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日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳この四十年

感想・レビュー
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coboss
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田口さんはハードボイルド翻訳職人みたいなイメージだったのだが、本人のエッセイを読むと、腰が低いというかユーモアあふれるというか、自分の翻訳ミスを一杯上げて懺悔しておられる、まあ翻訳学校向けのエッセイなので、英語力の高さを自慢するわけにはいかないのだろうけど。しかし昨今の自動翻訳の充実ぶりを考えると、エンタメ翻訳の将来も結構危ういのでは。産業翻訳はもう仕事無くなってるのではと思うが、ハーレクインとかもう自動翻訳いけるのでは。20年後はチャンドラーとケインだけしか仕事ないかも。マイクル・Z・リューインいい人!
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小林洋介
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p.129 翻訳不可能といった原文はある。そんなものはいっぱいある。しかし、翻訳不可能と「どう訳していいかわからない」というのはまったくもって似て非なることだ。翻訳不可能とわかりつつも、どうにか訳を考え、それを形にする。それが翻訳という仕事である。翻訳者に課せられ使命である。
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ROY
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翻訳者(特に海外ミステリの)の方が考えられていることがよくわかります。何より紹介される海外ミステリが読みたくなります。
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さたん・さたーん・さーたん
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この年齢の物書きの方にしてはたいへん謙虚で(偏見)、嫌みっぽさがなく翻訳人生をへりくだりながら振り返る。自らの誤訳やトラブルなどを赤裸々に語り、在りし日を顧みる現在の姿勢も過去の誠意も感じ取りながら読んだ。英語は読めなくはない方だが、世の中に出る訳文の責任を負うのはしんどいと思う。犯人訳し間違えること、あるだろうよ~~~
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ryohei
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ハードボイルドなど40年にわたり活躍する翻訳家が、自身の訳書を読み直し数々の誤訳?を振り返る、汗と涙の一冊。高校の英語教師から翻訳家として独立、大先輩や同僚の助けや、原作者本人への問い合わせなど苦労山積のエピソードが満載です。大雑把だと言いながらも細部に拘っている、そんな筆者の心の揺らぎが、切々とユーモアたっぷりに語られます。「郵便配達は二度ベルを鳴らす」では、原文の解釈の違いからそれぞれ異なる8人の訳文が紹介され、読後の印象がいかに変わるのかが良くわかります。翻訳ミステリーの世界の奥深さが感じられます。
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いっちゃん
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「何を言っトルコ」で盛大に吹きました。AI翻訳ではまず出ない訳文です。田口さんの訳ではないけど。自分が読んだことのある翻訳本があちらこちらに出てくるのが面白かったです。原書で読む英語力がない自分には、訳してもらった作品がその作品なわけです。私自身は女性が訳してる作品がやっぱり読みやすいかもと思いました。最近鬼籍に入られた北上次郎さんの話もあったり、ちょこちょこネットで調べながらゆっくり読み終えました。
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たなかはん
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若い頃は、内藤陳氏が薦めていたような冒険小説やミステリを中心に翻訳本ばかり読んでいた。チャンドラー然り、エラリークイーン然り。翻訳本は、読みつけていないと、読む力が弱くなってしまう気がすると常々思っていたけれど、著者の言を聞くに「わざと和っぽさを排除している」とのことで、読みにくい感じはなるほどそのせいか と思った。 翻訳者の苦悩を垣間見られて面白く読んだ。と同時に未読の本がたくさんあり、読んでみたいと思った。
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redlorry
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ローレンス・ブロック、マイクル・Z・リューインなどで好きな翻訳家の赤裸々な翻訳事情、楽しめた。
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Hotspur
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某ウェブサイトに連載された著者の連載コラムが元。著者の名前が記憶に残ったのは遅まきながらエルモア・レナード『ラブラバ』で、レナード常連の高見浩氏に遜色ない生き生きした翻訳に感心して以来。本書では、翻訳家としてのキャリアやその過程での交遊、翻訳に伴う苦労やその舞台裏の飾らない記述、誤訳の率直な報告、翻訳についての意見など、肩の凝らない内容で楽しめる。途中「誤訳の指摘というのは案外むずかしい」(178)という下りがあるが、本書に対する各種レビューの中でこの轍を踏んでるものを見ると、著者の指摘は全くごもっとも。
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Yuuki.
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自分の実力を、蔑んだ感じではなく面白おかしく謙遜し、周りの人たちのことは嫌味な雰囲気を感じさせずに敬意を表した文章が好印象。一度たりとも誤訳をしたことのない翻訳家などいないだろうし、ましてや今のようにネットで様々な情報が手に入れられる時代ではなければ尚更だろう。しかし、自分の誤訳を曝け出すのは恥ずかしい事だし、信用を失うのではないかと不安にもなると思う。だが、それを赤裸々に語ってくれている。その誤訳が生まれてしまった原因などまでしっかり書いてくれているので、とても勉強になる。
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Ajar
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翻訳に携わる者としては少しイライラしながら読んだ。翻訳に関すること以外に訳した本のあらすじや解説が大部分を占め、間延びした印象を受ける(翻訳に関する部分だけ飛ばし読み)翻訳バブル?エンタメバブルだったのかもしれないが、そもそも原語の能力が高くない、十分に理解できない人が翻訳するのは読者に対して失礼ではないか?今はインターネットが普及し、翻訳者にとっては調べものがしやすい時代ではあるが…
Ajar

同業者でも、日→対象言語の作文・会話が苦手な人もいるが、はっきり言ってそのレベルの人でも日本語が上手ならば翻訳家になれるのか? 翻訳は原語で受け取った・理解したイメージ・情景を読者が再現できるよう対象言語(大体は母語だと思うが)へリプロダクトしていく過程だが、両方の言語が達者でないと信頼されないのではないか。少なくとも私は読者としてそう思う。

09/25 22:33
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YOMIPITO
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ちょっとしたブックガイドのような気がして選択。 「偶然の旅行者」は映画でもいいから見たくなったな。 次は菊池光さんや東江一紀さんなど往年の翻訳者の話が読んでみたい気分。
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chisarunn
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主にマット・スカダーのミステリで大変お世話になっている田口俊樹氏のエッセイ。はっきり言ってそれ以外はほとんど読んでないのだが、翻訳ミステリはタイトルを知っているのも多くて、読みたい本が増えて困る。ところで自分はふだん、エッセイから名言を拾ったりしないのだが「さきが読めないこと、これはエンタメ小説では大切なことである」この言葉にはうなずけるものがあった。結果としてはなるべくハッピーエンドになってほしいが、そこに至る過程がバレバレでは興ざめである。どうなるの、これ!これがページをめくる原動力である。
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たらお
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チャイルド44で初めて田口さんの名を知り、その後、ドン・ウィンズロウの訳をしているのに気付き、気になる存在だった。翻訳を本業とする人の英語に対する感覚、仕事観を知りたくて読む。元々は高校の英語教師だったけど勉強不足を感じ、翻訳仕事もやってみたというのがきっかけ。奥さんも教師だったこともあり翻訳に仕事をシフト。仕事を続けてスラスラ読めるようになったかと言うと本人曰くそうでもないようで、速く読めないからこそ今までやって来られているのではないかと。翻訳者という職業や訳のこだわりに興味があれば面白い。
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KAZOO
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この筆者の田口さんの訳されたマット・スカダ―シリーズは昔から愛読しています。この本ではご自分の翻訳者としての経験を若いころからの翻訳された作品をもとに1回ごとに訳すのに苦労したあるいは勘違いをしたことなどをわかりやすく書かれています。一種の翻訳に関するエッセイのような感じです。もともとが翻訳者のネットワークに連載されたものだということだからなのでしょう。楽しめます。
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浜のU39
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面白い。クライストの「決闘」で、読んでも納得できない所があった。2、3冊訳文の同一箇所を読み比べ、漸く納得することがあった。田口さんの翻訳懺悔を読んで、如何に訳者が苦労しているのが分かった。誠実さが伝わってきた。
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まこ
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著者はエンタメ系の翻訳をやってきた思い出話。誤訳や訳し方が変わらなかったもマズいことだけど、なんか笑い話に昇華してる。訳したかった作品を訳せる喜びや先輩翻訳家への敬意、出版された時期にあった出来事。今までの事を踏まえてこれからどんな作品が出てくるんだろう。
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海星梨
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内容はそこまで…だけどお布施。印税でお孫さんに何かご購入ください。発達障害の二次障害で躁鬱を発症し、心療内科医とのソリと薬が合わない中、何もできない時に殺し屋ケラーさんに出会って、図書館を頼ってブロックの長編を全部読んだ。毎日本を読んでいたのに読めなくなって(当時は漫画さえストーリが追えなかった)、本を楽しく読める自分を思い出して社会復帰する活力に。十代だったけどスカダーさんに超共感して、彼に辛いことがあってもとにかく生きろと教えてもらった。今、ちゃんと生きてるのはブロック氏&田口さんのおかげです。
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みみみ
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外国の本を楽しく読めるのは、七転八倒する翻訳家の方々のおかげ。翻訳本を読んでいると時々、アレ?と思う所があるが、本筋に関係なければ良しとするということで。語尾変化ができない言葉(濡れそぼった等)は使わない、などが面白かった。
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Sam
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翻訳を意識しながら本を読むことはまずない。レビューにときどき「翻訳がよい」とか(偉そうに)書いたことがあるが、要は作品そのもののが気に入って、あとは「淀みなく読めたかどうか」くらいの判断基準だった。本書を読むといかに翻訳が難しいものか(当たり前だが)、訳者によってこれほとまでに表現が異なるものかがよーく分かるし、言われてみれば確かにボストン・テランやチャンドラーは翻訳者泣かせのような気がする。最近の素晴らしいウィンズロウ作品の数々は田口さんの翻訳だったのだな。軽妙な語り口と相俟って実に楽しい一冊。
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pohcho
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ベテラン翻訳家のエッセイ。田口さんのことは初めて知ったが、元は高校の英語の先生だったそう。知人が早川の編集者で、お試しに翻訳させてもらったところから始まって、以来翻訳家として四十年。人生何が起こるかわからないなあと思う。ネットのない時代の翻訳が大変だった話や、細かな誤訳はあるんだろうなと感じたが、単語の解釈によって加害者と被害者が逆転するというのには驚いた。英語に興味のある人は絶対に面白いと思う。おすすめ。
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satooko
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新聞書評で入手。名翻訳者は名エッセイストでもあることを再認識。全部ではないが、読んでいる作品も多く、久しぶりの読書再開にはぴったり。
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鹿ノ子
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田口さんの翻訳された作品は何作か読みましたが、特に「神は銃弾」「卵をめぐる祖父の戦争」がお気に入りです。外国語がまったくできない私のようなものが海外の作品を気軽に読めるのは翻訳者の方々のおかげ。こんなに頭を悩ませながら反省しながらお仕事してくださっていることに感謝しかありません。
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siomin
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翻訳者による翻訳の裏話。恥ずかしながらここに登場する翻訳書はほとんど読んだことがないので作品の内容がわからずそこはもったいなかったですが,翻訳者といえども訳せないところは多々あることや,出版業界の景気が良かった時代のことなど,読みどころはたくさんあります。当時のスラングなど,インターネットのない時代ではどうあがいてもわからないものですしね。
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しゅー
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★★著者にクセがあって、それが私の波長と合わなかった。内容は良いので、編集者も手を入れれば良いのに。言い訳と感傷がむき出しのエッセイは読むのがちと辛い。わかったのは①翻訳(特に小説?)の得手不得手と純粋な英語の能力は異なる②ネットがない時代の翻訳は難行苦行③ネイティブチェックは大事、という三点だ。最後の一点については、著者はマイクル▪Z▪リューインへ気軽に相談できる仲、とのことである。何ともうらやましい。ル▪カレは、やはり翻訳が超絶難しいようだ。取り上げられる小説が読書案内にもなっているのはうれしかった。
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かじ
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タイトルがいいよねえ。翻訳の裏側の本が、しかも田口氏のが! というわけで、著者の訳書には毎度楽しませていただいているので、その裏にどんな工夫や苦労があるのかとワクワクしつつ。ル・カレって原書もやっぱ難物なんだなぁと思うと、1回読んだだけでは理解しきれないことにも安心もする(笑)。訳者の読み比べまではなかなかできないので、比較の断片だけでも見られるのは面白い。ニュアンスや原作者が語らない真意をそれでも掘らねばならぬ。そう思うとものすごい労力の恩恵に我々読者は与っているのだな。足を向けて寝られません。
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risako
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「は」と「が」の使い分け:「が」は未知の主語、「は」は既知の主語につく(「昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました」)。「は」はやさしく提示し、「が」は鋭く提示する(井上ひさし氏?)。遠い昔に講座で聞いたことを思い出した。ル・カレにネイティブ未チェックのメールを送ったらどうやら機嫌を損ねたらしい(こんな英語を書く人間が自分の翻訳をすることに怒った?)というエピソードが怖かった。ネイティブチェック大事。
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M H
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書評七福神の単行本末尾の索引でその仕事量に驚愕したのが田口俊樹さん。40年に渡るキャリアを失敗談含めて赤裸々に披露していて笑ったりヒエッとなったり忙しい1冊。ル・カレブチ切れエピソードは怖すぎて…事なきを得て本当に良かった。もちろん訳文へのこだわりもしっかりと。こういうのを読むと、翻訳・出版されることがありがたく、読みにくいとか気軽に言うもんじゃないなと思う。言っちゃうけどね(笑)
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びっぐすとん
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図書館本。インターネット以前の翻訳家さんは大変だったな。今ならすぐに調べられて、恥をかいたり、後悔したりせずに済むのに。翻訳は日本語としてこなれてなくて読みにくいと思ってきたが、それは当然なのだ。なぜなら外国の話なのだから日本語でキレイに収まる訳し方では本来の雰囲気が伝わらないこともあるから。ストーリーとしての滑らかさをとるか原著の雰囲気をとるか、難しいね。残念ながら著者の訳した作品は1つも読んだことがない。翻訳とは会話力ともその言語での作文とも違う能力のようだ。翻訳なしでは外国作品を読めないから有難い。
びっぐすとん

日本語では普段二人称は家族でも使わないが、英語を話す時なら誰でもすんなりYOUが出るのは指示代名詞のように感じるからだと思う。相手にたいして「あなた」なのか「キミ」なのか「あんた」なのか悩むことがないからだ。逆に言えば翻訳者がどう読み取って訳すかによって作品の印象は大きく変わる。アントワネットが「わたくし」と言うか「わらわ」と言うか「あたい」と言うかで人物像は大きく変わる。名作になるか駄作になるかは翻訳者次第なのだ。翻訳の読み比べは翻訳者の感性、知性のほかに時代性も浮かび上がり面白い。

11/11 22:41
びっぐすとん

本来の言語通りに、というのもわかるが余りにもうまくいかないなら意訳もありだとおもう。accidental tourも私はこの内容なら「嫌々ツアー」ぐらいでいいんじゃないかなと思った。日本語で書かれた上司の文章すら理解不能な時もある。翻訳者は大変だ。

11/11 22:48
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せかいのはじめ
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この手の「翻訳にまつわる話の本」は、どんどん読みたくなる本、再読したくなる本が増えて困る。この本もレナードやケインなど再読したくなる本が増えて困った。文体が読みやすく楽しく読みすすめることができた。さて、読みたくなった本のリストはどうしたらいいのだろうか…
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たか厨
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ネタバレ2021年2月刊。筆者の単著を読むのは初めて。筆者は英米ミステリを中心に訳し続けて40年余りのキャリアを持つ翻訳家。その筆者が、過去に自分が翻訳を手掛けた書籍を俎上に上げて、当時の苦労などを回顧したエッセイ。筆者の訳書を、私は『刑事の誇り』『卵をめぐる祖父の戦争』、(筆者が金銭的に困窮して訳した)とある自己啓発本の計3冊だけしか読んでいないし、筆者の名前を、訳者として特に意識したこともないのだが、書名に惹かれて、本書を手に取った。(続)
たか厨

(承前)一番印象的だったのは、スパイ小説の大家ジョン・ル・カレの『パナマの仕立屋』の翻訳を担当した際、ル・カレへの質問と共に、個人的なメッセージを拙い英文で送ったら(翻訳家だから、英文を書くのも得意というわけではないそうだ)、その稚拙な英文が気難しいル・カレの逆鱗に触れたらしく、訳者降板の危機にさらされた話。やはり人の失敗談は面白いよね(オイオイ)。怒りを買った作家もいる一方で、著書の翻訳を通して、友好的な関係を結べた英米の作家もおり、他の著者の本の翻訳で分からないことがあったら、(続)

11/11 12:16
たか厨

(承前)その作家に相談しているというエピソードは微笑ましかった。筆者が翻訳した本が、その後、映画化され、その映像を観て初めて、誤訳に気づいたという話も面白かった。筆者も翻訳を手掛けた『郵便配達は二度ベルを鳴らす』には、現時点で、8種類の邦訳が存在しており、同じ英文をそれぞれがどう翻訳したかを比較した趣向にも、興をそそられた。筆者は自分が手掛けた訳書についての失敗談や誤訳を包み隠さず、明かしており、翻訳家という仕事の苦労の一端を垣間見られて、非常に興味深かった一冊。(終) 

11/11 12:17
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夜游の月
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翻訳ミステリーが好きな人なら面白いと思います。 そんな事まで書いて大丈夫なんですか?!というぐらいぶっちゃけてあります。 特にチャンドラーのところが面白かった。 当然ながら翻訳の勉強にもなります。
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ディプロドクス
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インターネットのない時代の翻訳の苦労の話は面白いですね。本の解説にもなっていて、ボストン・テラン「神は銃弾」を読んでみたいと思いました。 チャンドラーの短編「待っている」の新訳の話、訳者によって解釈が違うのがエキサイティングでした。
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honyomuhito
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大好きな作家ドン・ウィンズロウの最近の翻訳はこの本の著者 田口俊樹氏であることが多い。キャリア40年のベテラン翻訳者である。今のようにインターネットで何でも調べられるようになる前の翻訳は今よりもどれだけ難しいものなのか。ただ、その難しさがある意味の味わいを増すことがあるのではないか。英語のエキスパートであることよりも、何でもすぐに調べられる手段を持つことよりも、自分なりの言葉を持ち表現することに執着を持つことは翻訳家ごとの個性を生むのではないだろうか。
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浅西マサ
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翻訳界の重鎮である著者が自ら翻訳した作品をふりかえったエッセイ。恥ずかしながらこの著者の訳本はあまり読んだ事がなかったのだが、自虐と自慢のバランスとおとしどころがまるでよく出来た小咄のようで、テンポの心地よさですらすら読める。勿論テンポ以外にもこの筆者ならではの裏話の面白さもある。今さらだけど翻訳された神の銃弾とパナマの仕立て屋はこれから読む楽しみが増えました。そして筆者の盟友で早世した同業者の三川基好さんの思い出に心打たれ。三川さんの本もと調べたら、実はこちらは結構読んでおりましたとさ(スヌーピー本)
油すまし

浅西マサさんのレビューで三川さんがスヌーピーを翻訳されていたことを知り、読んでみました。ありがとうございました。

09/12 13:18
浅西マサ

油すましさん、お役にたてて何より、そして丁寧なお礼ありがとうございます。これもスヌーピーが結んでくれた縁ですかね😁

09/13 12:09
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tom
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田口さんの名前を知ったのは「卵をめぐる祖父の戦争」を読んだときだったと思う。それ以来、田口さんの翻訳本は安心して読んでいる。このこともあって、田口さんは若い翻訳者だと思っていた。ところが翻訳歴40年、私と同世代だったのだ。この本に登場する菊池光、深町真理子、小鷹信光などの皆さんは昔からお馴染み。なのに、どうして田口さんの名前だけが抜け落ちていたのだ。とても不思議です。いやはや失礼してしまいました。それにしても、翻訳の大変さ。翻訳者は、著者よりも深い所に潜っていって、著者が書いた世界を探るのだ。
0255文字
るみえーる
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40年間英米の翻訳ミステリーを中心に、せっせと日本語化してきた人の回顧録。過去の自分の翻訳作品を読み直して、これは今だったらこうは訳さないだろう、という反省・懺悔録でもあるけど、そんなに深刻なものではない。それでも最初の2ページ、文章のつなぎに曖昧な「が、」を使ってしまうのは、けっこういらいらするね。そんなの気にするの自分ぐらいなもんだろうけどね。ベテラン翻訳者がふたりも辞退した難テキストを手掛ける話とか、翻訳をする際に参考になる英文解釈のネタは少なめだけど、周辺のエピソードはどれも面白いです。
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Retsu H
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ローレンス・ブロックの翻訳でおなじみの著者の翻訳に関するエッセイ。インターネットが普及していなかった頃に固有名詞などを調べるには恥を忍んで聞きまくるしかなかった。誤訳が多い(自称)にしても自分の翻訳文体を作り上げた氏の作品はいろいろ選んで読みたくなる。
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猿吉君
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超ベテランで大好きな翻訳家さんのエッセイ、出てくる作品みんな読みたくなります!①マットスカダーシリーズやオルタードカーボンが好きなのでハマりました。②翻訳のミスについてはなるほどと思いますが言われなければ判らないので無問題。③数をこなすには下読みしてフィニッシュを自分で、とかもさらりと明かされてます。④他の翻訳家のエピソードが面白い。点数80/100→田口先生の事を知っている人ならかなり楽しめると思います。実は一度会議でお会いしたことがあるのですが、とても優しくジェントルマン、皆様の想像通りの方でした。
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ハスゴン
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もちろんミステリ好き特に翻訳ミステリを普段から読んでいる人ならば、絶対に作者の翻訳ミステリは読んでいるはずで、舞台裏をとても面白く読ませていただき、続編を読みたいと思う!だって翻訳ミステリを200冊以上訳されているのだから。
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