読書メーター KADOKAWA Group

2023年9月の読書メーターまとめ

amanon
読んだ本
15
読んだページ
5378ページ
感想・レビュー
15
ナイス
199ナイス

2023年9月に読んだ本
15

2023年9月のお気に入られ登録
1

  • ケディーボーイ

2023年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

amanon
三十数年ぶりの再読。凡そのストーリーは覚えていたものの、その印象は大きく違う。何より要と美佐子の夫婦関係が思ったほど殺伐としていないのが印象的であるのと同時に以外でもあった。それと同じくらいに印象的だったのは、その当時の関西圏の文化や風習。この時代は、まだまだ江戸時代と地続きだったんだな…と思わせる要素が随所に残っているのに驚き。また、一瞬、舞台が戦前であることを忘れさせるくらいにモダンな雰囲気が漂っているのは、著者の嗜好 と筆致によるものであろう。それと美佐子の父親が何ともいい味を出しているのも意外。
が「ナイス!」と言っています。

2023年9月にナイスが最も多かったつぶやき

amanon

2023年8月の読書メーター 読んだ本の数:17冊 読んだページ数:5751ページ ナイス数:231ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly/2023/8 奇しくも先々月とほぼ一緒の頁数。夏場は何かと読書が滞りがちなので、まあこんなところかな…という感じか。また先月読んだ本の約3分の2が著者が女性というのはちょっと異例かも…

が「ナイス!」と言っています。

2023年9月の感想・レビュー一覧
15

amanon
これがデビュー作か…一見、ややいけていない女子大生の卒業年の生活ぶりをユーモラスに描いたものと思いきや、実はかなりヘビーな隠し味を孕んだシリアスな作品であることに驚き。恥ずかしながら、プロローグがラストに繋がるという設定に、解説を読むまで気づかなかった。こういう作品を処女作で書き切るとは…デビューから比較的早くに芥川賞受賞に至ったのもうなづける。元々は点と点であった人たちが線で結ばれ、様々なドラマが生まれる…もちろんそこには葛藤やすれ違いや誤解が苛立ちを孕むが、それがゆえに途轍もなく愛おしいと思わせる。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
青二才サヨクを名乗った島田も早くも還暦。しかも巻末では痛風の症状が出ているという記述に時の流れの速さを改めて痛感。また、文壇の先輩の死に直面する場面には、遠くなりつつある昭和に思いをはせることに。それにしても、タイトルにある「慈父」という言葉が皮肉でもなんでもなく、かなり献身的に息子に尽くしてきたその姿は、ちょっと意外。作家という職業形態も作用しているのだろうが、あそこまで子供と密接に過ごしてきた父親というのも珍しいのでは?かといって、極度のファザコンにはならず、適度な距離感を保っていることに安心する。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
他の人も述べているとおり、本来的な意味での日記ではなくて、エッセイ集という趣。いみじくもモンテーニュの『エセー』を喚起させられる。それなりに興味深い内容ではあるものの、いかんせん注釈が貧弱すぎるのが非常に残念。千八百年台のロシアの状況など、現在の日本人にとっては殆ど想像もつかない世界。これは詳細な注釈のついた新訳で読みたいな…と思うことしきり。しかし、小説以外のドストエフスキーを読むのはこれが初めてで、あの異様な言語世界を構築しえた大作家の肉声を聞くかのような印象を覚えたのも事実。また読みたくなるかも。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
三十数年ぶりの再読。凡そのストーリーは覚えていたものの、その印象は大きく違う。何より要と美佐子の夫婦関係が思ったほど殺伐としていないのが印象的であるのと同時に以外でもあった。それと同じくらいに印象的だったのは、その当時の関西圏の文化や風習。この時代は、まだまだ江戸時代と地続きだったんだな…と思わせる要素が随所に残っているのに驚き。また、一瞬、舞台が戦前であることを忘れさせるくらいにモダンな雰囲気が漂っているのは、著者の嗜好 と筆致によるものであろう。それと美佐子の父親が何ともいい味を出しているのも意外。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
既視感、違和感、共感、ノスタルジーが相まった何とも複雑な読後感…常に音楽≒ロックを耳にしていないと落ち着かず、また好きな音楽を共有したい、語り合いたいと強く願いながらも、それが叶わないというヒリヒリとした渇望感などがリアルに思い出されたのと同時に、本書に出てくるバンドが殆ど未知なものばかり。しかも、そこそこロックに詳しい野球部員が登場してくるのに、頭の中は?が駆け巡る状態に(笑)。また、冒頭に登場するバンドメンバーが、その後一切絡んでこないというのが妙に気になる。続編、アナザーストーリーを期待する。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
大江が亡くなってから数ヶ月。未読の作品を読もうと思いながら読めない状態が続いている折、本書が目に止まって手に取ることに。巻末の作品案内をチェックしたところ、未読本は数冊程度なのだけれど、それでも大江を理解できたとは到底言えないな…と改めて痛感。また、様々な誤解、中傷、批判を受けながらも、世界的な作家としてほぼ一貫して歩んできた大江とある程度同時代を共有できたという事実の重さを再認識。個人的には三島への言及がとりわけ興味深かったか。後、お互いに強く意識しあっていたと思われる中上について触れていないのが残念。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
上下合わせて八百頁というヴォリューム的には大作に類するのだが、なぜかいわゆる大作感が希薄というのは、改めて考えると不思議。いみじくも訳者解説で、「根性が悪い」と評されているように、一見、朴訥とした平穏な風景を描いているようでいながら、時折皮肉やシニカルな表現が多々見受けられるのが肝か。また、ドラマチックな展開に乏しいといわれがちでありながらも、不倫や駆け落ち、大事故と十分にドラマチックな展開がありながらも、でもよくも悪くもどこか予定調和的な印象を受けるのも妙。後、ファニーの両親は、元祖毒親かもしれない。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
格別特異な性格の持ち主がいるわけでもないのに、個々の登場人物の性格を際立たせて描くその筆致に改めて感服。普段はごく内気で控えめな主人公ファニーにしても、内に秘めた洞察力や知性が時に遺憾無く発揮されているし。また、これまでオースティンの作品を読み返してみて、イギリスにおける階級や、それと密接に結びついた馬車の存在の重要性を改めて痛感していたが、巻末の解説を読むと、作品で読み取れる以上にシビアな縛りがあるということに一層驚かされることに。また、一見平穏に思える物語の背景に、過酷な歴史的状況があるのも驚き。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
初読の際は、「登場人物が多くて、その関係もやや複雑だけれど、でも基本は単純な作品」という印象を抱いていたような気がするのだが、改めて読み返してみると、なかなか一筋縄ではいかない作品だという印象が。特に、終盤でエマとナイトリーがお互いの思いを吐露する場面では、そのやりとりで、微妙な含みをもたせている箇所が多く、その言わんとするところを正確に理解するのはかなり難しいという気がした。また、ナイトリーは一貫してエマに対して大人として上位に立っているというスタンスかと思えば、そうでもなかったのも意外。要再読。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
これまで再読したオースティンの作品の中で、一番の登場人物の多さ(笑)。なので、登場人物紹介がないと読み進めるのが辛いなというのが第一印象(苦笑)。再読なのにも関わらず、未消化感が少なからずあり、再再読でもしないと理解が今一つ追いつかないというのが正直なところ。それでも、たら自分の理性や洞察力、判断力を過信するエマの言動には終始イライラさせられるのは、おそらく初読のときと変わらない…また、後の展開を知っているだけに、ナイトリートの丁々発止なやりとりを色々と深読みする楽しみもある。モヤモヤ感を楽しむ小説かも。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
平野、橋本両氏の三島論に触発されて、約四十年ぶりに再読。当時高一だった僕は本作の何を一体理解できたのだろう?と思わず赤面してしまうことしきり。結局、著者の同性愛的性向を告白しただけの作品と雑な捉え方をして理解したj気になっていたのだとしたら、まさに憤死に値すると言えば大袈裟にすぎるか。本編は2百数十頁ほどの比較的小部の作品だが、様々な角度から読み込むことが可能なまさに重曹的な作品。とりわけ中盤から終盤にかけての主人公と園子との複雑な関係性は、よくある青春の一コマでは片づけられないものがある。要再読。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
一見、さらっと読み終えてしまえる小説なのだけど、解説まで読むと、「もっと深読みすべきだったのでは?」という気にさせられるのが、何とももどかしいというか(笑)。また、かつての日本でもそうだったが、25歳を過ぎると生き遅れと見做されてしまう当時の風習や、当時のイギリスにおける階級性の複雑さ(≒厄介さ)は、現代の日本人に皮膚感覚で理解するのは難しいと改めて痛感。また、物語の中盤から終盤にかけてのエリオット氏の不可解な言動と性格描写は、何ともいえない余韻を残す。このタイプの人物を主人公に一冊の小説が書けるかも…
が「ナイス!」と言っています。
amanon
先に読んだ『遠くにありて〜』以上にゆる〜い内容。しかも、『遠くに』に散見されたはっとさせられるような知見は皆無で、ひたすらゆる〜く、そしてとほほ感も万歳(笑)。しかし、逆にいえば、それが本書の売りかも。いみじくも著者が後書きで述べている通り、「こんなに地味でアホでも、なんとはなし生きていける」ということを確認できただけでも、何某か糧になるものがあるという気にさせられる。個人的には、周囲にはまっている人が、少なからずいながらも、僕自身は全くスルーしていたドラクエⅢの思い出を綴ったエッセイが妙に響いた。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
以前、角川文庫版で読んだものを、新訳にて再読。第一章は「え!こんな話だったけ?」と煙に巻かれたような気になったが、どうやら旧版と改訂版の違いがもたらしたもののよう。それはともかくとして、一通り、読み終え、更に、村上春樹の解説、役者後書き、そして付録として併録された膨大な書簡を読んでみると、いかに本書が複雑かつ、重曹的で、しかも様々な問題を孕みながらも、ギリギリの線で、いわく言い難い豊穣な魅力を獲得するに至った稀有な作品であることが理解できる。春樹氏の感想とは違って、読み返す度に印象が変わりそうな気がする。
が「ナイス!」と言っています。
amanon
俳句の季語にまつわるエピソードを収めたエッセイ。「へえ〜こんな言葉も季語になっているのか…」という軽い驚きと共に、ほぼあっという間に一気読み。日常あるある的なエピソードと共に、いくつか個人的に非常に刺さるものもあり、何とも言えない感慨に囚われることも。また、著者が後書きで述べている通り、家族のかなりディープな過去について触れている記述には、少なからず心が痛む。両親が離婚した後は、殆ど接触がないと思われる父親の人物像が非常に気になってしまう。後、著者が若い頃バイトをして買ったというストラトの顛末はいかに?
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/06/26(5941日経過)
記録初日
2008/06/01(5966日経過)
読んだ本
3133冊(1日平均0.53冊)
読んだページ
1010369ページ(1日平均169ページ)
感想・レビュー
3081件(投稿率98.3%)
本棚
7棚
性別
血液型
O型
職業
専門職
現住所
京都府
外部サイト
自己紹介

 ハンパ者を自称しつつも、何だかんだと某グループホームにて介護の仕事をこなしつつ、空いた時間を読書に充て、一応悠々自適な日々を過ごしているつもり。
 好きな音楽は、フー、キンクス、ビートルズ、フリー、ルースターズ、村八分、ティラノザウルス・レックス、ザッパなどのロック、マイルス、コルトレーン、ビリー・ホリデイなどのジャズ。後、ゲンズブール、バルバラなどのシャンソンもちょっと囓った。それから一時期はグールドによるバッハ演奏に結構はまってた。
 好きな作家、よく読んでいた作家は、倉橋由美子、高橋たか子、大江健三郎、町田康、中上健次、津島佑子、古井由吉、高橋和巳、島田雅彦、島尾敏雄、安部公房、三島由紀夫、橋本治、村上春樹などの戦後作家。後最近の作家で読んでいるのは、森美登見彦、平野啓一郎、阿部和重、西村賢太、多和田葉子、中村文則、柴崎友香、村田沙耶香など。
 海外の小説家でわりによく読んだのは、ジュリアン・グリーン、セリーヌ、モーリヤック、ヴァージニア・ウルフ、バルザックくらいか。
 小説以外で好きなのは、エックハルト、シモーヌ・ヴェイユ、内田樹、佐藤優、須賀敦子、白洲正子など。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう