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2024年10月の読書メーターまとめ

おたま
読んだ本
10
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2796ページ
感想・レビュー
10
ナイス
1448ナイス

2024年10月に読んだ本
10

2024年10月のお気に入り登録
11

  • もりくに
  • はるぱ
  • mukimi
  • 今日もおひさま
  • KJ
  • チシャ猫
  • ZAKI★
  • nonpono
  • soon5
  • 中玉ケビン砂糖
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2024年10月のお気に入られ登録
10

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2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

おたま
言語の発生について、著者たちのオノマトペの研究から述べているところが独特ではあるが、非常に興味深い。言語の進化と子どもが言語を獲得していくその初期の段階に、オノマトペが重要な意味をもっていることが、この研究からは分かる。オノマトペ(例えばドスッ、ノソノソ、シーン等)が、具体的な象徴性をもって言語の立ち上がりに関わり、かつ言語と身体との記号接地の役割も担っている。だがいつか言語は自立して、言語独自の体系へ抽象化し飛躍しなくてはならない。その時に行っているのがアプダクション推論ということらしい。
おたま
2024/10/03 10:54

このアプダクション推論により、知識を増やしながら、同時に「学習の仕方」自体を学習していく、そのプロセスをブートストラッピング・サイクルと名付ける。ここからはまったくの私の推論になるが、これらは板倉聖宣の「仮説実験授業」の学習論であり、また安冨歩の論語研究による孔子の「学習」論と非常に重なっているように思う。まさに人間に本来的に備わった暗黙的な学習の、自然な形となっているようだ。言語学の学習にも応用されているようだし、広く学習一般も改革していくような広範な関心領域をもっているように思う。

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2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

おたま

定例の図書館に通う日。ノーベル文学賞を受賞した韓国の作家、ハン・ガンさんの本が借りられたら借りようと、韓国文学の棚の所を見てみた。見事にハン・ガンさんの本は一冊もない。別にノーベル賞受賞のコーナーが作られていた訳でもなく。やはり何かの賞を受賞するということは大したことだと改めて思った。これまで韓国文学のコーナーの本は、いつも望んだ本はほとんど借りることができたが、この熱気が沈静化するまでは待たなくてはならないかも。韓国文学が多くの人に認知されたことはよかった。がしかし、内心若干トホホな状況ではある。

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2024年10月の感想・レビュー一覧
10

おたま
かれこれ数十年ぶりの再読。ただ単に本をもやし、知的に考えない反知性のユートピア=ディストピアを描いた物語と思い込んでいた。しかし、今回再読してみて、この本はかなりの深度と幅をもった現代文明批判とそこからの回復の物語だと思った。主人公のモンターグ、彼は「昇火士」(ファイアマン)と呼ばれる、本を見つけて燃やす仕事についている。そのモンターグが、本が人間にとってもつ意味を見つけ出し、本を保存する者へと転身していく姿をも描いている。彼の妻ミルドレッドが、まさに現代社会を体現している。⇒
Himeko is not cat
2024/11/02 22:00

ミルドレッドは今の大人たち、クラリスは子供たちという対比の比喩に共感です!

おたま
2024/11/02 22:09

Himeko is not catさん、コメントありがとうございます。そうです、クラリスにはどこか天真爛漫な、世界に向かって開かれている、成長の希望をもっている子どもたちを感じます。そして空疎な自分を、空疎だと自覚できない程にまで空疎な大人が増えてきているように感じて恐ろしくなります。

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おたま
労働法について書かれた概説書。労働法の歴史から始まり、全体的な枠組み、各論として、雇用関係、労働者の人権、労働条件等について具体的な例も挙げながら解説している。また労働組合や紛争解決の機関等の紹介もあり、労働関係で困ったときにも役立つ。様々な形態で働いている方たちにも、また労働組合の方や問題を抱えている方にも、使える知識としての労働法を教えてくれる。今回読んだのは2011年発行の旧版であり、内容として少し古くなっているところはある。現在は新版(2019)が出ているので、そちらを読むとよいだろう。
おたま
2024/10/30 10:29

会社の経営者にも、労働者にも、こうした労働法の知識は必要だと思うが、現在はあまりにも知られていない。労働基準法すら守られないで、働かせたり、働いたりしている。労働法は労働者を守るだけではなく、会社が労働者にとって働きやすくなれば、それだけ生産性は上がるだろう。だからこそ、皆にとって知識として知っていることが必要だ。そのために中高生のうちから、こうした労働法について学ぶ機会がほしい。高校生でブラックバイトに、社会人になってブラック企業に、また雇用の滅茶苦茶さに翻弄されないためにも、そうした教育は必要だ。

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おたま
本当に初心者のためのChatGPTの概説書。その基本的な機能や使い方、また基になっている考え方等を紹介している。個人的には最終章「生成AIがもたらす未来」が大変興味深かった。最近知った「記号接地問題」や、人間との間でのどのようなやりとりが可能かという問題。さらにAIが自律して思考、行為するようになったときに訪れるだろう「超知能」の問題(いわゆる「シンギュラリティ」)等まるでSFの世界だ。しかし、今それは着実に現実化に向かって進んでいるようだ。だからこそ、今だからこそ、本書のような本は必要だと思う。
おたま
2024/10/25 11:58

ちょっと空想してみよう。人類が言葉をもったとき、また文字をもったとき、多分人類の存在の仕方を変更してしまうようなインパクトをもった「進化」が起こった。今回のAIの進歩も、それに匹敵するほどのインパクトを潜在させていないだろうか。人間と機械との関係を根底的に変更してしまうような、またAIなくして人類の存在が考えられなくなるような。突き詰めて考えていくと、AIと人類は共生できるのかとも思える。人類総家畜化という「ヤプー」みたいな世界にならないと、はたして断言できるのだろうか。そうした危惧はもつ。

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おたま
これまで読んだ同著者の『言語の本質』や『英語独習法』のさらに基本にある言語に対する考えを書いた本。「ことば」が人間の思考にとって、いかに根底的なモノであるのかを教えてくれる。しかも、それを哲学的な議論ではなく、実験科学として提示しているところが、これまでの言語と思考に関する本より一歩踏み込んでいる点だろう。私たちが、何かを認識するとき、私たちは必ず「ことば」を使い、母語のフィルターを用いている。ことばが異なる時、すでに知覚や感受の次元にまで及んで差異は生まれる。つまり、「ことば」が違うと、⇒
おたま
2024/10/20 10:30

見えている、感じている世界が異なっている。私たちの認識は、「ことば」のもつ世界の区切り方に依存している。世界には、「前後左右」という「ことば」をもたない人々もいるし、私たちの関知しない色の名前を使用している人々もいる。では完全に通訳不能かというとそんなこともない。私たちがヒトである以上、もっている認識する能力は普遍性をももつ。この本では、最終的に、通訳可能性と不可能性との間に、使う「ことば」の異なる人々はいるとしている。これは単純化をせずに、例えば他言語を学ぼうとするときに心に留めておかなければならない。

おたま
2024/10/20 10:39

この本では、子どもが「ことば」を獲得し、発達していく過程も詳細に追いかける。なんと生まれて間もない赤ちゃんは、何語の発音でも聴き分けられる耳をもっているという。それが、母語に囲まれ、溢れかえった生活を続けることで、ある言語に特化された耳をもち、その言語での切り分けでモノを見るようになっていく。さらにその先に、言語や認識を自己更新していく能力を生得的にもっている。そして、様々なモノの関係性をも認識できるようになり、次第に抽象的な思考もできるようになる。人間だけがこのような能力を持つことは驚くべきことだ。

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おたま
高校生でアルバイトをしている真吾君と、弁護士をしているおじさんとの対話という形で解説しており大変分かりやすくなっている。中心にあるのは、パート・アルバイト・派遣等、非正規労働の働き方、解雇・雇止め・未払賃金・年休・就業規則・労働契約等について、それぞれ法律にも立ち入って、具体的な場面を設定して解説している。実際の労働現場で出会いそうな事柄を、法理の上から、そして働く者の立場から解説していて、労働法の入門書として優れている。ただし、2009年の発行なので、書かれている法律が古いところはある。
おたま
2024/10/16 10:22

対象としては、これから働き始める、あるいはアルバイトをしようとしている、中高生向けになっている。しかし、書かれている内容は非常に濃いものであり、現在働いている労働者が読んでも役に立つ。私自身が労働組合に関した活動をしており、必要に迫られて労働法の知識を学びたいと思って読んでみた。ここに書かれていることを実行に移すだけでも、様々な労働問題を抱えている人には役に立つと思う。

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おたま
韓国語を学ぶために、韓国ドラマを観ることにし、まず観たのが『愛の不時着』。これ一本で完全に韓国ドラマにハマりました。すでに次の『梨泰院クラス』も観終えたところで、図書館でこの本が目にとまった。題名の「不時着」は『愛の不時着』のこと。ドラマについて、一歩踏み込んで解説してもいるが、どちらかというと韓国と日本の文化や感性の違いについて書かれている。そこからドラマを観る際に、日本人が違和感を感じるところ等について、解説がされていた。できれば、もう少しドラマに即して解説されていると良かったと思う。
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おたま
今井むつみの『言語の本質』を読んで、それの応用編とでもいうべきこの『英語独習法』も読んでみることにした(ただし出版はこちらが先)。現在独学で韓国語を学んでいるので、それにも役立てたいという思いもある。根底にあるのは、日本語で外国語を学ぶ際に気を付けなければならない「スキーマ」の違い。「スキーマ」とは単に日本語の単語を入れ替えただけでは、その言語で言い表さんとする「感じ」を表現できず、その言語独自の表面に表れていない世界の切り取り方にまで迫る在り方とでもいうもの。そこで、構文全体で述べたいことを推測し、⇒
おたま
2024/10/12 10:23

それに適合する単語、さらにそこに付随してくる前置詞等を総体として使えるようにならなければ、本当にはその言語を使う話者には伝わらない。そこで、外国語を学ぶ場合には、スキーマを意識しつつ、構文やフレーズ、前置詞付きの単語、共起する類義語等を学ぶことが薦められる。特に実践編としての熟読、熟見(外国語の映画やドラマを元の言語で見、そこで使われている言葉を分析的に見る)、スピーキング、ライティングの力、特にライティングによってスキーマも身に着けていくこと等が、非常に有効であるように思われる。

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おたま
題名の通り、紫式部の娘、藤原賢子(かたこ)を主人公とした、中高生向けの小説。大河ドラマ『光る君へ』を観て紫式部に、平安貴族社会に興味を持ち、関連書籍を探している中で出会った一冊。賢子は14歳で皇太后・彰子の女房の一人となるが、母紫式部が内省的でややネクラだった(らしい)のと対照的に、実行力と人望のある人物だったようだ。当時の様子も丁寧に描かれ、切なくも爽やかな青春小説になっている。この小説、実はシリーズの二作目に当たるということで、第一作の『紫式部の娘。賢子がまいる!』もまた読んでみたい。
おたま
2024/10/10 19:51

一条天皇の中宮彰子や、この小説の主人公藤原賢子は、大河ドラマではまだあまり前面に出て来ていないが、両者ともにかなりの実力、実行力をもって御所及び女房たちに働きかけていたらしい。今後ドラマの方でもその辺りも描かれていくように思う。また、この小説には、和泉式部の娘・小式部、清少納言の娘・小馬(こま)も出てくる。こちらも現在母たちがドラマに登場しているので、その辺りの人間関係も面白い。いろいろと興味深く読めたのもドラマのおかげかな?

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おたま
ネタバレ作者アンソニー・ホロヴイッツと探偵役のダニエル・ホーソーンの活躍するシリーズの第四作。ホロヴィッツが脚本を書いた戯曲『マインドゲーム』が初上演された翌朝、その作品を酷評した劇評家ハリエット・スロスビーが刺殺される。しかも残された凶器のナイフはホロヴィッツに贈られたものであり、ホロヴィッツの指紋も検出される。最重要容疑者としてホロヴィッツは逮捕される。こともあろうに以前屈辱的な対応を受けたカーラ・グランショー警部によって。留置から救い出したのがホーソーン。はたしてホロヴィッツは無実なのか、また真犯人は誰か?
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おたま
言語の発生について、著者たちのオノマトペの研究から述べているところが独特ではあるが、非常に興味深い。言語の進化と子どもが言語を獲得していくその初期の段階に、オノマトペが重要な意味をもっていることが、この研究からは分かる。オノマトペ(例えばドスッ、ノソノソ、シーン等)が、具体的な象徴性をもって言語の立ち上がりに関わり、かつ言語と身体との記号接地の役割も担っている。だがいつか言語は自立して、言語独自の体系へ抽象化し飛躍しなくてはならない。その時に行っているのがアプダクション推論ということらしい。
おたま
2024/10/03 10:54

このアプダクション推論により、知識を増やしながら、同時に「学習の仕方」自体を学習していく、そのプロセスをブートストラッピング・サイクルと名付ける。ここからはまったくの私の推論になるが、これらは板倉聖宣の「仮説実験授業」の学習論であり、また安冨歩の論語研究による孔子の「学習」論と非常に重なっているように思う。まさに人間に本来的に備わった暗黙的な学習の、自然な形となっているようだ。言語学の学習にも応用されているようだし、広く学習一般も改革していくような広範な関心領域をもっているように思う。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/12/27(2158日経過)
記録初日
2018/12/31(2154日経過)
読んだ本
554冊(1日平均0.26冊)
読んだページ
189276ページ(1日平均87ページ)
感想・レビュー
552件(投稿率99.6%)
本棚
10棚
性別
自己紹介

小学生の時に読んでワクワクしたのが『西遊記』。そこから読書が始まりました。
中学生の時にSFマガジンと出会い、その頃連載されていた小松左京『継ぐのは誰か』にのめり込み、さらに既に刊行されていた『果しなき流れの果に』を読んで人生観が変わるほどの衝撃を受けました。
高校、大学の頃にはSFも読みつつ、当時の時代の流れにのって、サルトル、カミュ、ドストエフスキー、安部公房、大江健三郎、柴田翔、高橋和巳(小松左京と京大での大親友であったことを後に知りさらにのめり込み)、登場したばかりの村上龍等を読んでました。
最近、その頃読んでいたものを読み返すことが多いのですが、「こんなこと書いてたんだ」ということばかり。再読しつつ、やはり時代を超えて残っていく作家の作品は凄いと再認識しています。
と言いつつ、今でもSFやミステリーも大好きですし、人文系や社会科学系の本も関心のある分野(文学評論、心理学、哲学、社会学、現代社会論等)では広く浅く若干乱読気味に読んでます。ただし遅読です。
今現在の若い方がどんな本に興味をもっているのかにも興味津々。いろいろ教えてほしいな、と思っています。

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