ネタバレ図書館本。『ときどき旅に出るカフェ』続編。旅先で味わった美味しい料理やスイーツを出すカフェ・ルーズもコロナ禍で苦戦。通販やキッチンカーを経て何時ものカフェに戻るも、あの時特有の閉塞感や拗れた人間模様が心をざわつかせる。甘味の満足感よりも、やるせない想いが残る読後感も生き辛かったあの時代が蘇る為かも。明日を夢見ながらも何処かほろ苦い想いを抱えた人々への応援歌、しみじみ読了。

ネタバレ図書館本。青森在住で元図書館員の著者が、旅の空き時間に各地の公共図書館を巡り印象を纏めたエッセイ。書棚や閲覧室の写真は無く、ひたすら表から観た図書館建築と、周辺の美味しい写真とエッセイから成る一冊は、未知の土地ならではの歴史と背景が楽しい。肩の力を抜いたエッセイも読みやすく、これ一冊で全国を巡った気分wで楽しく読了。

ネタバレ図書館本。築年数の経った中規模マンションを舞台に、独り暮らしの老人の死を切っ掛けとして紡がれるお話は、消えた死体から始まるライトなミステリ。些細な出来事を積み重ね、最終的には大事件の解決へと導くのは、リストラに遭った中年男と脅迫してきた男子高校生w　不信感から始まった二人のバディは、年の差を超えた絆と信頼感をもたらす。損得も阿りも無い二人が友の尊厳をかけて真相を探るミステリ、心地良い読後感を楽しみながら読了。

ネタバレBL。web発の初読み作家様。貴族の嫡子でありながら幼い頃から虐待されてきたレヴナントが、昔からの知り合いの公爵ウィリアムに愛されるシンデレラストーリー。義理母の暴力、実父の無視、そして過ぎた執着の義弟と、不愉快な展開が半ば過ぎ迄あって中々しんどい。一人頑張るレヴナントの心の拠り所となるウィリアムですが、彼の愛情も少々独りよがりのようで、帯の煽り文句『至高の愛情』には今ひとつ。さらりと軽めに読了。

ネタバレBL漫画。完結編。ジョエルの身代わりに死罪となる覚悟のアダム、そしてそれを防ぐべく知恵を巡らすジョエル。惹かれながらも互いの生き方の違いから両想いになる迄のもどかしさと、相手の為と形振り構わぬ純愛が素敵なお話でした。個人的にはちみっこ王さまズの可愛さもツボw　大国に翻弄される小国にあって、唯一の人と幸せを掴み取る恋物語、とても楽しく読了。

ネタバレBL漫画。幼い王さま達の初々しく綺麗な想いと相反して、大人の欲が禍々しいシリーズ３冊目。ジョエルとアダムの微妙な関係性はそのままに、策略に嵌り大ピンチな彼等がとても心配。隣国の次期王も何やら抱えているようで、続きがとてつもなく気になります。

ネタバレBL漫画。シリーズ2冊目も中々どうして進展しないw　互いへの想いはあるものの、素直になれないジョエルと素直過ぎるアダムの友人以上恋人未満の関係性はまだまだ前途多難w　そして如何にもな悪役登場でこの先どう転ぶのか?続きがとても気になります。

ネタバレBL漫画。続編を読む前に再読。幼き王を支える王国の知恵袋モンタギュー司法卿と、護衛として派遣されたアダム子爵のお話は相変わらず楽しいぞw　色恋に疎いモンタギューことジョエルと、博愛主義な色男アダム、実に温度差のある恋模様はきな臭い世情もあって一筋縄ではいかない前途多難。隣国の物騒な次期国王の思惑もあって、この先が楽しみ。続きいきます!

ネタバレ図書館本。初読み作家様。服飾ブローカー・桐ヶ谷が未解決事件の被害者の洋服に目を留めた事から始まるミステリは、個性的な古着屋店長・小春と共に、解剖学的見地からの推測と服飾の基礎知識を武器に事件の真相に辿り着く物語。TVで見かけただけの若い女性の死の真相を追う涙脆い彼の優しさと鋭い観察眼は魅力的ですが、被害者の生い立ちとその死にはやるせなさが付き纏う。現代社会の闇にも踏み込んだ一冊、しみじみ読了。

ネタバレ図書館漫画。ちょっとDrベガパンク、いったい『世界の「真実」』って何!!と焦れる109冊目w　バーソロミューくまとベガパンクの関係性、父娘の情、思いがけない救援、そして五老星!!　登場人物の多さに流石の麦わらの面々も押され気味ですが、サンジの「愛は光より強ェんだ」に吹きましたw　物語は終盤に向けて情報量過多ですが、胸熱な展開に圧倒されつつ楽しく読了。

ネタバレ図書館本。初読み作家様。行方不明の母を探す為に身代わりの政略結婚をする魔女ネリと、無愛想な旦那様・エルヴィンのお話は、人間と魔女の対立に翻弄される彼女達の戸惑いと、ゆっくり心を通わす恋模様が乙女仕様w　敵なのに心惹かれる揺れる気持ちと愛おしむ心が何とも甘いw　懐かしい少女小説風味、さらりと楽しく読了。

ネタバレ漫画。『魔導具師ダリヤ』のスピンオフのコミカライズ。ダリヤの親友ルチアのお話は、服が好きで真っ直ぐな彼女の奮闘が楽しいお話。さらりと楽しく読了。

ネタバレ漫画。原作既読なので展開は知っているものの、それでも視覚的な満足感が高いw　イケオジ・オズヴァルドの魅力に、魔物討伐部隊の喜びに、そして緑の塔の心安い時を楽しむヴォルフとダリヤがとても好き。今回も楽しく読了。

ネタバレ漫画。掴めなかった幸せをなぞるように、何度も色々な立場で巡り合う周と環のお話は、年齢も性差も乗り越えて出会えた幸せが切ない読み心地。江戸から明治、戦後、そして現代迄、様々な周と環が紡ぐ物語は幸せなのに何処かやるせない。少女漫画ならではの描き方だからこそ訴えるものがあるようです。しみじみ読了。

ネタバレ図書館本。前作から3年後の彼等は、ちょっと変わった娘を間に仲睦まじい日々。薬草を求めて隣国に赴いた彼等が巻き込まれた騒動も、彼等の絆を試すようで何かお腹いっぱいw　IPS細胞を嗜む薬師が、何故にあの病に気が付かないかなぁwと少々呆れつつも、そこはファンタジー色強めの世界観なので深くは考えないw　ままならない事もあるけれど、全力で事に当たる彼等の懸命で幸せな物語、さらりと楽しく読了。

ネタバレ図書館本。怒涛の展開は流石web発wと納得の下巻。思いもよらない方法で魔王の元に帰ってきたセーナ、10年も忘れる事なく思い続けたデル様、そして様々な危機と決して諦めない想い。色々なものを乗り越えて共に生きる事を選んだ彼等のお話は、突っ込み所も多々ありますがw（不老不死なのに妊娠!?とか）真摯な想いを育て互いの存在を愛おしむお話は甘くて優しい。波乱万丈な溺愛物語、さらに続編が楽しみです。

ネタバレ図書館本。初読み作家様。薬剤師として薬の研究に携わる星奈が突然異世界に転移し、此処でも薬師として働くお話は、美しき魔王デルマティティディス（長いわw）との恋愛要素もたっぷりながら薬師としてのお仕事描写も充実した物語。世界の危機を救うため、元の世界に戻った星奈、離れても愛しい気持ちを抑えきれない魔王、そして病との戦いは？　続きがとても気になります。

ネタバレBL。『ぼくは恋をしらない』『きみに愛をおしえる』に続く「こじらせ作家」シリーズ３冊目。灰汁島の小説がドラマ化する事で巻き込まれる騒動は、コミュ障気味で人との関わりを億劫がる灰汁島の内心の呟きがとても楽しいw　人間関係においては世慣れた衣沙も、神と崇める灰汁島が関わるととたんに残念イケメンになるのもツボw　お互いに相手の事が大事過ぎる二人の内緒の恋模様と、癖強な若手俳優の乱入で掻き回される平穏の対比も面白く、今回も楽しく読了。コーヒーコミケも楽しそうですw

ネタバレBL。慈英&臣シリーズスピンオフの『ぼくは恋をしらない』続編。前作の灰汁島視点とは変わり、衣沙視点で語られる今回は、兎も角好きな気持ちがぶれない彼の心情と、トラブルに巻き込まれた苦しい立場が読ませる展開。尊敬する恋人に心配をかけたくないと健気な衣沙、そんな彼を優しく見守る灰汁島、気持ちが通じ合った彼等だからこその遠慮と信頼がとても善きw　クズに絡まれながらも毅然とした灰汁島に衣沙ならずとも惚れ惚れしつつw今回も楽しく読了。

ネタバレBL。『あまく濡れる呼吸』で登場の作家・灰汁島と、彼の大ファンの俳優・瓜生のお話は、コミュ障気味の引きこもり作家と、彼の著作で人生が変わったと崇める俳優の、熱い眼差しから始まる恋模様。久しぶりに濃い目のオタク達の物慣れない恋模様がとても新鮮w　好きな心を捧げる初々しい彼等と、付き合いの長い慈英と臣のあの夜の顛末、更に傍観者サイドの佐藤君達の甘いやりとりと盛り沢山な一冊。とても楽しく読了。

ネタバレBL。灰汁島氏のお話を読む前に再読。『インクルージョン』の二人が歳を重ねて再登場のお話は、重ねた年月分愛情深く思いやる彼等がとても愛しい。三十路と四十路の彼等の変わらない愛情を堪能しつつ、灰汁島氏へいきます!

ネタバレBL漫画。地方の病院に移動してきた理学療法士の吉見と、葬儀社専務の久慈のお話は、懐っこい吉見が頑なな久慈との距離を詰めた優しい恋模様。どちらも人に伝えきれない想いを押し隠しながら、それでも寄り添う優しい心が好印象。ほのぼの読了。

ネタバレBL。かわい先生の「霜夜」のみ再読。『墨と雪』を読了後に読むべきお話と痛感。傷ついた篠口を思いやる遠藤のやるせなさ、そして女装にかける情熱のギャップが堪らない。平河寮フルメンバーの賑やかなお祭り好きw、遠藤と神宮寺の恋人達の秘め事、そして篠口への心からの想いが優しい読み心地。しみじみ読了。

ネタバレBL。元保育士の過去から社長の息子・晶郁の面倒をみる事になった俊と、バツイチ社長の郁之のお話は、ほのぼの子育てBL。不憫系の可愛いお子様あっくんを共に見守るスタンスは好印象、ですが恋愛面ではちと急ぎすぎでは？　それでもゆっくり確かめ合う恋模様と信頼感を楽しみながら、ほのぼの読了。

ネタバレ図書館本。『想い出』と結びつく大切な街や美味しいご飯と人との縁が優しい読後感の短編集。京都から始まり、神戸や横浜、そしてドイツ等で紡がれるお話は、どれも忘れがたい人との想い出とその地で食べた美味しい料理がコラボして、ほっこり優しい読み心地。最も土地勘のあるお話の方が入り込みやすいのも事実で、そんな意味で神戸と横浜のお話がお気に入り。中々旅に出る事も無い自分にとって、活字を読む事で他所の匂いを感じられる気がします。

ネタバレ図書館本。没落した子爵家令嬢・春寧のお話は、虐げられた先に待っている幸せという和風シンデレラストーリー。しかしながら政略結婚も呪われた品も物語としては物足りない。残念ながらさらりと軽めに読了。

ネタバレ図書館本。ほんの少し先のパラレルな未来、暮らしに役立つ筈の法律が人々を追い詰める、そんな短編集。動物の裁判や現金を憎む世の中など有り得る未来の予想図はほろ苦い読後感。禁酒法からの自家製酒造に翻弄される彼女のお話も、嫁として追いつめられる未来図はまだまだ暗闇の中。法律解釈については流石の専門家と思いつつも、何処かもやつく思いで読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ6冊目は、遂に山神様のお名前が判明wしたり、神さま同士の仲良しバトルがあったりの神さまサイドのお話と並行して、不穏な考えの陰陽師VS公務員陰陽師の対決など読み応え充分。不憫な播磨さんの頑張りと、兎も角可愛いエゾモモンガの自立に心癒されつつ、ほのぼの読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ７冊目は、前作から4年後。茜が大学生、すみれも中学生となり変わったようで変わらない彼等の日々を綴るお話は、青藍への風変わりな依頼、怯える少年、そして青藍の母のお話。傷付く事を怖れるように４人で寄り添ってきた彼等も、少しずつ自らの歩む道を進みだしたよう。そして保護者として過ごしてきた彼の自覚も試され、何とも微笑ましい展開。この先の彼等のお話が楽しみ。ほっこり読了。

ネタバレ図書館本。東京国税局京橋地区税務署を舞台に、悪質な事案担当の特別国税徴収官として上司・鏡の補佐をする涼宮のお話は此処から。多分知らないままでも問題無さそうな滞納者達とのやりとりや、税金の知識を網羅したお仕事小説部分は楽しめたものの、きつい言葉のやりとりで心を抉るような雰囲気が何とも苦手。仕事の相手には適度なリスペクトと距離感が欲しい所wと思いつつ読了。

ネタバレ図書館本。『ときどき旅に出るカフェ』続編。旅先で味わった美味しい料理やスイーツを出すカフェ・ルーズもコロナ禍で苦戦。通販やキッチンカーを経て何時ものカフェに戻るも、あの時特有の閉塞感や拗れた人間模様が心をざわつかせる。甘味の満足感よりも、やるせない想いが残る読後感も生き辛かったあの時代が蘇る為かも。明日を夢見ながらも何処かほろ苦い想いを抱えた人々への応援歌、しみじみ読了。

ネタバレ図書館本。ほんの少し日々の暮らしに憂鬱なものを抱える瑛子が、ご近所の元同僚が営むカフェの常連客となるお話は、世界各国の食べ物やスイーツを味わう幸せと、小さな事件に気付く優しい連作集。お中元の謎や消えた月餅、拗れた人間模様も、知らない土地の美味しそうな料理が重苦しい空気を吹き飛ばす。店主の円の鋭い観察眼と美味しそうな料理の数々に魅せられ、ほっこり楽しく読了。

ネタバレBL。緊張状態にある世情の中、隠れ里に神獣と共に暮らす神子アイが迷い込んできた軍人アーサーと出会った事から始まるオメガバースは、ちょっぴり御伽噺風味。特別な力を持つ神獣シルラを利用しようと企む両国な思惑の中、巡り合ったアルファとオメガの恋模様は一途で純粋。夢のような展開はある意味理想郷の物語のよう。擦れた大人の自身にはも少し何かが欲しい所。8歳で天涯孤独になる息子よりも旦那を優先したアイ母にもやつく想いを抱えつつ、さらりと読了。

ネタバレBL。高校時代からの付き合いの真面目なリーマン・鳴町とちゃらい美容師・久瀬のお話、とても良かったです♪　付き合い始めこそ温度差のあった彼等が、次第に離れがたい想いが募っていく関係性がとても善き。一途に想いを捧げる鳴町、他の誰よりも鳴町を選んだ久瀬、恋を経て家族になった彼等の恋模様はほっこり優しい読後感。甘くて一途で穏やかな恋物語、しみじみ読了。お気に入り。

ネタバレBL。混乱した魔界を救う為に勇者討伐の旅に出かけた四大悪魔の一人・アルトのお話は、助けられた恩を返すべくアルトに執着する淫魔ラルゴとの言い難い恋心が楽しいお話でしたw　悪魔と言えど人情味溢れる者揃いの面子で極悪非道な人間に立ち向かう正統派の斜め上を目指すお話は、チョロい悪魔と淫魔の恋の駆け引きと、悪ぶるアルトの善良さが際立つ展開。先生のこんなコメディも楽しくて良きw　奈良先生のイラストに見惚れつつ、楽しく読了。

ネタバレBL。シリーズ2冊目もひたすら甘いw　死者の魂が帰ってくる祭りの最中、不調に陥るシェインを気遣うランフォードの気配りが大変甘くw、狐獣人国からの失礼な使者に怒髪天なランフォードも通常運転w　護られるだけのか弱い存在ながら裏表の無いシェインの無垢な魂に魅せられたランフォードの『叔父さんのにゃんにゃん』発言がもう堪らないw　今回も甘々な王弟カップルに魅了されつつ、とても楽しく読了。

ネタバレBL。続編を読む前に再読。身勝手な王子に拐かされて隣国に届けられた黒猫獣人のシェインのお話は、激怒する王弟ランフォードの重たい愛wと、言葉で伝える術を持たないシェインの涙と信頼が庇護欲を唆られる物語。泣くしか無い受には塩対応が平常運転なのですが、このお話は何処か放ってはおけない愛しさが琴線を震わせたようでお気に入りw　今回もほろりと読了。続編いきます!

ネタバレBL。中華風味のオメガバースは、そこまで区別も差別も無い世界観。少年の頃に出会った小国の王子ユーハンと庶民のリキョウのお話は、身分差も乗り越えて結ばれた直後の運命の変遷。離れても想いは一途な恋人達の葛藤が募る展開は、やるせない想いと変わらぬ愛情が切ない。ただあっさり綺麗な終着点は何処かもやっとする思いも。凛とした受と何処かやんちゃな攻の長い恋の行方、ほろりと読了。

ネタバレBL。結婚が同性でも複数でも可な世界観の元、貧乏男爵レナルトが国王の甥フレデリクと幼馴染みの騎士ジョナスと結婚した事から始まるお話（ちなみに複数の方が決まりで妻ですってw）は、３人ながら愛のある正しい結婚w　どちらも選べないレナルトに一途に愛を捧げるイケメン達の重い愛情、ふんわり躱しつつも何時しか絆されるレナルトの純真。表紙やタイトルの印象、複数に構えて積んでいたのが勿体ないと思いつつ、溺愛と純情の物語をさらりと楽しく読了。

ネタバレ図書館本。関西の百貨店を舞台にしたお話も４冊目。合併により体制が変わった職場に振り回され、体調不全もあって鬱々とした静緒、しかし倒れた事から自分を見つめ直した後半戦が彼女の本領発揮とばかりキラキラと輝くw　年齢を重ねる事で陥る不調もあって俯きがちの彼女が、気のおけない同居人の世話焼きもあって自分に正直に向き合う展開や、失意の顧客の大胆な大人買い企画の爽快さ、そして同居人との新たな関係性も楽しく一気読み。さらなる進化を求められる彼女のその先がとても気になります。とても楽しく読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ４冊目は頑なだった叔父夫婦が療養の為に店から遠ざかり、お糸が「百瀬屋」を切り盛りする事から始まる。風変わりな依頼に戸惑うものの、新たな菓子への興味が募る晴太郎、呆れながらも見守る幸次郎達と、何時もの面々が織り成すお話は菓子職人の拘りと気配りが優しい読み心地。客の思わずもらした一言に菓子への想いが揺らぐ晴太郎の職人魂が眩しい限りw　今回もしみじみ読了。

ネタバレ図書館本。「桐谷佑」のペンネームで合作推理作家として活躍中の大学生の従兄同士が、雪深い山村で殺人事件に巻き込まれるお話は、作者からの挑戦状が差し挟まれる本格推理もの。案山子を村の売りにしている長閑な筈の山村で起こった事件に心ならずも係る彼等が導き出した真相は、ちょっと動機が弱い気もしますが緻密な考察を重ねた名探偵からの挑戦状は秀逸。商業作家として同じ目線の従兄同士の関係性が楽しく、シリーズ続編に期待しつつ、読了。

ネタバレ図書館本。地元で愛されてきた3階建ての本屋「幸本書店」の閉店の日を舞台に、悩める人々が本に込める想いを綴った一冊。若い頃の心の支えだった本、初恋の人が読んでた本など長年地元の人に愛されてきた本屋での出会いや記憶を呼び覚ますのは、本の声が解る少年むすぶ。紙の本離れの昨今、地元の本屋が無くなる寂しさに共感し、本が繋ぐ縁にほろりと、そして紡ぐ未来の夢が優しい読み心地。地元の人達に愛されてきた本屋の暖かな終わりの一日、ほっこり読了。

ネタバレ図書館本。玄宗皇帝の後宮を舞台に、失踪した姉の翠麗妃の身代わりに女装で後宮に入る事になった少年・高玉蘭が、毒に詳しい「毒妃」ドゥドゥと共に不穏な事件に当たるお話は此処から。一族の為に仕方なく後宮で身代わりを勤める玉蘭、毒に詳しく怖れられるドゥドゥ、そして行方不明の翠麗。後宮で生き抜く為に真相を隠しながら毒と付き合うお話は、不穏な空気感が堪らないw　続きが気になります。

ネタバレ図書館本。シリーズ6冊目。幽霊騒動、夫婦茶碗の不思議も良いお話でしたが、今回は祭りに揺れるツキヨミの戸惑いと、そんな神さまを愛おしむ者達の心尽くしがほっこり。初めての祭りに戸惑いつつも、寄せられる想いに胸を熱くする幼い神さまツキヨミがいじらしい。そして他所の盆踊りで亡き人々を垣間見た兎月の涙に思わずほろりと。今回もしみじみ読了。

ネタバレ図書館本。初読み作家様。中野の銭湯「薬師湯」を舞台に、住み込みで働く若者達の夢と現実が眩しい連作集。家賃無し、賄い付きで銭湯の雑務を引き受ける若い人達と、それを見守る大人達の優しい眼差し、そして其々綴られるエピソードがしっとり優しい読み心地。都会だけど何処か下町の雰囲気が漂う街に集う人々の想いを噛み締めつつ、ほっこり読了。

ネタバレBL。オメガバースに異世界転移。オメガの自分を認めたくない愛翔が幼い異母弟と共に異世界に召喚されるお話は、『魂の番』だから共に敵に立ち向かえと強要する神官王イネスがほんと無理。色々苦手が重なりさらりと。残念です。

ネタバレBL。令和版かぐや姫のお話は、一族の為にと使命感に駆られる月族の輝夜が、突然プラネタリウムの投映係・竹垣の腕の中に落ちてきたラブコメ。慣れない現代の暮らしに戸惑う輝夜の物慣れなさと、一月と期限を切った中で寄り添う彼等の想いが絡み合い、笑いと切なさが同居する恋模様はとても良かったです。兎のように子を成す事の出来る輝夜の未来にちょっぴり頭を抱えるも、寄り添う彼等の幸せを祈りつつ、ほっこり楽しく読了。

ネタバレBL。幼い頃から憧れていたジェイクに乞われ、幼子の食事係として豪華客船の旅に同行する結翔のお話は、子育てBLには珍しい子供が懐かないパターンw　初恋のジェイクに想いを残しながらも、彼にそっくりなレオの為に頑張る結翔の献身、忙しい身でありながらレオと結翔に心を砕くジェイク。隠された秘密に驚きながらも変わらぬ愛情を示す結翔の誠実さが好印象。少々ご都合主義的な展開もありましたが、溺愛と信頼に満ちた彼等の恋模様は、塩対応のちみっこwも含めて優しい読み心地で読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ８冊目も宅配担当の雪緒視点。実家で暮らす弟の来訪、墓地に届けるおはぎ、以前の職場の後輩との再会など、悩める人々に添えるお品書きに彼女の人柄を感じさせる。今回もほっこり読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ７冊目は前巻から数年後、夫婦で営む「くま弁」にアルバイトの雪緒が加わった事から始まる物語。理不尽な事態を良しとせず退職した雪緒が、短期アルバイトとして配達を担当するうちに係る人々の悲喜交交がちょっと重苦しいものの、美味しい弁当や優しい心配りがきっかけで前を向く、何時もの優しい読後感。ユウと千春夫婦も登場するものの、雪緒視点で語られる物語は新鮮で新たな気付きが嬉しい所。ほっこり読了。

ネタバレ図書館本。初読み作家様。別シリーズのスピンオフらしいけれど、この一冊だけでも充分楽しめましたw　新宿で50年以上続く「漢方薬局てんぐさ堂」を舞台に、身体の不調を訴える患者に向き合う薬剤師・宇月の活躍を綴った連作集は、普段馴染みのない漢方薬の功能や禁忌、語られなかった隠し事と向き合う謎解きが好印象。宇月の抱えた過去も大概重いけれど、それを活かす道を選んだ彼のその先がとても気になります。楽しく読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ6冊目。ユウとの未来に考え込む千春の話を軸に、進む道に惑う人々の後押しをするお話が集まった一冊。バイトの彼の想い、新パパの悩み、母子の葛藤、そして一歩を踏み出したユウの決断。新たな生き方に戸惑う心を優しく支える美味しい弁当の存在と、困った時に助けてもらった常連客の恩返しwが素敵、そして二人で支え合う覚悟の彼等に心からエールを。ほっこり読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ５冊目は、惑い中のお仕掛け弟子、餃子祭りw、自分に自信の無い彼、そしてこれからを決断するサクラマスw　ユウとの付き合いが進むにつれ未来を思い悩む千春の心の内を通奏低音に、弁当屋に訪れる客とのやりとりが今回も暖かい。そして北海道ならではの味覚がまたしても飯テロw　北の味覚が詰まった「まかないちらし」やマトン入り餃子なんて美味しいに決まってるw　今回もほっこり読了。

ネタバレ図書館本。コバルト文庫で刊行のものを再版。中国・宗の時代、科挙に合格し地方官吏として赴く途中、水鬼・心怡との邂逅で死者の亡霊が見えるようになった梨生のお話は、財政を担う傍ら検死を担当する彼が遭遇する怪異２篇からなる物語。理不尽な死を迎えた者の為に奮闘する梨生の諦めない正義感は好印象ですが、事件はどちらもやるせない想いが拭えない。陰惨な事件にも係わらず、心怡のその先や女装癖の美貌の上役など読み足りない事もあって続編が有れば嬉しいと思いつつ読了。

ネタバレBL。web発の初読み作家様。突然異世界に召喚されたものの、用無しの神子として殺されそうになった彰が、素性を隠して冒険者として生きるお話は、男同士の恋模様よりも異世界転生冒険者のお話として楽しめましたw　異世界で何度も傷付きながらも、背中を預けられる相手・ジルと共にこの世界で生き抜く彰の生き様が男前w　朝チュンなのでその辺はあっさりめなのも大歓迎w　楽しく読了。

ネタバレBL。亡き兄が面倒をみていた大学生で秘書見習いの慧と同居する事になった駆け出し画家の桂路のお話は、其々生きづらさを抱えた者同士の寄り添う恋模様。自分の画に悩む桂路の躊躇い、虐待サバイバーの慧の空虚、それぞれ重いものを抱えながら心の隙間を互いで埋めていくようなお話はちょっと重めの読後感。心配性過ぎて重たい亡き保護者に振り回される彼等が、それでも幸せそうなので良しとするw　しみじみ読了。

ネタバレBL。ずっと好きだった相手とひとつ屋根の下なのに中々どうしてなお話は、魔術の失敗でゲテモノに変身してしまった光魔法使いのジェレミと、魔法以外には興味の無い無愛想な闇魔法使いのヨアンの物語。ままならない胸の内に戸惑う彼等の恋模様は、ある意味すれ違いからくる本音と気付きが絡み合い、恋のときめきと愛おしさが絶妙な塩梅。双方共にあまりに不器用だからこそ手放せない恋心が愛おしく、ほっこり楽しく読了。

ネタバレBL。先生の訃報に心乱されつつ読了。シリーズスピンオフ４冊目はひたすら甘々な短編集。小冊子やペーパーから収録されたお話は、ディックとユウトを始めとする登場人物勢揃いで甘々にもほどかあるwと思うほどに愛と信頼に満ちている。そして彼等とはもう会えないと切ない胸の内も。ディックの両親のお話とかヨシュアの次の映画の話とか、もう読めないのですね(T_T)コミカライズも書き下ろしもあるのに、何だか寂しい想いを抱えて読了。

ネタバレBL。恋人でもある皇子アウスラーブの死を悔やみ、過去に舞い戻った従者サスランのお話は、不思議な力を内緒にする故に拗れた恋模様。アウスラーブの為に今度は間違えないように気を配るサスランの健気、不遇の境遇ながら凛とした生き様のアウスラーブ、彼等の焦れったい恋模様とやり直し故にすれ違う想いが切ない。口絵のyoco先生のイラストにうっとり心を奪われながら、厳しい運命に立ち向かう薄幸の恋人達の物語、しんみり読了。