ドストエフスキーの代表作・カラマーゾフの兄弟。以前、新潮文庫版を上巻だけ読んだところで挫折したが、光文社版で再挑戦。１巻のすじがきは既読の部分なのでだいたい頭に入っているせいか比較的読みやすかった。また新潮文庫版と比べて翻訳もこなれている印象。

プロの料理人の包丁研ぎの契約を全国各地でいくつも結んでいるという著者による包丁研ぎ解説書。包丁や刃物が好きで、自分でも包丁を研ぐので包丁研ぎの入門書は何冊か読んだことがあるけど、これは”ガチ”のやつだ。本焼きの包丁が合わせの包丁に比べて硬いとかよく切れるとは言えないというのは驚き。砥石を常に平面に保つために砥石をダイヤモンド砥石で研ぐ「面直し」の重要性は改めて認識した。

なにおれさんの電子書籍シリーズは全部読んでいるが、これは初の紙媒体での書籍。具体的な倹約生活の方法というよりも心の持ちようという感じ。

単行本で読んだときも刺さったが、作中の西澤架（かける）の年齢を追い越した今、余計に刺さった。架が婚活相手に点数をつけること、婚約者の坂庭真実（まみ）が進学も就職も母親のいうことをきいて生きてきたこと、婚活相手を「結婚相手として見られない」と見下すこと、男女の違いがあっても、随所に描かれる価値観、恋愛観、結婚観には性別を問わない傲慢さと善良さが鏤められている。物語としての落としどころは綺麗に収まったが、彼・彼女たちの経験はそのまま未婚率が高い現代日本の抱える問題を写している気がする。

長いこと積んでいた、ホール・アース・エピローグ。スティーブ・ジョブズの有名なスタンフォード大学の卒業式でのスピーチで触れられたホール・アース・カタログの最終号。内容は、発行当時のカウンターカルチャーを反映し、地球環境問題やエネルギー利用、核シェルター、住宅から食料までDIYのハウツーなど、実に幅広いテーマに関する書籍やツールなどのカタログになっている。B3版くらいの大きさで300ページくらいびっしりとあってとても一字一句は読めないので流し読みで済ませたけど、裏表紙を生で拝めただけでも買った価値はあった。

業務上必要により。とりあえず日本語の部分だけざっと通読。