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2024年10月の読書メーターまとめ

西野西狸
読んだ本
17
読んだページ
5458ページ
感想・レビュー
17
ナイス
303ナイス

2024年10月に読んだ本
17

2024年10月のお気に入られ登録
1

  • Eric

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

西野西狸
ネタバレ若林は自分と世界を俯瞰で見る人なのだろうが日常を文字化して記述する能力がとても高い。健常者の振舞との違和感をツッコミしながら、それでも擬態し合わせていくまでの家庭が面白おかしく描かれている。手酌の疑問に対して男女雇用機会均等法まで行くのは普通に面白いし、自らの逆張りとプライドの高さにここまで向き合って折り合いをつけることができるのはすごいと思う。芸能界は特殊な世界といわれるとはいえ、一般社会と連続性がある世界なのだろうかと思う。
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2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

西野西狸

2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:19冊 読んだページ数:5379ページ ナイス数:349ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/341744/summary/monthly/2024/9

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2024年10月の感想・レビュー一覧
17

西野西狸
ネタバレこれに話を寄せている吉田ゆうきはもしや吉田悠軌かな。短く単純な話が面白い。幽霊は怖いけれど「一番最初から」や「十二仏」や「電話」のようなのが最も印象的で不気味である。ゆるやかな配列があり真ん中にエロ系の話がまとまっている。この本の怪異はかなりはっきりと姿を現し物理的な物を残すものが多い気がする(「吐く」とか「青紫の」は最もそれが顕著)。
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西野西狸
ネタバレすぐ隣なのに全く韓国のことを知らない。フェミニズムから始まってセウォル号、通貨危機、光州事件、朝鮮戦争と過去へ辿るように韓国文学と韓国の歴史の関係が紹介される。「タクシー運転手」や「パラサイト」は見たことはあるが本当に歴史を知らなかった。朝鮮戦争は日本史だと特需としてしか扱われず実態がどのようであったかということ、その経験を経てどのような文学が紡がれたのか、読んでみたくなる作品がとても多い。
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西野西狸
ネタバレ純粋芸術と大衆芸術の間、限界芸術という概念に柳田など民俗学の営為と絡ませており、主流から離れた「芸術」をとらえるうえで有効な考えである。限界芸術論というが、大衆芸術論も論じられている。様々な媒体に載せた文章の集合体であり、それらが民話や綴り方、サークル詩など戦後の運動の中で生まれた哲学であると考えることができるだろう。
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西野西狸
ネタバレ日本を中心にさまざまある異類婚姻譚を神話から昔話、アニメまで紹介しとても分かりやすい概説書。日本以外と比較することで、日本の異類婚姻譚の特徴がわかってくる。また、アニミズムの視点を取り入れることで日本と他の地域の違いを知り、そして排他性を見つめ直していくことを教えてくれる。
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西野西狸
ネタバレ「細雪」が「Makioka Sisters」なのは昔から不思議だったがそうした戦後の翻訳の内幕を知ることが出来た。谷崎・川端・三島の英訳が全て同じ出版社から刊行されており資料も残っているということに驚きだが、編集者や仲介者、そして翻訳者の苦悩がメモや手紙から浮かび上がる。時制は確かに難しいが欧米のnovelとの違いが改変をもたらしたなど興味深いし、装丁に関しても考察されている。ただ翻訳者と出版社が中心で日米外交やペンクラブなどより大きく見た時にこれらの営為がどのような位置にあるのだろうかと気になった。
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西野西狸
ネタバレ若林は自分と世界を俯瞰で見る人なのだろうが日常を文字化して記述する能力がとても高い。健常者の振舞との違和感をツッコミしながら、それでも擬態し合わせていくまでの家庭が面白おかしく描かれている。手酌の疑問に対して男女雇用機会均等法まで行くのは普通に面白いし、自らの逆張りとプライドの高さにここまで向き合って折り合いをつけることができるのはすごいと思う。芸能界は特殊な世界といわれるとはいえ、一般社会と連続性がある世界なのだろうかと思う。
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西野西狸
ネタバレ島崎藤村『夜明け前』の元ネタになった大黒屋日記を全文活字化して検索することでその全容を把握する労力のかかった研究だがそれは別著で、本書では葦沢家日記や富沢家日記なども扱い、そこから読み取れる近世世界を明らかにしている。各日記より個別に深めていくことができそうで、本書は後の研究者のための端緒といったところだろうか。個から民衆を描き出そうという試みで、激動の時代に各地の個人がどのように生き、どのように世界を把握しようとしていたのかを垣間見ることができる。
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西野西狸
ネタバレ明治ゼロ年代の好古家・小室元長を中心にその活動を明らかにしている。この時代において随筆がどのように書かれたのか、新聞をどのように読んでいたのか、旅行先での交流など興味深い有様がわかる。特に随筆の先行書籍や新聞からの抜き書きは南方熊楠などもおこなっており、事例を集めることで幕末~近代の思想をより深く知ることができ、連続性を見出ていくことができるだろうし、アカデミズム前史の動きとしても読むことができる。
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西野西狸
ネタバレ前作に引き続き短編集である。本作は時間が錯綜するので、なるほど将来はこうなっているんだなと思いながら読むこともできる。青春のハラハラの分、大人になっている2人に安心する。
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西野西狸
ネタバレ安達としまむらが付き合いはじめてから山もなく谷もなく、その記述が本作の持ち味なのかもしれないが、今回はスピンオフ的な永藤とか他のキャラに焦点を当てた物語。クリスマスも2年目になるとあっさりしているけれど良かった。
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西野西狸
ネタバレいじめの解像度の高い青春小説であるが、重松の傾向なのか家族に焦点が当たっている。ただ加害者のリスク(自殺した場合)への危機感がなさすぎじゃないのかな。恐ろしいのは被害者、特に男性に対しては男らしさの欠如など「原因」が存在することとして描かれており、そこは綺麗事で済まさない描写だなと思う。けれどもやはり「キャッチボール――」など好美の加害性を棚に上げて家族問題にずらしている点など「原因」自体に対する解決がなくなっていないなとも思う。
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西野西狸
ネタバレ百人一首はあたりまえのように藤原定家が作ったものだと思っていたので違うこと、小倉山荘にも実際に100首の色紙が飾られていなかったことは知らなかった。百人一首のみが特別視されているが、それ以外にも歌を集めることは(和歌集も含め)あったことを指摘し、定家の日記やその他の傍証からこれまでに数多出てきた「謎解き」を否定していく。確かに百人一首はすごいが、同時代に置き直すことでより鎌倉文学について勉強となる。
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西野西狸
ネタバレ古文書修復の方法が写真つきでわかりやすい。しかし、個人でするにはお金がかかるので組織向けである。もちろん、本書のもとになっている講座も学芸員とかの研修なので当然なのだけれど。それでも古文書修復の裏側がわかり面白い。
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西野西狸
ネタバレ実話怪談は奇を衒わず淡々としたオーソドックスなものが好きなのでほぼ日に集められた体験談をまとめた本作はとても好みである。怖さ1だが地味に怖いのが「疣がとれると」だなあ。古いワゴン車や吊り橋のパトカー、病院のエレベーター、踏切の向かいの部屋などの話は怖い。
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西野西狸
ネタバレ直訳、固有名詞にするとハーンの「怪談」がどこか異国の話のように思える。今まで読んでいた日本語訳はなめらかだが、言葉の言いかえであったり日本文化の翻訳がどのようになされていたのかがよくわかる。障子がスクリーン、鬼がゴブリンとなるだけでかなり印象が変わってきて、全く日本文化を知らない外国人は想像がつかなかっただろう。オシドリを北京ダックと訳しているのはちょっと面白い。逆に海外の本を読む時も注釈があったとしても想像ができているようで全く違うことが描かれていることに気づかないかもしれないと思った。
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西野西狸
ネタバレ民俗学の本を読んでいるとどうしてもフォークホラーは胡散臭くなってしまうのだが、物語としてはこのシリーズで一番面白いと思う。呪われた一族からバラバラに依頼を受けてそれらが繋がっていく様は面白い(けれど怖くはないかな)。真也が霊能力とは関係なく普通にヤバい。
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西野西狸
ネタバレ羊膜に包まれて生まれた人は年に4回夜に魂が抜け出て魔女と戦い豊穣を勝ち取る。中世のイタリアに存在した信仰・儀礼(日本の節分や小正月に似ている)を異端審問官の尋問記録から明らかにして、それらが魔女や悪魔崇拝とみなされていく過程が描き出されていてとても面白い。こういう記録があるのは欧州ならではで、そこから垣間見える民衆文化はとても勉強となる。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/04/07(4250日経過)
記録初日
2013/04/07(4250日経過)
読んだ本
1915冊(1日平均0.45冊)
読んだページ
579959ページ(1日平均136ページ)
感想・レビュー
1855件(投稿率96.9%)
本棚
42棚
性別
年齢
29歳
血液型
A型
職業
専門職
現住所
神奈川県
自己紹介

怠惰。民俗学、日本文学をよく読みます。最近はライトノベルの比率が高まっております。

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