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2024年10月の読書メーターまとめ

夜間飛行
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感想・レビュー
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ナイス
3462ナイス

2024年10月に読んだ本
14

2024年10月のお気に入り登録
10

  • tomi
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  • かつみす
  • Kai Kajitani
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  • あむちむ
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  • ホシ
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  • whitecoat1001

2024年10月のお気に入られ登録
6

  • kero385
  • Kai Kajitani
  • あむちむ
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2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

夜間飛行
言語は記号のシステムであるにもかかわらず、人はそれを対象と結びつけることができる。つまり人にとって言語は抽象的でありながら対象と直接繋がっている。これがAIに可能かどうか…を記号接地問題というらしい。人間の子供はいつどのようにして記号接地を果たすのか、それを考えるために二人の著者はオノマトペに着目する。言語学、認知科学、発達心理学を横断しながら、オノマトペの持つ言語的特徴と人の言語習得に果たす役割を考えていく。難しいことはともかく、お二人のオノマトペ愛が伝わってきて、心地よく脳を刺激してもらえる本だった。
夜間飛行
2024/10/16 16:39

私も娘が小さい頃に、「うーた」とか、「いっぽぱった」とか、意味不明の言葉を発していたのを覚えています。本人は覚えてないでしょうけれど、大人の側からすると、これが実に貴重な思い出の言葉になっています。まあ、(ちゃんとした言葉でなく)その時だけの言葉も、あっていいのかな、と思いました。

mitu
2024/10/16 16:42

そうそう、吃音にもなったりして、一人だけでは無いので、かならず治ると信じていましたが。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
14

夜間飛行
婚礼前に痘瘡で醜くなり苦しんだ熙子と、それを励ましながら娶った光秀…この逸話は玉子(ガラシャ)を育んだ両親に愛があったことを印象づけている。幼い頃に信長の膝に抱かれ、お嫁に行かず戦にいくと言った玉子は、十二歳になるともう父光秀が戦に行くのを喜ばなくなる。鋭い質問に言葉を詰まらせる父だが、親友藤孝の兄を切腹させ、義母を見殺しにさせた信長の手先として戦うよりないのだ。父娘の対話はすでに真剣勝負、嫁いだ夫忠興との対話も真剣勝負だった。何と強い女性かと思うが、それゆえにこそ清廉な切支丹である右近への慕情は危うい。
が「ナイス!」と言っています。
夜間飛行
忠興は15才の初陣から大坂の陣まで三十数度の合戦に出た。漫画「へうげもの」にあるように、短気で人を信じやすい性格だった。師との結びつきは深く、利休は忠興を頼りにしながら秀吉の動静を詳細に伝えた。著者はそれを利休切腹の主因と見ている。利休から細川家宛ての書状に茶道具で「戦う」という表現があり、この師弟の茶の湯は単なる趣味的な交流だけではなかったと思われる。忠興の茶は師の教えから外れず個性に乏しいとされるが、織部の没後、将軍秀忠に懇切丁寧に指導し、特に道具の目利きには厳しかった。まさに武家茶の大成者といえる。
夜間飛行
2024/10/27 00:46

将軍が大名の屋敷に来ることを御成といい、それが茶事を中心に行われたことから数寄屋御成と呼ばれた。秀忠はこれを頻繁に行い、大名にとっては(町を整備し、厳重な警備網を手配し、御成門や接待用の改築をするなど)大きな負担ではあったが、家の存続の保証にもなったようだ。大名は茶の湯を学ばざるを得ず、これが茶の湯の発展に繋がった。御成の目的の一つは大名の力を削ぐことであり、忠興は茶の湯の権威者として体制の一翼を担ったともいえる。ただし、忠興自身がこの御成を断ったことを(それが可能だったことも含めて)著者は謎としている。

が「ナイス!」と言っています。
夜間飛行
ネタバレ太閤亡き後、石田派と徳川派の対立が激化。朝鮮の戦で恩賞を貰えなかった七将が酒を飲みながら愚痴を言い合っているうちに、福島と細川が爆発し、他の諸将も巻き込んで三成を襲撃する。ぐでんぐでんになった酔っ払いが殴り込みを掛けるのに、よくぞこんなに軍勢が集まったものだ。細川忠興は陣中で大鼾をかいて寝てしまう。天下の動乱もこうして見ている分には笑える。福島一人が最後まで興奮し続け、加藤と藤堂は冷静になって家康の登場を迎える。天下取りが命がけなら数寄も命がけだ。織部は「ひょうげもの」の自覚を得てますます数寄に邁進する。
が「ナイス!」と言っています。
夜間飛行
うわっ、苦手なタイプの先生だ。特に会社を作る話が押しつけがましい。でも「求められることをしない」「この講座もやりたいからやっている」など頷く所もある。本書の主張は「段取り」に尽きる。段取りを組むには全体量を把握する…それはいいが、路上生活者に一日に使う水の量を聞く所は本人に余り語らせず解説してしまうのが残念だった。テスト勉強を仕事と考える事は、自分を活かして人を助ける大人への道、それを「喜びの種」とする所は納得。各章末に休憩があり〝無理なく〟を体感できるのもいい。だが合わない所も多く、最後は飛ばし読んだ。
兵士O
2024/10/22 17:10

夜間飛行さん、読書の幅が広いっスね。ボクだったら帯を見ただけで見向きもしない本でっせ(*_*;

夜間飛行
2024/10/22 20:05

兵士Oさん、勉強全般に興味あるっスよ。中高大でもっと勉強しときゃ良かったなと。昔の参考書も時々読み返してまっせ。

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夜間飛行
《彼女は雪柳のような素足で/ボケの花のような紅らんだ顔をして歩いていた/白い紙は果てしなくひろがっていた》…若い頃読んで以来、この女性がずっと私の中にいるように感じていた。るすという詩…《留守といえ/ここには誰も居らぬと言え/五億年経ったら帰って来る》。なますという詩…《私が胎児であったとき/母はよく台所で/錆びた包丁を持って 時間を刻んでいた/中略/時間は白い大根であり/黄色いたくわんであった/父はなますの酢の中に/漂泊していた》…著者は禅に挫折を味わったという。が、この本には人間の素直な暖かさがある。
ほんままこと
2024/10/20 18:49

この読書メーターで知った高橋新吉という人はダダイストの詩人で、発狂事件など起こし、後には世界的にも知られたなど、ちらっと調べ、勉強させて頂きました。有難うございました。

夜間飛行
2024/10/20 19:45

ほんままことさん、有り難うございます。私も詳しくありませんが、ずっと前に中原中也のつながりで少し読んだことがあります。ダダから禅に向かった詩人のようです。今回読み直して、禅というものがわからないなりに興味を引かれました。

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夜間飛行
新しい言語学はラングよりもパロールに着目し、言語を支える認知能力、意図の伝達や推論の仕組み、会話の中にある差違や多様性を研究する。認知言語学では、図と地、静と動を表現し分ける心の働きや比喩について分析し、言語習得論は幼児の言葉の習得や認知能力について異文化間の差異や多言語環境での影響を調べる(早期英語教育の問題点の指摘はとても科学的)。語用論は、言語表現の基準からの逸脱や皮肉など〝含み〟を生じる仕組みを論じ、談話分析・社会言語学は、日常談話の構造、方言と言語変化、またそこに込められた話者の意識を探究する。
夜間飛行
2024/10/18 07:08

ラジオ講座の方は全講義が対話形式である。主任講師の滝浦先生と各講師の先生方の対話は、和気藹々とした中にユーモアがあり、とても聴きやすかった。

が「ナイス!」と言っています。
夜間飛行
言語は記号のシステムであるにもかかわらず、人はそれを対象と結びつけることができる。つまり人にとって言語は抽象的でありながら対象と直接繋がっている。これがAIに可能かどうか…を記号接地問題というらしい。人間の子供はいつどのようにして記号接地を果たすのか、それを考えるために二人の著者はオノマトペに着目する。言語学、認知科学、発達心理学を横断しながら、オノマトペの持つ言語的特徴と人の言語習得に果たす役割を考えていく。難しいことはともかく、お二人のオノマトペ愛が伝わってきて、心地よく脳を刺激してもらえる本だった。
夜間飛行
2024/10/16 16:39

私も娘が小さい頃に、「うーた」とか、「いっぽぱった」とか、意味不明の言葉を発していたのを覚えています。本人は覚えてないでしょうけれど、大人の側からすると、これが実に貴重な思い出の言葉になっています。まあ、(ちゃんとした言葉でなく)その時だけの言葉も、あっていいのかな、と思いました。

mitu
2024/10/16 16:42

そうそう、吃音にもなったりして、一人だけでは無いので、かならず治ると信じていましたが。

が「ナイス!」と言っています。
夜間飛行
社会に大きな影響を及ぼす生成AIが特定企業の管理下にあるのは心配だし、AIそのものにも様々な脅威が考えられる。本書は、問題点も含めてAIの可能性を探りつつ、人間の知について語っている。焦点の一つは記号接地問題だ。AIの思考は対象に接地せず、記号空間の中にある。例えばChatGPTが海と言っても、一度も海を見たり、思い浮かべたことはなく、記号として使っているだけだ。一方、人の知は記号空間の外に空想などの〝余剰〟を伴わずにいない。それは軀があるからだ。AIの進歩と並行して、人の知とは何かが問われるべきだろう。
兵士O
2024/10/14 20:11

息子さんのこと、非常に大変かと察します。でも、この本を読まれて夜間飛行さんが何かを得られたことが僕にとっても嬉しかったです。そのご苦労はこちらの想像を遥かに超えているとは思いますが、夜間飛行さんのレビューには何か希望や慰めなどの温かいものを感じます。また、レビュー楽しみにしています('ω')ノ

夜間飛行
2024/10/14 23:12

兵士Oさん、ありがとうございます。苦労といって頂かなくてもよいです。皆さん同じでしょうから。ただ、困るのは周りの人に話しづらいということです。たとえば職場や近所で、ふつうに子育てや家族の話をしている時に、なかなか入れません(相手を困らせるように感じるので)。カウンセリングの先生や、障害者の親同士なら話せますが、その中だけではなくやはり大手を振って話したい気持があります。読メでは、迷惑かなと思いつつ、息子や娘のことを書いてしまっていて、お聞き苦しいのではと案じているのですが、励ましの言葉を頂きうれしいです。

が「ナイス!」と言っています。
夜間飛行
《美沙子さんはぼくと外で/エッチなことをしてから/車にのりこんで/エッチなことをまたしようとするので/すぐに/動かしてしまった》…「動かしてしまった」で、?ってなる。《武藤さんは/かたまり。/おしっこをもらすために/隣の部屋で/テレビをみている/みてるかな。/ふくろにはいって/信じる。/うらやましい。》…「かたまり。」は塊だろう。でも、武藤さんがなぜ塊? 「おしっこ」を「もらすために」ってなに? とにかく〝?〟の連続で繋がっていく。ただそのように繋がっていくと、もう一つ軀があるような気がして、気分がいい。
が「ナイス!」と言っています。
夜間飛行
「つける」行為の本質を問いながら実作を味わう本。百韻では、初折は落ち着いた句、二折で浮き立つ句、三四折でクライマックス…という変化を尊ぶ。句から句への「うつろひ」には季や去嫌(さりきらひ)など種々の規則を必要とした。宗匠は百韻の流れを導きつつ、形式的な瑣末主義に陥らぬよう時に応じて融通無碍の裁量を揮った。本書では「とりなし」という技法や本歌取りとの関わりを紹介する一方、巧く「つかなかった」場合もあげている。中々付かぬ悩みと付けおおせた喜びが沙石集に書かれており、傑作に辿り着くまでの苦心と楽しみがわかった。
が「ナイス!」と言っています。
夜間飛行
犬筑波や狂吟集の歌を紹介している。「どこともいはずちぎりこそすれ」という前句を見て、思わず、どこでも契る?と妄想してしまうけれど、付句は「秘蔵する庭の草花を小姫御前」で、庭の草花を千切る小さいお姫様のこと。「手枕にてや聞きわたるらん/嫁入りのさ夜ふけがたのほととぎす」…妻に手枕した経験のない私もワクワクさせられる。「かめにさす柳の酒やつくりばな」…「柳」は柳屋という造り酒屋で、「つくり花」は糀。現世肯定と平等を説く法華宗が京の町衆に受け入れられ、来世救済を説く真宗が農民に浸透した、など雑談も有意義だった。
が「ナイス!」と言っています。
夜間飛行
珍しい孔雀石と藍銅鉱を採取し、金づちで砕き、乳鉢ですりつぶす…という実際の作業はどんなだろう。その労力の大変さを想いながら、原石から粉状になっていく写真を見て、緑と青の鮮やかさに魅せられた。次頁にはこれら〝岩絵の具〟で描かれた尾形光琳の「燕子花図」が載っている。今見てきた孔雀石がカキツバタの葉になり、藍銅鉱が花に姿を変えたのだ、と思うと、吸い込まれるように見入ってしまう。鮮やかな色彩がただ鮮やかなだけではなく、そこに人の技術と労力が結集されている。これが人の創った美なのだ…ということをもう一度かみしめた。
kasim
2024/10/08 10:57

同じ本を読んでいるのに、夜間飛行さんのご感想の豊かさ! 「これが人の創った美なのだ…」、まさにその通りですね。

夜間飛行
2024/10/08 19:55

私こそkasimさんからいっぱい刺激を頂いております。ありがとうございます!

が「ナイス!」と言っています。
夜間飛行
光悦、宗達、光琳、乾山による(分野を横断した)様式の創造を、一つの芸術運動と見ている。刀剣工房に育った光悦にとって共同制作は当たり前で、中でも宗達らとの書画合作が名品を生んだ。八十になるまで飯炊き一人、小者一人と暮らし、鷹ヶ峰の藝術村にある光悦屋敷は集会所だったらしい。この地の景観は、「ことに面白きは朝まだき空は緑にうち晴れて心に懸るくまもなきに、目の及ぶ限り霧の海となり、しげりたる森は嶋のごとし。木々の梢はふねに似たり。二条の金城、九條の塔、海上にうかみて雲をつらぬく」とある。今の私の住居とは雲泥の差。
もと  (旧リエさん)
2024/10/06 12:39

夜間飛行さん、こんにちは! どんな本なんだろうっとアマゾンでチェックしてみたら中古品で9,000円でした。高くてビックリ。

夜間飛行
2024/10/06 18:11

リエさん、チェックして頂きありがとうございます。そんなに高いのですか。私は職場近くの図書館で借りたのですが、希少本だったのですね。光悦関係の新刊本が少ない、ということもあるかもしれません。

が「ナイス!」と言っています。
夜間飛行
染物屋で育った等伯の色使いは能登の文化を偲ばせる。都でも入手困難の顔料を用い、着物の柄のように画面を構成した。智積院の楓図は伝統の美と技術の結晶ともいえる。修業時代に墨谿の達磨図を模写しているが、墨谿の達磨が顔の筋肉まで動きそうなほど語りかけてくるのに対し、等伯の絵は泰然としてふてぶてしい。これが後の利休像になると、のほほんとして何を考えているのか? 後半生の等伯は京の町衆として工房を営み、茶の湯を介して中国絵画に親しみ水墨画の手法を練った。語らぬことで語る画風は、松林図など風景画にも通じるように思えた。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/10/31(4408日経過)
記録初日
2012/10/01(4438日経過)
読んだ本
1480冊(1日平均0.33冊)
読んだページ
419391ページ(1日平均94ページ)
感想・レビュー
1480件(投稿率100.0%)
本棚
36棚
性別
年齢
61歳
自己紹介

私の読書の旅は気球に乗った気ままな旅。
目的地はこの世界のどこかにあって、今はまだわかりません。
良い本に出会えれば、とりあえず今日はOK。
読書も一期一会だと思っています。
読書家のみなさまの耳寄りなお話、
楽しいお話、変なお話を、ぜひ聞かせて下さい。
★性的描写や暴力描写のきつい小説やエッセイの登録およびその感想も書きますので、苦手な方はお気に入り登録をなさらないよう(すでにしている方は解除とできればブロックを)お願いいたします。
★相性の悪い作家さんが何人かいて、その方の作品に対するレビューには、基本的にナイスをしません。しかし、それでも感想そのものにとても共感できる場合には、たまにナイスを入れることもあります。
★現在、読み友さんのレビューを拝見するのが手一杯なため、更新速度の速い方と、一度に大量投稿される方は此方からお気に入り登録をしていません。ご了承下さいませ。

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