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2023年12月の読書メーターまとめ

へくとぱすかる
読んだ本
32
読んだページ
6836ページ
感想・レビュー
32
ナイス
1835ナイス

2023年12月に読んだ本
32

2023年12月のお気に入り登録
4

  • mukimi
  • TSUTIYA
  • よむよし
  • さゆ

2023年12月のお気に入られ登録
6

  • mukimi
  • TSUTIYA
  • 逢沢伊月
  • よむよし
  • ムッネニーク
  • さゆ

2023年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

へくとぱすかる
物質移動をともなわないので、パラドックスを回避できるという設定だが、厳密にはできないと思う。さて和彦の洞察によって、翔香のタイムリープの背後にひそんでいた謎が、ようやく姿を現わす。この作品の良いところは、和彦をケン・ソゴルのように卓越すぎる人物にしなかったこと。そこがリアルだし、彼に対して好感も持てる。あとがきがまたいい。再刊にあたって、読者ともども27年のタイムトラベル(リープではなく)をしてきたんだという、著者の思いがあふれている。構想だけに終わったという、翔香と和彦の登場する別の物語も読みたかった。
へくとぱすかる
2023/12/26 19:32

再々読なんですが、新装版の文庫の方がはるかに読みやすかったです。

はつばあば
2023/12/26 20:15

上下とも頂きました(#^.^#)。

が「ナイス!」と言っています。

2023年12月にナイスが最も多かったつぶやき

へくとぱすかる

来年にやってみたいこと。とりあえず創元推理文庫のヴァン・ダインを読んでみたい。えっ、「ベンスン」と「カナリヤ」がないって? そういえば「僧正」もなかった。どこに行ったっけ? あとはクロフツの全作品読破。こっちは冊数が多いけれど、年代順にチャレンジしたいです。まずは「樽」ですね。ハヤカワ文庫とどちらを選ぶか。

来年にやってみたいこと。とりあえず創元推理文庫のヴァン・ダインを読んでみたい。えっ、「ベンスン」と「カナリヤ」がないって? そういえば「僧正」もなかった。どこに行ったっけ? あとはクロフツの全作品読破。こっちは冊数が多いけれど、年代順にチャレンジしたいです。まずは「樽」ですね。ハヤカワ文庫とどちらを選ぶか。
へくとぱすかる
2023/12/29 00:01

1世紀前、357ページのハードカバーが、2年のあいだに7回版を重ねたのだから、『樽』はけっこう売れたというべきでしょうね。すでに『ポンスン事件』も目録に挙がっています。『製材所の秘密』はまだのようですが。

エイダ(K.595)
2023/12/29 17:31

クロフツかなり好きです(*´▽`*)

が「ナイス!」と言っています。

2023年12月の感想・レビュー一覧
32

へくとぱすかる
かつてのハンディで、函入りのソフトカバーという単行本5冊シリーズを、ちくま文庫収録の続編5冊のように、いつか丸ごと文庫化しないだろうかと思っていたところ、傑作集としてついに出現。執筆年代は50年以上の昔なのだが、日常にひそむ物理現象を、7人のロゲルギスト同人によって、議論を深めながら解明していく。千鳥格子の謎は、飛騨の匠の一見不可能な技を解明する驚きにみちている。ベルが鳴るという普通のできごとにすら、不思議がかくれている。ラストに教科書はどのように授業で使われるべきかが書かれていて、現代教育にも通じる。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
物理的な無とは、真空なのか? 物質のなにもない真空をつくることが果たして可能かといえば、実は原理的に不可能。しかし実は作る必要はなくて、すでにそこに「ある」とも言える。最新の物理学が描き出す世界像は、日常の風景の手ざわりを、全くちがったものに書き変えてしまった。なにしろ今こうしている間にも、自分の部屋、自分の身体の中を、膨大な数のニュートリノが通過して、地球を何の抵抗もなく通り抜けている! そして素粒子の話は、いつのまにか宇宙論に変わっていく。「ある」ことと「ない」ことの区別にさえ探求の手は及んでいる。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
原作3巻のオビで知る。すでに1巻の前半あたりのストーリーを忘れかけているが、ナオがアキと出会って、お互いのことを知ることになるところはやはり感動的。たとえ記憶に欠落がなくても、自己が存在すること自体から始まる孤独感に、突破口が開かれた瞬間だ。レプリカ・セカンド・二世……などどオリジナルから呼ばれていても、人間には変わりがない。コミックでストーリーを反芻してみて思うと、りっちゃんの作品の内容を知ったときは、相当に動揺しただろう。原作の方はどんどん展開中で、いろんな事件も起こるが、コミックでも続きを読みたい。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
良著。ほぼ1時間で読了。本当にわかりやすく、最新の宇宙論をひとまとめに知ることができた。文系というタイトルだが、中学・高校の図書館にも置いてほしい。星や銀河の輝く、ロマンをかきたてられる活発な宇宙は、歴史全体のほんの初期でしかなく、138億年も一瞬にもあたらない短さでしかないことがよくわかる。アインシュタイン自身が取り下げた宇宙項が、今やそのままで復活しているというから、自然は人間にとっていつでも驚異だと感じる。相対論と量子論を組み合わせて、はじめて宇宙像を考える突破口になったこともよくわかった。
へくとぱすかる
2023/12/30 07:47

むかしの本なら、宇宙の未来などまったく考えられてもいなくて、せいぜい地球や太陽系の未来予測を述べただけ。その後、負の曲率であるなら、物質の消滅したさびしい宇宙になるという予測が現れるが、今やさらにその先も予測されている。量子論とトンネル効果はすごい。アポロの月旅行の時代に、誰がダークマター、ダークエネルギーなど想像できただろう。

が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
ネッシーについては、あの「外科医の写真」が偽物だと、すでに知られているのだが、捏造事件をドラマのような読み物になっているのがおもしろい。いないとは言い切れない含みを持たせているのが、楽しみを取っておきたいファンの気持ちを代弁している。どこかで聞いたような話でも、最新の事例で紹介されているので、これもいずれは謎を解かれる必要があるのだろうな、と思う。予知夢は不思議。偶然とはわれわれが思っているほど、稀なことではないのかもしれない。このシリーズの中で、一番ホロッとさせられる話と一番怖い話が入っていた一冊。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
注目すべきは「UFOとの遭遇」の章。ブラジルで発生したケース1の日付が、ケネス・アーノルド事件の1年前! これをUFO事件とするならば、いわゆるUFO元年をさかのぼる事例となる。このシリーズは、これまで読んだことのない事例に満ちていて、なかなか興味深いものがあるが、だとすると埋もれていた事件の発掘も、並大抵のことではなかっただろう。「少年を取りかこむ怪現象」は「ぼく」の一人称で書かれているが、どこの誰であるとも一切書かれていないし、どこの国の事件かも不明。これでは事実確認はできない。奇妙な違和感の一章。
へくとぱすかる
2023/12/28 00:09

ここで今月の読書が、5555ページになりました! 以前にやっていた計画的な7777ページとちがって、前もっての準備や予備計算はありません。本当に偶然。今月の残りはあと4日ですが、まだ読書は続行します。途中経過にしてしまうには惜しいのですが、偶然の神様が微笑んでくれたと思うことにします。

が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
謎を紹介はするけれど、謎そのものを解かないので、怖さや不思議さは、あいかわらず残る。世界中から謎を集めていて、初めてお目にかかる事例も多いので、なかなかに楽しめる。タイトルになったファフロツキーズ現象(魚の雨)では、イランの例がそうだ。次の「奇妙な失踪事件」のうち2例がアルゼンチンから。奇妙なことだが、都筑卓司『四次元の世界』に収録された、同じような失踪事件もアルゼンチンである。そして3例とも、霧につつまれたあとに事件に遭遇している。なぜか? 転生の事例も、理由は不明だが東南アジアからの報告が多い。
エイダ(K.595)
2023/12/27 23:29

https://bookmeter.com/books/1520232 これは読みました。

へくとぱすかる
2023/12/27 23:40

ははあ、タイトルの話題に集中した本があるんですね。一度書店で見てみます。

が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
青い鳥つながりで、読書メーターも3読目。前半の「青い鳥のゆくえ」は平成7年の論考。すでに27年が過ぎているが、世界への危機感は今も変わらない。ここに述べられたことがらが、そっくりそのまま当てはまる。青い鳥が「幸せ」を考えさせる物語であるかぎり、今でも読み継がれるべき理由は大いにある。メーテルリンクがその主義主張を前面に立てずに、ステージの効果を綿密に考えていた点を指摘。作品と言うものが、まず受け入れられなければ、主張も伝わらないという厳しさの元にあることを思い知らされる。次に読むなら原形の戯曲で読みたい。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
ああそうだった。画面が黒っぽくなるほどの魔王軍の迫力と、アルシェルやルシフェルの不安定な位置関係と対立にハラハラさせられていたが、本当は笹塚のアパートで、千穂ちゃんが芦屋四郎(アルシェル)から、過去のいきさつを聞いているというシチュエーション。ようやく思い出せた。なにしろ7か月ぶりなもので。オビに書いてある通り、この巻は異世界魔王ファンタジーと化す(3ページ半だけ笹塚日常編)。この混乱からどうやって魔界を統一していくか、原作を忘れたので、かえって次巻が楽しみだ。ここでは真奧や千穂の日常の方に別世界感あり。
へくとぱすかる
2023/12/26 23:06

性格はあまり変わらなさそうだが、漆原半蔵としてのルシフェルとのギャップがすごい。

が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
かつて若月紫蘭の訳で読んだ作品。子どもの昔話ではなくて、元が近代の戯曲だということは、意外に知られてなさそうな気がする。いわさきちひろさんの絵が、思った以上にカラフルで美しく、この物語をステージにかけた様子が想像できそうに思った。子どものための絵本なので、ラストの雰囲気は原作から変えてあって、チルチルからの(観客への)呼びかけはないが、いずれにしても「しあわせ」とは何なのか、どんなものかを考えさせる物語である。子どものときは、ミチルという名前が日本語だと思っていたので、これも今となってはなつかしい誤解だ。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
物質移動をともなわないので、パラドックスを回避できるという設定だが、厳密にはできないと思う。さて和彦の洞察によって、翔香のタイムリープの背後にひそんでいた謎が、ようやく姿を現わす。この作品の良いところは、和彦をケン・ソゴルのように卓越すぎる人物にしなかったこと。そこがリアルだし、彼に対して好感も持てる。あとがきがまたいい。再刊にあたって、読者ともども27年のタイムトラベル(リープではなく)をしてきたんだという、著者の思いがあふれている。構想だけに終わったという、翔香と和彦の登場する別の物語も読みたかった。
へくとぱすかる
2023/12/26 19:32

再々読なんですが、新装版の文庫の方がはるかに読みやすかったです。

はつばあば
2023/12/26 20:15

上下とも頂きました(#^.^#)。

が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
時間SFの傑作。「ラベンダーの匂いをかぐ奴も、車に乗る奴も、猫が扉を探す奴も」とか(笑)、和彦が言及している作品にも負けない。はるかに複雑なのに、まだ前半といえ論理の破綻も見あたらず、構築のすごさがわかる。時かけ同様、時間SFにはヒロインがいなくちゃね。このような日常の細かい時間の中でのタイムリープこそおもしろいと思う。すぐそこにあるような気がするのに、1秒前の世界にさえ行けないのだから。さてヒロインの翔香は、自分の筆跡なのに記憶にない文章に導かれて、和彦に助けを求めるのだが、謎解きは下巻でのお楽しみ。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
そうきたか! 読者の想像を超えて、しかも期待に沿える終わり方とは、こういうことを言うのかもしれない。短編集のまま、のほほんとした日常のまま、いつまでも続くと思ってはいけない、ということだ。振り返ってみれば、ラストの少し前から、いつもの人間関係が変わっていく展開になりつつあった。この続きはどうなるのか、さらなる物語を読みたかったとは思うが、最後の最後のコマは、本当にこれで完結だと、わざわざダメ押しのために描かれたのだろうと思う。高杉勇作と「タッチ」の上杉達也の、立場のちがいを考えていくとおもしろいと思う。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
あれれ、短編集になった。クリスマスの話があって、1981年を迎えるので、ちょうど43年前の世界をみていたことになる。始まった当初の雰囲気で下宿生活コメディが展開。あの京都下鴨・森見ワールドの出現など夢想もできなかった時代にもかかわらず、他人とひとつ屋根で暮らすおもしろさは全開。お兄さんの名前をさりげなく書き込んでいるなど、あだち先生の気遣いが微笑ましい。さてクリスマスにスキー(80年代ですから)と、冬の物語にふさわしい展開ですが、あと一冊。完結の5巻で一体どんな展開があるか楽しみです。野球ではないと予想。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
153ページに驚く! これって「タッチ」? デジャヴかと思いました。3巻にして、ついに一冊の2/3が野球1試合の描写! 完全に野球コミックのノリ……と思いきや、そのあとにラブコメ的展開が。少女誌連載とはいえ、誰が読んでもおもしろいわけだ。かすみの気持ちが一段とゆれるのだが、克彦さんもそこまでするかなぁ。ここで一段落すると、この先の展開がどうなるか余計に気になってしまう。改めて全員が「能ある鷹は爪を隠す」を地で行った結果、ものすごい話になった。試合の部分がおそろしく速く読めた。で、誠くんは何なんだろね?
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
あだち先生、野球が好きなんですね。最初は圭子の兄だけだったのに、いつのまにかそういう流れに。ここまで来たら、完結のラストが読めたような気がする(違っていてほしい)。応援団とのトラブルなど、もう微塵もなくなって、すっかり勇作たちの味方に。なにしろコメディですからね。シリアスになりそうで、緊張がフッと緩むタイミングが絶妙だと思う。かすみの気持ちがちょっと変わってきたかなぁ。すると圭子との間に何か起こりそうな気もする。その方は夏休みに持ち越し。去る者は日日に疎しというけれど、そんな言葉の通りになるんだろうか。
zero1
2023/12/24 20:04

こんばんは。あだち先生と言えば野球です。「タッチ」や「ナイン」など野球が何度も出てきます。

へくとぱすかる
2023/12/24 20:16

最初はちがう方面に行きながら、いつしか野球に合流していく。そういうストーリーが多いですね。日本って、本家のアメリカよりも根っから野球が好きなのかもしれません。

が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
1980年。40年以上前の作品なので、今の高校生が読むと違和感もあるだろう。叔母さんの家から通学することになった、新一年生・岸本かすみ。叔母さんが下宿屋を始めていたので、同級生男子4人と、同じ屋根の下で暮らすことになったというストーリー。入学式前からすでにドタバタする日常が始まるのだが、それにしてもみんな個性がありすぎだ。高杉勇作くんは飄々としていて、一見とらえどころがなさそうだが、何となく頼りになりそうというか、これからの中心人物になるんだろうなぁ。全5冊セットで入手したので、一気読みしようと思います。
zero1
2023/12/25 17:31

本当に懐かしいですね。竹本孝之の名は、ほとんど忘れてました💦。その後は、以下の動画で紹介されてます。https://youtu.be/dv5Hl8-5YDs?si=pMRbu642RpvuQw1N

へくとぱすかる
2023/12/25 18:14

アニメは配信にありました。実写の方は配信には残念ながら見つかりませんでした。アニメの実写化は難しいと言われているのですが、できれば両方を見てみたいですね。

が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
本は利用するものである。ところが人生を本に振り回されるケースが、驚くほど現実にあるのだ。まさかの「本に利用される」事態。一度や二度は、本の重さで家が危なくなるかも、という心配をしたことがある読書メーターのユーザーはいるはず。床こそ崩壊しなくても、本の置き場所に困った経験は、かなりの人にあるだろう。困ったことに、根本的な解決法がない。特効薬的な方法を期待して読み始めたのだが、世の中はそんなに甘くなかった。結局はつらくても断捨離するしかないのかも。読書好きと本の収集とを別のことと考えるように努めたいところ。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
読友からではなく、宇崎花ちゃんからのご紹介です(笑)。そんなわけですから、わずか1ページ(ひとコマ)の効果は抜群です。買っちゃいました。宇崎ちゃんが何巻も費やしてたどりついた段階を、最初の1話からすでにクリアしているから、なかなかすごいラブコメ。年齢も下である、その最初の話には、大いに惹きつけられた。なぜか側近に見られてしまう主人公と、王子様というニックネームだけに、高身長かつ超美形の「僕」。その正体がわかるまでが第1話。微笑ましく続くのかと思ったら、ひっかき回しキャラが二人も登場して、今後が楽しみだ。
へくとぱすかる
2023/12/21 00:59

なぜ第3話が終わっても、ふたりの名前がでてこないのか? 妹の名前が出ているのに。だからかな。急遽第4話がそういう展開になったのかも。

へくとぱすかる
2023/12/21 08:50

やはり! 読み切りから連載化したんだ。これで謎が解けた。

が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
客観性を求めることは確実性を求めることでもある。とすれば、この点へのこだわりは、不安の裏返しではないだろうか。しかしそこにマジョリティの視点への偏向、マイノリティの排除に結びつく危険が潜んでいるとは、なかなか気がつかない。社会においては、統計こそ客観的という考え方も、個別の事例を見えなくする。苦悩や貧困のつらさなどを、数値化しようということ自体に問題があることは誰でもわかる。ではどんな方法がありうるか、実社会を考えるには、どんな思考が必要かを紹介。自然科学への批判ではなく、新しい方法へのアプローチである。
へくとぱすかる
2023/12/17 00:14

学生の質問からはじまった議論だそうだが、社会的弱者の問題を扱うような講義でありながら、そこに客観的な妥当性を求める発言が出てくるとは、ちょっと信じられない思いがする。本文では、それを統治者の視点、国家権力の論理に思考を乗っ取られているとも指摘している。ひとりの市民としての立場から思考できるはずなのに、そうしないのは、社会・歴史の流れが、そういう思考が「普通」であるようにしてしまったのだ、とも読んで感じた。

が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
中村さんご本人の著作以前に、活動のあらましを知っておこうと読む。海外への支援というと、つい無意識に上から目線になりそうだが、中村医師はおそらく最も注意深く、それを避け、同じ地平に立って行動したのだと思う。だからこそ治療や医薬品でなく、井戸や水路を掘る選択肢を選び、現地の人々の協力が得られたのだろう。支援物資のばらまきよりも、自助努力を可能にするため、戦争で荒れ果てた農業の復活が大切だとは、現地にいないと気づけない。政治家たちには意図が理解されず、人々に尽くしながら銃弾の犠牲になったことは残念でならない。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
初版から半世紀。今でもいわさきちひろさんの絵による、この本の新刊があるのは奇跡だろうか、いや、やはり内容の重さの現れだと思いたい。戦争の犠牲になるのも、そして最も悲しむのも子どもたちである。このことは残念なことに、原爆から78年後の今でも変わっていない。目の前で家族が亡くなっていくのを見た子。家族がいなくなり、疎開先から帰れなくなった子。焼け跡から変わり果てた家族の姿を見て、泣き崩れた子。命は助かっても、そのあとで苦しい生活が続いたり、傷跡をからかわれる子。痛ましくとも、心に刻んでおかねばと思う。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
永井隆博士のお子さんの茅乃さんによる長崎原爆の体験記と、福田須磨子さんや当時の児童の原爆詩。小さな本だが、児童にも原爆の記憶を伝えていくために、十分なきっかけにできる貴重な一冊だろう。翌日になっても灰の積もった地面が熱いために、近所に行くこともできなかったという記述が映像以上にリアルで、ぞっとする恐ろしさがある。表紙の鐘は、かろうじて割れなかったものを瓦礫の中から探して掘り起こしたそうで、何もかも失った町で、その音が人々をどれほど慰めたかが想像される。核の使用を仄めかす国までが出現した今こそ、勧めたい本。
へくとぱすかる
2023/12/12 23:20

イラストの男鹿和雄さんが著者名になっていますが、個人的には編者である吉永小百合さんとイラスト担当のもうひとり、YUMEさんの名も挙げておきたいと思います。もちろん文章と詩は、筒井茅乃さんほか、多くの当事者の方々によるものです。

が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
驚きの3巻目。そうだったのか! ファンタジーでありながら、同時にこんな展開になっていくとは思わなかった。レプリカ視点から描く物語として、自然にナオに肩入れしながら読み進めていたのだが、それもそのはず。作者の構築した世界観(という言葉でいいのかな?)の巧みさに圧倒された巻となりました。ここにきてオリジナルである愛川素直の視点から物語をふり返ると、今までのストーリーがつながっていき、一つ一つのことがすべてうなずけることにびっくり。一冊目からすでに惹かれるものがあったけど、これはすごい作品になる。次巻が楽しみ。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
読書メーターとして3回目。2001年発行だが、類書が少なくなった今も貴重な文献だろう。超常現象を科学的に説明しようとして、例えば火の玉は「リン」が燃えているとか、無理やりな理屈が考えられた時代もあったが、文献調査の基本にもどれば、実にあっけなく、しかし脱力な解決をみることが多いらしい。私たちは自己の観察力の確かさを信じるよりも、口伝えの間にどれほど当初の情報が失われ、誤った伝聞が広がっていくかを注目した方がいいようだ。ヒトは自分の信じたいもの(だけ)を見る動物だということを本書を読んで肝に銘じておくべき。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
忘れていたが、一年半ぶりの再読。何度読んでもおもしろい。コメントにクラカトウ島の噴火の話を出したとき、この本に真相が載っていたことを思い出した。伝説と真相のギャップには、あきれるばかりだ。都市伝説としてまことしやかに紹介される話にしても、伝聞を遡るにしたがって、流布しているイメージと相違していくことが多い。いわゆるオカルトめいた話を聞くときには、疑いの目を向けておくのが安全だと思う。どこかの段階でウソや創作が紛れ込むのだろうが、人間のすることをパーフェクトと信じること自体が間違いだと、肝に銘じておきたい。
うみ
2023/12/08 19:16

何回か読んでも面白いですよね、本当に。隙あればぱらぱらめくって拾い読みしたりしています。

が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
なるほど「宇崎家」か。人気度を思えば当然予想するべきだったけれど、こんなにも月さんテーマが多いのには驚いた。まさに最強の母親キャラです。原作では登場が少な目な桐も、ここでは活躍の場があるのがアンソロジーの強み。桜井とのライバル関係も、この場では不思議な方面に行ってしまうのがおもしろい。原作の世界線では実現できない話を、とんでもなく派手に盛っていけるのがパロディならでは。「if」だけにショートショートのような展開も楽しい。さすがにゲームネタもあるし、現実(フィクションですが)のラブコメから離れた展開がいい。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
ついに100話達成! わははっ。ここでこの話がやりたくて、直前に藤生さんの馴れそめ話を入れたのかな? 若いころの宇崎父って、顔が妙に桜井父に似ているのが不思議。で、性格の方は桜井そっくり。父親同士いつかは対面するんだろうけど、お互いをどう思うかを想像すると、それだけでエピソードがひとつ生まれそうだ。二人とも体育系だし、気が合うかも。さてここまで展開しているのに、かんじんの二人がドタバタと遠回りするいつもの感じ。本編のラストは、実にいいところで「続く」になる。期待感いっぱいのうまい進行。早く次巻が読みたい。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
3か月ぶり。そして大団円の最終巻。五行仙との直接対決バトルの激しさは、もちろん最高潮! しかしさすがは矢吹先生、笑える要素を、こんなときでさえ忘れずに入れてくれる。ハレンチの力は偉大だ。祭里はラストで男子に戻れるのか? そこが気になっていたのだが、ここでストーリーをうまく納得できる形に落とし込んでくれた。巻末の読切ショート「れお×レオ」には驚き。たった6ページの中に、すぐに「あやトラ」に展開できるエッセンスが詰まっている。作者も「第一部」が終わった感であるらしく、いつかは続編を読める日を期待して待ちたい。
アイリス⭐️
2023/12/07 22:09

リブート放送の副音声をチラッと聞いて、おっさん同士の対談なんてどうでもいいやと直ぐに主音声に戻してしまった… そんな裏話的な話するなら番組表なりテロップなりに明記してくれよ〜 とうの昔にタイムシフト録画消えてるよ〜(泣)

へくとぱすかる
2023/12/07 22:42

YouTube にほんの一部ですが、動画としてお二人の対談がアップされているようです。

が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
天体写真家として知られた著者の「チロ」のイラストを見て「ああ」と思う天文ファンは多いだろう。子どものころに親しんでいたので、著者の手による最後の版を読んでみた。最新の情報を、子どもや初心者にもついていけるように、わかりやすく解説して、どうすれば観察できるかを教えてくれていること。天文といえばここが知りたい、という点を忘れない書き方なので、本当に楽しい。そして何より水色が美しい本。思わず双眼鏡がほしくなる。肉眼ぎりぎりの明るさの天王星も一度は見たい。長い間ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
海が見えるほど風景が美しいのに、無人駅であるために、そこには淋しさが漂う。駅を基点にして語られる物語は、海が近いゆえに震災からの復興であったり、あるいは限界集落に住む人々の将来への不安であったりする。駅から見える近くの島に渡って、かつて人々が住んでいた名残りを見る旅程など、ゆるやかに衰退していく世界を、わが身の問題として感じられるようにさえ思える。海に近いといえば、鶴見線の海芝浦もそうだが、あとがきに挙げられながら収録されていない。ここに収められた駅のプロフィールを読めば、その理由がわかるような気がする。
が「ナイス!」と言っています。
へくとぱすかる
オカルト的な事件もあれば、普通じゃないけれど未解決のままの事件もある。「もうひとりのサジェ」が興味深い。通例のドッペルゲンガーは自分の分身を体験するものだが、これは自分には見えず、周囲の人間だけが見えるという稀な例。半ば伝説となった事件の真相は、徹底して調査することで見えてくるものがある。例えばこれも古典的だが、夢でクラカトア島の噴火を知って記事になったという、ボストン・グローブ紙の話とか。「虹」による地震の予知に人生の大半をかけた男の話も意外。藤原咲平が新田次郎のおじだったとは、ここで初めて知った。
へくとぱすかる
2023/12/01 07:54

クラカトア島の話は本書にはありませんので、念のため。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/14(3921日経過)
記録初日
2013/08/16(3919日経過)
読んだ本
3490冊(1日平均0.89冊)
読んだページ
872174ページ(1日平均222ページ)
感想・レビュー
3490件(投稿率100.0%)
本棚
5棚
性別
自己紹介

基本的に全方位読書なので、いろんな分野を読みます。とくにミステリや時間SFが好きです。速読ができたらいいだろうな、と思いながら、黙々と活字を追っています。そのうち速くなるかも(笑)。主に電車やバスの中で読む日々です。どうぞよろしく。

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