなどの疑惑があり自殺してしまった人物。本作品は1979年に映画化され、オスカーも取ったという。トランプ大統領の誕生も含め、何が起こるかわからない米国を暗喩するようなお話です
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ネタバレ久しぶりの辻村さん。彼女の小説を読んで感じるのは、子どもの世界を保ち続けていること。牧歌的で、幸福感に満ち溢れていた、かのように大人になると錯覚するが、決して当時はそうではなかった。いじめや友人関係、格差、恋愛‥。多くの難題に子供達は直面していたことを思い出させてくれる。それを乗り越えられるのは、旺盛な生命力に他ならない。さて、本作は人間の「悪意」と、それを罰するあり方についての対話が主題だ。秋先生とぼくのかけあいは「君たちはどう生きるか」のコペルくんとおじさんのようです。他作品とのリンクが楽しみです。
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ネタバレ2012年の第36回すばる文学賞。当時、気にはなっていたが、未読のままだった。最近、Netflixで話題の「地面師」を著者が書いていることを知り、改めて読んでみた。慶應と思しき有名大を卒業し、中小の不動産屋に就職した主人公の「お仕事小説」。ありがちなブラック職場のやりとりに、都内における戸建て住宅の営業の現場事情も垣間見えて、面白い。不動産業界に精通しているから、あの地面師を面白く書けたんだなあ、と納得する。一方で、仕事に不慣れだった自らの社会人1年生のころの心境を思い出して、ちょっぴり切なくもなった。
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ネタバレ2012年の第36回すばる文学賞。当時、気にはなっていたが、未読のままだった。最近、Netflixで話題の「地面師」を著者が書いていることを知り、改めて読んでみた。慶應と思しき有名大を卒業し、中小の不動産屋に就職した主人公の「お仕事小説」。ありがちなブラック職場のやりとりに、都内における戸建て住宅の営業の現場事情も垣間見えて、面白い。不動産業界に精通しているから、あの地面師を面白く書けたんだなあ、と納得する。一方で、仕事に不慣れだった自らの社会人1年生のころの心境を思い出して、ちょっぴり切なくもなった。
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ネタバレ関東にいると、なかなか見えてこない来年の関西・大阪万博の実態を浮き彫りにする良質な新書。舞台となる夢洲という人工島(元廃棄物処分場)の危険性。東京五輪汚職の余波で電通が手を退き、さらに松本人志スキャンダルなどで吉本興業も距離を置いている。言い出しっぺだった故・堺屋太一は千里の会場の再利用を念頭においていたことは初めて知った。もともとはIR(カジノ)を誘致した後に万博を開催する予定だったのが、逆になってしまったのが不幸の始まりなど、ネガティブなデータがてんこ盛り。維新の独裁政治が暴走した末路のように思う。
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ネタバレ戦争もののノンフィクション作家として知られる梯さんによる全国津々浦々の戦争ミュージアムの訪問記。通販生活の連載をまとめたもの。旧日本軍が毒ガスを兵器として使用したこと、対馬丸が標的となった理由、松代大本営という坑道、軍が民衆に強いた結果の戦争マラリア、稚内市には樺太からの引揚者が多いこと‥初めて知ることも多い。多くのミュージアムは新聞記事等で読んだことはあるものの、実際には行ったことはない。「場所が持つ歴史性」と梯さんが言うように、訪れなければ感じられないものは絶対にある。これから是非とも訪ねてみたい。
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ネタバレ1987年の朝日新聞阪神支局襲撃事件の取材班キャップを務めた著者による、旧統一教会の元広報部長のインタビュー。語り手の大江益夫氏は末期の大腸ガンで、遺言として来し方を語った様子が伺える。霊感商法や早大生の川口大三郎くんの遺族の思いを利用したことなどを懺悔しているが、なぜ止められなかったかについては口が重い。岸信介をはじめとする自民党との密な関係についても率直に語る。赤報隊事件については「統一教会に関係した人物が関係した可能性が高い」と言うが、結局はそこまで。あの事件の真実は、今もなお藪の中だ。
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ネタバレいまから20年前。Winnyという無料ファイル交換ソフトが世間を騒がせた。著作権を侵害するとされ、開発者だった金子勇氏は逮捕・起訴された。法廷闘争は7年半に及び、無罪を勝ち取ったが半年後に急死。弁護した著者は「あの事件がなければ、P2Pの世界は違うものになっていたかもしれない」と恨む。IT社会の勃興期ゆえの災難だったようにも見える。朝日新聞で金子氏が実はビットコインの創設者、サトシ・ナカモトだった可能性があるとの仮説を記事にしている。その記事がきっかけでこの話が映画化されたというトリビアも興味深い。
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ネタバレお盆の時期になると、なぜか読みたくなる向田さんの名作エッセイ。子供の頃の「家族としての」戦争経験が所々に顔を出すからでしょうね。とりわけ東京大空襲の日の切ない夕餉を描いた「ごはん」はいつ読んでもじわりと泣けます。あとは父親の社長に対するお辞儀の姿をみて少し認識を改める「お辞儀」も良い。若い時に両親を亡くして成り上がった苦労人だから、家族の前では権威を持ち、強がりを続けた父の思い出。子供の頃は反発を覚えたが、大人になったいまだからこそ、当時の父の気持ちがわかってくる。皆似たような思いを抱く時はあるはずです。
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ネタバレ電子書籍で読了。Netflixで観た「地面師たち」がとてもエンタメとしておもしろかったので、モデルのひとつとなった積水ハウス事件の顛末が描かれている本著を読む。全編が積水絡みの話と思いきや、その他多くの不動産詐欺事件をまとめたもので積水事件はそのひとつ。内田マイクとか怪しげな土地転がしたちが実在することはよくわかった。民事裁判の訴訟記録を元に書いているので、書くには限界があるんだろうなあ。その点で面白い点だけ組み合わせて、フィクションにしたのは正解でしたね。Netflix、good job!
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ネタバレ「森と湖のまつり」のため、図書館から借りた。2段360ページの大作は昭和30〜33年の執筆。当時のアイヌを巡る日本の政治、社会情勢が色濃く反映されている。和人(シャモ)による学術研究の欺瞞、アイヌ民族内の統一派と分離派のあつれき、アイヌと和人の恋愛や結婚、凄まじい偏見と差別‥‥。「東京の方はすぐアイヌだとか、熊だとか、そんなものに目をつける」「北海道というとすぐ暗い原始的なものを想い出すのは間違い」。最終盤で交わされるこの言葉。いまはかなり変わったものの、半世紀たったいまもこうした風潮は残っていると思う。
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ネタバレラジオ番組のシリーズ第二弾。向田邦子さんがドラマの脚本から少し離れて、小説やエッセイを書き始めたのは、大病をして右腕が不自由になってからのこと、という事実はすっかり失念していました。つまり絶望を経験したから。確かに私たちが今もなお向田作品に惹かれるのは、どこか人間の持つ暗部を感じさせるからなのかもしれないな。中島敦や川端康成、ベートーベンやゴッホなど、音楽家から画家まで、多くの表現者たちは「皆んな悩んで大きくなった」からこそ、後世の人たちに受け入れられている、といったところでしょうか。図書館本。
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ネタバレNHKのラジオ番組をまとめたもの。著者の頭木さんは20歳のとき、難病を患い、13年間の闘病生活を送った。青春時代を絶望の中で過ごしたからこそ、見えてきた「絶望名言」を紹介する。カフカ、ドストエフスキー、太宰治、ゲーテ、シェイクスピア、芥川龍之介の6人の小説などから選ばれた言葉は、なるほど絶望ばかり。ただ、思うに人間は常に明と暗を抱えている。その両面をこれらの偉人たちはうまく言語化できているということの証左ではなかろうか。明るいばかりの小説があまりヒットしないのと同じこと。図書館本。
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ネタバレ夢をかなえる本や諦めない本ではなく、夢を諦めるための本。そんな風変わりなコンセプトのアンソロジー。小説から歌詞、漫画まで幅広いジャンルから選んだ作品群は多様性がありますね。個人的には連城三紀彦さんの作品が一番良かったです。図書館本。
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ネタバレ宮﨑の地震を機に臨時情報が出されたことで、一気に関心が高まった、南海トラフ地震。その発生確率70〜80%を算出した時間予測モデルが極めて信ぴょう性が低いものであることを陽の目に晒した中日新聞の調査報道だ。単純平均モデルで計算すると、20%だが、防災意識を高めるためにその事は知られていない。地震学会の学者たちの予算獲得重視と政府への忖度まみれの「ムラ社会」ぶりに愕然とする。そもそも日本は地震は予知できないものと割り切り、被害をいかに軽減するかの方に金と人を費やすべきだと感じる。2023年の第71回菊池寛賞。
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ネタバレ昨年、逝去された山田太一さんの未発表シナリオ集。あの名作「ふぞろいの林檎たち」のパート5が掘り出し物。前後編の2部構成ですが、読んでいるだけで、中井貴一や時任三郎、柳沢慎吾らが語らっているシーンが浮かび上がってきます。書かれたのはいまから20ねんほど前。40代になっても悩みは絶えない林檎たちの生き様は哀愁があります。ぜひ実現してほしかったなあ‥‥。他にも男たちの旅路の幻の回や、2時間サスペンスドラマ、初めて書いたシナリオなど、ファンにとってはたまらない作品集でした。企画した頭木さんに拍手。
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ネタバレ先日、映画を観てめちゃくちゃ感動した「ルックバック」。原作本に極めて忠実な作品と、ネットにあったので、読みたいなと思ってたら、たまたま本屋で発見。初版は2021年。映画化されたから重版されたんだな。改めて読むと、本当にマンガの世界観をアニメで完全に近い形で再現していたんだなあと感心する。その意味で、アニメーターさんたちの力に感服。藤野と京本のシスターフッドは、まんが道の才野しげると満画みちおと通底する。一つのことに一心不乱に打ち込む姿は人を感動させる。漫画家ものマンガにハズレはない、と再認識しました。
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ネタバレ動画配信のunextのオリジナル書籍(電子書籍の紙版)。unextってこんなビジネスもしてるんだ‥‥。さて、本題。ある企業の代表選を通して、現代の日本の「選挙」のありようを描いた小説で、クスッと笑えるお仕事小説家の津村さんらしい作品。投票って虚実ないまぜの情報をもとに知恵を絞ってせざるを得ない。面倒くさくても棄権はダメ。決して世の中の為にならないから、というのがメッセージですね。先日の都知事選をみても、ロクな候補者がおらず、気が滅入ります。うどんを食べるシーンがやたら出てくるので、食べたくなります(笑)。
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ネタバレ昨年、本作品に出てくる三島神社を旅行で訪ねたこともあり、瀬戸内の風景が目に浮かんできました。池波正太郎の直系を自認する今村さん。その文章の読みやすさは圧倒的で、1日で読了しました。元寇といえば、台風という神風で一難を免れたとのイメージが強烈ですが、その裏にあったであろう人間ドラマを描きます。日本と同じように元の猛襲に遭ったロシアと高麗人を登場させるという突飛な設定も計算ずくですね。所々にじわっとくるセリフをまぶす今村流は今回も健在。六郎の正義が報われないラストもものの哀れを感じさせます。やはり良作でした。
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ネタバレ吉屋信子の「海の極みまで」を収録。大正11年に発刊されただけに、旧仮名遣い。ラビがあるおかげでなんとか解読できます。わずか100年余り昔なのに、時代を感じます。菊池寛の「真珠夫人」などに連なるメロドラマ的なストーリー。長州出身の美濃部家を巡るドロドロとした展開で、まあ昔のTVドラマ的。ただ、登場する女性たちのセリフなどにフェミニズム的な視点も感じさせます。解説によれば、吉屋信子はシスターフットを描いた嚆矢とのこと。北海道の関係のある作品と聞いていたのですが、最後に牧場の絡みで出てくるだけでした‥。
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ネタバレ北海道文学の系譜に位置する表題作は1917年の作品。100年以上前の空気感が感じられる。脚注が豊富で理解が進む。恐ろしいまでに人を圧倒する北海道の大自然。それに抗う人間の営みがちっぽけなものに感じるほどだ。直木賞の「共食い」の主人公を彷彿させる仁右衛門には全く共感できないが、なぜか惹きつけられる。人類最初の農耕者、カインは人類最初の殺人者となり、永遠の放浪者になった。その子孫である人間の無様な本性を感じさせるからかもしれません。父親の農場を解放した有島武郎は聖人君子のイメージだったが、印象が変わりました。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/07/16(4513日経過)
記録初日
2012/07/06(4523日経過)
読んだ本
4013冊(1日平均0.89冊)
読んだページ
1202921ページ(1日平均265ページ)
感想・レビュー
3804件(投稿率94.8%)
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自己紹介

読書のジャンルは純文学からミステリー、社会科学や近現代史、ノンフィクションまで「何でもOK!」。心の赴くままに読んでいます。
参考にするのは、毎週週末に新聞各紙に出る書評欄。複数の新聞で採り上げられている本については目を通すようにしています。出版各社の毎月のPR本(波や1冊の本とか)も参考になります。
芥川賞と直木賞については「時の日本社会を映し出す鏡」だと思っており、歴代受賞作はなるべく読むようにしています。あとチェックしているのは本屋大賞、大宅壮一賞、山本周五郎賞、小林秀雄賞など。
最近は視力が落ち、寝床で読むのが難儀ですが、1日1冊が目標です。

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