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2024年3月の読書メーターまとめ

西野西狸
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2024年3月に読んだ本
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2024年3月のお気に入られ登録
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  • naniwoyomu

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

西野西狸
ネタバレ不倫や死によって女性を失った男たちの傷つきと回復を描いている。戦後の文学だとこうしたシチュエーションは家と結びつけられがちだが、「ドライブ・マイ・カー」に代表されるように家という空間から離れているように感じる。いつもの村上文学のように男性目線の語りで音楽や文学などがちりばめられている。「木野」や「シェラザード」などはかなり寓話的である一方で「女のいない男たち」などはかなりそぎ落とされて静かな孤独が描かれているようだ。
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

西野西狸

現代思想2023年9月号 特集=生活史/エスノグラフィー ―多様な〈生〉を記録することの思想― >> 実話怪談の話は面白かった。余談の余談だが佐藤健二の警察取り調べ体験談も載っている。

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2024年3月の感想・レビュー一覧
19

西野西狸
ネタバレ木下順二の面白懐かしい民話を舞台にした戯曲の数々。「三年寝太郎」などはおなじみであるが、日本以外のものが原作のものもあるようだ。あとがきが面白く、木下の言語へのこだわりなどがうかがえるほか、「生活」というものといかに結びつけようとしていたのか考えることが出来る。
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西野西狸
ネタバレ江戸時代の随筆から柳田~折口まで民俗学史においてよく語られる初期の人物の営為を再検討している。特に紀行文を評価しており、それぞれの紀行文を書いた人物がどのような関心のもとどのように書いているのかをつぶさに論じており勉強となる。更に柳田史観ではなく山中共古や南方熊楠など初期の民俗学者のネットワークを明らかにすることで単線ではない複数の民俗学のありようが柳田へとつながっていたことがわかる。
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西野西狸
ネタバレこのシリーズで戦争物はどうしても平和とか道徳的な話に持って行きがちだが「悲しみのガマ」や「防空ごう」は比較的怖い。「火の玉先生」も導入はコミカルな気もするが現象が説明なく描かれている点でいいなと思う。古墳、地蔵、侍、戦争と全体的に歴史的な怪談がのっているようなきがする。
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西野西狸
ネタバレ本巻も怖い作品が多い。「学校にひびく怪音」「廃校で見たもの」「オニガヨイ」「かわっていく絵」「海のそこで見たもの」「聖地の貝」などなど秀作が多い。「海のそこ」「廃校」なども怖いと思うが、こうしてみるとヴィジュアルより音の怪異の方が怖いなと思う。「怪音」や「絵」の落ちる音などがその例である。あと、「怪音」は夢が出て来る点も不気味だなと思う。
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西野西狸
ネタバレ「百物語」のような昔からある物からタブレットのような現代的なものまで幅広い。この本は比較的怖いなあと思う話がおおいように感じる。表題作なども子供の頃に読んだら怖かっただろう。「かんおけマンション」は自覚したら霊が現れるというのが、同じ筆者の前作(普通の5分間の恐怖)に似たような話があったなあと思う。
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西野西狸
ネタバレ祭礼や神社など無自覚に撮影していたが、いかに対象を撮影するのか、それらがいかに表象されるのかということにはあまり自覚的ではなかったかもしれない。更に写真を資料としてどのような方法で扱っていくのかということも方法論としては論じられることは少なかったように思える。歴史社会学など隣接学問を援用しながら民俗学として写真にどのように向き合っていくべきか、PCにもネットにも博物館にも無数の写真がある現在は必要であるとあらためて思う。
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西野西狸
ネタバレ民俗的解釈が出て来ると白けてしまいそうになるが自分の子供の時は意外と怖かったかもしれない、というのに「近づいてくる」があるけれど、やっぱり霊的存在の方が怖いかなあ。「かみがのびる像」なんかも学校の怪談としてかなり怖いものがあるし、一番完成度が高いのは「使用禁止の階段」で定番中の定番だなあと思う。この階段の話は実話怪談としても良い感じがある。
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西野西狸
ネタバレ「おばけの発表会」のような怪談が怪談を呼ぶ話は王道で面白い。一番、「学校の怪談」らしいなと思ったのが「倉庫のかげ女」であり、昔の学校の怪談の要素を引き継いでいるように感じた。それ以外はキツネに化かされた話や"こけし"のようなよくある話、などなど。表題作の校内放送もあり得そうな感じがしていいかなと思った。
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西野西狸
ネタバレ原論文を読んでいないので差がわからないが柳田関連の「最後の書」としているためか、他の本よりもズバリと筆者視点での現状の民俗学への思いが(特に「困った2つの動向」で)綴られている。本題では柳田が先行する研究にどのように影響を受けていたのかということを資料を組み合わせながら解き明かし、そこから現代にも通じる課題を発見し提供していくことで柳田の成果と限界を浮かび上がらせる。「日本民俗学のために」ということで、取り上げられていないがより広い思想の中で柳田の実践を描くことも課題にはなるだろう。
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西野西狸
ネタバレ民俗学者が出て来る話あり。「空からやりがふってくる」は突拍子もない話だが、意外と怖いというか原因不明の現象の話なので個人的に好きである。「体育館の役わり」も変にはっきりと幽霊を描かないところがいいかなあと思う。それ以外はほっこりの話もあるが、宿泊学習での話は同じ著者の前のシリーズで少し似た話(火葬場の中に人が沢山いる)があったなあと思った。
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西野西狸
ネタバレ表題作はまあ面白い。自分が子供の頃の怪談集は書き手が戦争経験者というところもあるのだろうが、妙に詳しく歴史に忠実だったので、本書の疎開に関する描写はうん(?)となるのと今の子供の年代だと戦争経験者は祖父ではなく曽祖父くらいだろうか。ヒダルガミも偕成社の怪談集の話の方が低血糖だったとしてもリアルかなあと思った。「夜づりで釣れたもの」は稲川淳二の翻案だろうか?この中ではまあまあ怖い話。
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西野西狸
ネタバレ子供の頃に読んでいた学校の怪談シリーズや色々な怪談本を思い出す作り、懐かしさも感じる。以前のシリーズは実話怪談だったが幾分マイルドになっているため読み物という感じで、怖さより悲しい怪談とかが多い気がする。表題作が怪談の作りとしてやっぱりいいなと思う。「用具室の少年」も導入はともかく怖さを感じる話である。
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西野西狸
ネタバレ明治の政治小説から平林たい子、三枝和子まで広い時代の作家を論じていく。宮崎夢柳の政治小説で女性が大きく描かれながらも死によって排除されていく点から公からの女性の排除が描かれつつあったこと、そうした境界が引かれることに文学はいかに抗っていこうとしたかがわかる。それは家庭問題や労働問題だけでなく、時に三枝のような女性原理やフェミニズムの立場をめぐっても存在することがわかる。連帯が時にナショナルなものに回収される危険を鋭く指摘し、別様の文学史を掘り起こしている。
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西野西狸
ネタバレ不倫や死によって女性を失った男たちの傷つきと回復を描いている。戦後の文学だとこうしたシチュエーションは家と結びつけられがちだが、「ドライブ・マイ・カー」に代表されるように家という空間から離れているように感じる。いつもの村上文学のように男性目線の語りで音楽や文学などがちりばめられている。「木野」や「シェラザード」などはかなり寓話的である一方で「女のいない男たち」などはかなりそぎ落とされて静かな孤独が描かれているようだ。
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西野西狸
ネタバレ運動家としての宮本常一に迫り、彼が佐渡を中心にどのような運動をしてきたのかが分かる。中央と地方をつなぐ宮本の運動が現在では公に回収されてしまっている点は指摘されている通り否めないが、地方において博物館などの文化的な観光要素をどのように生かそうとしてきたのか、その実践の初期の様相を知ることができたが、一方で公金に頼りがちになってしまうことなど難しさがある。英雄視されがちな宮本から少し距離を置いてみることで、宮本の地域への貢献や先駆性についてより解像度があがってみることができた。
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西野西狸
ネタバレ博物館学の教科書で使ったらいいんじゃないかなあと思う。法的に保護された「文化財」だけでなくより広い範囲で文化財をとらえそれをどのように継承していくか、技術的な面、法的な面から論じている。専門的に有形文化財に比重が大きいが、それでも修復の裏側や意義などを一般に説明するには一番いいかもしれない。美術は全くわからないが、色々な修復事例やレプリカ作成の事例ものっており勉強となる。
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西野西狸
ネタバレ犬は中華料理屋で食べたことがある(値段に見合う美味しさがあったかというと微妙だった)が、世界にはこれだけ犬食文化があったのかと。それは土に関しても同じで、アイヌの土食文化は知らなかった。また人に関しても先入観を排して多様な事例から果敢に分類をおこなっている。食や食への忌避の背景となる科学的だけではなく宗教的地域的呪術的背景に迫っていく。著者の早世が惜しまれ、今だと虫食がトレンドなのでそれを加えた増補版も読みたかった。
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西野西狸
ネタバレ好みの話が多かったかな、「井戸の話」とかは微妙だけど。でも児童書なので、こういう話は子供好きだろうなあと思う。「本当にあったおばけの話」シリーズに廃炭鉱の話があったが「石炭拾い」はそれを思い出した。「戦火の記憶」とかも怖さと戦争の歴史が入り混じったよくある話である。「電話ボックス」とかやはり怖いなあと思うし、「霊を呼ぶ本」なんかは今や古典の「新耳袋」にあった話だなあと思う。
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西野西狸
ネタバレ懐かしいシカゴを描く掌編小説で、遠い異国の地でありながら自分の少年時代を思い出す。良い意味かは分からないがスタンド・バイ・ミーみたいで日本人好みだろうなと思う、特に「荒廃地域」は。「ペット・ミルク」も素晴らしく、こういう生活を送りたいなと思う。とにかく日常風景の切り取り方がうまく、確かにこういう一瞬があった、こういう人がいたとなる。「冬のショパン」も昔音大近くに住んでいた時に夜に聞こえてきたジャズピアノや、高校時代に聞いた放課後の吹奏楽のBGMを思い出す。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/04/07(4031日経過)
記録初日
2013/04/07(4031日経過)
読んだ本
1780冊(1日平均0.44冊)
読んだページ
542579ページ(1日平均134ページ)
感想・レビュー
1720件(投稿率96.6%)
本棚
42棚
性別
年齢
28歳
血液型
A型
職業
専門職
現住所
神奈川県
自己紹介

怠惰。民俗学、日本文学をよく読みます。最近はライトノベルの比率が高まっております。

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