さても暑き葉月でござった。村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』はここに至る迄の本を読み直したくなった。マリオ・バルガス=リョサ『ケルト人の夢』は壮大な物語だった。。山崎耕造『核融合の基本としくみ』で実現可能性は低いと思った。今月も宜しくお願いします。2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:13冊 読んだページ数:3871ページ ナイス数:2143ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/815148/summary/monthly/2024/8
伊吹山←新幹線の窓からこれが見えると間も無く京都という気持ちが込み上げます←の悪神の毒気で力を奪われたヤマトタケルは例の太刀を帯同してなかったため、とも。熱田神宮辺りで月の障の夜須姫と交わったためとも。平安京に落ち着くまで、武張った豪族頭目らが親子兄弟親戚こぞっての血塗られた権力抗争の歴史です。後の国史編纂時に諡号を得て何々天皇が脚色出現した、というものの。本居宣長の古事記受容に惹かれる所もあり笑
目指すのは「顧客価値の最大化」だと。顧客価値は機能的価値+意味的価値。前者はものの価値で後者がソリューション価値だと。今良く言われる「コト売り」ですね。営業がソリューションを示す為には多くの企業の現場を知らなければならない。現場情報を集めまくる。キーエンスの営業がしつこいのはこう言う背景があったか。著者は学者らしくSEDAモデルと言うものがあると書く。サイエンス、エンジニアリング、、デザイン、アートの4象限モデル。サイエンス、アートが上位に置かれる。優れた企業はこれら全てを持っている。例えばアップル。→
でもアップルにアートはあるかも知れないがサイエンスは無い。既存技術の寄せ集めをスマートにやったと言う事だ。キーエンスにはおそらくアートも無い。エンジニアリングとデザインで製品を作っている。むしろ一番のポイントは商品企画力だろう。高い値段で沢山売れる商品を企画すると言うのは至難の技だ。ここに営業が集めた顧客情報が多いに貢献する。大方の営業は自社に無い他社の製品を安く作れと言うがこれに従うと碌な製品にはならない。それを避けるコンセンサスがあると言うだけで凄い事だと思う。後は長時間労働をしているかどうかだ。
honoさん、こんばんは。理系とは言え私もひも理論など全然わかりません😭ただこのての啓蒙書を沢山読んだので雰囲気はわかるようになりました。雰囲気だけです😁
読み終わって結局進藤コーチと妻冴美のちょっといびつな関係とそれを巡る会員の人達と言う枠で書いている様だ。一番おとなしげな受付け嬢の千麻子周辺が一番おどろおどろしい。作品としては十分面白い。直木賞まで十数年かかったとは思えない。
達に囲まれてボコボコにされる。女性は肌を出す服を着てはならないと言う理由で。アラブだけでなくユダヤでもなのか。本書の題名はソ連崩壊直後のバルト三国を取材に行った時のもの。バルト三国は豊かだったがソ連に組み込まれた後国民はシベリアに連れて行かれてロシア人が入植して良い場所を占拠したと。そのあたりのインタビューがリアルだ。ベラルーシはバルト三国では無い。何故本書の題名にベラルーシがあるのかは読んでのお楽しみ。ベラルーシって白ロシアと言う意味なんですね。白ロシアは文芸作品の中に出てくるが何処か知らなかった。→
ベラが白でルーシはロシアの事。wikiによるとロシアはそもそも9世紀に川を遡って来てノブゴドロに「ルーシの国」を建てたバイキング(ルーシ人、オールを漕ぐ人の意味)が大元になっていると。
作者は治療と同時並行的に本書を書いたと言う。そこは作家根性と言うか。カナダの医療関係者たちのあっけらかんとした雰囲気が良くも悪くも興味深い。作者は現状サバイバルしている。がいつ再発するか分からないたちの悪いやつに捕まった状態は続く。感心したのは治療中Meal Trainと言う食事を友人知人が順繰りに届けてくれると言う共同体の働き。移民が多いバンクーバーならではのシステムか日本にも似た様な事をしている人が居るのか。田舎ではありそうだ。若い女性が嫌う田舎では。
7ヶ月に渡ってただかき口説くフランス男って居るのか。口説かれて楽しみながら妙に貞操に拘る「社交界の華」も何だか変だ。結婚は政略で後は自由恋愛と言うのが貴族達の習性だと思っていたが。解説によればバルザック自身のカストリ!伯爵夫人との関係が幾分反映されているかも、との事。本書は『十三人組物語』の第二話だと。いきなり謎の男が出てきたりする。とはいえ後半ぐっと面白くなり結末に至っては「え」と驚く事になる。面白い。
狙いをつけて飛びついたもの。岸信介、中曽根某達は1953年のアイゼンハワーの国連での演説「原子力の平和利用」に軍需産業の復活を見た。原子力の民需と軍需の境目は曖昧だ。核兵器に使うプルトニウムを作るのに必要なのは原子炉だから。その考えは三菱重工をはじめとする旧軍需産業、そして電力会社へと伝わった。かくして原子炉の実験から実用まで順調に進んだ。1960年代に既に高速増殖炉と再処理工場のプランは国策として固まった。何事も計画時が一番楽しい。原子炉の核燃料の燃えカスが溜まるまで数十年あった。この構造は→
年金行政と似ている。再処理工場も高速増殖炉も当初科学者達は甘く見ていた様だ。ところが何十年経っても完成しない。レーガン、中曽根の間で核不拡散条約の埒外として再処理が認められそれこそが日本が一等国の印であるとの古臭い価値観の元我々の税金が10数兆円注ぎ込まれて来た。実は再処理工場は再処理される核燃料の何倍もの量及び毒性の強い核廃棄物を出す。その処理をどうするかは未定。地層に埋めるとて日本に十万年安定な地層など無い。原子力政策も核燃料サイクルも行き詰まっている現状がよくわかる本である。
使われた後禿山のままなのに対して日本の山は森を取り戻した。豊かな水のおかげだ。海洋プレートは日本に金銀をもたらした。聖武天皇の時代に奥羽で砂金が発見され奈良の大仏の金メッキに使われた他遣唐使達はその金で滞在費や御経を購入するのに使った。この話が遠く欧州まで伝わり「黄金の国ジパング」伝説になる。奥州藤原氏の繁栄の元になったのは北上山地の金山だ。佐渡金山は徳川家康が天下を取った途端発見され江戸幕府の初動におおいに貢献した。多寡はあったが戦後1958年まで掘られたと。驚いた事に1970年代になって鹿児島で→
菱刈金山が発見され佐渡金山より豊富な埋蔵量があるらしい。ただし地層は100万年前と佐渡の2400万年前に比べて新しい。つまり深い所を掘っていると言う事。金も温泉も海洋プレートが潜り込み高温高圧下でマグマ溜まりが出来地上から染み込んだ水と相互作用する事により出来るんだと。海洋プレートの潜り込みにはこう言う良い面もあるが地震と火山噴火は避けられない。我々は慣らせないじゃじゃ馬である日本列島に住んでいる事を銘記し災害が起きても全滅しない備えが必要だと。東京1極集中はもっての他で選択と集中は一番の悪手だと言う。
驚いた事に双子の女の子が突然住み着いて一緒に暮らす。双子は見分けが付かない。アンドロイドの様に。いやアンドロイドであれば個性をもたせるだろう。双子は工業製品であるピンボールマシンの化身だから見分けが付かないのかも。会話の一つ一つは洒落ている。受け答えが都会派小説のそれである。レイモンド・チャンドラーを少年時代から読んでいた作者がさらに村上春樹風に仕立てたもの。本書は長い物語の一つのエピソードらしい。
PS.印象に残ったセリフ。 配電盤の修理人が双子と暮らす僕に対して 「あたしも21年間いろんな家を回ったけどこんなの初めてだな」 「何が?」 「つまりね、ん、、、双子の女の子と寝ている人なんてのはさ。ねえ、旦那も大変でしょう?」 「そうでもないよ」 「本当に?」 「本当さ。」 「彼って凄いんだから。」208 「獣よ。」209 「まいったね。」 だから村上春樹は面白い🤣
国際法で普通に裁かれたら全体を統帥していた天皇は責任ありと言う事になる筈です。事実マッカーサーが憲法の成立を急いだのは連合国軍としてソ連、英国等がやって来る日が決まっていてそれまでに日本国憲法を成立させ天皇は憲法上象徴であるのでこの日本国の象徴たる天皇を戦争裁判にかける訳にいかない、と言う論理を作りました。もちろんマッカーサーの日本占領を上手くやって将来の大統領戦を考えての事です。私は天皇がきちんと責任を取らなかった為その後に続く日本の各界のトップが責任を取らないと言う悪しき前列になったと思っています。
ガラスの文鎮というニックネームですが文房具フェチな所があってそういう意味の文鎮です。文鎮と呼んでください。嫌いな作家は百田尚樹なのでそのレビューだけはナイスをパスします。悪しからずご了承ください。
(好きな作家、敬称略、順不同)
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作者は治療と同時並行的に本書を書いたと言う。そこは作家根性と言うか。カナダの医療関係者たちのあっけらかんとした雰囲気が良くも悪くも興味深い。作者は現状サバイバルしている。がいつ再発するか分からないたちの悪いやつに捕まった状態は続く。感心したのは治療中Meal Trainと言う食事を友人知人が順繰りに届けてくれると言う共同体の働き。移民が多いバンクーバーならではのシステムか日本にも似た様な事をしている人が居るのか。田舎ではありそうだ。若い女性が嫌う田舎では。