読書メーター KADOKAWA Group

2024年9月の読書メーターまとめ

おさむ
読んだ本
20
読んだページ
5914ページ
感想・レビュー
20
ナイス
824ナイス

2024年9月に読んだ本
20

2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

おさむ
ネタバレ500ページ近い下巻を読み終えて、気づく。藤子不二雄が大好きな辻村さんらしいトキワ荘のオマージュではなく、12年間に及ぶ赤羽環と千代田公輝の壮大な純愛物語だった、ということに。全ての細かい伏線をひとつずつ回収する最終章は涙なしでは読めず、辻村さんの真骨頂を感じさせます。エピローグのNYでの再会のシーンは、大好きな映画「when harry met sally」を思い出しました(走るのが男女の違いはあるけど笑)。正義のセリフが全てを象徴しています。「まぁ、なんていうか。あらゆる物語のテーマは結局愛だよね」
が「ナイス!」と言っています。

2024年9月にナイスが最も多かったつぶやき

おさむ

8月はよく読めました!→2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:30冊 読んだページ数:9414ページ ナイス数:1102ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/242735/summary/monthly/2024/8

が「ナイス!」と言っています。

2024年9月の感想・レビュー一覧
20

おさむ
ネタバレ最近の世界文学の潮流となっているのがディストピア。カズオイシグロの「クララとお日さま」、桐野夏生の「日没」、小川洋子の「密やかな結晶」‥‥。確かにどれもディストピアだなぁ。「ユートピアの対抗概念ではなく、拡張概念なのだ」と著者は言う。ヒトラーを産んだのは当時世界で最先端の憲法をもつワイマール共和国だったことを考えると、鋭い指摘だ。国民の婚姻や生殖、子育てへの介入、知と言語の抑制、文化・芸術・学術への弾圧がディストピア三原則だとも言う。この兆しが現実社会に出てきたら、警戒が必要だ。神保町の本棚書店で購入。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ人気を集めている時代小説と知り、図書館で借りて読了したが‥‥。やはり最大のクライマックスである最後のオチがこれでは‥。それに痔や肛門の病気ばかり出てくるので、あまり気持ちの良いものではないなぁ‥‥。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ500ページ近い下巻を読み終えて、気づく。藤子不二雄が大好きな辻村さんらしいトキワ荘のオマージュではなく、12年間に及ぶ赤羽環と千代田公輝の壮大な純愛物語だった、ということに。全ての細かい伏線をひとつずつ回収する最終章は涙なしでは読めず、辻村さんの真骨頂を感じさせます。エピローグのNYでの再会のシーンは、大好きな映画「when harry met sally」を思い出しました(走るのが男女の違いはあるけど笑)。正義のセリフが全てを象徴しています。「まぁ、なんていうか。あらゆる物語のテーマは結局愛だよね」
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ東京・椎名町のクリエイターたちが集まるアパート。こんな設定で思い出すのは、トキワ荘。藤子不二雄ファンの辻村さんはそのオマージュとして、「スロウハイツ」を書いたのかなあ。物語は若者たちの群像劇として淡々と進む。それぞれの登場人物が屈託を抱えながらも、創造という作業に勤しむ。そう、それはトキワ荘の漫画家たちの姿にも重なる。なんて思っていたら、終盤にかかるにつれてサスペンス要素が浮上してきた。続きは下巻で。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ直木賞をとる直前の作品がその作家さんが1番脂がのっている時期、というのが私の読書歴から導き出した法則。この短編集が書かれたのは2010年。辻村さんが直木賞をとる2年前で、法則がピタリとハマっています。荒削りな勢いと巧みな心理描写、多様な設定もお構いなしで挑む姿勢などが光ります。大学のキャンパスライフを描く「しあわせのころ」。ベルリン・天使の詩がモチーフの「アスファルト」。嘘つきモデルの「チハラトーコの物語」。高校の合唱コンクールの葛藤を描く「樹氷の街」。こんなにバラバラな設定なのに一定水準を保っています。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ前作「おにぎり‥」が考え方だったのに対して、本作は伝え方のハウトゥー本。例えや数字の大切さ、相手メリットなど、コミュニケーションの手法を解説する啓蒙本は数多あるので、前作程は新鮮味は感じなかった。結局は、そもそも伝わっていない、、わかってもらうのは難しいという前提から始める。言わなくてもわかる、ではなく、徹底して言葉を駆使するしかない、ということなんでしょう。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ意表をつくキャッチーな題名だが、中身は「考えること」の大切さを説くノウハウ本。徹底的に考えることを突き詰める過程が面白い。広げる✖️深める、知っているとは異なる、論理的➕非論理的。考え方の手法としては、かけあわせ、数珠つなぎ連想、ずらす、脱2択、360度分解、ポジティブ価値、すごろく‥‥。いろいろ紹介されているので、自分にあったものを選べば良い。スマホばかり見てしまう昨今こそ、「考える時間」をスケジュールにいれて、日頃から思考訓練を繰り返すという習慣は大切ですね。個人的には「性悪視点」も持ち続けたい(笑)
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ20年以上も前の作品とは思えないクオリティーの高さと、ジェンダー認識。「きのう何食べた?」「大奥」の2作品の昨今の大ヒットを考えると、時代がようやくよしながふみに追いついたんだな、と感じます。娘と母、娘と祖母、母と祖母‥‥同性の家族間に横たわる愛憎が入り混じる複雑な感情を切り取った短編集。小説も顔負けの深みですね。中野のまんだらけで見つけた掘り出し物でした。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ2014年の短編集。直木賞を受賞して脂の乗っていた時期だけに、各作品ともキレがあります。リーダビリティーも抜群。きょうだい、親子、祖父母と孫‥。家族の間に横たわる感情のひだをしっかりと描く。言わなきゃよかった、行けばよかった、心の中では思っていたのに‥‥。後からいくら後悔してもあの日は戻らない。人生は後悔の積み重ね、という真理を教えてくれます。人間のいやーな部分も描きつつ、うるっとさせる場面や言葉も散りばめる。この頃の辻村さんの筆は、重松清さんを思わせますね。ラストのドラえもん愛溢れる話も良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ胎児の同意を得なければ出産できない、という近未来を描いたSF小説。マーガレット・アトウッドのディストピア小説「侍女の物語」を思い出します。突拍子もない設定のように感じるが、昨今の出生前診断や同性婚を巡る複雑な潮流や反出生主義なる思想の広がりをみると、あながち的外れな設定ではない気もする。さすが芥川賞作家。気候変動や人口減など最近は暗い未来像が主流なことも、影響しているんだろうなぁ‥‥。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ帯に「常識を疑ってみる」とあるが、その通りの内容の新書。いかに自分が明治維新以降のわずか150年間の日本社会の慣習や法制度にしばられているのかを再認識させられた。仲人結婚は武士階級のみの伝統。夜這いは江戸時代の常識だった。離婚王国だった日本。戦後すぐは事実婚は封建的とされた。社会構造の流動化で同棲が増えた。日本は同性愛嫌悪が顕著なホモファビックな社会。こうした事実を冷静に受け止めると「結婚を社会の中心におかない」「家族主義を脱することこそが家族の絆を強化する」との著者の指摘が説得力をもってくる。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ先日亡くなった俳優、アラン・ドロンの代表作品、「太陽がいっぱい」の原作を改めて読む。原題は「才能あるリプリー氏」。読むうちに、あのイタリアの港町や地中海の灼熱の日差しが蘇ってくる。貧しい若者が富豪の息子を殺してなりすますスリリングな展開の名作だったな‥‥。さて、本作では映画では割愛されていたディッキーとの同性愛の要素もあり、何よりもラストが映画とは大違いだ。リプリーシリーズはこの後、4冊の長編もあるという。90年代にマット・デイモンが主演したリメークのラストも原作とは違うそうだ。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ「日常美学」なる言葉を初めて知った。21世紀に入り、始まった学問分野とのこと。端的にいえば、日常の中の感性のはたらきを知り、私たちの感じ方の転換(美的パラダイムシフト)を目指すというもの。日々の生活の質を改善していく。言われてみればその通り。世の中はその人の感じ方次第。役所広司が主演した映画「パーフェクトデイズ」は淡々と渋谷のトイレ清掃員の日常(ルーティン)を追った物語だった。掃除、読書、食事。そんなシーンの積み重ねが高く評価された。あれこそが日常美学の世界なんだと、紹介されており、なるほどと感じた。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ「日常美学」なる言葉を初めて知った。21世紀に入り、始まった学問分野とのこと。端的にいえば、日常の中の感性のはたらきを知り、私たちの感じ方の転換(美的パラダイムシフト)を目指すというもの。日々の生活の質を改善していく。言われてみればその通り。世の中はその人の感じ方次第。役所広司が主演した映画「パーフェクトデイズ」は淡々と渋谷のトイレ清掃員の日常(ルーティン)を追った物語だった。掃除、読書、食事。そんなシーンの積み重ねが高く評価された。あれこそが日常美学の世界なんだと、紹介されており、なるほどと感じた。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ戦争もの小説で知られる元自衛官の著者は地方公務員でもあるそうで、この小説を読む限り、東京都庁にお勤めなんでしょうか。都庁を思わせる広域自治体の若手職員が主人公。「ケリ」なる鳥がもたらす新型感染症を巡り、国や地方自治体が振り回される様子が、大真面目なのだが、はたから見るとコメディ。これぞ、行政権力の組織構造と行動様式ですね。筒井康隆のスラップスティックばりに話が大きくなり、あらぬ方向へ転がっていく。コロナ禍では「自警警察」が登場し、ルールを守らない者は排除されましたが、ある意味、人間社会の恐ろしさですね。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ500ページ近くの大作ですが、一気読み。「小隊」の続編。10年前に北海道にロシアが侵攻するも膠着状態となり、道東と道北が武装勢力や自衛隊北部方面隊や警察などが割拠する無法地帯となる。荒唐無稽な設定だが、いまのウクライナ東部地区はこんな感じなのかなあ‥。北海道がロシアと国境を接していることを鑑みると、リアルさが増します。主人公のイリキがひたすら生き延びる様は映画の「ダイ・ハード」ですが(笑)、スピード感と迫力ある描写に没入しました。ちと古いですが、大藪春彦のハードボイルド小説を思い出しました。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ元自衛官の著者の筆の描く戦場は迫力があり、ついつい引き摺り込まれる。ロシアが侵攻した道東が舞台の「小隊」。武装警備会社員として中東のプラント警備をする「戦場のレビタヤン」。自衛隊幹部候補生としての総合訓練を描く「市街戦」。いずれもタッチは似ているが、それぞれ読み応えがあった。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ第166回芥川賞。文藝春秋で読んだ気もするが、改めて読むと面白い。題名が表すのは、普段私たちがみている風景や社会には、向こう側に隠れて見えない実相があるという含意。自衛隊出身のサクマはキレやすい性格が災いして、刑務所送りになる。自転車配達の前半と、刑務所暮らしの後半のコントラストが絶妙。コロナ禍という事態も重なり、「感情の決壊」を起こすサクマの心境にもそこそこ共感できる。将来に悩み、イライラする若者の心象風景を的確な言葉で引き出している点もお見事です。ここ最近の芥川賞ではピカイチではないだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
なんだかどこかのブログやエッセイに書いてあることを詰め込んだ感があるなぁ。スマホ依存、SNS普及による両極化、読解力の低下‥‥、みな薄々と感じている日本社会の変化を「思考停止」というワードで横串をさしてみました、というところ。日本人の性善説、海外の性悪説というのは些か単純過ぎるステレオタイプ的な分析のように感じる。総じて表層的な論評に終始。図書館本。
が「ナイス!」と言っています。
おさむ
ネタバレ中学受験の評論家のおおたとしまささんが、無料塾についてまとめた新書。こんなに広がっている無料塾の存在を全く知らなかった。民間主導や公営など形態は多岐にわたる。人口減や貧困、格差など様々で複雑な社会問題の対策となっている。ただ、結果として新自由主義的な競争社会を肯定し、一部の子供たちの順位入れ替えを手助けしているだけ、とのジレンマもある。対談で山口裕也さんが指摘するように、高齢者介護を「社会化」できたように、子育てや教育も社会で支えていく、という視座が大切だなと感じる。過度な少子化の日本だからこそ。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/07/16(4513日経過)
記録初日
2012/07/06(4523日経過)
読んだ本
4013冊(1日平均0.89冊)
読んだページ
1202921ページ(1日平均265ページ)
感想・レビュー
3804件(投稿率94.8%)
本棚
76棚
自己紹介

読書のジャンルは純文学からミステリー、社会科学や近現代史、ノンフィクションまで「何でもOK!」。心の赴くままに読んでいます。
参考にするのは、毎週週末に新聞各紙に出る書評欄。複数の新聞で採り上げられている本については目を通すようにしています。出版各社の毎月のPR本(波や1冊の本とか)も参考になります。
芥川賞と直木賞については「時の日本社会を映し出す鏡」だと思っており、歴代受賞作はなるべく読むようにしています。あとチェックしているのは本屋大賞、大宅壮一賞、山本周五郎賞、小林秀雄賞など。
最近は視力が落ち、寝床で読むのが難儀ですが、1日1冊が目標です。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう