再読。円紫さんと私シリーズ第１弾。極上の日常系ミステリである。探偵は噺家である円紫さん。些細な物事から真実を紡ぎ出す頭脳や優しさ溢れる佇まい等、彼は僕にとっての憧れの名探偵の1人である。文学部の〈私〉の視点で描かれる日常は時に軽やかで、時に苦く、時に温かい。これは、大人に向かう〈私〉の成長譚でもある。当時入院だかで、途中で読むのをストップしてしまったのでまた、1作目から読んでいこうと思います。最後に単行本時の著者の言葉をば。"小説が書かれ読まれるのは、人生がただ一度であることへの抗議からだと思います"

名作を読むシリーズ。みなさん、お馴染みのガリヴァ旅行記。小人の国での出来事はあまりにも有名だろう。しかして、その中身は、原作はというと、皮肉に溢れている。そう、皮肉に溢れている。言うなれば、人間嫌いの人間嫌いによる人間のいかなる部分を嫌いかを書いた物語のように思われる。特に最後の国のお話がそれである。それであり、袖にされる。愚かなる人間への、ヤフーへの嫌悪がぶつかってきて、ヤフーである己に鈍く響いた。

シリーズ第９弾。路近、その男、危険につき。路近の事が信用できない長束は、奈月彦にある人物に会うように勧められる。圧倒的な力、頭脳、凶暴さを持つ、シリーズきっての怪物、路近のこれまでが明らかにされる。雪哉と対立した翠寛も非常に魅力的で、主人公足り得る逸材だと感じた。この物語の感想は路近、やべぇの一言につきると思ってましたが、背筋がぞわぞわっとなる出来事が。この精緻に織り込まれた物語に改めて鳥肌が立ちました。

舞城王太郎デビュー作。サンディエゴで医者をしている四郎のもとに一本の電話。母親が連続主婦殴打生き埋め事件の被害者に。シット！ヘイヘイヘイ、マイマザーをこんな目に遭わせやがってと、帰国した四郎は事件の解決に乗り出す。このスピード感に乗ることが物語を楽しむ上で必須項目だ。ハイスピードでハイウェイをノンストッピィング。どうせ、いつかは煙か土か食い物。それでも生きてる意味なんて、あるのかよ。生まれてきた意味なんて、あるのかよ。愛なんて、あるのかよ。チャッチャッチャッ。ハイ！

再読。円紫さんと私シリーズ第１弾。極上の日常系ミステリである。探偵は噺家である円紫さん。些細な物事から真実を紡ぎ出す頭脳や優しさ溢れる佇まい等、彼は僕にとっての憧れの名探偵の1人である。文学部の〈私〉の視点で描かれる日常は時に軽やかで、時に苦く、時に温かい。これは、大人に向かう〈私〉の成長譚でもある。当時入院だかで、途中で読むのをストップしてしまったのでまた、1作目から読んでいこうと思います。最後に単行本時の著者の言葉をば。"小説が書かれ読まれるのは、人生がただ一度であることへの抗議からだと思います"