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女帝の古代王権史 (ちくま新書)

感想・レビュー
38

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うーさん
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(購入)読みやすくて、とても良かったです。女帝云々より、皇位継承のあり方って感じです。
0255文字
マサ
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タイトルに「女帝の…」とあるが、女帝に限らず古代王権がどのように継承されてきたかが語られている。系図をにらみながら何とか論を追おうとしたが、専門的な部分は理解したとは言い難い。豪族・群臣の合議・共立、妻問婚による母子の結びつき、近親婚など、驚きと目からうろこで古代の日本は興味深い。システム確立以前の実力本位の様相もすごいな。
0255文字
赤白黒
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我が国では双系的血統観と長老原理のもと女帝が多数即位したが、彼女らは決して単なる「中つぎ」ではなかったことを史料と先行研究を丁寧に読み解き論証する。記紀に先行する文献や出土史料では、皇族はみな「みこ」と呼称されているという。男女で呼称が同じということは社会的に区別する必要がなかったことを示しているわけで、中国(=父系社会)的に漢文表記された史料から描き出された姿と実態は、現代人が想像する以上に異なるものだったのではないか。こと女性史に関しては、まだまだ未解明の分野が多そう。古代史の新たな可能性を感じた。
赤白黒

先日の『桓武天皇』との関係で言えば、このような双系的親族結合社会を根底からひっくり返したのが桓武天皇と言えるんだろうなあ。

09/04 00:30
赤白黒

本書で著者は太宗から善徳女王への「女主忌避」言説が『冊府元亀』の潤色であることを看破しているが、これまで誰も指摘しなかったのだろうか。このような思い込みは掘れば他にもわんさか出てきそうだ。

09/04 01:02
0255文字
ahoj
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兄弟相続から親子相続への変遷について、持統天皇の働きが大きかったことが、もっと知られてもよいと思う。
0255文字
hr
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通史としての日本の女帝像がくっきり捉えられるようになった心持ちがする。子どもの頃からの思い込みや、俄か知識が、自分の中にたくさんあることを突きつけられた。それを粉砕したり、引き返すために柔らかくしてもらった感じ。
0255文字
源義
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メモ p039 「倭王についても、中国側史書に記載されない女の王がいた可能性を、イヒトヨの伝承は示唆する。」←これは証明できない p052「(男子優先の傾向を伴いつつ)同世代の男女が即位した。」←()の中をもっと詳しく!むしろ大平聡「女帝・皇后・近親婚」に書いてあるのか? p192「世代内男女長老による統治から、長老女性による年少男性育成へのシフト」 p204「この時点(珂瑠から阿倍)までの立太子はいずれも、従来の慣行をくつがえす強引な手法として使われた」 p206「持統─阿閇=元明─元正─光明」
0255文字
のぶさん
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飛鳥~奈良時代に集中する女性天皇は中継ぎとされてきたが、有力者が群臣の推戴を受けて天皇になるという当時の慣習を考えると中継ぎではなく、実力があってのこと。また、少し論点は変わるが、男子直系の中で天皇位が継承されるのではなく、女系も含めた(双系の)中から後継者を選ぶことが重要視されたこと。これまでの固定観念を否定する面白い論点だった。
0255文字
shimashimaon
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卑弥呼から孝謙・称徳まで古代女帝の成立過程と役割を描きます。古代王権は万世一系ではなく男系男子世襲という伝統もなかった。王位は複数の王系から豪族の推戴によって選出された。『魏誌』や漢文で書かれた『日本書紀』を中国王朝の男子世襲を前提とせずに読むことで、双系的親族構造と長老原理による天皇の選出、そしてそこに女性がいたことが(男性への中継ぎではなく)自然なことと理解できます。やがて世襲王権が成立すると正統な王統による世代間継承を創出するための壮絶な権力闘争が繰り広げられる。永井路子氏の小説に思いを馳せます。
0255文字
JR関内駅より徒歩2分 ☆ 永遠番長
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「「中つぎ」説は男系皇位継承が法制化された明治に生まれ、一九六〇年代に学説として確立した」、未だに女帝中継ぎ説を唱える書籍には、この部分に関してだけでも見解が聞きたい。本書に著された持統天皇の即位から治世に関する記述が、なかつぎ論が成立した時代・1965年刊行の直木孝次郎氏の日本の歴史2-古代国家の成立-と近いことに驚いた。直木氏は女帝を中つぎとしながらも、特に持統天皇を「緩急よろしきをえたみごとな政治ぶり」と非常に高く評価しておられた。優れた研究者はやはり見る目が違うということだろうか。
0255文字
転天堂
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日本古代王権と女性史という、筆者が別に取り組んできたテーマをうまく組み合わせた好著である。父系・母系の双系継承及び群臣による推挙という王位継承システムから、血縁関係にある二者の共治体制を経て摂関政治につながる父系継承システムへ移行していく過程は説得力がある。この流れからすると、重祚した女帝が飛鳥時代・奈良時代に誕生した経緯も納得できる。
0255文字
新父帰る
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2021月3月刊。日本における女帝の総数は10代8人。古代が8代6人。近世が2代2人。ここで検討されているのは古代の女帝である。従来、古代の女帝は父系直系継承を支えるための「中継ぎ」と見做されていたが、著者はこの中継ぎ論を真っ向から否定して論を進めたのが本書である。この論拠となるのが、世襲王権の成立を6世紀前半の継体(26代)~欽明(29代)以降とするのが現在の通説で、その継承も双系的血統観を基本として熟年の男女がそれぞれ王位に就いたとする。父系原理/男系継承は7世紀末~8世紀初から徐々に定着していった。
0255文字
百式改(公論サポーター東海)
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老齢の女帝が若年の男帝を育てるって、一部のカルト集団がヒステリー起こしそう。 古代史を虚心坦懐に眺めれば、女帝は単なる中継ぎだったなどとは言えないはずだが、男尊女卑に脳髄まで侵されていては読み取れないだろう。
0255文字
JR関内駅より徒歩2分 ☆ 永遠番長
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物凄い本を読んでしまった!とても良かったです!!古代史観が一変する、古代王権史研究の一つの到達点。詳細な史料分析と最新研究のもと、女帝を通して古代の王位継承の変遷が理路整然と語られている。古代の日中韓のある一時代に女帝が集中している、という指摘には目を開かされる思い。性別不問の「双系」には驚いたが、謎とされる中大兄の長い称制や、政変で内親王の処断にほぼ死罪から不問まで落差がありすぎること等々がすっきりする。邪馬台国と大和政権の繋がりにさらっと言及していてびっくり。最後の一行が素晴らしかった。
JR関内駅より徒歩2分 ☆ 永遠番長

日本でも有名な(ちくま新書の古代史講義シリーズにも紹介されている)玄宗皇帝の女王忌避言説(玄宗皇帝が善徳女王にケチを付け内政干渉しようとした)は同時代史料では一切確認できず、実は後世の創作だったという話には顎が外れるほどおどろきました。

09/02 23:10
0255文字
にゃーご松崎
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古代日本、部族の王たちの合議により倭王は選任され「み印」奉呈の後即位したという。双系社会であった為、男女問わず人物、能力本位の選出であり非万世一系だった。双系と言っても7世紀頃までは母系のくくりが強かった事が『古事記』娶生系譜の敏達の例で示される。敏達キサキの額田部後の推古が蘇我馬子と協働し王権を担った背景には彼女の母が蘇我の出で、その宮で幼い頃から気心が通じていたなど耳新しい。皇極世の乙巳の変と史上初の弟への生前譲位によって古代様式は後退し王権を拡大させたが律令国家へ向かうにつれ父系が本流となるのだ。
0255文字
星辺気楽
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古代の方が現代よりも女性の力は偉大であった。
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やいっち
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本書の内容は、「卑弥呼、推古、持統…、古代の女性統治者/女帝はどのような存在だったのか。かつては「中つぎ」に過ぎないと考えられていたが、この四半世紀に研究が大きく進み、皇位継承は女系と男系の双方を含む「双系」的にものだったことがわかった。七世紀まで、天皇には女系の要素も組み込まれていたのだ。古代王権史の流れを一望し、日本人の女帝像、ひいては男系の万世一系という天皇像を完全に書き換える、第一人者による決定版」に尽きる。
やいっち

にゃーご松崎さん ある意味、日本の社会や政治の今後の在り方に関わる大事な案件。下手すると憲法改質に匹敵する重みを持つ。大切なのは一部の専門家や政治家に委ねるのじゃなく、広範な意見を問うこと。

05/04 11:40
やいっち

男系を維持するには、早晩、妻以外に妾も必要になる。江戸時代、武家はお家の存続に何人もの妾が必要だった。

05/07 00:44
5件のコメントを全て見る
0255文字
月猫夕霧/いのうえそう
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「性差の日本史」で参考文献に上がっていたので読みました。なるほど、元々家の概念に男女の区別が無く、一族で有能な人がトップに立つというやり方で有れば、女帝がこの時期に集中するのも納得ですし、中継ぎだったら推古帝が死ぬまで35年もやるわけないじゃんと前から思ってた疑問も解消しました。男系になっていったのは当時の国際的スタンダードに合わせたからというのも納得性が高いです。にしても古代史は、ここ30年ほどで色々な分野で常識が変化しているなぁと改めて感じます。
0255文字
penguin
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図書館。 古代における女帝の意義を再検討し、見直すことで浮かび上がる古代日本の姿が興味深く、刺激的な一冊でした。古代日本の王権継承が男系だけでなく母系も同列で扱われていた双系であること、性別関係なく年長者が群臣から選択され王となること。それがら、隋唐の影響を受け徐々に男系の嫡子継承となっていく過程であったのが、記紀の読み解きと発掘調査の成果から追っていくのも刺激的でした。 これを踏まえて永井路子『美貌の女帝』読み返したいです。
0255文字
showono
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あとがきによれば、著者が古代女帝研究に着手したのは、『岩波講座 天皇と王権を考える』からのオファーを受けた、それ以来のことであるという(『ジェンダーと差別』、2002年刊)。この講座7巻の編者代表は安丸良夫であったが、本書著者の義江は古代史研究者で、専門を異にする安丸の議論をどうみているのかが、ふと気になるところなのだった。
0255文字
(k・o・n)b
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男性史観・皇国史観の影響から今の天皇制が変わらず太古から続いてきたと考えてしまい女帝の存在もその流れの中で評価されがちだが、そんな凝り固まった思考をほぐしてくれる感じが読んでいて痺れた。これぞ読書の醍醐味だなー。群臣による共立という側面が強かった時代は同年代の実力者であれば男女を問わず擁立され推古の即位に繋がった。斉明=皇極の時代からは世襲の要素が濃くなり、高齢女性が若い男性を補佐するパターンが続いた。女帝の即位や重祚という例がなぜ古代のこの時期に集中したのか、王権の成立過程と併せて考えると納得感がある。
0255文字
南北
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推古天皇から称徳天皇までの女帝は男帝が即位するまでの「中継ぎ」とされてきた見解を批判した本です。女帝にも政治的な実力がある場合が多く、譲位後も政治的な関与を行ってきた場合があるとする見解は興味深く感じました。こうした点を双系社会という用語で捉えようとしていますが、いくつか疑問点が残りました。例えば母方の祖母の父が天皇の場合「女系」としていますが、母方をたどって女性天皇に行きつく場合が女系ですので、違和感が残りました。
南北

その他通説ではありますが、蘇我蝦夷が田村皇子(のちの舒明天皇)を支持したとする説を採用していますが、舒明天皇即位前紀を先入観なしに読めば、山背大兄王を支持していたとする味方も可能です。すくなくとも舒明天皇と蝦夷の関係がギクシャクしたものであったことから考えても、通説には誤解があると思います。

09/25 10:28
0255文字
RuiRui
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記紀の表記も史料批判の対象として、慧眼で切り込んでいく様はおもしろいし、さすが専門家だなと。勝者・強者の一面的な歴史でもある、男性史観、あるいは明治以降の皇国史観によってつくられた系譜では、埋もれてしまった女帝というのも少なからず存在しそう、と感じるのはワクワクする。ただ、(本から派生話として)現代の天皇は政治的統治者じゃないし、そのまま現代の話に持ってくるのは乱暴な気もする。万世一系は盛りすぎにしてもそれなりに続いてきた、という歴史的事実は評価してもいい気はする。立憲君主のかたち、の議論の必要性。
0255文字
Gen  Kato
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「埋葬人骨および副葬品の考古学的分析によって、弥生後期から古墳前期には列島各地に男女の首長がいたこと、女性首長の割合は三割から五割であることがわかっている」…恥ずかしながら知りませんでした。そうなら日本古代史、だいぶ見方が変わるんじゃないだろうか。「中継ぎ」女帝って考えは以前から納得できなかったので、本当に今後も古代の解明が進むといいな。
0255文字
siomin
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昨今は女帝についての議論がありますが、そこに一石を投じるのではないかと思わせる一冊です。天皇は男系の万世一系で女性天皇は男性天皇の「中継ぎ」にしか過ぎなかったとされますが、推古天皇から称徳天皇までならば、双系相続のなかで長老の年代にあたる候補がいるならば女性でも問題なく天皇になれる時代であった。いまの伝統が昔からずっと続いていたという危険性を再認識できます。日本の史料も海外の史料も突き合わせ、批判的に徹底的に分析して記述しているさまは、読みごたえがありました。
0255文字
ばたやん@かみがた
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「元始女性は太陽であった」は、平塚らいてうの言ですが、その言葉の様に古代日本では、女性首長も当たり前で皇室(大王家)での表れが女帝だった事を解き明かします。この時代、男女双方の系統継承が重視された他、40代以上の熟年になってから漸く共同体リーダーに擁立される「長老原理」が支配的で、同一世代内における男女問わない実力者が群臣に推戴されるのが自然であり、男系の嫡子承継が例外的(蘇我本宗家)だったことが示されるのです。その際、文献のみならず古墳、宮や寺の跡、建物の配置などに関する考古学も含めた(1/3)
ばたやん@かみがた

最新の研究成果が縦横に用いられており飽きさせることがありません。/そして、推古、皇極・斉明、持統と言った名だたる女帝たちの事績が振り返られ再評価されるのも、本書の読み所でしょう。その際、彼女たちが従来言われてきた「中継ぎ」の存在とする「偏見」は完全に拭い去られ、それぞれが時代の要請に応じて自分の狙いを持って群臣たちと相携え、時に競争者としてライヴァルに非情の決断をする主体性ある存在だったことが明らかになります。/一方でしかし、この幼い男帝を擁し皇族の長老として実力を振るう女帝システムは、(2/3)

08/22 20:28
ばたやん@かみがた

中国から入って来た父系理念による血統承継との折衷であったことが明らかになります。臣下には男性中心による官制を強いそれによる官僚制が完成して来るに従い、双系に基づく君主制を維持するのは矛盾だったでしょう。特に、元明、元正、光明、孝謙・称徳と時代を過ぎるごとに、皇位承継についての合理化が強引かつ独善的になり、また皇統を先細りさせる方向でしか作用しなかった点、群臣の支持を得られず持続性のあるものになり得なかったと思います。しかしながら、王権と臣下の関係の変遷を考えさせる等、広く目配りされた本です。(3/3)

08/22 20:31
0255文字
artgrape
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古代の女帝(推古から称徳)は男性天皇の中継ぎでしかなかった、という通説を見事にひっくり返す好著。男性による万世一系という現代からの視点で歴史をみるのではなく、当時の社会のありかた(日本は双系社会)から天皇制を照射するという方法が、「言われてみればそうだよね」という当然のことを気付かせてくれる。この「言われてみれば当然」を気付かせるのは、実はすごく大変なことだ。本書の内容はもちろん、歴史研究の方法論について学びたい人にもおすすめ。
0255文字
レフラー
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解像度アップ。 これまで読んできたものが再度俯瞰できた。 今のところ納得感しかない。
0255文字
Teo
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女帝は決して単なる中継ぎではなかったと言う論。確かに時代をずっと遡ると皇位は兄弟間での継承が多い。つまるところ一定程度の成年になって統治が行える人間が皇位を継ぐと言う仕組み。そこから女性も排除されず同じ役割で継承したとの話だ。だが例に出された持統天皇以降は別の見方をした場合に持統が愛息草壁の男子系統に皇位を継がせようとの執念で自分はもとより元明・元正がそれに応えたとも見られるのではないか。
0255文字
akamurasaki
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古代に集中して登場する女帝について、従来の定説である「中継ぎ」ではなく、双系相続社会という日本の伝統に基づいた天皇一族の「長老」としての自然な即位であったと説かれていて、長年古代女帝について感じていた違和感がすっと解け、すとんと腑に落ちました。奈良時代に女帝が次々登場したのも、藤原氏が推し進めた父系相続への抵抗と考えると、今まで傀儡のように思われていた女帝たちが急に頼もしく感じました。
0255文字
amiura
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最後まで読んでから、おかざき真里『阿吽』と年代がかぶっていることに気づく。あちらの作品では朝廷がやけにどろどろしていると思っていたが、これほど大きな政治体制の転換期に当たっていたのだから当然か。両方あわせて読むと、今まで考えていたのとは違う古代日本の政治像が見えてくる。
0255文字
都忘れ
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これまで、古代に何人か出現した女帝はあくまで中継ぎ的なものだったという教育を受けてきたように思う。本書によれば日本の古代社会は当時の中国とは異なる双系社会で長老原理の下、統治されていたという。武則天や新羅の善徳・真徳など当時の東アジアにも言及しつつ、日本の古代社会では能力のある熟年の人物が豪族の推戴を受けて即位したことが読み解かれて読み応えがあった。また、のちの統治者による後付け的な男系正当化の流れにも言及されて興味深かった。
0255文字
きおくあたま
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八代六人の古代の女性天皇を中心に王権の歴史を紐解く。決して中つぎなどではない女帝像に光を当てながら、当時の権力争いや権威の正当性の根拠、それらの考え方の変遷などを明快に論じている。天皇を中心とした古代史がやや硬めの文章を通して生き生きと伝わってきた。
0255文字
とうみん
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双系長老原理から男系嫡子原理への移行期に誕生した太上天皇制度及び、長老女性としての女帝について。男系だけで考えると謎だった孝徳天皇の即位根拠も、譲位した皇極女帝との姉弟共同統治と考えれば腑に落ちる気がする。それにしても大宝令に(本注ではあるが)女帝の子を天皇の子と同等とみなす条文があるとは知らなかった。男系相続が既に確立された現代から見ると画期的に見えるが、当時は持統太上天皇も存命であり、女帝出現が常態化した時代において、その子供の身分を明文化しておく必要があるのは当たり前か。
とうみん

太上天皇と天皇の共治は男系嫡子原理が定着した後も摂関政治や院政へと繋がっていく訳だけど、その制度の成立には女帝が関わっているのが面白い。

04/26 21:50
とうみん

(追記)やっぱり文武天皇に皇后がいないのが気になるなぁ。文武、聖武は皇女のキサキが見当たらないんだよなぁ。

10/06 01:23
0255文字
Go Extreme
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古代双系社会の中で女帝を考える:女帝は例外か普遍か 双系社会と長老原理 見のが 倭五王と将軍号 伝承のイヒトヨ 世襲王権の成立:婚姻と血統の重視 世代原理と即位年齢 キサキと大兄 王権の自律化をめざして 推古─王族長老女性の即位:群臣の推戴を受けて 仏法興隆と遣隋使派遣 蘇我系王統のゆくえ 皇極=斉明─皇祖観の形成 初の譲位 飛鳥の儀礼空間 双系的な皇祖観 皇后の成立 即位儀の転換 譲位制の確立と太上天皇 父系社会への傾斜:元明・元正 孝謙=称徳 国母と摂関の時代へ向けて
0255文字
はちめ
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著者は天皇の系統が男系であることを否定しているのではないと思う。古代に出現した女帝は中継ぎとして臨時的埋め合わせ的に選ばれたのではなく、統治に関する実力、血統など天皇としての能力に基づいて天皇となったと主張しているのだと思う。群臣に推挙されるにしても、自ら後継を指定するにしても、その時代において最も天皇として相応しいからこそ天皇になったのだと。 著者は後書きで現在の皇位継承問題には与しないと書いているが、当然メッセージとしては女性天皇ということが出てくると思う。☆☆☆☆
0255文字
眉毛ごもら
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女帝の立ち位置について。古代の女帝は中継ぎにしか過ぎぬというのが否定されて久しいがガッツリ史料批判を重ねた良い本が出たなと。古墳時代に当たる時期の埋葬者が女性の割合が半分ほど多かったことや男性とともに政治に参与していたことを示すものも中国の史書から多いとのこと。男女ともに政治をしていたからこそ壮年に達した皇族のキサキが実績を鑑みて豪族の推戴を受けて即位したというのは納得の行く話である。なお、持統らが作っていった律令とともに入ってきた男系優位の考えによって女帝の価値が下がり消えるのはなかなかの皮肉である。
0255文字
nagoyan
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優。日本(倭)の古代王権は父系母系の双系社会であり、また、統治者として求められる資質は長老であったとする。ここから、文献を当時の政治情勢に照らして虚心坦懐に読み解くことにより、後代(特に近代)に成立した視点から自由に女帝の姿を捉える。それは、「中継ぎ」などではなく、まさに統治する王者としての女帝の姿である。武則天や善徳・真徳など東アジア全体にも目を配り、推古、皇極=斉明、持統、元明・元正、孝謙=称徳、という女帝の流れが、形を変えて藤原明子皇太后の後宮支配を通じて摂関政治へと結びついていく流れを骨太に描く。
0255文字
さとうしん
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『つくられた卑弥呼』の続考。推古~孝謙・聖徳を中心に、古代の女帝が男系継承を前提とした中継ぎというような軽い存在ではなかったこと、古代の皇位継承が族内婚を前提とした男女双系的なものであり、長老女性と年少男性による共治がパターン化しつつあったこと、草壁が皇太子であったというのは後付け的な理解であることなどを論じ、天皇位について男系継承とは別の伝統があり得たことを示している。
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女帝の古代王権史 (ちくま新書)評価80感想・レビュー38