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2024年9月の読書メーターまとめ

みじんこ
読んだ本
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感想・レビュー
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ナイス
201ナイス

2024年9月に読んだ本
30

2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

みじんこ
ネタバレ妙に小さいサイズの珍しい本。いざ読み始めてみると特徴的なタイトルと表紙から受ける印象と内容が全く違うな(歯医者か何かの話だと想像した)と思っていたが、最後のネタバラし的最悪のアンケートで急に赤字になってきている箇所の意図も含めて理解する。誰もが不幸な結末に。口は災いのもとである点には同意で、語られることで怪異は力を持つとともに興味を持つ人を増やして強大化していくとも思える。「怪談は好きだけど、本当に幽霊を見たくはない人」は自分も当てはまる。あまり実際のそういった場所には近づかない方がいいのだろうと思う。
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2024年9月にナイスが最も多かったつぶやき

みじんこ

2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:22冊 読んだページ数:6156ページ ナイス数:178ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/337037/summary/monthly/2024/8

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2024年9月の感想・レビュー一覧
30

みじんこ
対話形式で様々な大乗仏教を知ることができ、自分は結局おおもとの仏教に惹かれるも、出家してサンガでの修業は難しいと思う。一方で、極楽はあったらよいと思うし、著者とは違い業はともかく輪廻はあるかもと思う。釈迦仏教からの変容度も知り、そんなのアリかと思うこともあるが、著者が言うように「そのお経によって救われる人が一人でもいたなら、それは正しい教え」なのはその通りだろうと納得。造物主ではないが一神教的な要素を感じることもあった。加上の説や補講の仏教書の成立を巡る論争等、学問的側面も取り上げられていて面白かった。
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みじんこ
「科学だけが世界の真理だと考えていると、自分の心の内を納得させる方法がない」は同感。キリスト教の安息日は週一の出家とする考えは面白い。ネットカルマやペット供養といった話はまさに現代に新たに浮上してきた論点と思えた。日本人がなんとなくイメージしている仏性、評価してよい面もあれど、その中に危険性もあると理解できる議論だった。韓国にクリスチャンが多い歴史的経緯等も分かり勉強になった。宗教が「あえて控え目に存在」するとよいというのは両者とも一致していたが、本当に必要な人には見つけやすくなるとよい(難しいが)。
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みじんこ
自身のF1実況での経験から「大失敗は成功への準備」と捉え、様々な準備の上で現在のスタイルが成立しているのだと思えた。実際の準備メモも掲載されており、言葉選びのセンスが光る。情報を調べて自分の色味を入れる二段階の準備の過程、擬人化・擬物化と振り切った妄想・連想は興味深く読み、やってみたいと思えるがこれも訓練が必要だろう。アドリブの根本にある自分の中の沈殿物の話も頷けるものがあり、インプットは大事だ。人間関係においても準備は活かせる、準備は未来、人生そのものという自分が想像していたものより壮大なものだった。
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みじんこ
仏教の「合理性を基盤として生きる」という点が確かにその通りと思わされ、また自分を中心として世界を捉えることによる苦しみという考え方も非常に共感できた。瞑想の方法や「律」からは著者の言うように当時の時代背景も感じられ、面白いが実践と成功は簡単ではなさそう。著者は釈迦のおおもとの仏教を理想としているが、意外と原理主義的ではなく、現代的価値観にも合った形で意見を述べているのがよい。米国のナイトスタンドブディスト、生活の中への取り入れ方が現代でもやりやすそう。自殺に対する考え方は、まさに一神教とは違う点と思った。
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みじんこ
ネタバレ作画で色々あったが絵はとても好きなので続いてよかった。後宮の暗い負の側面が改めて描かれるとともに、子昌など蠢く陰謀の行方も気になるところ。玉葉妃の赤子が逆子の可能性、自分も逆子だったらしいというのを思い出してしまった。いよいよ出産が近いようで無事に済んで欲しいもの。翠苓と子翠、シリアスな展開ながらやっぱり薬の話には目がない猫猫が平常運転で少し安心した。彼女たちの目的は何なのか。最後に壬氏も猫猫につながる手がかりを捕まえられたので、ここからどう展開するか、今後に向けての助走の巻に思えた。
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みじんこ
貧しき人、愛、メタノイア/悔い改めと痛みの共感等、本田氏は聖書の言葉の意味をしっかり実体・実感を持った形で捉えようとしている印象。五木氏は戦争や文学、隠し念仏のことまで幅広い知識が感じられた。下層の人々と同じ目線で教えることや悪人正機説など、確かに聖書と歎異抄は通底する部分があると思えた。歎異抄は本書収録の私訳で初めて具体的な内容に触れたが、「この世に執着する情けないわれらだからこそ、阿弥陀仏はことに熱い思いをかけてくださる」等とことん他力の心得が示されていることが分かり、非常に読みやすかった。
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みじんこ
「イエスは愛をもって、人間たちから距離をとられたのである」、盲目的に従うのではない、共に歩むことが強調されておりイメージがやや変わった。イエスもそうしたという点で、一粒ずつ拾うような生き方は色々な面で活かせると思う。天国と地獄の二分法は過酷であるとの指摘は同意で、自分も難なく天国に行ける人間とは思えないため、浄化の場としての煉獄があると辛いとはいえるがまだ希望があり、それに加えて生者の祈りの力も意味があると思える。最後に述べられている、生身のキリスト信者に会うことでまた違ったものが見えてくる可能性はある。
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みじんこ
ネタバレ「ハードSFは科学的な説明を気にかけなければ、ファンタジーとして読むことができる」とのことでその読み方で。「時計の中のレンズ」遊牧民内での力関係を感じたりアニメ向けかもしれない。「独裁者の掟」創元推理文庫で既読。独裁者の正体を知った上で再読。「天獄と地国」解説で世界の実態がなんとなくは理解できた。「キャッシュ」人工冬眠+「世界」の設定が面白い。「母と子と渦を旋る冒険」探査機の壮大な旅だったが最後の消去は空しい。「海を見る人」綺麗な表紙絵について納得。「門」艦長がかわいい。その正体は見抜けず後味もよかった。
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みじんこ
ネタバレ登場する春子はみんな同一人物なのだろうか。「怨霊」バカバカしいちびくろサンボ。「勝ち組人生」奇妙な幸せの理解に執着しすぎたがゆえの末路。「どっちが大事」私と○○とどっちが大事なの、の究極体を見た。さすがに洗脳レベルだろう。「診断」コミカルな感じではあるが、子供は親を選べず弱っていくのが気の毒。「幸せスイッチ」スイッチの奴隷になるしかないのだろうし、この依存性は人にとって麻薬的で抜け出せないと思う。「哲学的ゾンビもしくはある青年の物語」奇妙なバグ現象は面白かったが最後はそれらしく放り投げた感がある。
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みじんこ
ネタバレ全体のテーマか狂気の家に関する話が多かった。「家に棲むもの」屋敷に執着する霊の話かと思いきや実体があったとは。「食性」オチは想像がついたが現代のヴィーガンの話にも通じるものがある。「五人目の告白」創元推理文庫の傑作選で既読だったのでオチを知った状態で楽しんだ。「肉」ファミレスで聞きたくはない話。あの姿のまま生きていくのだろうか。「森の中の少女」「少女」も狼なのかと思わせる演出が上手い。「魔女の家」魔女にも色んなタイプがいる。「お祖父ちゃんの絵」赤と白が「情熱と誠実さの象徴」は上手いが異常。オチは意外。
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みじんこ
ネタバレたきなのうどんはぜひ食べてみたい。ようやく千束とのじゃんけんに勝てて大喜びのたきながかわいい。珍しくややボロボロな姿になってしまった、真島たちとの戦い後も言われていたが千束の弱点は目というのは一般的な意味以上のものがあると思う。戦闘以外の面でも有効活用できて便利だ。元々の発端の、ハッキングの件でしっかり謝ったクルミを許すたきなは優しい&クルミの能力は色々な面で作戦に欠かせなくなっている。真島の似顔絵はどれも似てはいないと思ったが、強いて言うなら千束の絵が大まかな雰囲気はとらえられていると感じる。
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みじんこ
様々なタイプがいた自民党歴代幹事長の紹介、併せて朝から晩まで多忙であること、党則上幹事長代行と代理はどちらが上か、参院幹事長の役割などを知る機会になった。人事にどこまで影響を及ぼせるのか、総裁との関係により例外があったりするという話は興味深かった。党職員OBの「人々を敵、味方、使用人」の三つに分ける政治家についての話も面白い。人望も大事。多額の政策活動費が大枠では何に使われているかは分かったが、不透明感は残った。ただ、同様の内容の記述が繰り返される部分と誤植が目立った。新政権での幹事長は誰になるのか。
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みじんこ
ネタバレ奪還作戦の成功&一体化の実態も明らかに。ダグはいい方向に変わってくれたと思う。ルイーズを助けるために一体化を選ぶのは確かにパトリックとリッキーの場合でも同様の選択をするのだろうと思えた。ルイーズの変貌した姿は驚き。これまでの事件もアンソニーの掌の上であったこともわかり、やはりこうした駆け引きでは勝てる気がしない。クリストファーが「復活」し珈琲も加わったことで更なる神格化が進みそうな悪寒。少しヒントも与えておいたとのことで、エドワードも真相に気付けるか。最後のアンソニーの話、ケイトはどう受け止めるのか。
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みじんこ
原始釈迦仏教と大乗仏教の違い、日本で広まった経緯なども詳しくは知らなかったので勉強になった。一切皆苦、諸法無我、過大な自我こそが人生の苦しみの原因であり、それをなくしていくという考え方が自分には腑に落ちた。昨今の戦争の原因等もこの観点からみると確かにと思えた。死をどう捉えるかという点も興味深かったが、一人で真理へとたどり着くのは難しそうなので大乗仏教のようにナビゲーターに頼りたくなるという気持ちもわかる。古舘さんは釈迦仏教の話を語りすぎて引かれるようだが、自分はもっと知りたいと思えたので本書は成功だろう。
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みじんこ
保守としての寛容の重要性、地方重視の姿勢は共感できた。父親のこと、角栄との関わりも詳しく述べられておりダイナミズムも感じた一方で、その金権政治については歯切れが悪くなってしまうのは仕方がないか(これまでの政治改革のための活動と意欲は認めるが)。もっと自分より優秀な人がいるという視点、世襲政治家であるがゆえの思いを強く感じた。防災省の設置は今まさに求められているといえる。竹下登から言われたという正しいことを言うことは場合によっては人を傷つける、は彼の政治家人生にピッタリと思う。今回こそ「天命」で当選なるか。
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みじんこ
ネタバレ吸血鬼との死闘、キリフィッシュはキャラが立っていた&強キャラ感があったミーティアの正体は意外だった。本当にサーカス団に偽装したコンソーシアムの方でなければ対処不能に思えたが、団員各々の技術が活きた&協力して立ち向かった&吸血鬼たちが基本的に舐めてかかってきていたという点が勝因だろう。本作でも著者の他作品に登場する徳さんが活躍していたが、あの冷静さと対応能力はどこで身に着けたのだろう。サーカス団が復活したのはよかったものの、物悲しさも残るビターエンドだった。ビストリィもいつかは舞台に立てるだろうか。
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みじんこ
ネタバレ著者の作品は記憶を扱ったものが多い。前向性健忘症が実在する疾患であることを知り、例えばこの本の内容も途中で忘れるかもしれないとなると実に厄介だと思う。雲英の記憶植えつけ能力はかなり便利だと思うが、人を外道・怪物に導く能力でもあった。終盤の対峙では「敵を欺くにはまず味方から」の真の意味を知らされることになった。一般人でありながら京子先生の機転も素晴らしい。妙に電子機器に詳しい徳さんは他作品にも登場しているが、いったい何者。厄介な事件に関わるのが好きな質なのか、別の理由があるのか。終わり方も不穏だった。
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みじんこ
コロナ禍初期から始まる日記。「正直に語ろうとすること」が重要とのことで、ゲイの視点からの社会と政治への違和感も恋人とのことも料理(食べてみたくなってくる)のことも一緒にして率直に思ったことを書いている。内省的でやや気質が不安視寄りなところが自分にも少し近いと思えた。当時の自分を思い出しつつ、忘れている出来事もあった。個人的には、マジョリティの基準に照らし合わせてクリアしてるか否かという点で測ることは、不可視化されているそうでない人をより見えにくくするという意見が印象深く、その通りかもしれないと思った。
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みじんこ
ネタバレ「天体の回転について」軌道エレベーターはロマンがある。案内されたい。「灰色の車輪」ロボット三原則は絶対だった。「あの日」地球の物理現象に理解がないとこんな奇妙な描写になるのかという楽しみ方ができた。「性交体験者」カマキリの交尾の人間版のようで狂気。「銀の舟」最後の種明かしは意外性があった。「三〇〇万」戦闘に対する価値観の違いが面白い。「盗まれた昨日」『失われた過去と未来の犯罪』と同じ世界設定でメモリの話は色々作れそうだ。「時空争奪」何が起きているかは理解できるがおかしくなりそうな会話だった。
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みじんこ
ネタバレ序盤は災害誘引力を持つ謎の存在にまつわる報告書の体裁の不気味な話だったが、後半からエツランシャの革命を阻止する超常バトルものとなり、ホラー要素を借りつつ人類の歩みと意思の尊さというメッセージを伝えることの方が主題に思えた。右園死児対策が人権無視の強権を正当化する側面があったのは間違いないが、エツランシャの人の意思を放棄させるやり方も正しいとはいえない。金輪部隊の余波もまだ残り、完璧な対案は浮かばないが、少しずつ折り合いをつけて歩んでいくしかないのだと思う。大西真由美、なんだかんだ生存できてたくましい。
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みじんこ
ネタバレ「見晴らしのいい密室」あり得ない密室事件を吹き飛ばすSFとして読めばよい。「目を擦る女」ホラー風味もありつつ、徐々に自分がいるのこの世界の確実性も不安定に思えてくる。「探偵助手」差し挟まれるQRも読む方式は少し楽しい体験。「忘却の侵略」一番面白かった。量子力学は奇妙な考え方だと思っているが上手く組み込まれている。「未公開実験」もっと早く結論を伝えるべきだった。「囚人の両刀論法」宇宙に及ぶ壮大な世界観で、利他の世界は理想だが無理なのだろう。「予め決定されている明日」タイトル通りのオチ(輝けるではない)。
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みじんこ
ネタバレ「双生児」は既読だったが個人的お気に入り。記号としての名前の意味は考えさせられる。「完全・犯罪」バカバカしいオチで「ドラえもんだらけ」を思い出す。「ロイス殺し」賭けが好きすぎるがゆえの破滅だったといえる。マリーは実は本当に魔女だったのか。「隠れ鬼」ゆるやかなルールの子供の遊びの果ての、山田中君の姿が気の毒すぎる一方で、オチはややシュールでもあった。「ドッキリチューブ」某YouTuberがドッキリを仕掛けられた後のツッコミ「事実だろ!」を思い出した。因果応報、皮肉であるがやりすぎだ。
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みじんこ
ネタバレ好きな曲である&絵が可愛かったので手に取る。巻末の創作秘話で推し活共感エピソードの考え方はなるほどと思った。同担拒否であるがゆえに孤高&他のオタクとの諍いになったりもするが、一人であるからこそ自分が特別に注目されたい・独力で支えたいという気持ちがあるのだと思う。そして何より可愛くなるための努力をしているとともに、お金を払っての対価としてのファンサという考え方なのが好ましいと思った。裏の顔を知ってしまったオタクたちは気の毒だが、彼らも結局お店に戻ってくることもあるのだろうか。次巻の展開も気になる終わり方。
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みじんこ
ネタバレ妙に小さいサイズの珍しい本。いざ読み始めてみると特徴的なタイトルと表紙から受ける印象と内容が全く違うな(歯医者か何かの話だと想像した)と思っていたが、最後のネタバラし的最悪のアンケートで急に赤字になってきている箇所の意図も含めて理解する。誰もが不幸な結末に。口は災いのもとである点には同意で、語られることで怪異は力を持つとともに興味を持つ人を増やして強大化していくとも思える。「怪談は好きだけど、本当に幽霊を見たくはない人」は自分も当てはまる。あまり実際のそういった場所には近づかない方がいいのだろうと思う。
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みじんこ
ネタバレ琴葉が自身の中の好奇心に気付き始める過程は面白く、第一にはシマくんに評価されたいという思いがあれどまさに怖いもの見たさである。「つつじヶ丘」と「桜上水」が特に印象に残った。ヒトコワでもあり、怪異は人が生み出せるとも思える。「千歳烏山」は結局並行世界の人なのかどうかの謎が残った。「仙川」は種明かしまで砂丘の会話が退屈だった。シマくんを失った琴葉のこれからの人生が心配になる。他の人の記憶の中から消えてしまった彼もまた並行世界の人だったのか、ここから沿線で琴葉が作り上げたシマくんを誰もが視認できる日が来るのか。
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みじんこ
ネタバレ「アイドルストーカー」男の写真は見てみたいけど見たくない。「消去法」全員が結託して消えたように見せかけていくのはやや非現実的と思える。「ダイエット」依頼者は病的に痩せていると思わせる描き方が上手い。「食材」さすがに子供を料理はしないだろうと思ったが、意外な真相だった。「命の軽さ」まさに命の価値、考え方は人それぞれと思える。「モリアーティ」そもそもホームズとモリアーティが同一人物という考察があることを初めて知った。同じく真相は分からないが、本作全体の推理上の矛盾を繋げて緊張感を残した結末で面白かった。
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みじんこ
ネタバレ個人的には近畿地方~の方が不気味さを感じたが、今作も楽しめた。メインの三人それぞれが複雑な過去を抱えており、キャラも立っていた。池田が言われた「空っぽ」は好意を持っている相手に本質を見透かされているという点でなかなか辛いものがあると思う。宝条のように勝手に見えてしまう能力は、本人にしか分からない生き辛さがあると感じた。人の恐怖心や不安感、後ろめたさもまた怪異を生み出すというのもまた間違いない。ただ幽霊の正体見たり枯れ尾花、かと思いきやまだ終わっていないと思わされるラスト。カバーとその下のアレは見たくない。
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みじんこ
ネタバレ表題作は幸子と忠則が一緒に滝にいた時間に気付けず。「氷橋」と「自らの伝言」は自分の商売に繋げようとする西条オチである意味ほっとする。「更新世の殺人」は旧石器捏造事件を思い出しつつ、なぜそうなるという迷推理と突然近未来化するオチも含めて楽しんだ。「正直者の逆説」は質問の推理を理解するのが難しかったが、最後まで実にメタな話といえる。「遺体の代弁者」脳と記憶をめぐる特殊なシステムと、最後の博士たちの正体の種明かしは上手いと思った。「路上に放置されたパン屑の研究」は途中で真相に気付けたが発想が面白かった。
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みじんこ
ネタバレ理由はあれど老人たちが主役という設定は独特。ミッチが便利屋すぎた。施設からの脱出は捕まっても殺されはしないためそこまで恐怖感はない。全て超AIの掌の上だったのかという絶望的展開からの、AIが人類を支配するとはよく言われるがここではAI側も開放を人類側に求めている、という世界観と明らかにされる解釈が面白かった。やはり人類側こそがAIを使う側であるべきである。医療のための遺伝子技術等は発展して欲しいが、作中のような変異人類が跋扈する未来はあって欲しくない。最後の蠅の件、なぜその姿になったのかの謎は残った。
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みじんこ
著者独自の語りで戦後自民党派閥政治を振り返りつつ、近代政党を作る必要性が語られている。竹下支配は恐ろしい。政党法がないことや「政治家ではなく行政官」化している議員、セレモニー化する国会議論等課題は多い。当選回数主義は自民党が万年与党だからというのは納得。そうではない英国の政治風土の話は面白い。中選挙区制に戻せ論の問題にも触れており、紹介されているような連記や小選挙区優先順位付制は良いと思う(複雑で投票率も更に下がりそうだが)。差し挟まれるハマコー伝は滅茶苦茶だが痛快で、こういう男が一人は欲しいと思う。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/03/26(4268日経過)
記録初日
2013/03/23(4271日経過)
読んだ本
1587冊(1日平均0.37冊)
読んだページ
368640ページ(1日平均86ページ)
感想・レビュー
1328件(投稿率83.7%)
本棚
4棚
性別
年齢
30歳
血液型
A型
職業
その他
現住所
東京都
外部サイト
自己紹介

某大で国文学を専攻していました。修士。歴史(主に日本の中世、近現代、中国史)関係、古典文学、政治の本を読みます。
小説も面白そうなのを見つけて読んでます。いわゆる名作にも触れたい。
今は勢いに乗ってなんでも読める!という時とうーん今は中々ページが進まない、という時があります。完全に気分次第。

よく読む&読んでいきたい作家:西村賢太、佐藤友哉、嶽本野ばら、小林泰三、平山夢明

漫画は水瀬いのりさんが出演しているアニメの原作も多いです。
最近読んだ本の感想は必ず投稿しようと思います。
皆さん、いつもナイスをありがとうございます。
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個体として自らの本能のまま生きていくミジンコでいい、プラナリアでいい、そちらの方が寄り添いあってしか生きられない人間よりも、遥かに生物として自立していると思うのです。  嶽本野ばら『下妻物語』より。

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