驚きを楽しみたいと思って、感想や帯を読むのを止めておいて正解だった。犯人が分かってもこの人たちはどうするんだろう？重い選択だなぁ〜なんて考えていて読んでいたけれど、こう来たか！最後の最後が凄かった。

お気に入りの営繕かるかやシリーズの3作目。 見えてしまう、聞こえてしまう展開にゾワッとするけれど、かるかやの尾端さんが登場した途端安心できてしまう。その後どうなったかまでは語られないけれど、きっとみんな幸せになっているはずと希望のもてる終わり方が好き。

お題が「スカート」のアンソロジー。自分がもともと持っているイメージとかわいい表紙から、明るいイメージで読み始めたらだいぶ違った。ジェンダーよりが多かったし、承認欲求の話もあったりで重い感じがした。そんな中で佐原ひかりさんの「そういうことなら」が爽やかに感じられた。佐藤亜紀さんの「スカートを穿いた男たち」も面白かった。最初はよく分からなかった津原泰水さんの「I,Amabie」は、読み返すとじわじわときて忘れられない。

平安時代の姫君が染色に興味を持つ。工房をたずねて染色の様子を見たり、源氏物語に出てくる衣装を再現してみたり。 和の色を想像したり、検索して実際に見てみたり。でも、この本の中ではさらに「襲（かさね）」という色の重なりを楽しむ。非常に興味深かった。

本屋さんで一目惚れして購入。未知の生き物との不思議な体験。心温まるお話。ラストがとても良かった。

なんとも愛らしいトガリネズミ。でも、働き者で堅実。日々を丁寧に暮らしている。頭が下がる思い。 手に入れた中古のテレビを観た時の表情に、トガリネズミのハッとする息づかいが聞こえてくるようだった。

読み終えてまず思ったのは、美術館に行きたいということ。私にとってのこの一枚という絵に出逢いたい、この小説の中の主人公たちのように。 どのお話も、気持ちが前向きになる、心にエネルギーを補充してくれる温かい作品。 それにしても、マハさんの美術小説を読むと、登場する絵が今までと違って命が吹き込まれたように見える。今回は静物画が含まれていたので余計にそう思えた。

驚きを楽しみたいと思って、感想や帯を読むのを止めておいて正解だった。犯人が分かってもこの人たちはどうするんだろう？重い選択だなぁ〜なんて考えていて読んでいたけれど、こう来たか！最後の最後が凄かった。

以前から読んでみたかった岡本綺堂さんの怪談話。 昨年生誕150周年ということで出された名作集。 読みやすくなっていて、初めて読むのには最適だったのでは。久々、時代小説も楽しめた感じ。 「猿の眼」「赤い杭」「水鬼」などが好き。

伊坂幸太郎さん。多分ちゃんと読むのは初めて。これを機に他も読んでみたいなと思える、ひねくれているようでほっこり来るお話だった。大人のための絵本。

大好きな『赤いモレスキンの女』の著者のデビュー作。オークションハウスで自分そっくりな肖像画に出会ったことから変わっていく人生。他の２作に比べ男のロマン的要素が強い気もしたけれど、紋章の謎を解いていくところが面白かった。