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2024年9月の読書メーターまとめ

amanon
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2024年9月に読んだ本
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2024年9月のお気に入られ登録
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  • 禄

2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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二度目の再読。改めてギャッツビーが抱えていたものについて考えさせられる。ある種病的なまでのディジーへの固執ぶりや、笑ってしまうくらいに空疎な経歴詐称。その根底にあるのは、深い闇か、あるいは何もない空洞なのか?何より、あれだけの栄華を誇りながらも、その顛末があまりに寂しいのが何とも…そして、そのギャッツビーに多少の違和感を覚えながらも、結局は最後まで寄り添うことになる語り手のスタンスに一抹のシンパシーを覚える。また、訳者後書きで述べられる、作者が抱えるのっぴきならない様々な苦悩が何とも言えず切なく悲しい。
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2024年9月にナイスが最も多かったつぶやき

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2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:14冊 読んだページ数:5928ページ ナイス数:166ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly/2024/8  2024年09月02日08:19全体に公開みんなの日記 先月は、前々から読もうと思いながら、果たせなかった大江の「燃え上がる緑の木 三部作」を読了したのが大きかったな。今月も頑張ってよもう。

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2024年9月の感想・レビュー一覧
17

amanon
十数年ぶりの再読。初毒の際には、「三部作の集大成的な作品」という印象を抱いたのだが、今回読み返してみて、殆どそんな印象を抱けなかったのが、我ながら不思議。それよりも、やたら煮え切らない性格で(漱石の作品にはありがちだが)、しかも妻帯者でありながら、未だに親のすねをかじっているという主人公津田の姿にかなり苛つかされた(笑)。それと病室での、妻お延と妹お秀を交えた緊張感に溢れた会話を始め、本作品での会話の重要性は他の作品に勝るのでは?という気にさせられた。そして、終盤にようやく登場する清子が謎。
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軽妙洒脱な会話文に惹かれて、何とか読み終えることができたが、明治期の花街のしきたりや風習の知識がないためか、今一つ内容が理解できず。また、狂っていると言われている孝子の実態も、あまりはっきりとは描かれていないし、またライバル関係にあるとされている清葉との関係性もよく理解できず。佐藤春夫の解説によると、その当時の読者にとっても、本作品はやや理解が難しかったようで、令和の時代の読者に難物に映るのもむべなるかな。また、何となし里見弴と作風が似ているなと思ったが、実際に影響を与えているとの事で、納得させられた。
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アマゾンで目にして気になり、図書館で借りて読む。その著作から作者の顔が殆ど見えてこないためか、エッセイという肉声に近いタイプの書物を目にすると、なんとも言えず妙な印象を受ける。しかも、その一人称が恐らくこの世代では珍しい「ぼく」というものであるため、余計に。また、その文体になぜか筒井康隆と似たものを感じたが、巻末の著作目録によると、それなりに接点はあるよう。また、双方とも演劇との関わりがあるというのも興味深い。それとミュージカルへの言及も驚き。その作風とミュージカルというのは、あまり結びつかなかったので…
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数年ぶりの再読。前回よりも内容に入り込めた感があるのと同時に、田辺訳で読んでいた頃も含めて、自分は一体このテキストの何を読んできたのだろう?という気にさせられることしきり。田辺訳での初読の際は、あまりに鮮烈な内容にあてられたような気がしたが、今回読み返してみると、逆説的と思える箇所が少なからずあるのに、驚かされた。また、ここまで、キリスト教や信仰について徹底的に考察しながら、最終的には洗礼を受けなかったというヴェイユのあまりにも特異なあり方について考えさせられる。また、訳者後書きからも示唆を受けた。
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柚木朝子が今とはやや違う方向に先鋭化(?)したら書きそうな作品だな…というのが第一印象。特に主人公見ミのやきもきしたときの独語がそれっぽいし、ソリとの関係もシスターフッドといってよい関係だし。ただ、何となしこの二人が同性愛的な傾向を匂わせているように感じたのは、僕だけか?それはそうと、このオープン・リレーションシップという、常識的な考えからからすると、かなりぶっ飛んだ関係性。しかし、当人同士が大人で、対等な関係を築いていけるのだとすれば、これはこれでありな気はする。ただし、その当事者にはなりたくないが。
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二度目の再読。改めてギャッツビーが抱えていたものについて考えさせられる。ある種病的なまでのディジーへの固執ぶりや、笑ってしまうくらいに空疎な経歴詐称。その根底にあるのは、深い闇か、あるいは何もない空洞なのか?何より、あれだけの栄華を誇りながらも、その顛末があまりに寂しいのが何とも…そして、そのギャッツビーに多少の違和感を覚えながらも、結局は最後まで寄り添うことになる語り手のスタンスに一抹のシンパシーを覚える。また、訳者後書きで述べられる、作者が抱えるのっぴきならない様々な苦悩が何とも言えず切なく悲しい。
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解説にもあるように、かの三島をして絶賛させたその美麗な文体とや、独特の世界観とも相まって、一読して何やら煙に巻かれたような気持に。こちらの読解力の問題もあるのだけれど、話の筋道を把握しづらい作品が少なからずあり、時折、読み進めるのが苦痛に感じられることも。ただ、本書を編んだ東雅夫氏の解説を読むことで、本書の楽しみ方や、読解の鍵の様なものを知り、改めて読み返したい気持ちになったか。とりわけ印象的だったのは、最後を飾る表題作の「天主物語」。元ネタがあるとはいえ、その荒唐無稽なストーリーに驚愕させられた。
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後書きにもあるように、評論というよりエッセイ的要素が強い大江論というべきか。思ったよりサクサク読み進めることができたが、同時に大江の作品がもつ濃密さやテーマの深さと重さを改めて痛感。そして同時に独自のユーモアや優しさも湛えていることに改めて驚かされる。ただ、頁数による制限もあるのだけれど、つい最近読み終えたばかりの、『燃え上がる~』などの後期の作品が取り上げられたなかったのが残念。また、個人的にはそのラストになぜか「ロック」を感じた『洪水は~』について触れた際、いみじくもロックに言及しているのに驚き。
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以前から気にはなっていたので読んでみたが…解説にもあるように、確かに絵画的ともいえる自然の描写は特筆に値するし、リアルタイムで読んだ人は、「こんな表現の仕方があったのか」と少なからず衝撃を受けたのだろうけれど、いかんせん、物語性に乏しいその内容は、今の人にはあまり刺さらないのでは…というのが正直なところ。それでも、読み進めていく上で、ポイントというべき、ちょっとしたエピソードを挟み込んでいるので、何とか読めるという塩梅。それはそうと、本作が著者のデビュー作にして代表作で後に続く作品がないのにとほほ…
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長年連れ添った妻が亡くなった後も、日常は情け容赦なく続いていく。その日々をどうやり過ごせばいいのか?未だ独身の身ではあるが、自分の晩年につい思いを馳せることに。その亡き妻のことを日々あれこれ考え、後悔の念と格闘しながらも、犬の散歩で出会った十台と思しき女性をナンパしなかったことを後悔するという異性への執着ぶりにはある意味尊敬を覚える。また、直接その死には触れていないが、今は故人となった遠藤賢司と遠藤ミチロウについて語る文章が何とも切ない。早川氏の次の著作は果たして出るのか、そこにはどんな死が語られるのか?
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amanon
サラッと読めてしまうけれど、何とも重たい一冊。とりわけ刺さったのが、1985年の福岡を舞台にした第一話。当時僕が高2だった頃、同じ福岡の空の下で、著者はこんなことをしていたのか…と思うと何とも言えない感慨に捉われる(もっとも後書きで、本書はあくまでフィクションだとことわっているけれど)。とりわけ、ホステスの容姿をからかったり、お説教まで始めるクラブの客の描写には、本当に胸が悪くなる。これが、実話ではないにしても、著者と地元福岡との距離を改めて痛感。また第6話で語られる、主人公の母親のエピソードが切ない。
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十数年ぶりに再読。初読の時とはまた違った意味で不思議な読後感を覚える。何より驚かされたのが、語り手の視点がかなり頻回に代わること。そして一周して最初の視点に落ち着くというのは、全くと言っていい程記憶になく、半ば煙に巻かれたような気にさえなった。また、当初はそれ程面倒臭い性格にも思えなかった須永の性格が、後半になって急にその面倒臭さを露呈しだしたのにも「こんな展開だったのか」と半ば虚を突かれた気持ちになった。その面倒臭さの真骨頂とでもいえる、鎌倉でのエピソードは、いかにも昔の自分がやりそうな気がした(笑)。
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『謎とき』を読んだら、こちらも読みたくなったので、三十数年ぶりに再読。最初の「バナナフィッシュ」と最後の「テディ」以外の作品の記憶が全く無かった(笑)。それはともかくとして、その二つの作品がほぼ対をなしているという事実に改めて驚愕。これに「ハプワース」を合わせて考えると、ますます興味深さが増す。「バナナフィッシュ」で示唆されるシーモアが抱えた闇に、初読の時には恐らく殆ど気に留めていなかったことに思わず恥いった次第。また、作者の日本に対するこだわりも気になる。その意味で注釈と解説がないのがなんとも残念。
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シリーズ最終巻。読む前は「これで後藤氏の全仕事の大半は網羅できるのかな…」と思っていたが、とんでもない間違いだと気づく(苦笑)。「アミダクジ式」、「楕円形」などの独自の文学理論概念や、引揚者という特異な体験、そしてもちろんその作品世界…などまだまだ深掘りする要素があるということを改めて痛感。本書では、ロシア文学や戦前文学など、過去の文学作品について論じたものが多く収められているが、同世代やそれ以降の文学について書かれたものをもっと読みたかった。その意味で、大江の『小説の方法』を論じた「小説の構造」が貴重。
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amanon
「虞美人草』に出てきたため、気になり手に取る。テンポよく紡ぎだされるセリフにつられて、あまり注意せずに読み進めてしまったため、場面の切り替えを見落としてしまったのか、作中で十年もの月日が流れていたことに気づかず、話の流れを性格に掴めなかった感が。ただ、解説にもあるように、良くも悪くも悲劇にありがちな後味を悪さや陰惨さを感じさせず、悪印象を与える登場人物が皆無だったのが、ちょっと驚き。ただ、紀元前を舞台にした作品に訳注がないのが、不親切。せめて解説でそのあたりに言及してほしかった。注釈付きの新訳を望む。
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amanon
図書館でふとタイトルが目にとまり、手に取ったが、以前読んだ「ハプワース」と「バナナフィッシュ」がこんなふうに結びついていたとは…「ハプワース」を読んだ時、色々な意味でそのあんまりな内容にのけぞりそうになったが、その秘められた意図に虚をつかれた気持ちに。そしてシーモアの自殺がこんなふうにも読めてしまうのか!など、驚きに満ちた一冊。そして、何より、サリンジャーの禅及び俳句への深い傾倒と作品への反映には瞠目。中でも禅における時間概念に驚かされることしきり。また、今一つな印象だった「ライ麦」の印象が変わったかも。
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amanon
タイトルが若干盛りすぎな感があるものの、おおむね興味深く読めた。普段、当たり前のものとして、考えている国民国家や、基本的に揺らぐことがなく堅固なものとして存在していると捉えがちな国境が、いかに歴史が浅くかつ危ういものであるかを改めて再認識。また、本書で幾度と繰り返される「帝国」という概念を目にするとつい例のマイケル・ハートの著作を想起するが、そちらについての言及がなかったのが、ちと物足りなかったか。それとある程度知っていたとは言え、本書で言及される西欧人のアジア人蔑視の実態には、さすがに気分が悪くなる。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/06/26(6081日経過)
記録初日
2008/06/01(6106日経過)
読んだ本
3204冊(1日平均0.52冊)
読んだページ
1037951ページ(1日平均169ページ)
感想・レビュー
3152件(投稿率98.4%)
本棚
8棚
性別
血液型
O型
職業
専門職
現住所
京都府
外部サイト
自己紹介

 ハンパ者を自称しつつも、何だかんだと某グループホームにて介護の仕事をこなしつつ、空いた時間を読書に充て、一応悠々自適な日々を過ごしているつもり。
 好きな音楽は、フー、キンクス、ビートルズ、フリー、ルースターズ、村八分、ティラノザウルス・レックス、ザッパなどのロック、マイルス、コルトレーン、ビリー・ホリデイなどのジャズ。後、ゲンズブール、バルバラなどのシャンソンもちょっと囓った。それから一時期はグールドによるバッハ演奏に結構はまってた。
 好きな作家、よく読んでいた作家は、倉橋由美子、高橋たか子、大江健三郎、町田康、中上健次、津島佑子、古井由吉、高橋和巳、島田雅彦、島尾敏雄、安部公房、三島由紀夫、橋本治、村上春樹などの戦後作家。後最近の作家で読んでいるのは、森美登見彦、平野啓一郎、阿部和重、西村賢太、多和田葉子、中村文則、柴崎友香、村田沙耶香など。
 海外の小説家でわりによく読んだのは、ジュリアン・グリーン、セリーヌ、モーリヤック、ヴァージニア・ウルフ、バルザックくらいか。
 小説以外で好きなのは、エックハルト、シモーヌ・ヴェイユ、内田樹、佐藤優、須賀敦子、白洲正子など。

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